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夢の続きの話をしよう

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白ひげさん家のドMさん

「はっくしゅ!」
「どうしたメイ風邪か?」
「んーん。多分違う。誰か噂でもしてたのかな」

でも噂と言ってもする人なんかいただろうか、と首を傾げながらメイはゴシゴシと鼻をこすった。
しかしここにはメイの過去を知る人物はいない。

モンキー・D・メイは存在しない。

レッド・フォースにメイがやってきて数ヶ月。
レッド・フォースで一番の新入り。
今までどこにいたのか、どこから来たのか、本人すら知らない。
戦闘になればその幼さが残る体型と容姿からは想像も出来ないような六式と覇気を巧みに扱い、誰よりも勇敢に戦ってレッド・フォースに勝利をもたらした。
今のところ海軍にも会っておらず賞金首でもないメイの噂を出来る人物などこの世にはいないのだ。

そう、いないはずなのだ…

しかしシャンクスはすこし考え込む。
メイはそんなシャンクスを気にすることなく、水面に浸かっている釣り糸をぼーっと見ていた。

メイがやってきて、初めこそ警戒されていたが、こうやってシャンクスと二人で楽しそうにしている姿を船内のあちこちで目撃されれば、次第にそれが普通になっていった。
話しかければいつでも気さくに受け答えをするし、新入りよろしく雑用だっていつも楽しそうにこなしている。

いや、本当に心から楽しんでいるのだ。

いつも幸せそうに笑っていて、レッド・フォースの古株たちはその顔に懐かしい少年を思い浮べては首を横に降っている。
あり得ない、と。
そんな様子の彼らを見てシャンクスとメイはまた楽しそうに肩を揺らすのだった。

誰かがシャンクスに尋ねた事があった。
メイと知り合いだったのか、と。
シャンクスは首を横に振り、あの小舟で漂流していたのを助けた時に初めて出会ったという。

出会いはみんな一緒なのに、シャンクスとメイはいつの間にこんなにも仲良くなったのか。
今も船縁に二人で座り、メイはシャンクスの足の間にすっぽり収まっている。
片腕でお腹を支えられて、メイは両手で釣竿を持っていた。

「今日もお頭とメイは仲いいなー」
「良きかな良きかな」

娘を愛でるようなシャンクスとそれに甘えるメイに船員たちはほのぼのした気持ちになる。
しかしシャンクスをよく知る古株以外は気がつくことはなかった。
二人の間に流れる空気が徐々に変化している事に。
メイが冷や汗をダラダラと流し、目を泳がせている事に。

「そういやメイ?」
「へ、へい、頭ァ」
「お前、死の外科医との間に何があった?」
「ナニモアリャシマセンヨ?」
「ふーん。へぇー。ほー」
「…………」

この場から逃げ出す事を考え始めたメイだったが、前には食料…もとい海王類がうじゃうじゃ泳ぐ海。
そして背後にはしっかりと身体を固定するシャンクス。

だめだ、逃げられる気がしない。

メイは身をぶるりと震わせた。

「なぁ、メイ
「ヒッ…!」

弱い耳元で囁かれてメイは大げさなほどに身を震わせた。
手に持っていた釣竿も思わず手放してしまい、ぽちゃんと海にゆっくりと沈んで行った。

「あぁっ!ルウの竿が!」
「ルウの竿なんかどうでもいいんだよ」
「駄目だよ!借り物なのに!」
「俺の竿くれてやるからこっち向けって」

そう言いながらシャンクスはメイの顎に手を添えて無理矢理上を向かせる。
その目はまさに獲物を狙う肉食獣。

「……シャンクス、竿なんて持ってたっけ…?」

苦し紛れにそんな事を尋ねれば、シャンクスは悪い笑みを浮かべた。

「何言ってんだよ。男なら…誰だって持ってるだろ?」
「……ッ!?…このクソエロオヤジ!!!」

シャンクスの腕の中からどうにか抜け出したいメイだったが、この狭いところでは思うように力が入れられない。
じたばたともがくが、この片腕からは何故か抜けられない。
誰か助けて、と辺りを見渡してみるも先ほども説明した通り親子がじゃれついているとしか捉えられていない。

目が合う船員に頑張れよ、なんて今のメイにはそぐわない応援なんかもかけられる。

「暴れるなよメイ
「やっ!お願い、耳元でしゃべらないで…!」
メイ
「な…何っ」

ぞわぞわとする背中をどうにかしようと、肩をぎゅっとすくめながらシャンクスを見れば、シャンクスは悪い笑みを一度引っ込めて囁いた。

「少し、思い出話をしようか」
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