伝説の三振り



薬研「今のはいち兄は気付いて無いんだな」
乱「どうして?」
厚「俺達は気付いたのにどうしていち兄だけ気付いて無いんだ?」
五虎退「とても清らかな神気でした」

 薬研達は琥珀の神気を微量だが貰い、少しだけ神気が回復する。
 怪我とかは治る事はなかったがもう少しだけ頑張ろうと思えるようになる。
 そして琥珀は息を吐き、離れに戻ろうかと思った時、母屋から小狐丸と今剣が歩いて来るのに気付く。

琥珀「確か今剣さんと小狐丸さん?」
今剣「あの琥珀殿でいいんですよね?」
琥珀「うん、それで離れに何の用が?」
小狐丸「はい、2人で審神者殿に手入れを頼みに来たのです」
琥珀「…手入れを(あぁ確か今資材が切れ掛かっていて、霧人兄さんが岩融殿達とレベリング次いでに取って来るって遠征に行ったんだよな)」

 琥珀は困った表情をさせ2人を見る。

琥珀「今、資材が余り無くって手入れを受けられるのは1人だけでもう少ししたら兄さんが資材を持って帰って来るのでしばらく待っていて欲しいんだ」
小狐丸「でしたらどちらか1人でも良いので審神者殿に頼んで貰えないでしょか?」
琥珀「…分かりました、では主の所に案内します」

 琥珀はにこりと笑い、2人を離れに連れて行く。
 そして綱吉がいる部屋に行く。

 コンコン!

琥珀「主、入っても良いかな?」
綱吉「琥珀君?どうぞ」

 琥珀は襖を開け、中に入ると綱吉は琥珀を見て笑う。
 そして直ぐに部屋に一緒にいた黒羽の後ろに隠れてしまった。

「「………………」」

琥珀「主、どちらか1人を手入れをして欲しいんだ」
綱吉「えっ?確か今資材は切れ掛かっていて調達に行ってるんだよね?」
琥珀「うん、一応2人にも言ったんだけどどちらか1人を手入れを受けたいって。どうする、主?」
綱吉「……えっと」

 綱吉は今剣と小狐丸を見てからもう一度、今剣を見る。

綱吉「確か今剣君で良いんだよね」
今剣「はい」
綱吉「先に手入れをします」
今剣「ボクがさきでいいんですか?」
綱吉「はい、どう見ても今剣君の方が重症だから」
今剣「……………」

 綱吉は立ち上がり、琥珀と一緒に今剣を連れて手入れ部屋に移動し今剣を手入れする。

今剣「ひとつきいてもいいですか?」
綱吉「はい?」
今剣「どちらかといえばボクはたんとうです。ひかくてきにてにいれやすい。れあどは小狐丸ほうがたかいのにどうしてボクのほうをえらんだのですか?」
綱吉「…俺は審神者がどう言うのかは知らないんです。1ヶ月前からこんのすけと琥珀君に教えて貰いながら勉強中でまだ知らない事だらけで、でも今剣君の方が重症だから今剣君を選んだんだ。小狐丸さんも怪我をしているけど、どちらかを選べと言われたら重症の方を選んでいた」
今剣「……そうですか」

 綱吉は集中しながら手入れをしていく。
 しばらくして手入れが終わり今剣の傷は全て消えていた。

今剣「ありがとうございました」
綱吉「いえ、怪我が治って良かった」

 バタバタ! バァン!


綱吉「ふなぁ!」

「「っ…!?」」

 綱吉は驚き琥珀に抱き付き、今剣と小狐丸は驚き開いた扉の方を見る。

岩融「がははは、主帰ったぞ!」
一期「岩融殿、いきなりでは主が驚きますよ?」
霧人「全く、何度も言っているでしょう、扉は静かに開けるようにと」

 霧人は溜息を吐き岩融を叱る。
 そして直ぐに部屋に今剣と小狐丸がいる事に気付く。

霧人「おや、珍しいお客ですね」
琥珀「お帰り、霧人兄さん」
霧人「今帰りましたよ」
今剣「…岩融。どうしてここに?」
岩融「今剣…手入れを受けたのだな。良かった、本当に良かったぞ」
小狐丸「…まさか此所にいた岩融ですか?」
岩融「あぁ、俺は記憶を持ちまたこの本丸に来た、審神者がいなくなり新しく主に顕現され今まで此所で自分を研いていた」
今剣「っ…岩融!」

