みちのくの…
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その女は突然現れた。
前の停泊から既に1ヶ月。
ここ最近敵襲もなく、モビー内はどこか緩んだ空気が流れていた。
そんな中、その女はあろうことかモビーの甲板のど真ん中に突然姿を現した。
現れた瞬間を何人かは見ていたらしく、話を聞いてみると何もない空間から文字通り突然姿を現したらしい。
瞬く間に取り押さえられたその女は地下牢へと入れられた。
それから3日が経過していた。
マルコたちが話を聞きに行ったが、モビーにやって来た目的は何もないと言う。
そんなわけがあるか。
しかも何やら虚言癖があるらしく、話にならないらしい。
その女は現在も地下牢に入れられたままだった。
ふらりと足を向けたのはただの気まぐれだった。
その女の様子はどんなだろう。
出してくれと泣きわめいているのか。
はたまた絶望でもしているのか。
どちらだろうと一人心の中で賭けをしながら、女が閉じ込められている地下牢の前に立った。
「…こりゃ意外だったな」
「……?」
真っ黒なブレザーとスカートに身を包み、ブレザーの下のブラウスは一番上まできっちりとボタンをしめて。
靴を脱ぎ揃えて背筋をぴんと伸ばし正座をしている。
その女はもぐもぐと口を動かしながらサッチが作ったであろう飯を食っていた。
ただ飯を食っているだけなのに、どこか凛とした雰囲気をだしている。
首を傾げながら口を一生懸命動かし、ようやく飲み込んだのかトレイに皿を静かに置くと女は正座のまま俺を正面に捉えた。
「初めまして、こちらでお世話になっておりますメイと申します。いつも美味しいご飯をありがとうございます」
そう言いながら手をついて頭を下げるその仕草に故郷を思い出す。
「世話になってるって、閉じ込められてるだけじゃねぇか」
「と言われましても…実際衣食住のうち二つもお世話になってますし…」
食事と言ったって餓死させない程度の物しか与えていないようだし、住と言ってもここは地下牢で日の光も当たらない。
寒さをしのぐ物は薄い毛布一枚だ。
「そりゃ嫌味かい?」
そう尋ねれば不思議そうに首を傾げた。
もしかしたら言葉以上の意味はないらしい。
「とっても美味しいご飯が一日三食。ここが海賊船という事を思うと十分よくしてもらってるんじゃないかと…」
「飯が美味いのは否定しねぇけどな」
いくら怪しい奴の言葉だとしてもサッチたちが聞いたら喜びそうだ。
思わず笑うと女もつられてふわりと笑った。
閉じ込められてる割りにだいぶ余裕だな。
その顔を歪めてみたくなって、銃を抜き一発打ち込んでみた。
弾は女の頬をかすり背後の壁に穴をあけた。
それでも女は身動き一つせずに二つの黒曜石みたいな瞳は真っ直ぐ俺を見上げていた。
「へぇ、たいしたタマだ」
根性が座ってる。
地下牢生活を満喫しているくらいだから、それを思うと不思議じゃないのかもしれない。
「ククッ…飯の最中邪魔したな」
「…あ、いえ」
女はまた手をついてぺこりと頭を下げた。
それを見てから俺はそこから離れた。
面白いものを見た。
そんな事を考えながら地下牢のエリアから出る直前、女の声が聞こえた。
「……び…っくりしたぁぁぁあああ!!!動いたら絶対風穴空いてた…!動けなくて良かったぁぁぁ!!」
「ブッ…!あははは!!」
身動き一つしなかったんじゃなくて出来なかったのか。
根性が座ってるわけじゃなくてビビってただけらしい。
思わず笑えば、奥から女の声が聞こえた。
「ハッ!今のは聞かなかった事にしてくださぁい!」
「そりゃ無理な相談だな」
そう言ってやれば何かをぺしぺしと叩く音がした。
前の停泊から既に1ヶ月。
ここ最近敵襲もなく、モビー内はどこか緩んだ空気が流れていた。
そんな中、その女はあろうことかモビーの甲板のど真ん中に突然姿を現した。
現れた瞬間を何人かは見ていたらしく、話を聞いてみると何もない空間から文字通り突然姿を現したらしい。
瞬く間に取り押さえられたその女は地下牢へと入れられた。
それから3日が経過していた。
マルコたちが話を聞きに行ったが、モビーにやって来た目的は何もないと言う。
そんなわけがあるか。
しかも何やら虚言癖があるらしく、話にならないらしい。
その女は現在も地下牢に入れられたままだった。
ふらりと足を向けたのはただの気まぐれだった。
その女の様子はどんなだろう。
出してくれと泣きわめいているのか。
はたまた絶望でもしているのか。
どちらだろうと一人心の中で賭けをしながら、女が閉じ込められている地下牢の前に立った。
「…こりゃ意外だったな」
「……?」
真っ黒なブレザーとスカートに身を包み、ブレザーの下のブラウスは一番上まできっちりとボタンをしめて。
靴を脱ぎ揃えて背筋をぴんと伸ばし正座をしている。
その女はもぐもぐと口を動かしながらサッチが作ったであろう飯を食っていた。
ただ飯を食っているだけなのに、どこか凛とした雰囲気をだしている。
首を傾げながら口を一生懸命動かし、ようやく飲み込んだのかトレイに皿を静かに置くと女は正座のまま俺を正面に捉えた。
「初めまして、こちらでお世話になっておりますメイと申します。いつも美味しいご飯をありがとうございます」
そう言いながら手をついて頭を下げるその仕草に故郷を思い出す。
「世話になってるって、閉じ込められてるだけじゃねぇか」
「と言われましても…実際衣食住のうち二つもお世話になってますし…」
食事と言ったって餓死させない程度の物しか与えていないようだし、住と言ってもここは地下牢で日の光も当たらない。
寒さをしのぐ物は薄い毛布一枚だ。
「そりゃ嫌味かい?」
そう尋ねれば不思議そうに首を傾げた。
もしかしたら言葉以上の意味はないらしい。
「とっても美味しいご飯が一日三食。ここが海賊船という事を思うと十分よくしてもらってるんじゃないかと…」
「飯が美味いのは否定しねぇけどな」
いくら怪しい奴の言葉だとしてもサッチたちが聞いたら喜びそうだ。
思わず笑うと女もつられてふわりと笑った。
閉じ込められてる割りにだいぶ余裕だな。
その顔を歪めてみたくなって、銃を抜き一発打ち込んでみた。
弾は女の頬をかすり背後の壁に穴をあけた。
それでも女は身動き一つせずに二つの黒曜石みたいな瞳は真っ直ぐ俺を見上げていた。
「へぇ、たいしたタマだ」
根性が座ってる。
地下牢生活を満喫しているくらいだから、それを思うと不思議じゃないのかもしれない。
「ククッ…飯の最中邪魔したな」
「…あ、いえ」
女はまた手をついてぺこりと頭を下げた。
それを見てから俺はそこから離れた。
面白いものを見た。
そんな事を考えながら地下牢のエリアから出る直前、女の声が聞こえた。
「……び…っくりしたぁぁぁあああ!!!動いたら絶対風穴空いてた…!動けなくて良かったぁぁぁ!!」
「ブッ…!あははは!!」
身動き一つしなかったんじゃなくて出来なかったのか。
根性が座ってるわけじゃなくてビビってただけらしい。
思わず笑えば、奥から女の声が聞こえた。
「ハッ!今のは聞かなかった事にしてくださぁい!」
「そりゃ無理な相談だな」
そう言ってやれば何かをぺしぺしと叩く音がした。