君死にたもう事なかれ!
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「ほんっとうにスミマセンでしたぁぁぁっ!!」
逃げ込んだ裏路地で本日二度目の土下座をすれば、キッドさんは頭の上で本日二度目の舌打ちをした。
「大体食い逃げなんてしてんじゃねぇよ!」
「それっ!私じゃないですぅぅぅ!」
「……アァ?」
怪訝そうな声を出したキッドさんに事のあらましをざっと話せば、なんだか小馬鹿にするような目で見られた。
ついでにハンッと鼻を鳴らされた。
「お前、完全になすりつけられてんじゃねぇか」
「そうなんですよ!エース隊長ならまぁいいとして…」
「いいのかよ」
「いいですよ?」
だってエース隊長だもん。
「…でも他の方のはちょっと。正直、知らねぇよぉぉぉ!って感じなんですけど…」
「まぁ、だろうな」
お店の人もさ!
もうちょっと防犯とか気をつけようよ!
全部が全部私じゃないよぉぉぉ!
全部が全部っていうか、むしろ全て?
「でも一番最初のは食い逃げなんだろ?」
「あれは不可抗力です」
「食い逃げには違い無ぇ」
「ぐぬぬ…」
たしかに違いないんだけどさ…!!
路地裏に放置されていた酒樽の上に座っているキッドさんをちょっと恨みがましい目で見上げれば、小馬鹿にしたようににやりと笑った。
か…閣下!!(鼻血)
こうやって改めてみると、やっぱり格好良いなぁ。
おっきいから貫禄もあるし。
もちろんオヤジ様達には負けるけどね☆
正座のままキッドさんを見上げていると、ふとキッドさんの視線が下に落ちた。
「オイ」
「はい?」
「それ」
「どれ?」
「……ぶっ殺すぞテメェ」
「何で!!?」
普通に返してただけなのにキッドさんが明らかにイラァッ!ってしていた。
そしてイラァッ!ついでにゴッチーン!と拳骨を落とされた。
痛い!
「な、なんで殴るんですか!?」
「殴られたそうな顔してたからに決まってんだろ」
「してません!」
そんな顔をしてないもん!
ちょっと『反発!』とかやってほしいとか、思ってないもん!
……思ってないもん!(ハァハァ)
「……なんだ、マジだったのか?なら望み通り…」
「いいです大丈夫です間に合ってますぅぅぅ!」
だからまだ何も言ってないのになんでこう、みんな心の声を読むんだ!!
スッとあげた手を降ろしてくれたキッドさんに私はホッと息をついた。
さすがにね、モビーの外で迂闊に怪我をしたくはないんですよ私だって!
「……で、先ほど何か言いかけてませんでした?」
「ンァ?あぁ、それ。その爪、どこでやったんだ」
「爪?」
言われて自分の爪を見れば、やっと乾いたオヤジ様やスペードの海賊団、そして麦わら海賊団のマークたち。
うん、今回も綺麗に出来ました!
ほくほくと自分の爪を見ていると、またゴッチーン!と拳骨を落とされた。
「痛い!」
「オラ子ザル、質問に答えろや」
「私ですよ。自分でやりました」
「へー」
さすさすと殴られたところを摩りながら答えると、キッドさんはニヤリと笑った。
あ、そういえばキッドさんって爪真っ黒だったっけ。
もしかして…
「何か描いても良いんですか?」
そう訪ねてみたらキッドさんの口の両端がさらに上がって、ついでに私のテンションも上がった。
ヒャァッホォォォゥ!!
早速懐にしまってた筆と白い絵の具を取り出す。
何か描いて欲しいのあるのかな、と思いつつも右手を取る。
「私に任せて頂いても?」
「あぁ。ただし変なの描きやがったら例え白ひげん所の奴だろうがぶっ殺してやるからな」
「…ありゃ?私が白ひげのクルーだってばれてました?」
「隠すつもりもなかった癖によく言う。火拳を隊長っつったり、爪に白ひげのマークかいたりしてる癖に」
「てへぺろ」
「うるせぇ!」
「びゃぁぁ!痛い!!」
三度目の拳骨が降ってきた!
