エース隊長の場合
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ナースに女が目を覚ましたら声をかけてくれとお願いしてから3日目。
その間もちょくちょく医務室へと足を運んでいたけど一向に女が目を覚ます気配はなかった。
だけどようやく声がかかった。
「エース隊長、あの子が目を覚ましましたよ」
「やっとか…!分かった、すぐ行く」
「マルコ隊長の所へ行きますので、私はこれで」
「サンキューな!」
ダイヤは足早に部屋を去っていく。
俺も急いで医務室へと足を向けた。
すると一足先にサッチがドアの前に立っていた。
「おう、来たか」
「やっと目覚ましたってな」
「あぁ」
サッチはほっとした顔をしていた。
恩人が目を覚ましたんだから当たり前か。
マルコもすぐにやってきて、三人そろったところで中へと入った。
すると大きな目がこっちを向いた。
驚いているみたいだが、無理もない。
こんな知らない場所に知らない男が三人も入ってくるのだから。
「具合はどうだ?」
「だるいの以外はなんとも?」
「そりゃよかった」
サッチの問いに女はしっかりと答える。
こんな状況で混乱しているかと思ったが、女は案外落ち着いているようで普通に受け答えしている。
「あんたのおかげで助かった、礼を言う」
「……?えっと…?」
サッチが頭を下げると女は初めて混乱を見せた。
何故礼を言われるのか、といった感じだ。
俺もサッチの隣に立って頭を下げる。
「ティーチは俺が責任もって始末した。隊員の不始末は隊長の俺の責任だ。すまなかった」
「し…始末って…始末ってもしかして…」
目を見開いてティーチの行く末を気にした女。
だから正直に答えてやった。
「穴という穴から火薬をこれでもかってほど詰め込んで体に爆弾くくりつけて海に離して火拳で焼いた」
「超えげつない!!」
えげつないと言われようが掟は掟だ。
というか、寝ていた姿からイメージしていたのと大分食い違いがある。
この女、見かけによらず凄く元気だ。
触ったら折れちまいそうなくらい細いくせに、眼力がやたらあるし口を開けばだいぶにぎやかだ。
まぁ、死にかけよりはよっぽどいい。
やっぱり初めて会った頃のルフィを思い出した。
あいつもタフだった。
マルコが確信をつけばきょどる女。
ジョシコーセーなんてよくわからない単語を出したかと思えば、その正体はさらによくわからないものだった。
別の世界から来た?
なんだそりゃ。
名前をメイと名乗った。
あまり聞かない名前だったから、本当に別の世界から来たのかもしれないとぼんやり思った。
ふと女は動かせる目だけで俺を見てぽつりとつぶやいた。
「よかった…」
…何が?
首をかしげると、ふわっと笑った。
この笑い方は見た事がある。
こいつが気を失う直前、血まみれのままに見せたあの笑みだ。
心底安心したような笑い方。
何故そんな顔をするのか分からなくて俺は首をかしげた。
メイは自分がどんな状況か分かっていなかったらしく、怪我がないという事に自身が驚いていた。
話を聞くと気を失う直前に食べたらしいさくらんぼが悪魔の実だったらしい。
訳も分からず突然身につけた能力を確かめようにも海楼石の錠のせいでそれも出来ない。
危険はないと判断してサッチが海楼石の錠をはずしてやった。
ずっと同じ態勢だったのがつらかったのか、ぐーっと腕を伸ばして伸びをするメイ。
バキバキっと良い音が鳴る。
と、次の瞬間起き上がろうとするからとっさに頭を押さえてベッドへと押し戻した。
「ちょ…待った!」
「ぐえ!」
「アンタ今上服着てないから!」
思わず3日前に見たメイの裸を思い出してしまった。
自分でも顔が赤くなるのが分かった。
それなのにメイはのんきに首をかしげた。
「あら、おそろい?」
それは俺とって事か?
そうだよおそろいだよ!
