みちのくの…
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
メイの口から出てきた話はマルコの言ったとおりおとぎ話みたいなものだった。
メイがいた世界とやらにはこの世界の物語があって、それを読んだ事があるから俺たちを知っているのだと言った。
「サッチさんと黒ひげが友だちだって言う事も知ってます。彼が20年以上もこの船の船長さんの下にいた事も、野心はないからってエースさんに隊長職をゆずった事も。…そして彼がこの船に乗っている本当の理由も、私、知ってます」
ぼろぼろと涙を流しながらもしっかりと話をする。
虚言癖…
だけどそう言うには話に一貫性がありすぎる。
到底信じられない話だと言うのに、だ。
「で、その理由っていうのはなんだ?」
「ヤミヤミの実がこの船に来るのを待ってます」
「ヤミヤミの実ィ?」
そんな実があったのか。
生憎図鑑も真面目に読んだ事もないから覚えていない。
ヤミヤミというからには闇の力なんだろうが…
「…それで?」
「……ヤミヤミの実を手に入れる為に…彼はサッチさんを殺します」
「ふーん」
俺の知っているティーチからは想像もできない話だ。
ティーチがサッチを殺すだって?
そんな馬鹿げた話あるはずない。
一気に胡散臭く感じ、俺は話の興味を失った。
それを感じ取ったのか、メイは顔から手を離しまっすぐ俺を見上げた。
「……信じられなくてもいいです。でも、私が言った事、嘘じゃ……」
「あーはいはい。嘘じゃねぇんだな」
「……嘘…だったら…いいと思います…」
「…どっちだよ」
泣きながら笑みを浮かべたその表情に思わずため息をついた。
わけわかんねぇ。
「サッチさんは…チェリーパイを作ってるんですか?」
「あぁ、しょっちゅうな。ティーチが好きだからな、チェリーパイ」
「仲良し…なんですよね」
「そうだな。だいたい一緒につるんでる」
「……じゃぁやっぱり…嘘だったらいいです…」
メイは知っている出来事とやらが起きなきゃいい、とぽつりとつぶやきながら、サッチが用意した飯を再び口に運んだ。
しっかりと味をかみしめるように、ゆっくりと口を動かす。
「……おいしい」
「そうかい。よかったな」
「はい…」
メイは泣きながら俯くも、背筋をしっかり伸ばしている。
それはさっき話した到底信じられない内容に後ろめたさを感じていない証拠だ。
だけどいくらメイが自信を持って話していても、長年ティーチを見ている俺らからしたらそれこそ夢物語だ。
…それでも一応は頭の片隅に入れておいてやってもいいかなんて思った。
メイがいた世界とやらにはこの世界の物語があって、それを読んだ事があるから俺たちを知っているのだと言った。
「サッチさんと黒ひげが友だちだって言う事も知ってます。彼が20年以上もこの船の船長さんの下にいた事も、野心はないからってエースさんに隊長職をゆずった事も。…そして彼がこの船に乗っている本当の理由も、私、知ってます」
ぼろぼろと涙を流しながらもしっかりと話をする。
虚言癖…
だけどそう言うには話に一貫性がありすぎる。
到底信じられない話だと言うのに、だ。
「で、その理由っていうのはなんだ?」
「ヤミヤミの実がこの船に来るのを待ってます」
「ヤミヤミの実ィ?」
そんな実があったのか。
生憎図鑑も真面目に読んだ事もないから覚えていない。
ヤミヤミというからには闇の力なんだろうが…
「…それで?」
「……ヤミヤミの実を手に入れる為に…彼はサッチさんを殺します」
「ふーん」
俺の知っているティーチからは想像もできない話だ。
ティーチがサッチを殺すだって?
そんな馬鹿げた話あるはずない。
一気に胡散臭く感じ、俺は話の興味を失った。
それを感じ取ったのか、メイは顔から手を離しまっすぐ俺を見上げた。
「……信じられなくてもいいです。でも、私が言った事、嘘じゃ……」
「あーはいはい。嘘じゃねぇんだな」
「……嘘…だったら…いいと思います…」
「…どっちだよ」
泣きながら笑みを浮かべたその表情に思わずため息をついた。
わけわかんねぇ。
「サッチさんは…チェリーパイを作ってるんですか?」
「あぁ、しょっちゅうな。ティーチが好きだからな、チェリーパイ」
「仲良し…なんですよね」
「そうだな。だいたい一緒につるんでる」
「……じゃぁやっぱり…嘘だったらいいです…」
メイは知っている出来事とやらが起きなきゃいい、とぽつりとつぶやきながら、サッチが用意した飯を再び口に運んだ。
しっかりと味をかみしめるように、ゆっくりと口を動かす。
「……おいしい」
「そうかい。よかったな」
「はい…」
メイは泣きながら俯くも、背筋をしっかり伸ばしている。
それはさっき話した到底信じられない内容に後ろめたさを感じていない証拠だ。
だけどいくらメイが自信を持って話していても、長年ティーチを見ている俺らからしたらそれこそ夢物語だ。
…それでも一応は頭の片隅に入れておいてやってもいいかなんて思った。