キッドさんマジで容赦ない!!
でもキッドさんの言うとおり、私は一切隠そうとはしなかった。
だって隠す必要ないし。
むしろオヤジ様の娘だぞーって自慢して歩きたいくらいだ。
「変な奴」
「失礼ですね。…はい、出来ました!」
「早っ!?」
キッドさんの右の中指に、出来る限り大きくキッド海賊団のマークを描いてあげた。
どうやらキッドさんも気に入ってくれたみたいで、暫く指を眺めた後、ニッと笑って中指を立てて見せた。
「悪くネェ」
「ありがとうございます!」
うん、狙い通り。
挑発する時に自分のマークとか、格好良くない?
キッドさんの反応にほくほくしていると、キッドさんの大きな手が伸びてきてわしゃわしゃと頭をかき混ぜた。
「お前、面白い奴だな」
「そうですか?最近よく言われるんですけど」
まぁ、私の何が面白いのかは分からないけど、それで笑ってもらえるなら何だって良いかーって思っちゃう。
みんな、笑ってるのが一番いいからね!
「…ところでキッドさん?」
「あ?」
「キッドさんは何故ここに?」
素朴な疑問をぶつけてみる。
だって、ウォーターセブンってルフィさん達の航路辿ってこないとこれないんじゃないの?
キッドさん達は別の航路を進んでたはずだよね?
「何故って、船の修理以外にここに来る必要あるか?」
「壊れたんですか?」
「どっちかっつーと点検だな」
…あ、これから新世界に入るからその前に船の整備をしておこうってことかな?
だから騒ぎ起こしたくないって言ったのか。
船を見てもらってるのに騒ぎ起こしてフランキーさんの所に持っていかれたら大変なことになっちゃうからね。
「フン、馬鹿でもなさそうだな。……気に入った」
「……え?」
私が考えているとキッドさんがぽつりと呟いた。
うまく聞き取れなくて、もう一回と聞きかえそうとした時…
「お前、俺の…」
「メイ!」
キッドさんが何かを言いかけていたけれど、それよりも私の耳は家族の声を拾った。
逃げ込んだ裏路地で本日二度目の土下座をすれば、キッドさんは頭の上で本日二度目の舌打ちをした。
「大体食い逃げなんてしてんじゃねぇよ!」
「それっ!私じゃないですぅぅぅ!」
「……アァ?」
怪訝そうな声を出したキッドさんに事のあらましをざっと話せば、なんだか小馬鹿にするような目で見られた。
ついでにハンッと鼻を鳴らされた。
「お前、完全になすりつけられてんじゃねぇか」
「そうなんですよ!エース隊長ならまぁいいとして…」
「いいのかよ」
「いいですよ?」
だってエース隊長だもん。
「…でも他の方のはちょっと。正直、知らねぇよぉぉぉ!って感じなんですけど…」
「まぁ、だろうな」
お店の人もさ!
もうちょっと防犯とか気をつけようよ!
全部が全部私じゃないよぉぉぉ!
全部が全部っていうか、むしろ全て?
「でも一番最初のは食い逃げなんだろ?」
「あれは不可抗力です」
「食い逃げには違い無ぇ」
「ぐぬぬ…」
たしかに違いないんだけどさ…!!
路地裏に放置されていた酒樽の上に座っているキッドさんをちょっと恨みがましい目で見上げれば、小馬鹿にしたようににやりと笑った。
か…閣下!!(鼻血)
こうやって改めてみると、やっぱり格好良いなぁ。
おっきいから貫禄もあるし。
もちろんオヤジ様達には負けるけどね☆
正座のままキッドさんを見上げていると、ふとキッドさんの視線が下に落ちた。
「オイ」
「はい?」
「それ」
「どれ?」
「……ぶっ殺すぞテメェ」
「何で!!?」
普通に返してただけなのにキッドさんが明らかにイラァッ!ってしていた。
そしてイラァッ!ついでにゴッチーン!と拳骨を落とされた。
痛い!
「な、なんで殴るんですか!?」
「殴られたそうな顔してたからに決まってんだろ」
「してません!」
そんな顔をしてないもん!