メイは暫く何か考え込んでいたようだけど、ふと思い出したように手の間から俺を見上げた。
「……ところですみません…」
「ん?」
「醜い裸体を晒さないよう十分気をつけて体起こすので、アイアンクロー解除してください!」
アイアンクローなんてしていない。
と思ったけど、ちっせぇメイの頭はちょうど掴みやすい大きさで、知らないうちに力がこもっていたらしい。
涙目で自虐的に訴えるものだから、思わずぐっと力を込めてしまった。
「いだだだだだ!うわーーん!ごめんなさぁぁぁい!!」
何に謝っているんだろう。
「エース、離してやれよい」
「おう、悪かったな」
「頭握りつぶされるかと思いました…っ!」
そう言いながらも何故か笑うメイに俺は思わず眉をひそめた。
…なんで嬉しそうなんだろうか。
一旦俺たち三人は医務室を出てダイヤとチェンジする。
着替えてオヤジに会いに行くというのだ。
医務室から出てきたメイは上下黒の服を着ていて、中に白いブラウスを着ていた。
靴下も黒で靴も黒。
なんだか喪服みたいだと思った。
歩き始めてひょこひょこと不思議な足音をたてるメイ。
ちらりと振り返ってみると、足の太さが左右でかなり違かった。
長い間足を骨折していたのだろうか。
ただでさえガリガリだというのに左足はほぼ骨と皮だけだった。
本人は足を引きずらずに歩こうとしているつもりのようだったが、その筋肉の付き方の違いでは無理だ。
なんだかちいせぇのに大変だなぁ、なんてこの時はぼんやり思った。
オヤジに会っても若干の緊張は見せたものの物おじせずにはきはきと受け答えを続けるメイ。
だいぶ肝が座った女だ。
そして謙虚だ。
オヤジが背を伸ばして礼を言うとそんな事を小娘相手にするものじゃないと慌てた。
また倒れるんじゃないかと思うほどに顔が真っ青になっていた。
メイは自分を異端者だと言った。
別の世界から来た異端者。
帰るところも住むところもないメイにオヤジの勧誘は相当嬉しいものだったらしく、オヤジに抱きつきながら喜んでいた。
正直うらやましい…。
メイが食べた悪魔の実の話になり、メイは見た事もない道具を当たり前のように懐から取り出した。
「なんだそれ?」
「んーと、あっちの世界での便利道具ですよ。その機能の一つで写真がとれるんです」
「へー!」
指先で光る板の上をなぞれば絵がパラパラと変わっていく。
これは…不思議板か…!!
サッチとメイの手元を覗き込んでいると、確かにさくらんぼ型の悪魔の実がそこにはあった。
マルコに見せると、すぐさまマルコは手元に持ってきた図鑑をぱらぱらとめくる。
ふと眉をひそめながらマルコの手が不自然に止まる。
そこにはメイが持っている不思議板に写っている絵が描かれていた。
「マルコ、どうした?」
「いや…なんでもねぇよい」
煮え切らないマルコを不思議に思いながらも図鑑を覗くと、そこにはフシフシの実と書かれていた。
超人系の不死身人間らしい。
同じ不死の能力でもマルコとはだいぶ違う。
マルコは青い炎を身にまとって傷を再生させるけど、メイは血をたくさん流していた。
現に今の今まで貧血でぶっ倒れていたし、便利なんだか不便なんだかよくわからねぇな。
頭上でオヤジがうずうずしているのが見えた。
オヤジもどうやら不思議板の事が気になっているらしい。
「メイ、俺にも見せてくれねぇか?」
「よろこんで!」
メイはにこにことオヤジに不思議板を手渡すが、置かれた位置が悪かったらしいのと小さすぎてうまく見えないらしい。
目を凝らしたり首をひねったりしていた。
そんな姿が少し面白くて、俺はブハッ、と吹きだした。
オヤジはそのまま見るのを諦めて、見やすい位置に不思議板を移動させようと恐る恐るといった感じに指先でつまみあげた。
ら。
バキョッ!
「あっ…」
壊した!
オヤジが不思議板を壊した…!!
