光りの大空
「ねぇ、恭弥」
「何?」
「俺がマフィアの10代目になる事、話したでしょ」
「うん」
「恭弥さえ良かったらで良いんだけど俺の守護者にならない?」
「守護者?何それ?」
「恭弥は死ぬ気の炎。雲の波動が流れていると思うんだ」
「死ぬ気の炎?綱吉が使う炎の事かい?」
「うん。雲の守護者は何者にも囚われなく我が道を行く孤高の浮雲。守護者だからと言って縛る積もりはないよ。俺が間違った道に行こうとしたら止めて欲しいんだ」
「なるほどね。今さら綱吉達から離れる気はないよ。良いよ。その守護者とやらになってあげるよ」
「ありがとう恭弥」
綱吉は笑う、だけど昔見たいな笑顔ではなかった。
そして綱吉が知らない所でリボーンはある人物を日本に呼んでいた。
それから3日が立ち、1年A組に1人の転校生が来る。
「今日からこのクラスに転校生が来る。キミ入りなさい」
先生に呼ばれ入ってきたのは制服を崩しアクセサリーを大量に付けていた。
「イタリアに留学していた、転入生の獄寺隼人君だ」
「ちょ…ちょっとカッコよくない!」
「帰国子女だって」
「……イタリア」
ギロ!
獄寺は綱吉を睨みながら歩いて来る。
「獄寺君の席はあそこの……」
ズン!ズン!
「はぁ~」
ガン!
獄寺は綱吉の机を下から蹴りあげるが綱吉は机を抑える。
「チッ!」
獄寺は仕方なく空いてある席に座る。
「たく、なんなんだ……」
そして放課後、綱吉と律都は帰ろうとした時、獄寺に呼び止められる。
「沢田兄、ちょっと来て貰おうか」
「何?」
「良いから来い」
獄寺はそう言って歩いて行き、綱吉と律都は仕方なくなくついて行く。
「俺はお前を認めねぇ!!10代目にふさわしいのはこの俺だぁ!」
「……………」
獄寺はそう言ってダイナマイトを綱吉に向けて投げるがそれをリボーンは一発の銃の弾で消す。
「早かったな、獄寺隼人」
「知り合い?」
「イタリアから呼び出したファミリーの一員だ」
「……………」
「アンタが9代目がもっとも信頼する殺し屋リボーンか?」
「そうだぞ」
「沢田を倒せば俺が10代目内定だと本当か?」
「あぁ、本当だぞ」
「はぁ……」
綱吉は何となく気付く、リボーンは自分の力を見ようとしている事を。
しかし綱吉はまだリボーンを信用してはいなかった。
「それじゃ、殺し再開な」
綱吉はめんどくさくそうに獄寺を見る。
律都はとりあえずリボーンから離れたら所に移動する。
「………………」
獄寺は大量にタバコに火をつけ、大量のダイナマイトに火をつけ綱吉に投げる。
綱吉はそれをすべてよける。
「なっ!」
「ほう……」
綱吉はそのまま走り出し、それを獄寺は追いかける。
そして綱吉は目的の水道まで走り丁度、蛇口にホースがついていて綱吉はホースを持ち水を出し獄寺に向け水をかける。
「なっ!」
「…考えたな」
「ダイナマイトは水に浸かったらもう使えない。」
「っ…?!まだだぁ!」
獄寺はビニール袋に包まれていたタバコとダイナマイトを取り出す。
「3倍ボム!」
しかしダイナマイトは獄寺の手からこぼれ落ちて行く。
「しまっ!(ジ・エンド・オブ・俺)」
「はぁ……」
綱吉は未だに水が出ているホースでダイナマイトの火を消す。
「御見逸れしました!!貴方こそ10代目に相応しい!」
「負けた奴は勝った奴の下につくのがファミリーの掟だ」
「俺は最初から10代目になる気はありませんでした。ただ、10代目が俺と同い年でどうしても実力が知りたかったんです。スミマセンでした!!」
獄寺はそう言って綱吉に頭を下げる。
「リボーン、俺の実力を知りたいからって今度、こんな事したら部屋を追い出すからな」
綱吉はそう言ってリボーンを見る。
「…分かったぞ」
「律矢、家に帰るよ」
「…うん」
「そうだ、獄寺君。これ」
「えっ?」
綱吉はカバンからバスタオルを取り出し獄寺は渡す。
「悪気はなかったけど塗らしたのは俺だから使って」
「っ……!ありがとうございます!」
綱吉は律都の手を握り歩いて帰ってしまった。
「リボーンさん、1つ聞いても良いすか?」
「なんだ?」
「沢田律矢は10代目の弟なんですよね?」
「あぁ、そうだぞ。獄寺、律矢には手を出すな。ツナは律矢が傷つくのを嫌う」
「分かりました」
それから3日後が立ち。
「先日やったテストを返す。名前を呼ばれたら取りに来るように」
生徒達は名前を呼ばれ取りに行く。
そして綱吉の名前が呼ばれる。
「あくまで仮定の話しだが……唯一20点台をとって平均点を著しく下げた生徒が居るとしよう」
「……………」
「エリートコースを歩んで来た私が推測するにそういう奴は学歴社会において足を引っ張るお荷物にしかならない」
「……………」
根津はテスト用紙をわざと点数が見えるようにする。
「チッ!」
それを見た生徒達の笑い声が聞こえて来る。
綱吉はテスト用紙を受け取り席に座り、根津は次々生徒達の名前を呼んで行く。
ガラッ!
