エース隊長の場合
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今日の不寝番は2番隊なので、見張り台と甲板に数名残し、皆で食堂で飲んでいた。
サッチが料理をしこたま作ってくれたので俺はそれを頬張る。
「あれ?ティーチがいねぇぞ?」
「便所か?」
「さっきサッチ隊長と出てったぜ」
そんな言葉を耳にし、なんとなく隣のテーブルに目をやる。
そこにはあいつの好きなチェリーパイが並んでいた。
旨そうに食っているティーチの姿を頭に描きながら、酒をひとあおり。
あー飯がうまい。
そういえばサッチが悪魔の実を見つけたとオヤジに報告していた。
カナヅチ組の救出もう出来ねぇな、なんて言っていたから食べるんだろうか。
いや、サッチは自ら海に潜って海王類(食糧)を仕留めてきたりするから冗談かもしれない。
そんなことをぼーっと考えていると眠くなってくる。
飯はうまいし、お腹も膨れてきたし…
ふっと意識が落ちかける寸前…
『ぴぃぃぃぁぁぁあああああああ!!!』
「んが!?」
今まで聞いたことのないような甲高い雄たけびが聞こえてきてバチッと目が覚める。
「な…なんだぁ?今の!」
辺りを見回してみると他の奴らも一様にキョロキョロしている。
とりあえずテンガロンハットをかぶり直し廊下に出てみればバタバタと他の連中も騒いでいた。
『なんだ?今の』
『あっちの方から…』
『サッチ隊長の部屋らしいぞ!』
『オイ!ティーチが!!』
人が向かう方へ俺も足を向ければ徐々に情報が集まってくる。
サッチとティーチ?
さっき隊員の奴らの話をふと思い出す。
『ティーチがいねぇぞ?』
『さっきサッチ隊長と出てったぜ』
そこでぞわりと嫌な何かが背中を駆け抜ける。
慌ててサッチの部屋へ駆けつけると、そこには異様な光景が広がっていた。
まず目に飛び込んできたのは人の山。
何かを取り押さえようとしているのか、乗りすぎて山になっている。
怒号が飛び交いすぎて何を言っているのか聞き取れない。
いくつか単語を拾えばやっぱり『ティーチ』。
あまりの光景に一瞬呆然としてしまったが、つん、と鉄臭さを覚えて我に返る。
ふと辺りを見渡せば床や壁に尋常なないほどの血が飛び散っていた。
そして人の山の向こうにはサッチが服を赤く染めて呆然としている。
「サッチ!大丈夫か!?」
「エ…エース!今すぐラクヨウ呼んで来い!」
声をかければサッチもすぐに我に返り、俺は大丈夫だと言いながらラクヨウを呼ぶ。
「ラクヨウ?わ…わかった!」
ラクヨウの部屋は階が違う。
ここにいるのは1番と4番隊、そして不寝番で食堂にいた俺らの隊の奴らばかりで、他の隊が居る階まではこの騒ぎは聞こえていないようだ。
とにかく階段を駆け下りてラクヨウの部屋まで駆け込む。
「ラクヨウ!」
勢いのままにドアを開ければ、酒を飲みながら書類に向かっているドレッドヘア。
本当デスクワークに似合わねぇなとつくづく思う。
「どうしたエース、ノックぐらい…」
「今すぐサッチの部屋へ!」
「んあ?何事だ?」
「よく分かんねぇ、でも緊急事態だ!」
そこまでいえばラクヨウも獲物を持って立ち上がり、俺についてくる。
向かいがてらにサッチの部屋で見た光景とティーチが絡んでいそうだと説明すれば、何故サッチがラクヨウを呼んだかなんとなくわかる。
再びサッチの部屋へと駆け込み、人の山を徐々に捌けさせればそこにいたのはやはりティーチ。
素早くラクヨウの鎖で捕縛し、体を引き起こすと…
そこには血まみれの女がいた。
まだ意識があったのか、ふっと笑った気がした。
なぜかその光景がやけに印象に残った。
だけどその女は、そのまま目を閉じた。
気を失ったのか?
素早くサッチがその女を抱きあげると、慌ただしく部屋から出て行った。
「しくじったなぁ」
ゼハハ、と力なく笑うティーチに怒りがこみ上げる。
「ティーチ!てめぇ何してんだ!!」
胸倉をつかみ上げれば嫌な笑みを浮かべるティーチ。
「あいつが…」
「……?」
「あいつが俺の探し求めていた悪魔の実を手に入れやがったんだ…」
この船じゃ見つけた奴が口にしていいルールだ。
ティーチが何十年もこの船にいたのはサッチが見つけた悪魔の実が手に入る確率が一番高かったからだという。
「テメェは…それでサッチを殺そうとしたのか!」
あんなに仲が良かったのに…
こんなことの為にオヤジの船に乗っていたのか…!