あーぁ、メイ泣き崩れてんじゃん。
俺しーらねっ!
その間もちょくちょく医務室へと足を運んでいたけど一向に女が目を覚ます気配はなかった。
だけどようやく声がかかった。
「エース隊長、あの子が目を覚ましましたよ」
「やっとか…!分かった、すぐ行く」
「マルコ隊長の所へ行きますので、私はこれで」
「サンキューな!」
ダイヤは足早に部屋を去っていく。
俺も急いで医務室へと足を向けた。
すると一足先にサッチがドアの前に立っていた。
「おう、来たか」
「やっと目覚ましたってな」
「あぁ」
サッチはほっとした顔をしていた。
恩人が目を覚ましたんだから当たり前か。
マルコもすぐにやってきて、三人そろったところで中へと入った。
すると大きな目がこっちを向いた。
驚いているみたいだが、無理もない。
こんな知らない場所に知らない男が三人も入ってくるのだから。
「具合はどうだ?」
「だるいの以外はなんとも?」
「そりゃよかった」
サッチの問いに女はしっかりと答える。
こんな状況で混乱しているかと思ったが、女は案外落ち着いているようで普通に受け答えしている。
「あんたのおかげで助かった、礼を言う」
「……?えっと…?」
サッチが頭を下げると女は初めて混乱を見せた。
何故礼を言われるのか、といった感じだ。
俺もサッチの隣に立って頭を下げる。
「ティーチは俺が責任もって始末した。隊員の不始末は隊長の俺の責任だ。すまなかった」
「し…始末って…始末ってもしかして…」
目を見開いてティーチの行く末を気にした女。
だから正直に答えてやった。
「穴という穴から火薬をこれでもかってほど詰め込んで体に爆弾くくりつけて海に離して火拳で焼いた」
「超えげつない!!」
えげつないと言われようが掟は掟だ。
というか、寝ていた姿からイメージしていたのと大分食い違いがある。
この女、見かけによらず凄く元気だ。
触ったら折れちまいそうなくらい細いくせに、眼力がやたらあるし口を開けばだいぶにぎやかだ。
まぁ、死にかけよりはよっぽどいい。
やっぱり初めて会った頃のルフィを思い出した。
あいつもタフだった。
マルコが確信をつけばきょどる女。
ジョシコーセーなんてよくわからない単語を出したかと思えば、その正体はさらによくわからないものだった。
別の世界から来た?
なんだそりゃ。
名前をメイと名乗った。
あまり聞かない名前だったから、本当に別の世界から来たのかもしれないとぼんやり思った。
ふと女は動かせる目だけで俺を見てぽつりとつぶやいた。
「よかった…」
…何が?
首をかしげると、ふわっと笑った。
この笑い方は見た事がある。
こいつが気を失う直前、血まみれのままに見せたあの笑みだ。
心底安心したような笑い方。
何故そんな顔をするのか分からなくて俺は首をかしげた。
メイは自分がどんな状況か分かっていなかったらしく、怪我がないという事に自身が驚いていた。
話を聞くと気を失う直前に食べたらしいさくらんぼが悪魔の実だったらしい。
訳も分からず突然身につけた能力を確かめようにも海楼石の錠のせいでそれも出来ない。
危険はないと判断してサッチが海楼石の錠をはずしてやった。
ずっと同じ態勢だったのがつらかったのか、ぐーっと腕を伸ばして伸びをするメイ。
バキバキっと良い音が鳴る。
と、次の瞬間起き上がろうとするからとっさに頭を押さえてベッドへと押し戻した。
「ちょ…待った!」
「ぐえ!」
「アンタ今上服着てないから!」
思わず3日前に見たメイの裸を思い出してしまった。
自分でも顔が赤くなるのが分かった。
それなのにメイはのんきに首をかしげた。
「あら、おそろい?」
それは俺とって事か?
そうだよおそろいだよ!
