みちのくの…
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「お、起きてたか」
「あ、あなたは昨日の…」
頭に寝ぐせがついていたから横にはなっていたんだろう。
だけどメイは既に起き上がってまた正座をしていた。
横には使われてたであろう毛布がきっちりと畳まれていた。
俺たちに気がついたメイはまた正面をむき、手をつきながら頭を下げる。
「おはようございます」
「おはようさん」
サッチが身をかがめて朝飯が乗ったトレイを差し出せば、メイは礼を言いながら受け取った。
「ありがとうございま…あっ!」
サッチの顔を見るなり、目を丸くしたメイ。
俺とサッチは何だ?と顔を見合わせる。
「あ、いや、えっと…あっ、こ…これ!あなたが作ってくださってたんですか?」
「おう」
「いつもおいしいご飯ありがとうございました」
「いいえー」
残飯みてぇなモンなんだけどなぁ、とポツリと呟いたサッチの声はどうやらメイには届かなかったらしい。
受け取ったものの、俺たちがいるからか食べもいいのか悩んでいるみたいだった。
「食いながらでいい。話を聞かせておくれ」
「あ、はい…」
両手をあわせていただきます、と深々と頭を下げる。
「アンタはワノ国の奴なのか?」
メイの所作にそう感じたんだろう。
サッチが尋ねればメイは難しい顔をした。
「えっと…ワノクニはワノクニなんですが…」
メイは空中に『倭の国』と書いて見せた。
「倭の国、日出ずる国…昔はそんな呼び方してた国から来ました」
「昔はって事は今は違う呼び方なのか?」
「はい、日本っていう国から来ました。日の本の国と書きます」
「ニホン…聞いた事ねぇな」
「……別の世界から来たんです私…」
モビーに来た初日に散々マルコに手ひどくやられたのを思い出したのか、顔をしかめたままに飯を口に運ぶ。
それでも相変わらず姿勢は良いままだ。
「別の世界…ねぇ」
「……あの…あなたは…サッチさん…で良いですか?」
「…俺の事知ってるのか?」
「……はい」
難しい顔をしたまま、おずおずと頷くメイ。
そして今度は俺に目を向けた。
「イゾウさん…であってますか?」
「あぁ。…手配書か?」
俺もサッチも…隊長たちはみんな賞金首だ。
それで知っていても可笑しくは無い。
だけど違うとメイは首を振った。
「この船に…黒ひげは乗ってますか?」
「…黒ひげ?」
「あ、違うのかな…ティーチ。マーシャル・D・ティーチ」
ティーチ?
あいつがなんだっていうんだ。
俺たちの反応にメイは何かを耐えるようにぐっと目を閉じた。
「…じゃぁ彼がこの船に乗っている理由は…ご存じでしょうか」
「……ティーチは俺たちの家族だ。オヤジを海賊王にするために俺たちはこの船にいる。それ以外に理由なんてあるもんか」
サッチがいらだたしげにそう口を開けば、メイはぶんぶんと首を振る。
「違う…違うんです、彼は…、……ッ!!」
檻に手を突っ込んでサッチはメイの胸倉をつかみあげた。
メイの細い体はいとも簡単に宙づりなる。
「アイツは古株だ。もう20年以上オヤジの元にいる。そんなアイツの何が違うって言うつもりだ」
「か…ッ彼は…期が来たら裏切るつもりです!」
「つまらねぇ冗談はその辺にしておきな嬢ちゃん」
サッチが手を振ればメイの身体は壁に頭からぶつかり辺りに血が飛び散った。
ずるずると壁をずり落ちてくるメイの後頭部はぱっくりと割れている。
サッチもしまった、とつぶやいたがメイが頭を抑えながらノロノロと頭をあげてサッチを見上げたからばつが悪そうな顔をした。
「あいつはダチで俺の家族だ。胸糞悪ぃ冗談はやめてくれ…ッ…」
「……すみません…」
「…謝るならッ……チッ。イゾウ、俺は行くぞ」
「……分かった」
バリバリと頭を書きながらサッチは地下牢を後にした。
立ち去るサッチの後ろ姿を鉄格子に手をかけて見送るメイ。
姿が見えなくなると思い出したかのように後頭部に手をやった。
「痛い…」
「当たり前だ。頭割れてんだぞ」
「…でも、大丈夫です」
「……そうみたいだな」
何度か後頭部に手をやり、付いた血を服で拭ってを繰り返していると次第にその手には何も付かなくなった。
「…後ろ向いてみ?」
「はい…」
素直に振り向くと、やはりというかなんというか。
あれだけぱっくりと割れていた頭は何事もなかったようにふさがっていた。
そういえば昨日俺がつけた頬の傷も無くなっている。
「お前、能力者か」
「…そうみたいです」
「その別の世界とやらにも悪魔の実はあるのかい?」
そう問えば、メイはぱっと俺の顔を見上げた。
それからみるみるうちに顔をゆがませて、しまいには両手で顔を押さえながら伏せてしまった。
「お前の話、聞かせてもらおうか」