「コラ!遅刻だぞ!!今ごろ登校して来るとはどういう事だ!」
「あ゛あ゛!?」
「うっ!」
「やっぱ、こえーよ。アイツ」
「上級生をしめ返したって話しだぜ」
ズン!ズン!ズン!
「おはようございます!10代目!」
「おはよう、獄寺君」
「あくまで仮定の話しだが平気で遅刻して来る生徒が居るとしよう。そいつは間違いなく落ちこぼれのクズとつるんで居る。なぜなら類は友を呼ぶと言う」
「(それって俺の事だよな)」
「おい、おっさん」
「?!」
「10代目沢田さんへの侮辱はゆるさねぇ!!!」
「!!!」
獄寺は根津の首元をつかみ締め上げる。
「あくまで仮定の話しだと言っ…た筈……だ…ガバッ」
「10代目、落とします?こいつ」
獄寺はニカッと笑いこっちを見る。
「…とりあえず、離してあげなよ」
「分かりました」
綱吉達は校長室に呼ばれていた。
「キサマら退学だぁ!」
「落ち着きたまえ根津君」
「これが落ち着ていられるかぁ!私に暴力を振るったのですぞ!」
「………………」
「連帯責任として沢田共々即刻退学すべきだ!」
「(何で俺まで……)」
綱吉は顔を顰める。
「しかしいきなり退学に決定するのは早計かと……」
「では猶予を与えれば良いのですな」
「は?」
「確か校長。15年前にグランドに埋めたまま見つからないタイムカプセルの発掘を業者に委託する予定だとか」
「あ、あぁ。それが何が?」
「それをこいつらにやらせましょう。今日中に15年前のタイムカプセルを掘り出せば今回の件は水に流してやる……だが出来なかったら即退学だぁ!」
綱吉は顔を顰め、校長室を出て行き、綱吉は後ろにいる獄寺を見る。
「……獄寺君。今から言う所を掘って来て欲しいんだけど良いかな?」
「勿論です!何処ですか?」
綱吉は校庭の右の方にある木の下を教える。
「10代目はどうするんですか?」
「うん、ちょっと調べたい事があるんだ。じゃ、宜しくね」
綱吉はそのまま歩いて行ってしまう。
獄寺は綱吉に言われた場所に向かう。
そして綱吉は応接室に向かう。
ガチャ!
