光りの大空



「さぁ、そろそろ入学式が始まるわ。移動しましょう?」
「うん、葎矢行こう?」
「うん」

 綱吉と律都は手を握りながら歩いて行く。
 そんな2人を雲雀と奈々は見つめる。

「ツッ君、本当にリッちゃんの事を大切にしているのよね。何処に行くにも必ずリッちゃんを連れて行くもの。」
「そうだね……綱吉は笑う事が少なくなった」
「えぇ…小さい時は良く笑う子だったけど今では笑わなくなってしまったわ」

 綱吉達は後ろを振り向き雲雀達を呼ぶ。
 雲雀達は歩きだし綱吉達の側に行き体育館に移動する。
 入学式が始まり、校長先生の話しがありその後担任の紹介があり、最後に風紀委員の話しがあった。

恭弥「最後に新入生の沢田綱吉、沢田葎矢。2人を風紀委員の副委員長に任命する」

 雲雀はニヤリと笑い壇上を降りて行く。

「聞いてない」
「………………」

 ざわざわ

「どういう事だ?」
「何で新入生が?」

 入学式が終わり綱吉達は教室には行かずに応接室に向かう。

 ガチャ!

「ちょっと恭弥君!どういう事!いきなり風紀委員の副委員長に任命するなんて!」
「良いじゃないか。どうせ、中学でもダメツナを演じて、群れる気は無いんだろ?」
「それはそうだけど……」
「2人共、書類整理を手伝って暮れれば良いよ」
「まぁ、それなら良いかな。書類整理が無い時は教室にいるから仕事がある時は呼んで。律都はどうする?」
「綱吉と一緒で良い。」
「じゃあ決まりだね。今日からよろしくね」

 雲雀は2人に腕章を渡すと綱吉と律都は左腕章を着ける。
 その後、教室に戻り教科書を貰い先生の話しを聞き生徒達は解散する。
 校門に行くと家光と奈々そして雲雀がが待っていた。

「入学おめでとう。綱吉、律都」

「「ありがとう」」

「さぁ、写真を撮りましょう」
「僕が撮ってあげるよ。4人共並びなよ」
「ありがとうな、恭弥」

 4人は並び、数枚写真を撮り今度は綱吉、律都、雲雀の3人で写真を撮る。

「家に帰ったら入学祝いをしましょう。リッちゃん、貴女にプレゼントがあるの」
「プレゼント」
「良かったね、律都」
「勿論、綱吉にもあるぞ」
「俺にも?」
「あぁ、帰ってからのお楽しみだ」
「さぁ、帰りましょう。恭君も一緒にどうかしら?」
「今日は風紀委員の仕事は終わってるから行くよ」

 4人は沢田家に歩いて帰って行く。
 そして家に着くと奈々と家光は寝室に行き、綱吉達はリビングに行き座る。
 数分後、奈々達はプレゼントをもってリビングに入って来る。

「リッちゃん、これは貴女にプレゼントよ」
「ありがとう」
「律都、開けて見たら?」

 律都はリボンをほどき、箱をあける。
 中から並盛中学校の女子の制服が出て来る。

「………………」
「リッちゃんは女の子だから着せてあげたいと思って買って置いたの。もしいつか着て見たいと思ったら着てね」
「律都、それを着て写真を撮ろう。恭弥君と一緒に3人で」
「ツッ君」
「着替え方、分からない」
「教えるわ!リッちゃん。部屋に行って着替えましょう」

 奈々と律都はリビングを出て行く。
 そして家光は綱吉にプレゼントを渡す。

「綱吉にはこれだ」
「ありがとう父さん」

 綱吉はリボンを外し箱をあける。
 中には最新型のノートパソコンが入っていた。

「ありがとう父さん。最新型のノートパソコンとても嬉しい」
「いや、大事に使えよ?」
「うん、分かってる」

 綱吉は早速パソコンに起動させ、使いやすいようにようにプログラムを組んでいく。

「相変わらず、パソコンの打ち方速いね」
「そうかな?もう慣れかな?そう言えばこの前、FBIにハッキングしたら面白かった」
「はぁー!何をやって居るんだ!」
「えっ?ただの暇潰し?」
「家光、怒っても無駄だよ。大体綱吉が捕まるような事は無いよ。世界一の情報屋だよ?」
「それはそうだが!」
「まぁ…母さんにはバレないようにするよ」

 その時、リビングに奈々達が入って来る。

「お待たせ。みんな見てリッちゃんとても可愛いのよ!」
「さすが俺と奈々の娘だな!とても可愛いぞ!」
「律都、奈々に似てとても可愛いよ。家光に似なくって良かった」
「ちょっ!どういう意味だ!」
「律都、良く似合ってる」

 綱吉は律都の傍に行き頬を撫でる。

「ありがとう」
「さぁ!3人共、並んで写真を撮るわよ」

 綱吉達は庭に出て律都をまん中にして写真を撮る。
 写真を撮り終えた後は奈々がご馳走を作り入学祝いを沢田家で始める。
 その日の夜、家光は綱吉の部屋に行く。

「綱吉、入るぞ?」
「何、父さん?」
「……実はな、ボンゴレの3人の候補者が亡くなって、もしかしたらお前に10代目候補の話しがいくかも知れない。もちろん俺は反対はしたがお前と律都しか残っていないんだ」
「律都にはボンゴレ10代目候補なんてさせない。それに俺の手はもう汚れているから……」
「っ…?!あれはお前のせいじゃない!悪いのはアイツらだ!」
「………………」

 家光は綱吉を思いきり抱き締める。

「俺はもしボンゴレ10代目に成ったら世界中の黒のマフィアを全部潰す。それに律都を誘拐したマフィアのボスは徹底的に追い詰めて後悔させて殺してやる!」
「綱吉……」

 綱吉の心には大きな闇がある。
 それを祓えるのはたった1人の少女だけだ。

「俺は大丈夫だよ」
「俺は何も出来なくって済まない」
「父さんは、家族の為に色々頑張ってくれてるよ。ありがとう」
「綱吉…お前は本当に良く出来た息子だよ」

 その後は2人で様々な話しをして数日後、家光はイタリアに行く。
 綱吉は学校ではダメツナを演じて勉強は出来ない、運動は出来ないを演じた。
 裏では先生達に頼みテストは二枚受けさせて貰っていた。
 勿論、全て満点を取っている。

 風紀委員では主に書類整理を手伝い、たまに風紀違反の生徒達を粛せいしたりする。
 綱吉の力は風紀委員達知っている。

 勿論ダメツナを演じている事も。
 そして綱吉達が入学して数ヶ月が経ち運命が回り始める。



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