君死にたもう事なかれ!
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お風呂に入る前にビビちゃんは『今日はゆっくり布団で寝てね』と言ってくれたけど、結局夜の内にに麦わらのみんなと王宮を出る事にした私とマルコ隊長。
ルフィさん達は私たちの逆の方向へ船を取りに行くので、王宮を出てすぐに別れる事になった。
「じゃあメイ、エースによろしく言っておいてくれ!」
「はい!ルフィさんもお元気で!」
ルフィさんと握手をする。
力強いその手に、私は旅の無事を願う。
私はエース隊長の命と引き換えにルフィさんのパワーアップの機会をいくつか潰してしまっている。
多分ルフィさん達の事だから困難にぶつかる度にきっと乗り越えて行けるとは思うけれども…
「メイ?」
「いえ…。どうかお気をつけて」
「おう!」
そうやって笑うその顔がエース隊長と重なるから不思議だ。
血の繋がりは無いはずなのに、長い間一緒に過ごして来たからだろうか?
そんな事を考えていると、ふと名前を呼ばれた。
「メイちゃん」
「……?サンジさん?」
ちょいちょい、と手招きされてルフィさんの元からサンジさんのところへと向かう。
あまり話す機会無かったけど、何だろう?
内緒話するように手を口元に充てていたから、私は耳を傾けた。
「メイちゃんはあまり一人にならない方が良いと思う」
「どうしてですか?」
「その不死身の能力さ」
ドキッとして思わずサンジさんの顔を見上げる。
サンジさんはなんだか難しい顔をしていた。
「図鑑にも載っていない実だ。この間のクロコダイルみたいに、万が一悪い奴らに捕まったら何されるか分からない」
「…………」
確かにクロコダイルさんに捕まった時は意表を突けたからなんとか逃げられたけど、いつもそうとは限らない。
あのまま捕まっていたら海軍に引き渡されていたことを思い出して、思わず身を震わす。
……あれ?
「今、図鑑に載ってないって言いました?載ってましたよ?」
「嘘だ、最新の図鑑見たけどunknownのままだったよ?」
「んんんー?さくらんぼ型の絵、載ってましたよ?」
「んん?」
サンジさんと二人で首をかしげる。
マルコ隊長が見せてくれた図鑑にちゃんと載ってた。
でもサンジさんは最新の図鑑を見たけど載ってないと言う。
どういう事?
「とりあえず…肝に銘じておきます」
「うん」
サンジさんにも頭を撫でられて、私はマルコ隊長の元へと戻った。
最新の図鑑見たのって…スケスケの実だっけ?あれを見るためなんだろうなー。
ご愁傷様。
「もう良いかい?」
「はい」
マルコ隊長の問いにしっかり頷くと、マルコ隊長は不死鳥の姿になった。
「それでは皆さん、道中お気をつけて!」
「じゃぁな!また会おう!」
「はい!新世界で待ってますね!」
高く舞い上がるマルコ隊長にしがみつきながら、私は皆に手を振った。
マルコ隊長は空を3週ほどくるくると回った後、モビーへ向けて飛び立った。
「メイ、寝てても良いからねぃ」
「今はちょっと興奮しすぎて無理ですよ」
マルコ隊長の背中に乗っている大きな酒樽が落ちないように少し移動させて私もベストポジションを見つける。
「ところでこのお酒、いつの間に調達したんですか?」
「お前がぐーすか寝てる間だよい」
「よくこの混乱の中でお酒見つかりましたねぇ」
「コブラ王がな。一応俺達も首都を危機から救った救世主だからねい」
ニヤリ、と悪い笑みを浮かべるマルコ隊長。
私たちが爆弾を運んだというのは内密にして貰っている。
まさか一国の内乱に白ひげ海賊団もかかわっているなんて知れたらそれこそ大事になってしまう。
アルバーナに仕掛けられていた爆弾を処理したお礼として王宮にあった秘蔵のお酒を貰ってきたらしい。
オヤジ様喜んでくれるかなぁ?
