みちのくの…
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先ほど聞いた話をマルコにすると、何か思うところがあるのかマルコは眉間にしわを寄せながら考え込んでいた。
「…イゾウはどう思った」
「どうだろうなぁ。何十年もオヤジのそばにいるティーチが、だぜ?」
「…………」
煙管をふかしながらそう答える。
自分で聞いてきたくせマルコは俺の答えを聞いているのかいないのか、今だ考え混んでいる。
「おいマルコ、テメェ聞いてんのか!」
「ティーチ…ねぃ…」
「…何だよ。言いてぇ事があるならはっきりしろ」
考え込んでいるマルコにそう言えば、ぱっとマルコは顔を上げた。
「イゾウ、赤髪のあの傷、誰がつけたか知っているかい?」
「赤髪の?いや、しらねぇな」
「ティーチだよい」
「は?」
ティーチが赤髪に?
赤髪の目の傷はもう10年以上も前についたものだ。
「野心がねぇ奴が自ら四皇に傷なんてつけるかねぃ」
「…………」
ティーチは決して前に出て行くような奴じゃない。
後ろの雑魚を確実に仕留めて行くようなタイプだ。
そんな奴が赤髪と直接対峙した…?
「その事実が無きゃ俺だって夢物語だって斬って捨てるんだがねぃ…」
「…なんかめんどくせぇ奴がモビーに来ちまったな」
「あぁ…」
とりあえず夕飯前にでもまたメイの様子を見に行ってみるか。
そんな事を思いながらマルコの部屋を後にした。
オヤジが…オヤジが起きてたらどう思うか聞けるのに、オヤジは今日も体調が悪いらしい。
オヤジの部屋からあの笑い声が聞こえないっつーのは何てさびしいんだろうか。
「…良くなってくれよオヤジ…」
夕飯前に、と思ったが急な仕事が入り結局メイの元に足を向けたのは飯時がすぎてだいぶたった頃だった。
「起きてるかい?」
「……いぞ…う…さん…?」
メイは毛布に身をくるみながら起きていた。
どこかぼんやりしているのは、朝からずっと泣いていたからだろうか。
目の周りが腫れぼったくなっていた。
「何だ、寒いのか?」
「さむ……、そう…ですね。ちょっとだけ…寒いかもしれません」
「毛布もう一枚持ってきてやろうか?」
「いえ、これだけで大丈夫です」
毛布をぎゅっと身体に巻き付けて、こうすれば大丈夫、と笑った。
身を縮こまらせている姿を見るのは初めてで、いつでも凛としてるわけじゃないんだなと少しがっかりした。
なんでそう思ったかはわからないが…。
ふと床に目をやると、朝の食いかけが置いてあった。
もう夜だというのに…
「…なんだ珍しい。食欲ねぇのか?」
「あ…はい、ちょっと…」
「そんな事もあるんだな」
あれだけ地下牢生活を満喫していて、飯が美味いと食っていたから食欲が無くなるなんて思ってもみなかった。
俺がそんな事を考えたのが分かったのか、メイはくすくすと笑った。
「でも、やっぱり美味しいから…時間かかっても全部食べます」
「無理すんじゃねぇぞ」
「でもサッチさんのご飯が唯一の楽しみなので…」
「…あれだけされたのにか?」
俺の言葉にメイは過剰なまでにビクッと身体を震わせた。
「頭カチ割られて痛かったんじゃねぇのかい」
「…え?あ、そうでしたね…」
一瞬キョトンとした顔を見せた後、メイはどこかほっとしたような表情を浮かべた。
「……?どうした?」
「いいえ、何でもないです。ただ…」
「……?」
「いえ、イゾウさんは優しいと…そう思いました」
「そうかい」
「はい」
ぎゅっと毛布を抱き寄せながら、メイは俺にまたあのふわりとした笑みを見せた。
「イゾウさん…」
「なんだい?」
「朝私が言った言葉…信じられないかもしれないけれど…もしヤミヤミの実がこの船に来たら気をつけてくださいね…」
その言葉に俺は頷かなかった。
でもメイは毛布を抱きしめて目を閉じながら笑った。
それは何かを受け入れるかのような…
覚悟を決めたような…
そんな風に思わせる表情だった。
「…イゾウはどう思った」
「どうだろうなぁ。何十年もオヤジのそばにいるティーチが、だぜ?」
「…………」
煙管をふかしながらそう答える。
自分で聞いてきたくせマルコは俺の答えを聞いているのかいないのか、今だ考え混んでいる。
「おいマルコ、テメェ聞いてんのか!」
「ティーチ…ねぃ…」
「…何だよ。言いてぇ事があるならはっきりしろ」
考え込んでいるマルコにそう言えば、ぱっとマルコは顔を上げた。
「イゾウ、赤髪のあの傷、誰がつけたか知っているかい?」
「赤髪の?いや、しらねぇな」
「ティーチだよい」
「は?」
ティーチが赤髪に?
