求めよさらば与えられん
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私はモンキー・D・メイ。
ルフィの双子の姉。
生まれた時からルフィとずっと一緒だった。
一緒にシャンクスに出会って、一緒にエースとサボと修行して…
楽しかった。
ずっとずっと、皆と一緒にいたかった。
だけどシャンクスが村を離れて、サボがいなくなって、エースが村を出た。
やっぱり一緒だった。
私が知っている出来事と、何もかも一緒だった。
私が持っている一番古い記憶は、前世にまでさかのぼる。
多分別の世界で暮らしていた。
生活水準が私の知っている世界と全然違うから…
私はその日、中学を卒業した。
お父さんとお母さんと、それからお兄ちゃんと他愛のない話をしながら歩いていた。
「俺は兄ちゃんだから、兄ちゃんってやつにあこがれる」
そうお兄ちゃんは言っていた。
「エースって格好いいよな」
「うんうん格好いねぇー」
「棒読みだぞオヤジ」
「お父さんをオヤジなんて言うならお前の携帯新しくしてやんね」
「わー!うそうそごめんなさいお父様!!」
お父さんとお兄ちゃんがそんな会話をしていたのを覚えている。
私とお母さんはそれを聞いてくすくすと笑っていた。
そこに一台のトラックが突っ込んできた。
あっと思う間もなく、私たちは死んだんだ…
これが私の前世の最後の記憶。
次に古い記憶は私とルフィをじいちゃんに預けて離れていくお父さんの後ろ姿。
それからしばらくしてここが私の知っている世界だと言う事に気がついた。
シャンクスがフーシャ村にやってきて、ここを拠点に旅に出ていく。
その度にルフィが大騒ぎしていた。
帰ってきたらマキノちゃんのお店で大盛り上がり。
私とルフィはいっつもマキノちゃんのお店に入り浸っていた。
シャンクスがフーシャ村に来た。
ルフィが自分の頬を刺した。
私が知っていた出来事。
きっとこれからエースに会う。
ふと、お兄ちゃんが言っていた言葉を思い出す。
―――俺は兄ちゃんだから、兄ちゃんってやつにあこがれる
―――エースって格好いいよな
うん、うん…。
格好いいよねお兄ちゃん。
あんなボロボロになる姿、見たくないよね。
私もルフィにあんなつらい思いさせたくない。
だって私はルフィのお姉ちゃんだもの。
桟橋から海を眺めながら決意する。
エースを助けよう。
ルフィがつらいのは私もつらい。
あの場面を思い出して私は思わず涙を流す。
死ぬのは痛いね。
死ぬのは辛いね。
エース、私が君を助けるよ。
ふと誰かが私の隣に座った。
誰だ、と思う間もなく覗きこんできたのはシャンクスで…
「なんだお前、泣いてんのか!?まー、何だ。泣くなよメイ」
くしゃくしゃと私の頭を撫でるシャンクスの手は大きくて温かい。
その手の体温をもっと感じていたくて、私は目を閉じた。
「不思議なもんだな」
「……?」
何が、とシャンクスを見上げれば、流れる私の涙をぬぐってくれた。
それがなんだかくすぐったくて、でも気持ちよくて思わず笑った。
それなのにシャンクスは驚いたような顔をする。
「シャンクス?」
「お前にゃそんな笑い方はまだ早ぇ」
「そんなってどんな?」
普通に笑っただけなのに、なんでシャンクスはそんなに難しい顔をするんだろう。
結局シャンクスは私の問いに答えはくれなかった。
「ルフィの事、悪かったな」
シャンクスはさっきルフィがナイフで頬を刺した事を気にしているらしい。
たしかにたきつけたのはシャンクスだ。
ルフィは意地っ張りだから、一度決めたら引くなんて事はしない。
「仕方ない、ルフィだもん。誰が止めたって聞かないよ」
「そうだなぁ…」
ルフィはシャンクスの船に乗りたいってずっと言っているけど…シャンクスはルフィを乗せる気はあるのかな?