アラバスタを発って約一週間。
その間、私が知っている事をマルコ隊長に全部話した。
それはあくまでも一つの可能性。
私が現れなくて、ティーチがヤミヤミの実の強奪に成功したらの話。
マルコ隊長は私が話す事に口を挟まず、最後まで聞いてくれた。
「…メイが隠したがるのも分かる内容だねぃ」
「でももうあんな悲しい事起こらないですよね?大丈夫ですよね?」
「あぁ。ティーチの仲間も仕留めたし大丈夫だろ」
……いつの間に!?
ってか黒ひげに仲間いる事知ってたの!?
白ひげ海賊団は本当凄いなぁ…
「どうした?」
「いえ、私の家族は凄いなぁと思って」
「なんだそりゃ」
まっすぐ前を見ながら飛んでいるから表情は見えなかったけど、笑った気配がしたから私も思わず顔が緩む。
「…クロコダイルさんに言われたんです。私はモビーから離れるべきじゃなかったって」
「クロコダイルに…?」
「はい。フシフシの実は戦いの引き金になり得るんですよね?」
「…あぁ」
こんな爆弾抱え込ませてしまったのか。
嫌だなぁ…皆に迷惑かけるのは…
「私、目立たない様に気をつけます。迂闊に捕まったり死なない様にもします。だから…モビーにいてもいいですか?私…みんなと一緒がいいです…」
「当たり前だよい。それにお前、あのグル眉にも言われただろ。一人になるなって。メイを誰も一人にしねぇ。みんな一緒だ」
「マルコ隊長…」
「それにほら、見てみろぃ」
そう言うとマルコ隊長はアラバスタを発った時みたいに大きく空をくるくると回った。
下を見てみるとそこには大きな大きな白いクジラ。
甲板にはたくさんの人がいて、そこにはオヤジ様もいた。
みんな手を振ってくれている。
「やっと着いたな、モビーに」
私には帰れる場所がもうここしか無いんです。
例え厄介な爆弾だとしても、ここから離れたくないんです。
「グラララ!やっと帰って来たかハナッタレェ!」
「オヤジ様ぁ!!」
「あ、馬鹿!」
思わずマルコ隊長の背中を蹴って飛び降りる。
マルコ隊長が少し焦った声を出したけど、オヤジ様が両手を広げてくれたから私は迷わずオヤジ様の胸に飛び込んだ。
するとすぐに背中にドンっと衝撃を受けた。
「おっと。末っ子は跳ねっ返りばかりだなァ」
「メイッ!」
背中からぎゅーっとオヤジ様に押し付けられるように力いっぱい抱きしめてくれるのは、アラバスタでずっと一緒だった温かさ。
オヤジ様も丸ごと抱きしめてくれるからちょっと苦しい。
でもやっと帰ってこれたという実感に思わず顔が緩む。
「オヤジ様、エース隊長…!みんな、ただいまっ!!」
「グララララ!よく帰った跳ねっ返り娘がァ!」
オヤジ様の笑い声が体に響いてとっても心地いい。
ぎゅーっとオヤジ様を堪能していると、肩をポンポンと叩かれる。
「サッチ隊長…?」
「メイちゃん?これなーんだ」
なんだかいい顔をしながらサッチ隊長は一枚の紙を差し出した。
サッチ隊長がちゃん付けで私を呼ぶなんて珍しい。
「……?なんだよいそれは」
「なんだマルコ、ニュース・クーから新聞とらなかったのか?」
「読んでる暇なんかねぇよい」
マルコ隊長は一日少しの休憩をとる以外、ずっと飛んでくれていた。
何度かニュース・クーとすれ違ったけど新聞を取ることはなかった。
オヤジ様とエース隊長に挟まれながら、マルコ隊長とその紙を覗き込むと…
「……な…っ…なんじゃこりゃぁぁぁぁ!!?」
「おぉ、メイもついにお尋ねものかい」
「食い逃げのメイ3万2千ベリー…って…!たしぎちゃんか!!」
確かにお金は持っていなかった…!
たしかに食い逃げした…っ!!
