私のとある一日
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「メイ」
呼ばれてハッと顔をあげる。
するとすぐ横にイゾウさんの顔があって思わず目を見開いた。
「集中するのはいいが…飯を抜くのは関心しねぇな」
「え、あ、もうそんな時間…」
「…は、とっくの昔に過ぎてる」
「あう…」
マルコ隊長の部屋に付いている窓から外を見れば、確かに空が夕焼け色だ。
あっれー、いつのまに…?
「部屋にも戻ってない、食堂にも来てない…マルコも声掛けてくれりゃよかったのに」
「いえ…マルコ隊長は…そのー…」
お昼前にマルコ隊長がお昼に行けよ、と声をかけてくれてから部屋を出て行ったところまでは記憶があるんだけど、気がついたら今だった。
正直そんなに時間がたっている気がしてなかった。
だけど書類の山が残りわずかになっているから、それなりに時間がたっていたんだなぁと思う。
「メイ、飯は食えって言ってるだろ?船旅の基本だ」
「はい…すみませんイゾウ隊長…」
思わず目線を下げてしまう。
だけどイゾウさんは頭を優しく撫でてくれた。
「もう少し我慢できるか?」
「はい、それは」
「もうちっとで夕飯だ。それまでにそれ終わらせちまえ」
「はい」
あわててパチパチとそろばんをはじく。
だけどイゾウさんは私の隣にぺったりとくっついて手元をじーっと見ている。
「イゾウ隊長…とーってもやりにくいです」
「気にするな」
「気になりますよーぅ」
私がむくれるとイゾウさんはくすくすと笑った。
むくれたままにそろばんをパチパチとはじき、ようやく全ての計算が終わった。
「おつかれさん。ちょうどいい時間だな」
「本当ですか?」
んー、と伸びをしてから立ち上がる。
こっちに来てから着物を着るようになって、初めはあんなに椅子に座ったり立ったりするのが大変だと思っていたのに今では慣れたものだ。
慣れってすごい。
マルコ隊長宛に置手紙を書き残してイゾウさんとマルコ隊長の部屋を後にした。
「あー…目がしぱしぱします…」
「あれだけ集中してりゃな。若いってスゲェな」
「何言ってるんですか。イゾウ隊長だってまだまだ若いじゃないですか」
「そりゃマルコやサッチに比べたらな?」
そんな他愛のない会話をしながらイゾウさんと食堂へ向かって歩いていると、とあるお兄ちゃん集団が前方からやってきた。
彼らは私を…というより、イゾウさんを見るなり蛇に睨まれたカエル状態でその場から動けなくなる。
ああああ、本当申し訳ないったらありゃしない…
実は彼ら、私がモビーにやってきた当初…つまりは地下牢にいた時に私を襲ってきた方たちなのだ。
あの時、どうやら黒ひげ発で私が性処理係として新しく捕まえた捕虜だと一部の人に知れ渡っていたらしい。
1600人もいれば噂が広まるのはあっという間。
それでも隊長クラスまで話は届いていなかったというのだから、そのあたりは黒ひげの手腕だったんだなぁと思う。
で。
私が着物を着るようになった理由というのも、こうしてイゾウさんが私を守ってくれているからに他ならない。
ちょっと恥ずかしいんだけど、イゾウさんのものですよー、という印なのだ。
現に着物を着ているのはイゾウさんと私しかいない。
そりゃもう目立つ目立つ…。
詳しくは知らないんだけど、どうやらイゾウさんにこーーーーってりと絞られたらしく。
医務室からイゾウさんの部屋に移って暫くの間、たくさんの人に土下座をされた。
その度に気にしないでほしいって言ってはいるんだけど…
イゾウさんにぐっと肩を引き寄せられて、カエルさんになってしまったお兄ちゃん達のわきを通り過ぎる。
通り過ぎる際に会釈したら、明らかにほっとされた。
くっそー。
早くみんなと仲良くなりたいのに、黒ひげめっ!
今度会ったらその髭一本ずつ、ぜーんぶピンセットで抜き取ってやる!!
そんな事を思っていたら、急にイゾウさんが私を抱きしめた。
え?何?
「メイ…そりゃ無理だ」
そう言いながらぎゅーぎゅーと抱きしめるイゾウさん。
ここがどこかもきっと忘れているに違いない。
それでも私はおずおずとイゾウさんの背中に手を回した。
「…もしかして…声に出てましたか?」
「あぁ」
「あらいやだ」
おどけて言って見せてもイゾウさんは腕の力を強くするだけで離してはくれない。
私、もう気にしてませんよ?