「テメェ…!!」
ゴウ、と右腕に炎をまとえばラクヨウがそれを止める。
「待てエース!サッチの部屋を燃やす気か!」
「…チッ!……どうするマルコ」
「まずはオヤジに報告だ」
身動きが取れないほどにギチギチに縛り上げたから、ティーチは一人で歩くこともかなわず。
逃げ出さないよう見張りながらオヤジの部屋へと連れて行く。
既にマルコが電伝虫で全てを説明していたようで、部屋に着くなりオヤジはティーチをブン殴る。
壁にぶち当たり痙攣を起こしているが知ったこっちゃない。
「テメェだけは息子とは呼べねェな!ティーチ!!」
ティーチの始末を任された俺は一瞬どうするか悩む。
だけどティーチの今なおぎらついた目を見ると、このまま生かしておくわけにはいかないと考える。
「どうするエース」
「火拳で焼き殺す」
「万が一助かったらどうする」
打ち損じるとも思えないが…そう考えているとサッチがいつのまにかやってきていた。
「体に余すことなく爆弾くくりつけりゃいいんじゃね?」
「心持たないな…いっそ内側から」
サッチの案にラクヨウが付け足す。
さすがにティーチの顔が青ざめる。
「「「「よし、火薬詰め込むか」」」」
満場一致で準備に取り掛かる。
船大工に小舟を一艘用意してもらい、モビーから十分離れたところまでストライカーで運ぶ。
「一瞬で焼くのもいいかもしれねぇけど…なぁティーチ」
口がふさがれていてしゃべれないことは分かっている。
返事なんて期待もしていなかった。
ガチャガチャと縁にくくりつけられた体をゆする音が耳触りだと思う。
「自分の死ぬ瞬間ってのを感じ取れるのはどれだけ絶望的だろうな」
指先に小さな炎をともし、導火線に火をつける。
頭に取り付けられた爆弾へと徐々に近づく様を見守りながら、ティーチへ隊長として最後の言葉を告げる。
「オヤジの誇りを傷つけた事、地獄で後悔しやがれ」
ドン!と火柱が上がると同時に船もろとも肉片が海へと沈んでいく。
「……威力半端ねぇな」
サッチとラクヨウのさらっと思いついた案に軽く身震いする。
そういえば、さっきサッチが多分医務室へ連れて行ったあの女…大丈夫かな、なんて事を考えながらモビーへとストライカーを進めた。
サッチが料理をしこたま作ってくれたので俺はそれを頬張る。
「あれ?ティーチがいねぇぞ?」
「便所か?」
「さっきサッチ隊長と出てったぜ」
そんな言葉を耳にし、なんとなく隣のテーブルに目をやる。
そこにはあいつの好きなチェリーパイが並んでいた。
旨そうに食っているティーチの姿を頭に描きながら、酒をひとあおり。
あー飯がうまい。
そういえばサッチが悪魔の実を見つけたとオヤジに報告していた。
カナヅチ組の救出もう出来ねぇな、なんて言っていたから食べるんだろうか。
いや、サッチは自ら海に潜って海王類(食糧)を仕留めてきたりするから冗談かもしれない。
そんなことをぼーっと考えていると眠くなってくる。
飯はうまいし、お腹も膨れてきたし…
ふっと意識が落ちかける寸前…
『ぴぃぃぃぁぁぁあああああああ!!!』
「んが!?」
今まで聞いたことのないような甲高い雄たけびが聞こえてきてバチッと目が覚める。
「な…なんだぁ?今の!」
辺りを見回してみると他の奴らも一様にキョロキョロしている。
とりあえずテンガロンハットをかぶり直し廊下に出てみればバタバタと他の連中も騒いでいた。
『なんだ?今の』
『あっちの方から…』
『サッチ隊長の部屋らしいぞ!』
『オイ!ティーチが!!』
人が向かう方へ俺も足を向ければ徐々に情報が集まってくる。
サッチとティーチ?