「でも3万2千ベリーの内8千ベリーはルフィさんたちの水じゃんかよぉぉぉーーー!!!」
「あぁ、あの女海兵か!そういや金払ってくれてたな!」
「エース隊長、ちょっと歯食いしばってもらっていいですか?」
「やだよ。そりゃ八つ当たりっつーもんだぜ?」
問答無用!と正拳突きを繰り出せば、見事エース隊長は崩れ落ちた。
こ…これはよくナミさんがルフィさんを拳骨する時のアレか!
やった当たった…!
「お前歯食いしばれっつったろ!?何で的確に鳩尾突いてくるんだよ!」
「上段は届かないからに決まってるじゃないですか!」
「この…っ!」
「ぎゃぁぁぁ!頭潰されるぅぅぅ!!」
またアイアンクロー喰らってます!
指がめり込んでますエース隊長!
調子こきすぎましたごめんなさぁぁぁい!!
「グララララ!元気な末っ子どもめェ!野郎共!宴の準備だァ!!」
オヤジ様のその一声でオー!と歓声が沸き起こる。
何を祝しての宴ですかそれは…!
「そりゃぁオメェ、無事に帰ってきたのと賞金首の祝いだろうがァ」
……あれ?
私、目立たないようにひっそりしてようと思ってたのに。
たかだか3万2千ベリーの賞金首とはいえ、全世界のお尋ねものデビューしてしまったのに。
それなのに宴…?
「オメェ、海賊の娘が海で名を上げるのを怖がってどうする?」
「でも、私…」
「不死身だろうがなんだろうが、俺達がオメェ一人守れねェとでも思ったかこのアホンダラァ!」
「……っ!!」
「物陰にコソコソ隠れて生きるなんてみっともねぇ真似すんじゃねぇ」
何もオヤジ様に言ってないのになんで分かったんだろう…?
こんな爆弾、迷惑でしかないのに。
「俺の娘なら自由に生きてみせろメイ!」
「……っはい!!」
やっぱりオヤジ様は偉大だ。
アラバスタからの帰り道ずっとモヤモヤと悩んでいた事をあっという間に吹き飛ばしてくれた。
オヤジ様に会えて本当に良かった。
オヤジ様の船に乗せてもらえて本当によかった。
この世界に来てほんとによかった。
ルフィさん達は私たちの逆の方向へ船を取りに行くので、王宮を出てすぐに別れる事になった。
「じゃあメイ、エースによろしく言っておいてくれ!」
「はい!ルフィさんもお元気で!」
ルフィさんと握手をする。
力強いその手に、私は旅の無事を願う。
私はエース隊長の命と引き換えにルフィさんのパワーアップの機会をいくつか潰してしまっている。
多分ルフィさん達の事だから困難にぶつかる度にきっと乗り越えて行けるとは思うけれども…
「メイ?」
「いえ…。どうかお気をつけて」
「おう!」
そうやって笑うその顔がエース隊長と重なるから不思議だ。
血の繋がりは無いはずなのに、長い間一緒に過ごして来たからだろうか?
そんな事を考えていると、ふと名前を呼ばれた。
「メイちゃん」
「……?サンジさん?」
ちょいちょい、と手招きされてルフィさんの元からサンジさんのところへと向かう。
あまり話す機会無かったけど、何だろう?
内緒話するように手を口元に充てていたから、私は耳を傾けた。
「メイちゃんはあまり一人にならない方が良いと思う」
「どうしてですか?」
「その不死身の能力さ」
ドキッとして思わずサンジさんの顔を見上げる。
サンジさんはなんだか難しい顔をしていた。
「図鑑にも載っていない実だ。この間のクロコダイルみたいに、万が一悪い奴らに捕まったら何されるか分からない」
「…………」
確かにクロコダイルさんに捕まった時は意表を突けたからなんとか逃げられたけど、いつもそうとは限らない。
あのまま捕まっていたら海軍に引き渡されていたことを思い出して、思わず身を震わす。
……あれ?
「今、図鑑に載ってないって言いました?載ってましたよ?」
「嘘だ、最新の図鑑見たけどunknownのままだったよ?」
「んんんー?さくらんぼ型の絵、載ってましたよ?」
「んん?」
サンジさんと二人で首をかしげる。
マルコ隊長が見せてくれた図鑑にちゃんと載ってた。
でもサンジさんは最新の図鑑を見たけど載ってないと言う。
どういう事?
