求めよさらば与えられん
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それから私は強くなるためにうんと修行した。
ルフィのへなちょこパンチに負けない位。
エースやサボにも…負けない位。
時々じいちゃんがやってきては私たちを夜の森に置き去りにしたり、崖から突き落としたりしてくれたけど、必死に喰らいついた。
最初にサボがいなくなった。
だけど心配はしていない。
エースとルフィは泣いていたけど、私も別れに泣いたけど、でもサボはお父さんたちが助けてくれるから。
…だから大丈夫。
次にエースが村を旅立った。
これからエースが出会う人たちに、エースを導いてほしいと祈りを込める。
大丈夫、白ひげは…白ひげ海賊団は良い人たちだよ。
エースを温かく包んでくれる。
哀しい別れがあるだろうけど、私がエースを助けるよ。
だからその日までさようなら。
エースが村を出てすぐ、私もジイちゃんと一緒に村を出た。
ルフィは泣いていたけど、でも私の決めた事だと最後には笑ってくれた。
ルフィと次に会うのは3年後。
ウォーターセブンで会おうね。
海軍本部に連れて行ってもらって、私はジイちゃんの元で修行に励んだ。
覇気の使い方だって覚えたし、六式だって使えるようになった。
ジイちゃんの孫って事でいちゃもんつけられたりやっかまれたりしたけど、文句を言わせないよう強くなった。
そのジイちゃんの孫って事で得した事もある。
海軍上層部の人たちと会う機会がとっても多かった事。
よく目をかけてくれた。
私も彼らから吸収できる事はすべて取り込んだ。
全てはあの戦いの為に…。
エースの公開処刑が決まった。
私は思惑通り、ジイちゃんのそばにいる事が出来た。
「メイ…」
「久しぶりだね、エース。元気にしてた?」
「……あぁ」
処刑用の鉈を持つ私にエースはゆるく笑みを浮かべた。
「びっくりした?私がここにいる事」
「いや…お前はずっと海兵になりてぇっつってたから驚きはしねぇよ」
「そうだね。私は『ここ』に来るために海兵になったんだよ」
「そうか。……お前に殺されるのも…悪くねぇ…」
何馬鹿な事言ってるの。
…とは言ってあげられない。
その言葉を発したら私はセンゴクさんにこの場から引きずり降ろされちゃうから。
だから私はエースに向かってにっこり笑った。
大丈夫だよ、エース。
エースを絶対助けてあげるから。
ルフィだって助けに来るからね。
大丈夫、エースの大好きな白ひげも無事に帰還させてあげる。
だってこの為に私は強くなったんだから…
だからエース、そんな顔しないで。
エースが誰の子どもだって私はエースが大好きよ。
誤解させて…傷つけてごめん。
でもほら、もうすぐよ。
ルフィが迎えに来た…!!
さぁ、ここからだ。
私の一世一代の大勝負。
崩れる処刑台からルフィと解放されたエースを確認して私も飛び降りる。
「メイッ!」
飛び降りてきた私にエースが一瞬目を丸くし、すぐさま構える。
「悪りぃがお前に構ってる暇は…」
「さ、行こうエース!」
「……は?」
「さっさと逃げるよー!」
「にしし!そうこなくっちゃ!行くぞエース!」
ルフィと背中合わせに構えてエースを守る。
あぁ、ジャケットに袖を通さなければよかった。
だって、私はこの瞬間から海軍じゃなくなったから。
「エースを最後まで守りきる。この為に私は『ここ』に来たんだから!」
「お前…」
「さっきは誤解させてごめんね。行くよ、エース!」
道を切り開いて二人を最短距離で白ひげの皆に元へと案内した。
ルフィは無理をし過ぎてもうフラフラだ。
倒れても良いように、しっかりとジンベエに預ける。
これでエースはもう大丈夫。
次は殿をつとめている白ひげだ。
「メイ、お前も行こう」
白ひげより撤退命令が出ている白ひげ海賊団。
ぐっと、エースに肩を引かれるけど私はそれを振りほどいた。
「あと少し、あともう少しなんだ。もう少しでこの戦いは終わるから…」
「メイ…?」
そう、もう少しでシャンクスが来てくれる。
そしたらこの戦争は終わるんだ。
だからそれまで…
「それまで白ひげを守ってくるよ」
「なら俺も…ッ」
そう言うエースの頬に思いっきり拳を叩き込む。
我ながらよく飛ばしたものだ。
エースは1番隊長の彼に支えられてようやく止まった。
「これはエースを助けるための戦争よ!エースはそこで大人しく待ってなさい!!」
そう言い残し、私は剃を使って白ひげの元まで移動する。
私たちを追いきれなかったサカズキさんが白ひげと対峙していた。
「助太刀いた―す!」
サカズキさんと白ひげの間に割って入る。
二人とも私が戻ってくるとは思っていなかったみたいで、面白いくらい目を見開いていた。
「なっ、オメェはガープの!」
「メイ!どういうつもりじゃァ!」
「サカズキさん、もうやめましょう。海軍の負けです」
ぐっと武装色の覇気を纏い、サカズキさんに向かってかまえる。
武装色の覇気が有効なのはサカズキさん自身が私に以前身を以て教えてくれた事。
ジイちゃんについて行って、本当に良かったよ。
サカズキさんは私の考えが分かったみたいで、ピキピキと青筋を立てる。
うんうん、こうなると本当に怖いんだよねぇ…
「モンキー・D・メイ!貴様何をしちょるかわかっとるのか!」
「もちろんですよサカズキさん!私はこのためにここに来た!」
「恩知らずにもほどがある!貴様のその背中は一体何じゃぁ!!」
「海軍の絶対正義なんて私は知らないッ!私の正義はエースを助ける、それだけだ!!」
「あれだけ目をかけてやったっちゅうのに…ここで死ぬがええ!!」
死にませんよ!