さっき隊員の奴らの話をふと思い出す。
『ティーチがいねぇぞ?』
『さっきサッチ隊長と出てったぜ』
そこでぞわりと嫌な何かが背中を駆け抜ける。
慌ててサッチの部屋へ駆けつけると、そこには異様な光景が広がっていた。
まず目に飛び込んできたのは人の山。
何かを取り押さえようとしているのか、乗りすぎて山になっている。
怒号が飛び交いすぎて何を言っているのか聞き取れない。
いくつか単語を拾えばやっぱり『ティーチ』。
あまりの光景に一瞬呆然としてしまったが、つん、と鉄臭さを覚えて我に返る。
ふと辺りを見渡せば床や壁に尋常なないほどの血が飛び散っていた。
そして人の山の向こうにはサッチが服を赤く染めて呆然としている。
「サッチ!大丈夫か!?」
「エ…エース!今すぐラクヨウ呼んで来い!」
声をかければサッチもすぐに我に返り、俺は大丈夫だと言いながらラクヨウを呼ぶ。
「ラクヨウ?わ…わかった!」
ラクヨウの部屋は階が違う。
ここにいるのは1番と4番隊、そして不寝番で食堂にいた俺らの隊の奴らばかりで、他の隊が居る階まではこの騒ぎは聞こえていないようだ。
とにかく階段を駆け下りてラクヨウの部屋まで駆け込む。
「ラクヨウ!」
勢いのままにドアを開ければ、酒を飲みながら書類に向かっているドレッドヘア。
本当デスクワークに似合わねぇなとつくづく思う。
「どうしたエース、ノックぐらい…」
「今すぐサッチの部屋へ!」
「んあ?何事だ?」
「よく分かんねぇ、でも緊急事態だ!」
そこまでいえばラクヨウも獲物を持って立ち上がり、俺についてくる。
向かいがてらにサッチの部屋で見た光景とティーチが絡んでいそうだと説明すれば、何故サッチがラクヨウを呼んだかなんとなくわかる。
再びサッチの部屋へと駆け込み、人の山を徐々に捌けさせればそこにいたのはやはりティーチ。
素早くラクヨウの鎖で捕縛し、体を引き起こすと…
そこには血まみれの女がいた。
まだ意識があったのか、ふっと笑った気がした。
なぜかその光景がやけに印象に残った。
だけどその女は、そのまま目を閉じた。
気を失ったのか?
素早くサッチがその女を抱きあげると、慌ただしく部屋から出て行った。
「しくじったなぁ」
ゼハハ、と力なく笑うティーチに怒りがこみ上げる。
「ティーチ!てめぇ何してんだ!!」
胸倉をつかみ上げれば嫌な笑みを浮かべるティーチ。
「あいつが…」
「……?」
「あいつが俺の探し求めていた悪魔の実を手に入れやがったんだ…」
この船じゃ見つけた奴が口にしていいルールだ。
ティーチが何十年もこの船にいたのはサッチが見つけた悪魔の実が手に入る確率が一番高かったからだという。
「テメェは…それでサッチを殺そうとしたのか!」
あんなに仲が良かったのに…
こんなことの為にオヤジの船に乗っていたのか…!
「テメェ…!!」
ゴウ、と右腕に炎をまとえばラクヨウがそれを止める。
「待てエース!サッチの部屋を燃やす気か!」
「…チッ!……どうするマルコ」
「まずはオヤジに報告だ」
身動きが取れないほどにギチギチに縛り上げたから、ティーチは一人で歩くこともかなわず。
逃げ出さないよう見張りながらオヤジの部屋へと連れて行く。
既にマルコが電伝虫で全てを説明していたようで、部屋に着くなりオヤジはティーチをブン殴る。
壁にぶち当たり痙攣を起こしているが知ったこっちゃない。
「テメェだけは息子とは呼べねェな!ティーチ!!」
ティーチの始末を任された俺は一瞬どうするか悩む。
だけどティーチの今なおぎらついた目を見ると、このまま生かしておくわけにはいかないと考える。
「どうするエース」
「火拳で焼き殺す」
「万が一助かったらどうする」
打ち損じるとも思えないが…そう考えているとサッチがいつのまにかやってきていた。
「体に余すことなく爆弾くくりつけりゃいいんじゃね?」
「心持たないな…いっそ内側から」
サッチの案にラクヨウが付け足す。
さすがにティーチの顔が青ざめる。
「「「「よし、火薬詰め込むか」」」」
満場一致で準備に取り掛かる。
船大工に小舟を一艘用意してもらい、モビーから十分離れたところまでストライカーで運ぶ。
「一瞬で焼くのもいいかもしれねぇけど…なぁティーチ」
口がふさがれていてしゃべれないことは分かっている。
返事なんて期待もしていなかった。
ガチャガチャと縁にくくりつけられた体をゆする音が耳触りだと思う。
「自分の死ぬ瞬間ってのを感じ取れるのはどれだけ絶望的だろうな」
指先に小さな炎をともし、導火線に火をつける。
頭に取り付けられた爆弾へと徐々に近づく様を見守りながら、ティーチへ隊長として最後の言葉を告げる。
「オヤジの誇りを傷つけた事、地獄で後悔しやがれ」
ドン!と火柱が上がると同時に船もろとも肉片が海へと沈んでいく。
「……威力半端ねぇな」
サッチとラクヨウのさらっと思いついた案に軽く身震いする。
そういえば、さっきサッチが多分医務室へ連れて行ったあの女…大丈夫かな、なんて事を考えながらモビーへとストライカーを進めた。
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