「とりあえず…肝に銘じておきます」
「うん」
サンジさんにも頭を撫でられて、私はマルコ隊長の元へと戻った。
最新の図鑑見たのって…スケスケの実だっけ?あれを見るためなんだろうなー。
ご愁傷様。
「もう良いかい?」
「はい」
マルコ隊長の問いにしっかり頷くと、マルコ隊長は不死鳥の姿になった。
「それでは皆さん、道中お気をつけて!」
「じゃぁな!また会おう!」
「はい!新世界で待ってますね!」
高く舞い上がるマルコ隊長にしがみつきながら、私は皆に手を振った。
マルコ隊長は空を3週ほどくるくると回った後、モビーへ向けて飛び立った。
「メイ、寝てても良いからねぃ」
「今はちょっと興奮しすぎて無理ですよ」
マルコ隊長の背中に乗っている大きな酒樽が落ちないように少し移動させて私もベストポジションを見つける。
「ところでこのお酒、いつの間に調達したんですか?」
「お前がぐーすか寝てる間だよい」
「よくこの混乱の中でお酒見つかりましたねぇ」
「コブラ王がな。一応俺達も首都を危機から救った救世主だからねい」
ニヤリ、と悪い笑みを浮かべるマルコ隊長。
私たちが爆弾を運んだというのは内密にして貰っている。
まさか一国の内乱に白ひげ海賊団もかかわっているなんて知れたらそれこそ大事になってしまう。
アルバーナに仕掛けられていた爆弾を処理したお礼として王宮にあった秘蔵のお酒を貰ってきたらしい。
オヤジ様喜んでくれるかなぁ?
アラバスタを発って約一週間。
その間、私が知っている事をマルコ隊長に全部話した。
それはあくまでも一つの可能性。
私が現れなくて、ティーチがヤミヤミの実の強奪に成功したらの話。
マルコ隊長は私が話す事に口を挟まず、最後まで聞いてくれた。
「…メイが隠したがるのも分かる内容だねぃ」
「でももうあんな悲しい事起こらないですよね?大丈夫ですよね?」
「あぁ。ティーチの仲間も仕留めたし大丈夫だろ」
……いつの間に!?
ってか黒ひげに仲間いる事知ってたの!?
白ひげ海賊団は本当凄いなぁ…
「どうした?」
「いえ、私の家族は凄いなぁと思って」
「なんだそりゃ」
まっすぐ前を見ながら飛んでいるから表情は見えなかったけど、笑った気配がしたから私も思わず顔が緩む。
「…クロコダイルさんに言われたんです。私はモビーから離れるべきじゃなかったって」
「クロコダイルに…?」
「はい。フシフシの実は戦いの引き金になり得るんですよね?」
「…あぁ」
こんな爆弾抱え込ませてしまったのか。
嫌だなぁ…皆に迷惑かけるのは…
「私、目立たない様に気をつけます。迂闊に捕まったり死なない様にもします。だから…モビーにいてもいいですか?私…みんなと一緒がいいです…」
「当たり前だよい。それにお前、あのグル眉にも言われただろ。一人になるなって。メイを誰も一人にしねぇ。みんな一緒だ」
「マルコ隊長…」
「それにほら、見てみろぃ」
そう言うとマルコ隊長はアラバスタを発った時みたいに大きく空をくるくると回った。
下を見てみるとそこには大きな大きな白いクジラ。
甲板にはたくさんの人がいて、そこにはオヤジ様もいた。
みんな手を振ってくれている。
「やっと着いたな、モビーに」
私には帰れる場所がもうここしか無いんです。
例え厄介な爆弾だとしても、ここから離れたくないんです。
「グラララ!やっと帰って来たかハナッタレェ!」
「オヤジ様ぁ!!」
「あ、馬鹿!」
思わずマルコ隊長の背中を蹴って飛び降りる。