ちょっと『反発!』とかやってほしいとか、思ってないもん!
……思ってないもん!(ハァハァ)
「……なんだ、マジだったのか?なら望み通り…」
「いいです大丈夫です間に合ってますぅぅぅ!」
だからまだ何も言ってないのになんでこう、みんな心の声を読むんだ!!
スッとあげた手を降ろしてくれたキッドさんに私はホッと息をついた。
さすがにね、モビーの外で迂闊に怪我をしたくはないんですよ私だって!
「……で、先ほど何か言いかけてませんでした?」
「ンァ?あぁ、それ。その爪、どこでやったんだ」
「爪?」
言われて自分の爪を見れば、やっと乾いたオヤジ様やスペードの海賊団、そして麦わら海賊団のマークたち。
うん、今回も綺麗に出来ました!
ほくほくと自分の爪を見ていると、またゴッチーン!と拳骨を落とされた。
「痛い!」
「オラ子ザル、質問に答えろや」
「私ですよ。自分でやりました」
「へー」
さすさすと殴られたところを摩りながら答えると、キッドさんはニヤリと笑った。
あ、そういえばキッドさんって爪真っ黒だったっけ。
もしかして…
「何か描いても良いんですか?」
そう訪ねてみたらキッドさんの口の両端がさらに上がって、ついでに私のテンションも上がった。
ヒャァッホォォォゥ!!
早速懐にしまってた筆と白い絵の具を取り出す。
何か描いて欲しいのあるのかな、と思いつつも右手を取る。
「私に任せて頂いても?」
「あぁ。ただし変なの描きやがったら例え白ひげん所の奴だろうがぶっ殺してやるからな」
「…ありゃ?私が白ひげのクルーだってばれてました?」
「隠すつもりもなかった癖によく言う。火拳を隊長っつったり、爪に白ひげのマークかいたりしてる癖に」
「てへぺろ」
「うるせぇ!」
「びゃぁぁ!痛い!!」
三度目の拳骨が降ってきた!
キッドさんマジで容赦ない!!
でもキッドさんの言うとおり、私は一切隠そうとはしなかった。
だって隠す必要ないし。
むしろオヤジ様の娘だぞーって自慢して歩きたいくらいだ。
「変な奴」
「失礼ですね。…はい、出来ました!」
「早っ!?」
キッドさんの右の中指に、出来る限り大きくキッド海賊団のマークを描いてあげた。
どうやらキッドさんも気に入ってくれたみたいで、暫く指を眺めた後、ニッと笑って中指を立てて見せた。
「悪くネェ」
「ありがとうございます!」
うん、狙い通り。
挑発する時に自分のマークとか、格好良くない?
キッドさんの反応にほくほくしていると、キッドさんの大きな手が伸びてきてわしゃわしゃと頭をかき混ぜた。
「お前、面白い奴だな」
「そうですか?最近よく言われるんですけど」
まぁ、私の何が面白いのかは分からないけど、それで笑ってもらえるなら何だって良いかーって思っちゃう。
みんな、笑ってるのが一番いいからね!
「…ところでキッドさん?」
「あ?」
「キッドさんは何故ここに?」
素朴な疑問をぶつけてみる。
だって、ウォーターセブンってルフィさん達の航路辿ってこないとこれないんじゃないの?
キッドさん達は別の航路を進んでたはずだよね?
「何故って、船の修理以外にここに来る必要あるか?」
「壊れたんですか?」
「どっちかっつーと点検だな」
…あ、これから新世界に入るからその前に船の整備をしておこうってことかな?
だから騒ぎ起こしたくないって言ったのか。
船を見てもらってるのに騒ぎ起こしてフランキーさんの所に持っていかれたら大変なことになっちゃうからね。
「フン、馬鹿でもなさそうだな。……気に入った」
「……え?」
私が考えているとキッドさんがぽつりと呟いた。
うまく聞き取れなくて、もう一回と聞きかえそうとした時…
「お前、俺の…」
「メイ!」
キッドさんが何かを言いかけていたけれど、それよりも私の耳は家族の声を拾った。