「はい…ッ」
顔を伏せながらも、メイはしっかりと首を縦に振った。
「あ、あなたは昨日の…」
頭に寝ぐせがついていたから横にはなっていたんだろう。
だけどメイは既に起き上がってまた正座をしていた。
横には使われてたであろう毛布がきっちりと畳まれていた。
俺たちに気がついたメイはまた正面をむき、手をつきながら頭を下げる。
「おはようございます」
「おはようさん」
サッチが身をかがめて朝飯が乗ったトレイを差し出せば、メイは礼を言いながら受け取った。
「ありがとうございま…あっ!」
サッチの顔を見るなり、目を丸くしたメイ。
俺とサッチは何だ?と顔を見合わせる。
「あ、いや、えっと…あっ、こ…これ!あなたが作ってくださってたんですか?」
「おう」
「いつもおいしいご飯ありがとうございました」
「いいえー」
残飯みてぇなモンなんだけどなぁ、とポツリと呟いたサッチの声はどうやらメイには届かなかったらしい。
受け取ったものの、俺たちがいるからか食べもいいのか悩んでいるみたいだった。
「食いながらでいい。話を聞かせておくれ」
「あ、はい…」
両手をあわせていただきます、と深々と頭を下げる。
「アンタはワノ国の奴なのか?」
メイの所作にそう感じたんだろう。
サッチが尋ねればメイは難しい顔をした。
「えっと…ワノクニはワノクニなんですが…」
メイは空中に『倭の国』と書いて見せた。
「倭の国、日出ずる国…昔はそんな呼び方してた国から来ました」
「昔はって事は今は違う呼び方なのか?」
「はい、日本っていう国から来ました。日の本の国と書きます」
「ニホン…聞いた事ねぇな」
「……別の世界から来たんです私…」
モビーに来た初日に散々マルコに手ひどくやられたのを思い出したのか、顔をしかめたままに飯を口に運ぶ。
それでも相変わらず姿勢は良いままだ。
「別の世界…ねぇ」
「……あの…あなたは…サッチさん…で良いですか?」
「…俺の事知ってるのか?」
「……はい」
難しい顔をしたまま、おずおずと頷くメイ。
そして今度は俺に目を向けた。
「イゾウさん…であってますか?」
「あぁ。…手配書か?」
俺もサッチも…隊長たちはみんな賞金首だ。
それで知っていても可笑しくは無い。
だけど違うとメイは首を振った。
「この船に…黒ひげは乗ってますか?」
「…黒ひげ?」
「あ、違うのかな…ティーチ。マーシャル・D・ティーチ」
ティーチ?
あいつがなんだっていうんだ。
俺たちの反応にメイは何かを耐えるようにぐっと目を閉じた。
「…じゃぁ彼がこの船に乗っている理由は…ご存じでしょうか」
「……ティーチは俺たちの家族だ。オヤジを海賊王にするために俺たちはこの船にいる。それ以外に理由なんてあるもんか」
サッチがいらだたしげにそう口を開けば、メイはぶんぶんと首を振る。
「違う…違うんです、彼は…、……ッ!!」
檻に手を突っ込んでサッチはメイの胸倉をつかみあげた。
メイの細い体はいとも簡単に宙づりなる。
「アイツは古株だ。もう20年以上オヤジの元にいる。そんなアイツの何が違うって言うつもりだ」
「か…ッ彼は…期が来たら裏切るつもりです!」
「つまらねぇ冗談はその辺にしておきな嬢ちゃん」
サッチが手を振ればメイの身体は壁に頭からぶつかり辺りに血が飛び散った。
ずるずると壁をずり落ちてくるメイの後頭部はぱっくりと割れている。
サッチもしまった、とつぶやいたがメイが頭を抑えながらノロノロと頭をあげてサッチを見上げたからばつが悪そうな顔をした。
「あいつはダチで俺の家族だ。胸糞悪ぃ冗談はやめてくれ…ッ…」
「……すみません…」
「…謝るならッ……チッ。イゾウ、俺は行くぞ」
「……分かった」
バリバリと頭を書きながらサッチは地下牢を後にした。
立ち去るサッチの後ろ姿を鉄格子に手をかけて見送るメイ。
姿が見えなくなると思い出したかのように後頭部に手をやった。
「痛い…」
「当たり前だ。頭割れてんだぞ」
「…でも、大丈夫です」
「……そうみたいだな」
何度か後頭部に手をやり、付いた血を服で拭ってを繰り返していると次第にその手には何も付かなくなった。
「…後ろ向いてみ?」
「はい…」
素直に振り向くと、やはりというかなんというか。
あれだけぱっくりと割れていた頭は何事もなかったようにふさがっていた。
そういえば昨日俺がつけた頬の傷も無くなっている。
「お前、能力者か」
「…そうみたいです」
「その別の世界とやらにも悪魔の実はあるのかい?」
そう問えば、メイはぱっと俺の顔を見上げた。
それからみるみるうちに顔をゆがませて、しまいには両手で顔を押さえながら伏せてしまった。
「お前の話、聞かせてもらおうか」
「はい…ッ」
顔を伏せながらも、メイはしっかりと首を縦に振った。