もちろん忘れられる出来事じゃないけど、でも今はこうしてイゾウさんが気にかけてくれるから、全然平気なのだ。
イゾウさんの胸に頭を擦り寄せてみれば、頭の上でイゾウさんの笑う声が聞こえた。
呼ばれてハッと顔をあげる。
するとすぐ横にイゾウさんの顔があって思わず目を見開いた。
「集中するのはいいが…飯を抜くのは関心しねぇな」
「え、あ、もうそんな時間…」
「…は、とっくの昔に過ぎてる」
「あう…」
マルコ隊長の部屋に付いている窓から外を見れば、確かに空が夕焼け色だ。
あっれー、いつのまに…?
「部屋にも戻ってない、食堂にも来てない…マルコも声掛けてくれりゃよかったのに」
「いえ…マルコ隊長は…そのー…」
お昼前にマルコ隊長がお昼に行けよ、と声をかけてくれてから部屋を出て行ったところまでは記憶があるんだけど、気がついたら今だった。
正直そんなに時間がたっている気がしてなかった。
だけど書類の山が残りわずかになっているから、それなりに時間がたっていたんだなぁと思う。
「メイ、飯は食えって言ってるだろ?船旅の基本だ」
「はい…すみませんイゾウ隊長…」
思わず目線を下げてしまう。
だけどイゾウさんは頭を優しく撫でてくれた。
「もう少し我慢できるか?」
「はい、それは」
「もうちっとで夕飯だ。それまでにそれ終わらせちまえ」
「はい」
あわててパチパチとそろばんをはじく。
だけどイゾウさんは私の隣にぺったりとくっついて手元をじーっと見ている。
「イゾウ隊長…とーってもやりにくいです」
「気にするな」
「気になりますよーぅ」
私がむくれるとイゾウさんはくすくすと笑った。
むくれたままにそろばんをパチパチとはじき、ようやく全ての計算が終わった。
「おつかれさん。ちょうどいい時間だな」
「本当ですか?」
んー、と伸びをしてから立ち上がる。
こっちに来てから着物を着るようになって、初めはあんなに椅子に座ったり立ったりするのが大変だと思っていたのに今では慣れたものだ。
慣れってすごい。
マルコ隊長宛に置手紙を書き残してイゾウさんとマルコ隊長の部屋を後にした。
「あー…目がしぱしぱします…」
「あれだけ集中してりゃな。若いってスゲェな」
「何言ってるんですか。イゾウ隊長だってまだまだ若いじゃないですか」
「そりゃマルコやサッチに比べたらな?」
そんな他愛のない会話をしながらイゾウさんと食堂へ向かって歩いていると、とあるお兄ちゃん集団が前方からやってきた。
彼らは私を…というより、イゾウさんを見るなり蛇に睨まれたカエル状態でその場から動けなくなる。
ああああ、本当申し訳ないったらありゃしない…
実は彼ら、私がモビーにやってきた当初…つまりは地下牢にいた時に私を襲ってきた方たちなのだ。
あの時、どうやら黒ひげ発で私が性処理係として新しく捕まえた捕虜だと一部の人に知れ渡っていたらしい。
1600人もいれば噂が広まるのはあっという間。
それでも隊長クラスまで話は届いていなかったというのだから、そのあたりは黒ひげの手腕だったんだなぁと思う。
で。
私が着物を着るようになった理由というのも、こうしてイゾウさんが私を守ってくれているからに他ならない。
ちょっと恥ずかしいんだけど、イゾウさんのものですよー、という印なのだ。
現に着物を着ているのはイゾウさんと私しかいない。
そりゃもう目立つ目立つ…。
詳しくは知らないんだけど、どうやらイゾウさんにこーーーーってりと絞られたらしく。
医務室からイゾウさんの部屋に移って暫くの間、たくさんの人に土下座をされた。
その度に気にしないでほしいって言ってはいるんだけど…
イゾウさんにぐっと肩を引き寄せられて、カエルさんになってしまったお兄ちゃん達のわきを通り過ぎる。
通り過ぎる際に会釈したら、明らかにほっとされた。
くっそー。
早くみんなと仲良くなりたいのに、黒ひげめっ!
今度会ったらその髭一本ずつ、ぜーんぶピンセットで抜き取ってやる!!
そんな事を思っていたら、急にイゾウさんが私を抱きしめた。
え?何?
「メイ…そりゃ無理だ」
そう言いながらぎゅーぎゅーと抱きしめるイゾウさん。
ここがどこかもきっと忘れているに違いない。
それでも私はおずおずとイゾウさんの背中に手を回した。
「…もしかして…声に出てましたか?」
「あぁ」
「あらいやだ」
おどけて言って見せてもイゾウさんは腕の力を強くするだけで離してはくれない。
私、もう気にしてませんよ?
もちろん忘れられる出来事じゃないけど、でも今はこうしてイゾウさんが気にかけてくれるから、全然平気なのだ。
イゾウさんの胸に頭を擦り寄せてみれば、頭の上でイゾウさんの笑う声が聞こえた。