だって、ほら、もうすぐシャンクスが来てくれる。
懐かしい感じが近くまで来てるもの。
ここで死ぬわけにはいかない。
だって、そしたらシャンクスの船に乗れないじゃない。
飛んでくるマグマの拳を受け流し、白ひげと徐々に後退していく。
だけどね、小娘の考えられる事なんて、倍以上生きている人達に通用するはずが無かったんだ。
ちょっとの油断、ちょっとの隙が命取り。
それは十分に分かっていた。
だけど苦しそうに身体を歪める白ひげをこのまま見ているわけにはいかなかった。
白ひげとサカズキさんのマグマの間に入る瞬間、懐かしい赤色が見えた。
「ダメだ、やめろ!止まれメイッ!!」
無理だよシャンクス。
そんな急には止まれないって。
そっか…
あともうちょっとだったのか…
残念…
ゆらり、ゆらりと漂う身体。
もう目を開けられない。
最後に見たのはシャンクスの泣きそうな顔だった。
笑って…欲しかったな…
結局ルフィを泣かせてしまった。
自分を守りきれないダメな姉ちゃんでごめんね。
エースも助けて、白ひげも助けてって…
何でもかんでも欲張った罰かな?
みんな…
ごめん…
ゆらり、ゆらり。
まるで海を漂っているみたい。
ゆらり、ゆらり…
ゆらり…ゆらり……
とぷん。
私の身体はゆっくり、ゆっくりと深いところへ沈んで行った。
「―――――」
なに?
「―――――」
うまく聞こえないよ…
「―――――」
誰かが…
「―――メイ」
私を呼んでいる…?
動かない身体に鞭をうって、腕を伸ばす。
その手が何かを掴んだ気がした。
ルフィのへなちょこパンチに負けない位。
エースやサボにも…負けない位。
時々じいちゃんがやってきては私たちを夜の森に置き去りにしたり、崖から突き落としたりしてくれたけど、必死に喰らいついた。
最初にサボがいなくなった。
だけど心配はしていない。
エースとルフィは泣いていたけど、私も別れに泣いたけど、でもサボはお父さんたちが助けてくれるから。
…だから大丈夫。
次にエースが村を旅立った。
これからエースが出会う人たちに、エースを導いてほしいと祈りを込める。
大丈夫、白ひげは…白ひげ海賊団は良い人たちだよ。
エースを温かく包んでくれる。
哀しい別れがあるだろうけど、私がエースを助けるよ。
だからその日までさようなら。
エースが村を出てすぐ、私もジイちゃんと一緒に村を出た。
ルフィは泣いていたけど、でも私の決めた事だと最後には笑ってくれた。
ルフィと次に会うのは3年後。
ウォーターセブンで会おうね。
海軍本部に連れて行ってもらって、私はジイちゃんの元で修行に励んだ。
覇気の使い方だって覚えたし、六式だって使えるようになった。
ジイちゃんの孫って事でいちゃもんつけられたりやっかまれたりしたけど、文句を言わせないよう強くなった。
そのジイちゃんの孫って事で得した事もある。
海軍上層部の人たちと会う機会がとっても多かった事。
よく目をかけてくれた。
私も彼らから吸収できる事はすべて取り込んだ。
全てはあの戦いの為に…。
エースの公開処刑が決まった。
私は思惑通り、ジイちゃんのそばにいる事が出来た。
「メイ…」
「久しぶりだね、エース。元気にしてた?」
「……あぁ」
処刑用の鉈を持つ私にエースはゆるく笑みを浮かべた。
「びっくりした?私がここにいる事」
「いや…お前はずっと海兵になりてぇっつってたから驚きはしねぇよ」
「そうだね。私は『ここ』に来るために海兵になったんだよ」
「そうか。……お前に殺されるのも…悪くねぇ…」
何馬鹿な事言ってるの。
…とは言ってあげられない。
その言葉を発したら私はセンゴクさんにこの場から引きずり降ろされちゃうから。
だから私はエースに向かってにっこり笑った。
大丈夫だよ、エース。
エースを絶対助けてあげるから。
ルフィだって助けに来るからね。
大丈夫、エースの大好きな白ひげも無事に帰還させてあげる。
だってこの為に私は強くなったんだから…
だからエース、そんな顔しないで。
エースが誰の子どもだって私はエースが大好きよ。
誤解させて…傷つけてごめん。
でもほら、もうすぐよ。
ルフィが迎えに来た…!!
