君死にたもう事なかれ!
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「オメェがメイか」
「はいメイです!初めまして白ひげさん!」
大きい体に何本もの管を繋げながら、酒樽片手にそこに鎮座する白ひげさん。
そして周りには白衣の天使・天使アンド天使!!
天使がいっぱい!
ここは天国だったっけ?
そして天使をはべらす白ひげさんは…
そうか。
神様だったか(錯乱中)
現在白ひげさんとご対面中です。
オヤジ様超でっかいよー!
手だけでも私の上半身くらいあるよー!
あぁ…片手でぎゅっと握りつぶされてみたい…
不死身になった今だったらこの夢、叶えられるなー…
叶えてくれるかなー?
思わずもじもじしてしまう。
こんなことを考えているとは思わなかったのか、白ひげさんはニッと笑みを浮かべる。
「緊張なんかするもんじゃねェ」
「え、緊張?……はッ、はい!」
そういうことにしておこう、そうしよう。
脱線しかける思考を元に戻し、姿勢を正すと白ひげさんと向き合う。
ふと白ひげさんは酒樽を一人の白衣の天使に手渡すと、もたれかかっていた背もたれから体を起こした。
「……?白ひげさん?」
「息子が世話になったなァ…感謝する」
「…っ!そんな、やめてください!意図したわけじゃないですから!」
頭を下げることこそしなかったものの、世界最強の男がこんな小娘にとる態度じゃない。
懐が大きすぎて、逆に緊張してしまう。
慌てて首を振ると、グララララ、と豪快に笑われた。
とっても大きな笑い声。
お腹の底まで振動が伝わる。
これもまた、生きている証拠。
本当に…よかった。
漫画を読んだ時に、その生きざまに思わず涙した。
その事を思い出して、溢れそうになる涙をぐっと我慢した。
たまたまなのだ。
たまたま居合わせた。
たまたま間に割って入った。
それがたまたまサッチさんの命を救った。
その代わり黒ひげさんの命を奪ってしまった。
物語が進んでいくと嫌なところばかり目に付いたけど、初めて登場した時の『人の夢は終わらねェ』って台詞はひどく印象に残っていた。
こっちの世界に来てしまった今となっては続きを読めなくなってしまったから、彼が一体何を考えて行動していたんだろうと気になるところではある。
皆が生きていてよかったと思う一方で、黒ひげさんの死に対してかなりの後ろめたさが残る。
これからどうしたらいいのだろう…
そこではた、と気がつく。
これから本当にどうしたらいいのだろうか、と。
ここの世界の知識も常識も漫画で読んで理解した分だけ。
持っている荷物はごくわずか。
お金は一銭もない。
帰るところもどこにもない。
サーッと一気に青くなる。
「ん?どうしたハナッタレ」
「……―――っ!」
し…白ひげさんからハナッタレ発言いただきましたー!(鼻血)
普通だったら小馬鹿にした言葉だけど、白ひげさんが言うとなんて愛のある言葉に聞こえるんだろう?
でも比喩でもなんでもなく、本当に垂れかけていたからずびっと鼻をすする。
言っても…いいかなぁ?
「あ…あのですね、こんなことこのタイミングで言うのはとても心苦しいのですが…」
「言ってみろ」
「私、少しの荷物以外なにも持ってないんです。それどころがこの世界で生きていく術すら持ってません。だから…」
「他の世界からきたってェやつか?」
「はい…」
「…にわかには信じ固ェ話だがなぁ…」
ふとここで白ひげさんは白衣の天使から酒樽を受け取り、そのままグビッとひとあおり。
空になった酒樽をドン、と膝の上に置くとその顔に悪戯を思いついた子どものような笑みを浮かべる。
「俺ぁ長ェ事このグランドラインにいるが…まだまだ知らねェ事があるもんだなァ!グラララララ!!」
「白ひげさん…っ!」
だいぶ不可思議な出来事を一蹴してしまう懐の広さ。
本当海のような人だと思う。
「俺たちは海賊だ。ならず者な異端者だ」
「異端者っていうなら私だって負けてません!」
なんせ異世界から来たのだ。
これを異端者と言わずになんという!