 今剣は顔を歪ませ岩融に抱き付く。
 岩融は今剣を抱き上げ優しく背を撫でる。

今剣「ボクはずっと岩融にまたあいたいとおもっていました!そしてあやまりたいと!」
岩融「今剣は悪く無い。俺は自分の信念を貫いただけ、だから今剣は悪く無い」
今剣「岩融!」

 今剣は泣きながら岩融を抱きしめる。

小狐丸「これは驚きましたね、まさかこんなに早く岩融に会えるとは…しかし、どうやって岩融を?」
琥珀「オレが兄さん達に頼んで探して来て貰いました」
小狐丸「探して…ですが、何処でドロップするかは分からない筈」
琥珀「そうですね、でも頼んだその日に探して来てくれてオレは助かりましたね」
小狐丸「そちらの一期一振殿もですか?」
琥珀「はい」
一期「初めまして、小狐丸殿。一期一振と申します」
小狐丸「これはまた違った一期一振殿ですね」

 綱吉はチラリと小狐丸を見上げては直ぐに視線を反らす。
 小狐丸はそんな綱吉の視線に気付いていた。

琥珀「…主、小狐丸殿が気になるの?」
綱吉「……ふぁ!」

「「「……………」」」

 綱吉はいきなりそう言われ取り乱し声をあげる。
 そして今剣や岩融はいきなり声が聞こえ、綱吉を見る。

琥珀「主、驚きすぎだよ」
綱吉「っ…いきなり琥珀君が」
小狐丸「(とても清らかな霊力を感じますね。それに可愛いらしい姿をしています)」
一期「そうでした、主。ただいま帰りました」
綱吉「あっ、お帰りなさい、一期さん、岩融さん、霧人さん」
岩融「ただいま帰ったぞ、主。資材も沢山取って来たぞ」
琥珀「しばらくはまたレベリングですね」
岩融「だな!この1ヶ月はレベリングに費やしたお陰で練度がかなり上がったぞ」
一期「そうですね、私と岩融殿も特が付きお互い練度が40を越えましたよね?」
岩融「だな!」
小狐丸「40ってどういう事ですか!」
琥珀「イベントで経験値が2倍貰える事があって2人はしょっちゅう出陣してただけだよ」
一期「少しでも練度を上げ力を付けたいと思いまして。主は私達を止めましたよ」
岩融「だが俺達は力を付けたくて出陣し練度を上げた。勿論怪我を余りしないようにな……。今度こそ今剣を護りたいと気持ちもあったぞ」
今剣「岩融……」
霧人「所で何故、此方のお2人がいるんですか?」
綱吉「あっ、手入れを受けに来たんだ」
琥珀「資材も来たし、小狐丸殿も手入れを受けて行きますか?」
小狐丸「いえ、私はそれほど傷を受けていません。私寄りもまだ重症の者がいます、そちらを優先して下さいませ」

 小狐丸はにこりと笑うとそしてずっと気になっていた事を聞く。

小狐丸「所で琥珀殿は本当におなごですか?」

綱吉「んなぁ!」

「「なっ……!」」

 一期や岩融は驚き琥珀を見る。
 綱吉は驚き大きな声を上げ琥珀を見詰める。
 琥珀は兄2人を見る。

霧人「全く、黒羽が余計な事を言うからですよ」
黒羽「悪かったよ、余りにも苛ついていて、キミだって可愛い琥珀が傷付いたら怒るだろう」
霧人「あの時、琥珀が止めなければ祟っていたのに」
琥珀「仲間に隠し事は良く無いよね?」

 琥珀は自分に掛けている幻術をいく。
 そして少し背は縮み、淡いオレンジの浴衣ドレスを着て足には黒のニーハイソックスを履いていた。

綱吉「女の子!」
琥珀「黙っててご免なさい、主」

 琥珀は困った表情をさせ綱吉を見る。

綱吉「っ…驚いたけど琥珀君は琥珀君だよ!あっ琥珀ちゃんの方が良いかな?」
琥珀「…主、ありがとう。オレはどちらかと言えば男勝りだから口調とかも男ぽいから呼び捨てでも良いよ」
綱吉「えっと、じゃあ琥珀」
琥珀「うん♪」

 綱吉と琥珀は笑いお互いの手を握り締め、黒羽達はそんな2人を見て笑う。



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