「どうしたんだい。綱吉?」
「あぁ、うん。ちょっと調べたい事があってね」
「…綱吉」
「大丈夫だよ、律都」
綱吉は応接室に自分専用スペースを持っていて、そこには3台のパソコンが置いてあり、綱吉しか起動する事が出来ない。
もちろん雲雀も触らない。
もしも誰かが触れば綱吉に制裁されてしまう。
「クスクス、俺を怒らせたのが悪いんだよ。後悔されてあげるよ……」
綱吉はパソコンのスイッチを入れ、キーボードを操作していく。
「一体、何処の誰だい…綱吉を怒らせたのは?」
「理科の教師。根津銅八郎」
「あぁ、そんな教師いたね」
1時間後、綱吉はパソコンのスイッチを切り、ニヤリと笑う。
「クスクス、何がエリート教師何だか。5流大学じゃん」
「どういう事、綱吉?」
「根津銅八郎はこの並中の卒業生で高校も公立高校。大学は5流大学。そしてこれは学歴詐称の証拠」
「なにそれ、僕の学校にそんな奴がいるの?」
「前から気に入らなかったんだよ。クラス全員に個人情報をバラすし、暴言を言ったりして。俺をクズ呼ばりするから悪いんだよ」
「そいつは馬鹿だね。大体、綱吉はこの学校の1番の生徒なのに」
「まぁ、普段からテストは2枚受けているから、担任の教師しか知らないから。俺の成績は」
「口止めはしてあるからね」
「さて、ちょっと行って来るよ。恭弥、10分後に校長室に来て根津を解雇処分にして欲しいんだ」
「勿論だよ。僕の学校にはそんな教師はいらないよ」
「じゃ、宜しくね」
綱吉は証拠を持ち出て行き、獄寺を探し出して合流し校長室に向かう。
「校長先生、これを」
「これは?」
「あくまで仮定の話しですが、理科の教師が学歴詐称しているとしてその教師はどうするんですか?」
「?!」
「なっ!」
校長は綱吉に渡された証拠に目を通して行く。
そして顔を青くする。
「10代目に言われた場所に行き、掘ったら40年前のタイムカプセルが出て来たぜ。何でエリートコースのお前のテストが平凡なうちの中学のタイムカプセルに入っているんだ?しかもこの点数…んだコリャ!」
「そ…それは?!」
「行こう。獄寺君。俺達はこれで……さようなら。もう会う事は無いでしょう」
綱吉達は校長室を出て行き、歩いているとリボーンが出て来る。
「ツナ、校長に何を渡したんだ?」
「あれは、根津のこれまでの学歴の詐称の証拠とこれまでの学歴が記してある物」
「何故、お前がそんな物持っている?」
「……秘密だよ」
綱吉はニヤリと笑い歩いて行く。
「10代目に言われた場所を掘ったら根津の奴のテストが出て来たんです」
「何だと?」
そして綱吉達が出て行って数分後に雲雀が校長室に現れる。
「根津銅八郎。学歴詐称の罪で逮捕!という事で解雇する。僕の並中にはキミはいらない。そして綱吉を怒らせたのが悪かったね!キミを咬み殺す!」
雲雀はニヤリと笑いトンファーを取りだし根津を咬み殺す。
「ギャアァ―――――!」
こうして根津銅八郎は雲雀に容赦なく咬み殺され学校を追い出された。
そして次の日…体育の授業後。
「おめーのせーだぞ、ダメツナ!」
「だからチームに入れたくなかったんだ!」
「トンボかけひとりでやれよ!」
「はぁ……」
「綱吉、手伝う」
「ありがとう、律矢さっさと終わらせて帰ろうか」
「うん」
「助っ人、とーじょーっ!」
「山本?」
「手伝うぜ」
「どうして?」
「クラスメートだろう。それに俺、じつはお前に赤マルつけているんだ」
「何で?」
「最近、色々とスゲーだろ」
「そんな事はないよ」
「いや、スゲーよ。それに引き換え俺なんて馬鹿の一つ覚え見たいに野球しかやってねーや」
「山本の野球センスは凄いよ」
「それはどーも。でも最近、色々上手くいかねんだ」
「………………」
綱吉は山本の身体を触り始める。
「さ、沢田?!」
「じっとして」
「っ……?!」
綱吉は隅々まで山本の身体を調べる。
「1週間」
「えっ?」
「1週間、身体を休めるんだ。練習のし過ぎて身体が悲鳴をあげてる。このまま練習をしたら確実に身体が壊れる。だから1週間は身体を休ませてあげるんだ」
「でもよ!」
「良いね、じゃないと本当に壊れるよ」
「綱吉、終わったから帰ろう」
「うん、律矢。山本、約束だよ。1週間身体を休ませてね」
「………………」
綱吉達は山本を残して家に帰って行く。
「ツナ、良く分かったな。山本が身体を酷使している事を」
「まぁ、なんとなくね」
しかし山本は綱吉に言われたのに練習をして身体を壊してしまう。
綱吉達は学校に行き、教室で授業の準備をしていた。
「おい!大変だ!山本が屋上から飛び下りようとして居る!!!」
エエー!!!
「……………」
「山本ってうちのクラスの?」
「アイツが?ありえねーだろ」
「言っていい冗談と悪い冗談があるわよ!」
「それが昨日、残って練習して腕を骨折したらしんだ!」
「だから、言ってのに」
「とにかく屋上に行こうぜ!」
「おう!」
クラスメート達は教室を出て行き残ったのは綱吉と律都の2人だけだ。
「はぁ……行こうか」
「うん」
屋上に行くと生徒達が山本を説得をしていた。
「山本、やめるんだ!」
「そうだよ、山本!」
「へへっわりーけどそーでもねーんだ。野球の神さんに見捨てられたら俺にはなーんも残ってないんだ」
「まさか………」
「本気!!」
綱吉達は生徒達の前に出て行く。
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