「グラララララ!オメェが良いんだったら俺の娘になれメイ!」
私が先に言いたかった言葉。
私を家族にしてください、そうお願いしたかった。
でも白ひげさんはそういう前に私を娘にしてくれると…そう言った。
先ほどこらえたはずの涙がまた逆流してくる。
懐が広いにもほどがある。
でもだからこそ、こんな大所帯なんだ。
突然帰る場所がなくなってしまった私だけど、でもすぐに帰れる場所が見つかった。
それはどんなに幸運なことなんだろう。
「うわーーーん!オヤジ様ぁぁぁーーー!!!」
「あ、待てよぃ!」
これまで口を挟まずに事の成り行きを見守ってくれていたマルコさんが思わず声を発するが、それよりも早くオヤジ様の脛にしがみつく。
後ろから『しかたねェよぃ』なんて聞こえてきたけど気にしない。
腕が回りきらないけどぎゅーっと力いっぱい抱きしめると、大きな手が私を抱きしめてくれた。
このまま握りつぶされたい!
そう思うほどに心がいっぱいになるのを感じた。
ひとしきりオヤジ様を堪能してからもといた位置に戻ると、そういやぁとオヤジ様が口を開く。
「メイ、オメェ悪魔の実の能力者なんだって?オメェの世界にも悪魔の実はあるのか?」
「ありません。あまりにも変わった形のさくらんぼだったので記念に食べてみたんです」
「なんの記念だよ」
横でサッチ隊長が苦笑いを浮かべている。
ツッコミありがとうございます!
でもほら、変わったものを思わず自分のものにしたいっていうのは人間の心理だと思うの。
あんまりにも悪魔の実にそっくりだったから写メとっちゃったんだもんね!
…あ、そうだ。
「悪魔の実の図鑑とかってあったりしますか?」
「マルコ」
「よいよいっと」
ふと尋ねるとオヤジ様に呼ばれてマルコ隊長が立ち上がる。
すぐに壁際に備え付けられていた本棚から一冊の本を手にとって戻ってきた。
さすが大海賊団、本当なんでもあるなぁ…
懐からスマホを取り出すとさっき撮った写真を呼び出していると、エース隊長とサッチ隊長が手元を覗きこんで操作する画面を食い入るように見つめた。
「なんだそれ?」
「んーと、あっちの世界での便利道具ですよ。その機能の一つで写真がとれるんです」
「へー!」
「あ、あった!ありましたよ!」
食べたさくらんぼの画像をみせるとマルコ隊長はすぐにパラパラとページをめくる。
すぐにその手は止まり、画像と同じ絵が描かれたページを発見する。
説明文を読んで思わず大きく息が漏れた。
ふざけて言いあってただけなのに本気で『フシフシの実』だったなんて…
言霊って本当にあるのかなぁ?
「メイ、俺にも見せてくれねぇか?」
「よろこんで!」
オヤジ様の元へとスマホを片手に近寄る。
差し出された手のひらにスマホを乗せるとオヤジ様は手を顔の近くまで持っていく。
大きな手だったなぁ…
そんなことを考えながらオヤジ様を見ていると、どうも画面が小さすぎて見にくいのか、反対の手で器用にスマホをつまみあげ…
バキョッ!
「ファッ!!?」
「「「「「あっ…」」」」」
私とオヤジ様以外の皆がハモる。
本当息ぴったりの兄弟姉妹ですね!
じゃなくて…!
「お…オヤジ様ッ…何の音…!?」
「…………すまねェ、メイ」
オヤジ様がこれ以上ないってくらい困った顔をしながら手のひらを差し出す。
そこには無残にも縦に真っ二つに割れてたマイスマホ…
私はこの行き場のないショックを散らすために頭を抱えながら崩れ落ちることしか出来なかった。
ノォォォオオオッ!!!
片手で握りつぶされたのはスマホだったかぁぁぁ!!!
