マルコ隊長のお部屋
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「マルコ隊長ー!開けてくださーい!!」
そんな言葉がドアの外から聞こえてくる。
こんな事を言うのはメイくらいだ。
他の奴らだったらどうにかして自分でドアくらいあける。
こういうところがメイらしい、というのかもしれない。
イスから立ち上がり、ドアを開けてやれば、メイは両手で大量の紙の束を持っていた。
「また随分な量を…」
「大丈夫です、このほとんどは多分確認だけでいいはずです」
「だといいねぃ」
「ってわけでお願いしますね!私次の書類回収してきますので」
「よーぃ…」
次の書類、か。
今回これだけ集めてきたのにまだ次があるとは珍しい…
「ちなみにあと三回、回収しに行きます」
「なんだ今日に限って珍しい。イジメかよい」
「あー…確かに考え様によってはただの嫌がらせみたいですね」
「…………?」
メイの言い方に引っかかりを覚えて首を傾げてみたが、メイは苦笑いしながら『次行ってきます』と言いながら部屋を出て行った。
メイが持って来た書類をパラパラめくってみると確かに確認だけで良さそうだった。
中には修正の跡もあったから、回収時にメイが見てくれているのだろう。
本当、黙ってれば優秀な奴なんだがなぁ…
メイの回収より先に俺の処理が終わってしまった。
椅子に深く腰掛けて、少し休憩…のつもりがいつの間にかうたた寝をしていたようだった。
コンコンとドアがノックされるのと同時に複数の話し声が聞こえた。
「マルコ隊長入りまー…ありゃ?」
ガチャリとドアをくぐってきたのはもちろんメイで、話し声が聞こえた割には一人で入ってきた。
きっと誰かに開けてもらったんだろう。
なんとなく寝たふりをして様子を伺う事にした。
メイはそろりそろりと歩いてデスクに資料を置くと、仕分けを始めたのか、それでもいつもよりもゆっくりと作業をし始めた。
俺に気を使ってるのか、なるべく紙をめくる音が出ないようにしているんだろう。
いつもだったら周りの音も聞こえなくなるくらいの集中力をみせるメイだが、ゆっくり作業をしているせいか今はだいぶ気もそぞろらしい。
時折視線を感じ、その度に小さく笑う気配がした。
暫くすると仕分けが終わったのか、メイはデスクから離れて行った。
さて、そろそろ起きるか…
「あ」
ん?
部屋を出る寸前だったメイは急に身体の向きを変え、ベッドから毛布を持ってくると俺にふわりとかけた。
「風邪ひいちゃうといけないですからね」
そう言いながらすぐ出ていくのかと思いきや、しばらく俺の顔をじっと見ていた。
だんだん何をやっているんだろうって気分になってくる。
「マルコ隊長まつげながーい…」
「…………」
「寝顔もかっこいい…」
「…………」
「マルコ隊長だいs…」
「…メイ」
「……へ!?」
「…もう起きて良いかい?」
「ぎゃぁぁぁぁぁ!!!」
もう耐えられなかった。
なんの我慢大会だ。
ってか、起きてるのに気づいていなかったのかよ。
メイは耳まで赤くしながら顔を覆って足元にしゃがみ込んだ。
「マルコ隊長…いっ…いつから…」
「わりかし最初の方から…」
「いやぁぁぁぁぁぁっ!忘れてくださいぃぃぃぃぃ!!」
ゴンゴンと床に頭を打ち付けるメイだったがこっちだってそんな気分だっての。
「んぎゃぁぁぁぁああああ!!!」
「メイ、メイ落ち着け」
「あああああもう恥ずかしいぃぃぃ!!」
「メイ」
「本当、お願いしますマルコ隊長忘れ…」
「メイ!!」
「ッハイ!!」
強めに名前を呼べばビシッと敬礼をしながら立ち上がった。
顔は真っ赤にしたまま、そのでっけぇ目には涙がいっぱい溜まってる。
メイが俺にかけた毛布をそのまま頭から被せて引き寄せれば、すんなりと俺の足の上に乗る。
最初こそジタバタと暴れていたメイだったが、ぐっと腕に力を込めれば観念したのか暴れるのを辞めて大人しくなった。
『あー』だの『うー』だの唸っていたが、しばらくすると毛布から手を伸ばして俺の服の裾をちょんと摘んだ。
「ん?どうした?」
「マルコ隊長…」
「うん?」
「誕生日おめでとうございます」
「……あー…」
誕生日…誕生日ね。
「って事は何かい?このほぼ完璧な書類はあいつらなりのプレゼントだとでもいうのかい?」
「そうなんですけど…」
「…………?」