マルコ隊長が少し焦った声を出したけど、オヤジ様が両手を広げてくれたから私は迷わずオヤジ様の胸に飛び込んだ。
するとすぐに背中にドンっと衝撃を受けた。
「おっと。末っ子は跳ねっ返りばかりだなァ」
「メイッ!」
背中からぎゅーっとオヤジ様に押し付けられるように力いっぱい抱きしめてくれるのは、アラバスタでずっと一緒だった温かさ。
オヤジ様も丸ごと抱きしめてくれるからちょっと苦しい。
でもやっと帰ってこれたという実感に思わず顔が緩む。
「オヤジ様、エース隊長…!みんな、ただいまっ!!」
「グララララ!よく帰った跳ねっ返り娘がァ!」
オヤジ様の笑い声が体に響いてとっても心地いい。
ぎゅーっとオヤジ様を堪能していると、肩をポンポンと叩かれる。
「サッチ隊長…?」
「メイちゃん?これなーんだ」
なんだかいい顔をしながらサッチ隊長は一枚の紙を差し出した。
サッチ隊長がちゃん付けで私を呼ぶなんて珍しい。
「……?なんだよいそれは」
「なんだマルコ、ニュース・クーから新聞とらなかったのか?」
「読んでる暇なんかねぇよい」
マルコ隊長は一日少しの休憩をとる以外、ずっと飛んでくれていた。
何度かニュース・クーとすれ違ったけど新聞を取ることはなかった。
オヤジ様とエース隊長に挟まれながら、マルコ隊長とその紙を覗き込むと…
「……な…っ…なんじゃこりゃぁぁぁぁ!!?」
「おぉ、メイもついにお尋ねものかい」
「食い逃げのメイ3万2千ベリー…って…!たしぎちゃんか!!」
確かにお金は持っていなかった…!
たしかに食い逃げした…っ!!
「でも3万2千ベリーの内8千ベリーはルフィさんたちの水じゃんかよぉぉぉーーー!!!」
「あぁ、あの女海兵か!そういや金払ってくれてたな!」
「エース隊長、ちょっと歯食いしばってもらっていいですか?」
「やだよ。そりゃ八つ当たりっつーもんだぜ?」
問答無用!と正拳突きを繰り出せば、見事エース隊長は崩れ落ちた。
こ…これはよくナミさんがルフィさんを拳骨する時のアレか!
やった当たった…!
「お前歯食いしばれっつったろ!?何で的確に鳩尾突いてくるんだよ!」
「上段は届かないからに決まってるじゃないですか!」
「この…っ!」
「ぎゃぁぁぁ!頭潰されるぅぅぅ!!」
またアイアンクロー喰らってます!
指がめり込んでますエース隊長!
調子こきすぎましたごめんなさぁぁぁい!!
「グララララ!元気な末っ子どもめェ!野郎共!宴の準備だァ!!」
オヤジ様のその一声でオー!と歓声が沸き起こる。
何を祝しての宴ですかそれは…!
「そりゃぁオメェ、無事に帰ってきたのと賞金首の祝いだろうがァ」
……あれ?
私、目立たないようにひっそりしてようと思ってたのに。
たかだか3万2千ベリーの賞金首とはいえ、全世界のお尋ねものデビューしてしまったのに。
それなのに宴…?
「オメェ、海賊の娘が海で名を上げるのを怖がってどうする?」
「でも、私…」
「不死身だろうがなんだろうが、俺達がオメェ一人守れねェとでも思ったかこのアホンダラァ!」
「……っ!!」
「物陰にコソコソ隠れて生きるなんてみっともねぇ真似すんじゃねぇ」
何もオヤジ様に言ってないのになんで分かったんだろう…?
こんな爆弾、迷惑でしかないのに。
「俺の娘なら自由に生きてみせろメイ!」
「……っはい!!」
やっぱりオヤジ様は偉大だ。
アラバスタからの帰り道ずっとモヤモヤと悩んでいた事をあっという間に吹き飛ばしてくれた。
オヤジ様に会えて本当に良かった。
オヤジ様の船に乗せてもらえて本当によかった。
この世界に来てほんとによかった。