「はいメイです!初めまして白ひげさん!」
大きい体に何本もの管を繋げながら、酒樽片手にそこに鎮座する白ひげさん。
そして周りには白衣の天使・天使アンド天使!!
天使がいっぱい!
ここは天国だったっけ?
そして天使をはべらす白ひげさんは…
そうか。
神様だったか(錯乱中)
現在白ひげさんとご対面中です。
オヤジ様超でっかいよー!
手だけでも私の上半身くらいあるよー!
あぁ…片手でぎゅっと握りつぶされてみたい…
不死身になった今だったらこの夢、叶えられるなー…
叶えてくれるかなー?
思わずもじもじしてしまう。
こんなことを考えているとは思わなかったのか、白ひげさんはニッと笑みを浮かべる。
「緊張なんかするもんじゃねェ」
「え、緊張?……はッ、はい!」
そういうことにしておこう、そうしよう。
脱線しかける思考を元に戻し、姿勢を正すと白ひげさんと向き合う。
ふと白ひげさんは酒樽を一人の白衣の天使に手渡すと、もたれかかっていた背もたれから体を起こした。
「……?白ひげさん?」
「息子が世話になったなァ…感謝する」
「…っ!そんな、やめてください!意図したわけじゃないですから!」
頭を下げることこそしなかったものの、世界最強の男がこんな小娘にとる態度じゃない。
懐が大きすぎて、逆に緊張してしまう。
慌てて首を振ると、グララララ、と豪快に笑われた。
とっても大きな笑い声。
お腹の底まで振動が伝わる。
これもまた、生きている証拠。
本当に…よかった。
漫画を読んだ時に、その生きざまに思わず涙した。
その事を思い出して、溢れそうになる涙をぐっと我慢した。
たまたまなのだ。
たまたま居合わせた。
たまたま間に割って入った。
それがたまたまサッチさんの命を救った。
その代わり黒ひげさんの命を奪ってしまった。
物語が進んでいくと嫌なところばかり目に付いたけど、初めて登場した時の『人の夢は終わらねェ』って台詞はひどく印象に残っていた。
こっちの世界に来てしまった今となっては続きを読めなくなってしまったから、彼が一体何を考えて行動していたんだろうと気になるところではある。
皆が生きていてよかったと思う一方で、黒ひげさんの死に対してかなりの後ろめたさが残る。
これからどうしたらいいのだろう…
そこではた、と気がつく。
これから本当にどうしたらいいのだろうか、と。
ここの世界の知識も常識も漫画で読んで理解した分だけ。
持っている荷物はごくわずか。
お金は一銭もない。
帰るところもどこにもない。
サーッと一気に青くなる。
「ん?どうしたハナッタレ」
「……―――っ!」
し…白ひげさんからハナッタレ発言いただきましたー!(鼻血)
普通だったら小馬鹿にした言葉だけど、白ひげさんが言うとなんて愛のある言葉に聞こえるんだろう?
でも比喩でもなんでもなく、本当に垂れかけていたからずびっと鼻をすする。
言っても…いいかなぁ?
「あ…あのですね、こんなことこのタイミングで言うのはとても心苦しいのですが…」
「言ってみろ」
「私、少しの荷物以外なにも持ってないんです。それどころがこの世界で生きていく術すら持ってません。だから…」
「他の世界からきたってェやつか?」
「はい…」
「…にわかには信じ固ェ話だがなぁ…」
ふとここで白ひげさんは白衣の天使から酒樽を受け取り、そのままグビッとひとあおり。
空になった酒樽をドン、と膝の上に置くとその顔に悪戯を思いついた子どものような笑みを浮かべる。
「俺ぁ長ェ事このグランドラインにいるが…まだまだ知らねェ事があるもんだなァ!グラララララ!!」
「白ひげさん…っ!」
だいぶ不可思議な出来事を一蹴してしまう懐の広さ。
本当海のような人だと思う。
「俺たちは海賊だ。ならず者な異端者だ」
「異端者っていうなら私だって負けてません!」
なんせ異世界から来たのだ。
これを異端者と言わずになんという!