首を傾げながら、毛布を頭に引っ掛けながらもようやく顔を出したメイは少し困り顔で。
「どうした?」
「いや、今回の航路もう長いじゃないですか。まさかこんなに長いとは思ってなくってですね、その…何も用意出来なかったんです…」
「プレゼントって事かい?そんなもん今更いらねぇよい」
「って言うだろうって皆さん言ってました。で、皆さんに協力して貰ってちょっとでもマルコ隊長が楽になればと思ったんですけど…」
チラリと書類の束に目をやる。
あれがあと二回…
「皆さんなんだかやる気出しすぎちゃったみたいで、あの量に…」
「あいつ等、やっぱり嫌がらせじゃねぇかよい」
そう口にするとメイはしょぼん、と肩を落とした。
「…逆に迷惑かけちゃったですか?」
「あ?」
「ごめんなさい…」
「んなわけあるかよい」
腕を伸ばして数枚書類を手に取れば、かなり先の締め切りのものまである。
「暫くゆっくりできそうだ。ある意味物をもらうより嬉しいかもしれないねぃ」
「本当ですか?」
「あぁ。ありがとうよい」
「へへっ…」
ようやくはにかんだような笑顔を見せたメイ。
ったく、何て顔しやがる…
「マルコ隊長?」
思わずつられて笑っちまえば、メイが首をかしげた。
そのまま顎をすくい上げて触れるだけのキスをする。
「……マルコ隊長」
「よい?」
「マルコ隊長の誕生日なのに、さっきから私ばっかり幸せです」
「おぉ、そりゃよかったよい」
書類を机の上に投げ戻して、メイを抱く腕に力を込める。
「メイが幸せだというなら俺も幸せだ」
「マルコ隊長があm…」
「黙ってろい」
「んむ…っ!」
いつもの奇声に空気がぶち壊される前に唇を再び塞いでやる。
メイの照れ隠しはいつも煩い。
だけどそんなアホな行動も愛しく思っちまってるんだから、もう末期だ。
メイがくれた時間をメイの為に使うのも良いかもしれない。
まぁ、その前に睡眠に時間を割いちまいそうだが。
「メイ、仕事終わったら寝るぞ」
「え、あ…はい」
既に俺の抱き枕になる事に慣れちまってるメイは素直に頷く。
そうも信用されてるってのもなんだかなーと思いつつ、とりあえずはこの幸せをかみしめる事にした。
そんな言葉がドアの外から聞こえてくる。
こんな事を言うのはメイくらいだ。
他の奴らだったらどうにかして自分でドアくらいあける。
こういうところがメイらしい、というのかもしれない。
イスから立ち上がり、ドアを開けてやれば、メイは両手で大量の紙の束を持っていた。
「また随分な量を…」
「大丈夫です、このほとんどは多分確認だけでいいはずです」
「だといいねぃ」
「ってわけでお願いしますね!私次の書類回収してきますので」
「よーぃ…」
次の書類、か。
今回これだけ集めてきたのにまだ次があるとは珍しい…
「ちなみにあと三回、回収しに行きます」
「なんだ今日に限って珍しい。イジメかよい」
「あー…確かに考え様によってはただの嫌がらせみたいですね」
「…………?」
メイの言い方に引っかかりを覚えて首を傾げてみたが、メイは苦笑いしながら『次行ってきます』と言いながら部屋を出て行った。
メイが持って来た書類をパラパラめくってみると確かに確認だけで良さそうだった。
中には修正の跡もあったから、回収時にメイが見てくれているのだろう。
本当、黙ってれば優秀な奴なんだがなぁ…
メイの回収より先に俺の処理が終わってしまった。
椅子に深く腰掛けて、少し休憩…のつもりがいつの間にかうたた寝をしていたようだった。
コンコンとドアがノックされるのと同時に複数の話し声が聞こえた。
「マルコ隊長入りまー…ありゃ?」
ガチャリとドアをくぐってきたのはもちろんメイで、話し声が聞こえた割には一人で入ってきた。
きっと誰かに開けてもらったんだろう。
なんとなく寝たふりをして様子を伺う事にした。
メイはそろりそろりと歩いてデスクに資料を置くと、仕分けを始めたのか、それでもいつもよりもゆっくりと作業をし始めた。
俺に気を使ってるのか、なるべく紙をめくる音が出ないようにしているんだろう。
いつもだったら周りの音も聞こえなくなるくらいの集中力をみせるメイだが、ゆっくり作業をしているせいか今はだいぶ気もそぞろらしい。
時折視線を感じ、その度に小さく笑う気配がした。
暫くすると仕分けが終わったのか、メイはデスクから離れて行った。
さて、そろそろ起きるか…
「あ」
ん?