赤髪の目の傷はもう10年以上も前についたものだ。
「野心がねぇ奴が自ら四皇に傷なんてつけるかねぃ」
「…………」
ティーチは決して前に出て行くような奴じゃない。
後ろの雑魚を確実に仕留めて行くようなタイプだ。
そんな奴が赤髪と直接対峙した…?
「その事実が無きゃ俺だって夢物語だって斬って捨てるんだがねぃ…」
「…なんかめんどくせぇ奴がモビーに来ちまったな」
「あぁ…」
とりあえず夕飯前にでもまたメイの様子を見に行ってみるか。
そんな事を思いながらマルコの部屋を後にした。
オヤジが…オヤジが起きてたらどう思うか聞けるのに、オヤジは今日も体調が悪いらしい。
オヤジの部屋からあの笑い声が聞こえないっつーのは何てさびしいんだろうか。
「…良くなってくれよオヤジ…」
夕飯前に、と思ったが急な仕事が入り結局メイの元に足を向けたのは飯時がすぎてだいぶたった頃だった。
「起きてるかい?」
「……いぞ…う…さん…?」
メイは毛布に身をくるみながら起きていた。
どこかぼんやりしているのは、朝からずっと泣いていたからだろうか。
目の周りが腫れぼったくなっていた。
「何だ、寒いのか?」
「さむ……、そう…ですね。ちょっとだけ…寒いかもしれません」
「毛布もう一枚持ってきてやろうか?」
「いえ、これだけで大丈夫です」
毛布をぎゅっと身体に巻き付けて、こうすれば大丈夫、と笑った。
身を縮こまらせている姿を見るのは初めてで、いつでも凛としてるわけじゃないんだなと少しがっかりした。
なんでそう思ったかはわからないが…。
ふと床に目をやると、朝の食いかけが置いてあった。
もう夜だというのに…
「…なんだ珍しい。食欲ねぇのか?」
「あ…はい、ちょっと…」
「そんな事もあるんだな」
あれだけ地下牢生活を満喫していて、飯が美味いと食っていたから食欲が無くなるなんて思ってもみなかった。
俺がそんな事を考えたのが分かったのか、メイはくすくすと笑った。
「でも、やっぱり美味しいから…時間かかっても全部食べます」
「無理すんじゃねぇぞ」
「でもサッチさんのご飯が唯一の楽しみなので…」
「…あれだけされたのにか?」
俺の言葉にメイは過剰なまでにビクッと身体を震わせた。
「頭カチ割られて痛かったんじゃねぇのかい」
「…え?あ、そうでしたね…」
一瞬キョトンとした顔を見せた後、メイはどこかほっとしたような表情を浮かべた。
「……?どうした?」
「いいえ、何でもないです。ただ…」
「……?」
「いえ、イゾウさんは優しいと…そう思いました」
「そうかい」
「はい」
ぎゅっと毛布を抱き寄せながら、メイは俺にまたあのふわりとした笑みを見せた。
「イゾウさん…」
「なんだい?」
「朝私が言った言葉…信じられないかもしれないけれど…もしヤミヤミの実がこの船に来たら気をつけてくださいね…」
その言葉に俺は頷かなかった。
でもメイは毛布を抱きしめて目を閉じながら笑った。
それは何かを受け入れるかのような…
覚悟を決めたような…
そんな風に思わせる表情だった。