メイは暫く何か考え込んでいたようだけど、ふと思い出したように手の間から俺を見上げた。
「……ところですみません…」
「ん?」
「醜い裸体を晒さないよう十分気をつけて体起こすので、アイアンクロー解除してください!」
アイアンクローなんてしていない。
と思ったけど、ちっせぇメイの頭はちょうど掴みやすい大きさで、知らないうちに力がこもっていたらしい。
涙目で自虐的に訴えるものだから、思わずぐっと力を込めてしまった。
「いだだだだだ!うわーーん!ごめんなさぁぁぁい!!」
何に謝っているんだろう。
「エース、離してやれよい」
「おう、悪かったな」
「頭握りつぶされるかと思いました…っ!」
そう言いながらも何故か笑うメイに俺は思わず眉をひそめた。
…なんで嬉しそうなんだろうか。
一旦俺たち三人は医務室を出てダイヤとチェンジする。
着替えてオヤジに会いに行くというのだ。
医務室から出てきたメイは上下黒の服を着ていて、中に白いブラウスを着ていた。
靴下も黒で靴も黒。
なんだか喪服みたいだと思った。
歩き始めてひょこひょこと不思議な足音をたてるメイ。
ちらりと振り返ってみると、足の太さが左右でかなり違かった。
長い間足を骨折していたのだろうか。
ただでさえガリガリだというのに左足はほぼ骨と皮だけだった。
本人は足を引きずらずに歩こうとしているつもりのようだったが、その筋肉の付き方の違いでは無理だ。
なんだかちいせぇのに大変だなぁ、なんてこの時はぼんやり思った。
オヤジに会っても若干の緊張は見せたものの物おじせずにはきはきと受け答えを続けるメイ。
だいぶ肝が座った女だ。
そして謙虚だ。
オヤジが背を伸ばして礼を言うとそんな事を小娘相手にするものじゃないと慌てた。
また倒れるんじゃないかと思うほどに顔が真っ青になっていた。
メイは自分を異端者だと言った。
別の世界から来た異端者。
帰るところも住むところもないメイにオヤジの勧誘は相当嬉しいものだったらしく、オヤジに抱きつきながら喜んでいた。
正直うらやましい…。
メイが食べた悪魔の実の話になり、メイは見た事もない道具を当たり前のように懐から取り出した。
「なんだそれ?」
「んーと、あっちの世界での便利道具ですよ。その機能の一つで写真がとれるんです」
「へー!」
指先で光る板の上をなぞれば絵がパラパラと変わっていく。
これは…不思議板か…!!
サッチとメイの手元を覗き込んでいると、確かにさくらんぼ型の悪魔の実がそこにはあった。
マルコに見せると、すぐさまマルコは手元に持ってきた図鑑をぱらぱらとめくる。
ふと眉をひそめながらマルコの手が不自然に止まる。
そこにはメイが持っている不思議板に写っている絵が描かれていた。
「マルコ、どうした?」
「いや…なんでもねぇよい」
煮え切らないマルコを不思議に思いながらも図鑑を覗くと、そこにはフシフシの実と書かれていた。
超人系の不死身人間らしい。
同じ不死の能力でもマルコとはだいぶ違う。
マルコは青い炎を身にまとって傷を再生させるけど、メイは血をたくさん流していた。
現に今の今まで貧血でぶっ倒れていたし、便利なんだか不便なんだかよくわからねぇな。
頭上でオヤジがうずうずしているのが見えた。
オヤジもどうやら不思議板の事が気になっているらしい。
「メイ、俺にも見せてくれねぇか?」
「よろこんで!」
メイはにこにことオヤジに不思議板を手渡すが、置かれた位置が悪かったらしいのと小さすぎてうまく見えないらしい。
目を凝らしたり首をひねったりしていた。
そんな姿が少し面白くて、俺はブハッ、と吹きだした。
オヤジはそのまま見るのを諦めて、見やすい位置に不思議板を移動させようと恐る恐るといった感じに指先でつまみあげた。
ら。
バキョッ!
「あっ…」
壊した!
オヤジが不思議板を壊した…!!
あーぁ、メイ泣き崩れてんじゃん。
俺しーらねっ!
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