聞いてみたら、まだ先だけどその時乗りたいって言ったら乗せてくれるらしい。
でもルフィは自分が船長になるけどね。
「その時メイはどうするんだ?」
「私?」
私はエースを助けたい。
そのために出来ることと言ったら…
あの戦いでいかにエースのそばにいる事が出来るか…。
それにはきっとジイちゃんについていくのが良いんだろう。
それがきっと近道だ。
「私には夢があるから…ルフィより先にこの村を出るつもり」
「夢?」
「うん。海兵になってやりたい事があるの」
「海兵か」
「ジイちゃんに鍛えて貰うんだ」
そう、鍛えてもらって、強くなるんだ。
あの戦いでエースを守れるように…
「じゃあ俺たちの敵になるな」
「そうだね」
でも…
エースを助けたらその後は?
私別に海兵になりたいわけじゃない。
ただあの場所に行くためには海兵になるのが良いってだけだ。
エースを助けたら…その後どうしよう。
ルフィに付いていく?
ううん、ルフィの冒険は知っているから私がついて行っても楽しめない。
先が見えている冒険なんて楽しくない。
ふと隣に座るシャンクスを見上げる。
四皇の目に映る世界は一体どんなだろう。
いつも楽しい話を聞かせてくれるけど、それを実際に体験出来たら…
そんな幸せなことってない。
立ち上がってシャンクスの腕を掴む。
「夢が叶ったら…私もシャンクスの船に乗せて…?」
「海軍は?」
「もちろんやめるよ。夢が叶ったらもういる意味ないもん」
「爺さんが泣くぞ?」
「ジイちゃんの願いは私が叶えるからいいでしょ」
海兵にしたがっているジイちゃんの望みを一時でも叶えるんだからそれで勘弁してもらおうそうしよう。
「私、ジイちゃんに鍛えて貰ってうんとうーんと強くなるわ。シャンクス達の足なんて引っ張らない。だからお願い!10年後、仲間にして?」
「なんだ、10年でお前は夢を叶えるつもりなのか?」
「うん」
10年。
そう、あと10年しかない。
それまでに出来る事は限られている。
まだ子どもの私に出来る事なんて、たかが知れている。
でもやるんだ。
血を吐いたって何だってやって見せるんだ。
「メイの夢がなんなのかは知らねぇけど、叶うといいな」
「叶うといいじゃない。絶対叶えるんだ」
「そうか…じゃあ10年後、迎えに行ってやるよ」
「ホント!?」
俄然頑張らなきゃ!
シャンクスが私の頭を撫でながら、ふんわりと優しく笑ってくれた。
「あぁ、約束だ」
ルフィの双子の姉。
生まれた時からルフィとずっと一緒だった。
一緒にシャンクスに出会って、一緒にエースとサボと修行して…
楽しかった。
ずっとずっと、皆と一緒にいたかった。
だけどシャンクスが村を離れて、サボがいなくなって、エースが村を出た。
やっぱり一緒だった。
私が知っている出来事と、何もかも一緒だった。
私が持っている一番古い記憶は、前世にまでさかのぼる。
多分別の世界で暮らしていた。
生活水準が私の知っている世界と全然違うから…
私はその日、中学を卒業した。
お父さんとお母さんと、それからお兄ちゃんと他愛のない話をしながら歩いていた。
「俺は兄ちゃんだから、兄ちゃんってやつにあこがれる」
そうお兄ちゃんは言っていた。
「エースって格好いいよな」
「うんうん格好いねぇー」
「棒読みだぞオヤジ」
「お父さんをオヤジなんて言うならお前の携帯新しくしてやんね」
「わー!うそうそごめんなさいお父様!!」
お父さんとお兄ちゃんがそんな会話をしていたのを覚えている。
私とお母さんはそれを聞いてくすくすと笑っていた。
そこに一台のトラックが突っ込んできた。
あっと思う間もなく、私たちは死んだんだ…
これが私の前世の最後の記憶。
次に古い記憶は私とルフィをじいちゃんに預けて離れていくお父さんの後ろ姿。
それからしばらくしてここが私の知っている世界だと言う事に気がついた。
シャンクスがフーシャ村にやってきて、ここを拠点に旅に出ていく。
その度にルフィが大騒ぎしていた。
帰ってきたらマキノちゃんのお店で大盛り上がり。
私とルフィはいっつもマキノちゃんのお店に入り浸っていた。
シャンクスがフーシャ村に来た。
ルフィが自分の頬を刺した。
私が知っていた出来事。
きっとこれからエースに会う。