部屋を出る寸前だったメイは急に身体の向きを変え、ベッドから毛布を持ってくると俺にふわりとかけた。
「風邪ひいちゃうといけないですからね」
そう言いながらすぐ出ていくのかと思いきや、しばらく俺の顔をじっと見ていた。
だんだん何をやっているんだろうって気分になってくる。
「マルコ隊長まつげながーい…」
「…………」
「寝顔もかっこいい…」
「…………」
「マルコ隊長だいs…」
「…メイ」
「……へ!?」
「…もう起きて良いかい?」
「ぎゃぁぁぁぁぁ!!!」
もう耐えられなかった。
なんの我慢大会だ。
ってか、起きてるのに気づいていなかったのかよ。
メイは耳まで赤くしながら顔を覆って足元にしゃがみ込んだ。
「マルコ隊長…いっ…いつから…」
「わりかし最初の方から…」
「いやぁぁぁぁぁぁっ!忘れてくださいぃぃぃぃぃ!!」
ゴンゴンと床に頭を打ち付けるメイだったがこっちだってそんな気分だっての。
「んぎゃぁぁぁぁああああ!!!」
「メイ、メイ落ち着け」
「あああああもう恥ずかしいぃぃぃ!!」
「メイ」
「本当、お願いしますマルコ隊長忘れ…」
「メイ!!」
「ッハイ!!」
強めに名前を呼べばビシッと敬礼をしながら立ち上がった。
顔は真っ赤にしたまま、そのでっけぇ目には涙がいっぱい溜まってる。
メイが俺にかけた毛布をそのまま頭から被せて引き寄せれば、すんなりと俺の足の上に乗る。
最初こそジタバタと暴れていたメイだったが、ぐっと腕に力を込めれば観念したのか暴れるのを辞めて大人しくなった。
『あー』だの『うー』だの唸っていたが、しばらくすると毛布から手を伸ばして俺の服の裾をちょんと摘んだ。
「ん?どうした?」
「マルコ隊長…」
「うん?」
「誕生日おめでとうございます」
「……あー…」
誕生日…誕生日ね。
「って事は何かい?このほぼ完璧な書類はあいつらなりのプレゼントだとでもいうのかい?」
「そうなんですけど…」
「…………?」
首を傾げながら、毛布を頭に引っ掛けながらもようやく顔を出したメイは少し困り顔で。
「どうした?」
「いや、今回の航路もう長いじゃないですか。まさかこんなに長いとは思ってなくってですね、その…何も用意出来なかったんです…」
「プレゼントって事かい?そんなもん今更いらねぇよい」
「って言うだろうって皆さん言ってました。で、皆さんに協力して貰ってちょっとでもマルコ隊長が楽になればと思ったんですけど…」
チラリと書類の束に目をやる。
あれがあと二回…
「皆さんなんだかやる気出しすぎちゃったみたいで、あの量に…」
「あいつ等、やっぱり嫌がらせじゃねぇかよい」
そう口にするとメイはしょぼん、と肩を落とした。
「…逆に迷惑かけちゃったですか?」
「あ?」
「ごめんなさい…」
「んなわけあるかよい」
腕を伸ばして数枚書類を手に取れば、かなり先の締め切りのものまである。
「暫くゆっくりできそうだ。ある意味物をもらうより嬉しいかもしれないねぃ」
「本当ですか?」
「あぁ。ありがとうよい」
「へへっ…」
ようやくはにかんだような笑顔を見せたメイ。
ったく、何て顔しやがる…
「マルコ隊長?」
思わずつられて笑っちまえば、メイが首をかしげた。
そのまま顎をすくい上げて触れるだけのキスをする。
「……マルコ隊長」
「よい?」
「マルコ隊長の誕生日なのに、さっきから私ばっかり幸せです」
「おぉ、そりゃよかったよい」
書類を机の上に投げ戻して、メイを抱く腕に力を込める。
「メイが幸せだというなら俺も幸せだ」
「マルコ隊長があm…」
「黙ってろい」
「んむ…っ!」
いつもの奇声に空気がぶち壊される前に唇を再び塞いでやる。
メイの照れ隠しはいつも煩い。
だけどそんなアホな行動も愛しく思っちまってるんだから、もう末期だ。
メイがくれた時間をメイの為に使うのも良いかもしれない。
まぁ、その前に睡眠に時間を割いちまいそうだが。
「メイ、仕事終わったら寝るぞ」
「え、あ…はい」
既に俺の抱き枕になる事に慣れちまってるメイは素直に頷く。
そうも信用されてるってのもなんだかなーと思いつつ、とりあえずはこの幸せをかみしめる事にした。
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