「グラララララ!オメェが良いんだったら俺の娘になれメイ!」
私が先に言いたかった言葉。
私を家族にしてください、そうお願いしたかった。
でも白ひげさんはそういう前に私を娘にしてくれると…そう言った。
先ほどこらえたはずの涙がまた逆流してくる。
懐が広いにもほどがある。
でもだからこそ、こんな大所帯なんだ。
突然帰る場所がなくなってしまった私だけど、でもすぐに帰れる場所が見つかった。
それはどんなに幸運なことなんだろう。
「うわーーーん!オヤジ様ぁぁぁーーー!!!」
「あ、待てよぃ!」
これまで口を挟まずに事の成り行きを見守ってくれていたマルコさんが思わず声を発するが、それよりも早くオヤジ様の脛にしがみつく。
後ろから『しかたねェよぃ』なんて聞こえてきたけど気にしない。
腕が回りきらないけどぎゅーっと力いっぱい抱きしめると、大きな手が私を抱きしめてくれた。
このまま握りつぶされたい!
そう思うほどに心がいっぱいになるのを感じた。
ひとしきりオヤジ様を堪能してからもといた位置に戻ると、そういやぁとオヤジ様が口を開く。
「メイ、オメェ悪魔の実の能力者なんだって?オメェの世界にも悪魔の実はあるのか?」
「ありません。あまりにも変わった形のさくらんぼだったので記念に食べてみたんです」
「なんの記念だよ」
横でサッチ隊長が苦笑いを浮かべている。
ツッコミありがとうございます!
でもほら、変わったものを思わず自分のものにしたいっていうのは人間の心理だと思うの。
あんまりにも悪魔の実にそっくりだったから写メとっちゃったんだもんね!
…あ、そうだ。
「悪魔の実の図鑑とかってあったりしますか?」
「マルコ」
「よいよいっと」
ふと尋ねるとオヤジ様に呼ばれてマルコ隊長が立ち上がる。
すぐに壁際に備え付けられていた本棚から一冊の本を手にとって戻ってきた。
さすが大海賊団、本当なんでもあるなぁ…
懐からスマホを取り出すとさっき撮った写真を呼び出していると、エース隊長とサッチ隊長が手元を覗きこんで操作する画面を食い入るように見つめた。
「なんだそれ?」
「んーと、あっちの世界での便利道具ですよ。その機能の一つで写真がとれるんです」
「へー!」
「あ、あった!ありましたよ!」
食べたさくらんぼの画像をみせるとマルコ隊長はすぐにパラパラとページをめくる。
すぐにその手は止まり、画像と同じ絵が描かれたページを発見する。
説明文を読んで思わず大きく息が漏れた。
ふざけて言いあってただけなのに本気で『フシフシの実』だったなんて…
言霊って本当にあるのかなぁ?
「メイ、俺にも見せてくれねぇか?」
「よろこんで!」
オヤジ様の元へとスマホを片手に近寄る。
差し出された手のひらにスマホを乗せるとオヤジ様は手を顔の近くまで持っていく。
大きな手だったなぁ…
そんなことを考えながらオヤジ様を見ていると、どうも画面が小さすぎて見にくいのか、反対の手で器用にスマホをつまみあげ…
バキョッ!
「ファッ!!?」
「「「「「あっ…」」」」」
私とオヤジ様以外の皆がハモる。
本当息ぴったりの兄弟姉妹ですね!
じゃなくて…!
「お…オヤジ様ッ…何の音…!?」
「…………すまねェ、メイ」
オヤジ様がこれ以上ないってくらい困った顔をしながら手のひらを差し出す。
そこには無残にも縦に真っ二つに割れてたマイスマホ…
私はこの行き場のないショックを散らすために頭を抱えながら崩れ落ちることしか出来なかった。
ノォォォオオオッ!!!
片手で握りつぶされたのはスマホだったかぁぁぁ!!!