ふと、お兄ちゃんが言っていた言葉を思い出す。
―――俺は兄ちゃんだから、兄ちゃんってやつにあこがれる
―――エースって格好いいよな
うん、うん…。
格好いいよねお兄ちゃん。
あんなボロボロになる姿、見たくないよね。
私もルフィにあんなつらい思いさせたくない。
だって私はルフィのお姉ちゃんだもの。
桟橋から海を眺めながら決意する。
エースを助けよう。
ルフィがつらいのは私もつらい。
あの場面を思い出して私は思わず涙を流す。
死ぬのは痛いね。
死ぬのは辛いね。
エース、私が君を助けるよ。
ふと誰かが私の隣に座った。
誰だ、と思う間もなく覗きこんできたのはシャンクスで…
「なんだお前、泣いてんのか!?まー、何だ。泣くなよメイ」
くしゃくしゃと私の頭を撫でるシャンクスの手は大きくて温かい。
その手の体温をもっと感じていたくて、私は目を閉じた。
「不思議なもんだな」
「……?」
何が、とシャンクスを見上げれば、流れる私の涙をぬぐってくれた。
それがなんだかくすぐったくて、でも気持ちよくて思わず笑った。
それなのにシャンクスは驚いたような顔をする。
「シャンクス?」
「お前にゃそんな笑い方はまだ早ぇ」
「そんなってどんな?」
普通に笑っただけなのに、なんでシャンクスはそんなに難しい顔をするんだろう。
結局シャンクスは私の問いに答えはくれなかった。
「ルフィの事、悪かったな」
シャンクスはさっきルフィがナイフで頬を刺した事を気にしているらしい。
たしかにたきつけたのはシャンクスだ。
ルフィは意地っ張りだから、一度決めたら引くなんて事はしない。
「仕方ない、ルフィだもん。誰が止めたって聞かないよ」
「そうだなぁ…」
ルフィはシャンクスの船に乗りたいってずっと言っているけど…シャンクスはルフィを乗せる気はあるのかな?
聞いてみたら、まだ先だけどその時乗りたいって言ったら乗せてくれるらしい。
でもルフィは自分が船長になるけどね。
「その時メイはどうするんだ?」
「私?」
私はエースを助けたい。
そのために出来ることと言ったら…
あの戦いでいかにエースのそばにいる事が出来るか…。
それにはきっとジイちゃんについていくのが良いんだろう。
それがきっと近道だ。
「私には夢があるから…ルフィより先にこの村を出るつもり」
「夢?」
「うん。海兵になってやりたい事があるの」
「海兵か」
「ジイちゃんに鍛えて貰うんだ」
そう、鍛えてもらって、強くなるんだ。
あの戦いでエースを守れるように…
「じゃあ俺たちの敵になるな」
「そうだね」
でも…
エースを助けたらその後は?
私別に海兵になりたいわけじゃない。
ただあの場所に行くためには海兵になるのが良いってだけだ。
エースを助けたら…その後どうしよう。
ルフィに付いていく?
ううん、ルフィの冒険は知っているから私がついて行っても楽しめない。
先が見えている冒険なんて楽しくない。
ふと隣に座るシャンクスを見上げる。
四皇の目に映る世界は一体どんなだろう。
いつも楽しい話を聞かせてくれるけど、それを実際に体験出来たら…
そんな幸せなことってない。
立ち上がってシャンクスの腕を掴む。
「夢が叶ったら…私もシャンクスの船に乗せて…?」
「海軍は?」
「もちろんやめるよ。夢が叶ったらもういる意味ないもん」
「爺さんが泣くぞ?」
「ジイちゃんの願いは私が叶えるからいいでしょ」
海兵にしたがっているジイちゃんの望みを一時でも叶えるんだからそれで勘弁してもらおうそうしよう。
「私、ジイちゃんに鍛えて貰ってうんとうーんと強くなるわ。シャンクス達の足なんて引っ張らない。だからお願い!10年後、仲間にして?」
「なんだ、10年でお前は夢を叶えるつもりなのか?」
「うん」
10年。
そう、あと10年しかない。
それまでに出来る事は限られている。
まだ子どもの私に出来る事なんて、たかが知れている。
でもやるんだ。
血を吐いたって何だってやって見せるんだ。
「メイの夢がなんなのかは知らねぇけど、叶うといいな」
「叶うといいじゃない。絶対叶えるんだ」
「そうか…じゃあ10年後、迎えに行ってやるよ」
「ホント!?」
俄然頑張らなきゃ!
シャンクスが私の頭を撫でながら、ふんわりと優しく笑ってくれた。
「あぁ、約束だ」