さぁ、ここからだ。
私の一世一代の大勝負。
崩れる処刑台からルフィと解放されたエースを確認して私も飛び降りる。
「メイッ!」
飛び降りてきた私にエースが一瞬目を丸くし、すぐさま構える。
「悪りぃがお前に構ってる暇は…」
「さ、行こうエース!」
「……は?」
「さっさと逃げるよー!」
「にしし!そうこなくっちゃ!行くぞエース!」
ルフィと背中合わせに構えてエースを守る。
あぁ、ジャケットに袖を通さなければよかった。
だって、私はこの瞬間から海軍じゃなくなったから。
「エースを最後まで守りきる。この為に私は『ここ』に来たんだから!」
「お前…」
「さっきは誤解させてごめんね。行くよ、エース!」
道を切り開いて二人を最短距離で白ひげの皆に元へと案内した。
ルフィは無理をし過ぎてもうフラフラだ。
倒れても良いように、しっかりとジンベエに預ける。
これでエースはもう大丈夫。
次は殿をつとめている白ひげだ。
「メイ、お前も行こう」
白ひげより撤退命令が出ている白ひげ海賊団。
ぐっと、エースに肩を引かれるけど私はそれを振りほどいた。
「あと少し、あともう少しなんだ。もう少しでこの戦いは終わるから…」
「メイ…?」
そう、もう少しでシャンクスが来てくれる。
そしたらこの戦争は終わるんだ。
だからそれまで…
「それまで白ひげを守ってくるよ」
「なら俺も…ッ」
そう言うエースの頬に思いっきり拳を叩き込む。
我ながらよく飛ばしたものだ。
エースは1番隊長の彼に支えられてようやく止まった。
「これはエースを助けるための戦争よ!エースはそこで大人しく待ってなさい!!」
そう言い残し、私は剃を使って白ひげの元まで移動する。
私たちを追いきれなかったサカズキさんが白ひげと対峙していた。
「助太刀いた―す!」
サカズキさんと白ひげの間に割って入る。
二人とも私が戻ってくるとは思っていなかったみたいで、面白いくらい目を見開いていた。
「なっ、オメェはガープの!」
「メイ!どういうつもりじゃァ!」
「サカズキさん、もうやめましょう。海軍の負けです」
ぐっと武装色の覇気を纏い、サカズキさんに向かってかまえる。
武装色の覇気が有効なのはサカズキさん自身が私に以前身を以て教えてくれた事。
ジイちゃんについて行って、本当に良かったよ。
サカズキさんは私の考えが分かったみたいで、ピキピキと青筋を立てる。
うんうん、こうなると本当に怖いんだよねぇ…
「モンキー・D・メイ!貴様何をしちょるかわかっとるのか!」
「もちろんですよサカズキさん!私はこのためにここに来た!」
「恩知らずにもほどがある!貴様のその背中は一体何じゃぁ!!」
「海軍の絶対正義なんて私は知らないッ!私の正義はエースを助ける、それだけだ!!」
「あれだけ目をかけてやったっちゅうのに…ここで死ぬがええ!!」
死にませんよ!
だって、ほら、もうすぐシャンクスが来てくれる。
懐かしい感じが近くまで来てるもの。
ここで死ぬわけにはいかない。
だって、そしたらシャンクスの船に乗れないじゃない。
飛んでくるマグマの拳を受け流し、白ひげと徐々に後退していく。
だけどね、小娘の考えられる事なんて、倍以上生きている人達に通用するはずが無かったんだ。
ちょっとの油断、ちょっとの隙が命取り。
それは十分に分かっていた。
だけど苦しそうに身体を歪める白ひげをこのまま見ているわけにはいかなかった。
白ひげとサカズキさんのマグマの間に入る瞬間、懐かしい赤色が見えた。
「ダメだ、やめろ!止まれメイッ!!」
無理だよシャンクス。
そんな急には止まれないって。
そっか…
あともうちょっとだったのか…
残念…
ゆらり、ゆらりと漂う身体。
もう目を開けられない。
最後に見たのはシャンクスの泣きそうな顔だった。
笑って…欲しかったな…
結局ルフィを泣かせてしまった。
自分を守りきれないダメな姉ちゃんでごめんね。
エースも助けて、白ひげも助けてって…
何でもかんでも欲張った罰かな?
みんな…
ごめん…
ゆらり、ゆらり。
まるで海を漂っているみたい。
ゆらり、ゆらり…
ゆらり…ゆらり……
とぷん。
私の身体はゆっくり、ゆっくりと深いところへ沈んで行った。
「―――――」
なに?
「―――――」
うまく聞こえないよ…
「―――――」
誰かが…
「―――メイ」
私を呼んでいる…?
動かない身体に鞭をうって、腕を伸ばす。
その手が何かを掴んだ気がした。