君死にたもう事なかれ!
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「…なんだって?」
「お疲れのところ大変申し訳ないのですがとりあえずアルバーナへ向かってください!全速力で」
「まったく、ワガママな末っ子だよい!」
そう言いながらも不死鳥の姿になって再び移動してくれるマルコ隊長。
私はなんてなんてひどいお願いをしているんだろう。
さらには一緒に木端微塵になれ?
だけどそれらを『わがまま』の一言で済ませてくれた。
飛んでもらいながら私はぽつりぽつりと話し出す。
「私がこの世界に来たせいで歴史が変わった事があります」
「歴史…?」
歴史、というとなんだか大層なかんじだけどでも他にしっくりくる言葉がみつからない。
「私はこの世界の事、知ってました。私の世界でお話になってるんです。主人公はエース隊長の弟さんです」
「エースの弟っつーと…この間賞金首になった麦わらのルフィの事かい?」
「この間なのかは分かりませんが、そうです」
「にわかに信じがてぇが…」
それはそうだ。
私だってそんな事言われたって信じる事が出来ないと思う。
「この世界にもフィクションのお話とかありますよね?そのフィクションの世界が現実にこうしてあると考えていただければ良いかと」
「うーん…」
私がどうしてこの世界に来たのかは分からない。
でもこちらの世界にこれた事でワンピースの世界はこうして私の現実の世界になった。
「でも私がこうしてこっちに来た事で、お話に書かれていた出来事から大きく外れた出来事がいくつかあります。本当はね、マルコ隊長…私じゃなくてルフィさんが砂に埋まってたはずなんですよ」
埋まり方は大分違うけど。
私が白ひげ海賊団にいるから、それに反応したクロコダイルさんに捕まった。
だけど本当はビビちゃんを捕まえて、それを助けるためにルフィさんが戦ってそして一度負けた。
でもその負けた事でクロコダイルさんの弱点を見つけた。
その機会を奪ってしまったからルフィさんがクロコダイルさんに勝てるかどうか分からなくなってしまった。
「それに…今アルバーナに爆弾が仕掛けられているんです。お話ではまぁ何とかなるんですけど…それでも一時でも哀しい思いをする人がいるんです。……私はそれを何とかしたいんです…」
歴史が少しずつ変わってきているから、もしかしたらペルさんは死んでしまうかもしれない。
それが怖い…
もちろん私が知ってる事全てに関わるつもりなんてない。
ルフィさんの冒険に首を突っ込むつもりもない。
だって私は今オヤジ様の船に乗っているんだから。
だけどビビちゃんは私が不死身だという事をしってるのにクロコダイルさんに捕まった私を心配してくれた。
心配しなきゃいけない事たくさんあるのに、私の事まで心配してくれた。
だからペルさんが爆発に巻き込まれるのをみてビビちゃんが泣く姿を見たくないと思ってしまったんだ。
私たちがそうそう簡単に死なないとはいえ、マルコ隊長までそれにつきあわせて良いものかとは思ってる。
でも私だけじゃ何ともならないのだ。
「私も…空を飛べたらいいのに…」
そしたらこんな酷いお願いをマルコ隊長にしなくても良いのに。
だんだん俯いてしまう私にマルコ隊長はまっすぐアルバーナへ向かいながら声をかける。
「メイ、前を向いていろ」
「はい…」
「言っただろ。お前がやりたい事にとことん付き合うって。しょうがねぇから一緒に木端微塵になってやるよい」
「マルコ隊長…!」
「ただし、全部終わったら話せよい。この話じゃねぇんだろ?本当に隠していたかった事は」
「はい」
「なに、帰りは時間がたっぷりあるんだ。ゆっくり聞かせてもらおうじゃねぇか」
青い炎に顔をうずめて、少しこぼれた涙をこっそり拭う。
やっぱりバレてた。
私が先延ばしをした事。
「マルコ隊長には敵いませんね…」
「一回り以上年上なんだ、当たり前だい」
「全部話します。私が知ってた事…だから全部聞いてください」
「あぁ。……ほら、見えてきたぞアルバーナ」
「はいっ!」
時計台の時間は4:25を示していた。
爆発まであと5分。
みんなは今どこにいるだろう…?
アルバーナの街中は混乱を極めていた。
あちらこちらから飛び交う怒号、倒れる人々…
これが戦争。
ここは砂の国だというのに湾内で人が倒れている映像がダブって見えた。
ブンブンと頭を振ってそれを吹き飛ばす。
大丈夫。
何とかなる…!
「あの時計台へお願いします!」
「時計台?」
「あの針の部分、開くんです。あそこにでっかい爆弾があります!」
「へぇ」
「ちなみに直径5Kmくらいの威力があるらしいです」
「そりゃ随分なものを用意したもんだな、あのワニ野郎は」
……あれ?私黒幕がクロコダイルさんだって言ったっけ?
私が首をかしげるとマルコ隊長はフン、と鼻で笑った。
「散々クロコダイルを気にしてたんだ。つまりはそういう事だろい」
「さすがマルコ隊長…」
と、その時ピュン!と何かが飛んできた。
マルコ隊長をすり抜けて私の頬をかする。
「…あ、砲撃手がいるんでした」
「強いのか?」
「いいえ、ただの雑魚です!……あ!」
時計台に続く大通りに青い長い髪を見つけた。
隣にはウソップさんもいる。
「マルコ隊長!あの子です!一旦あの子のところに行ってください!」
「あれは…行方不明になってたっていう王女様か?」
「そうですビビちゃんです!」
マルコ隊長は急降下でビビちゃん達の所へと降りてくれた。
突然空から降ってきた私たちにビビちゃんとウソップさんは走っていた足を止めた。
「メイさん!?」
「メイ無事だったのか!」
「はい!だから大丈夫って言ったじゃないですか!」
グッと親指を立てながらビビちゃんにエース隊長のテンガロンハットと私のバックを手渡す。
「これ、大事なものなのでちょっと持っていてください。あと私の着替え一式準備していただけると大変助かります」
「え…メイさん?」
「何言ってるんだよメイ?あーもう時間がねぇんだよ!砲撃が…!」
「大丈夫ですウソップさん!任せてください!」
あわあわと走り出そうとするウソップさんの肩に手を置いて止めると、ウソップさんはそのまま崩れ落ちた。
あ、大怪我してたんですよねごめんなさい。
「ちょっと幸せの青い鳥さんとお空にお散歩行ってきますね!」
私がそう言うとマルコ隊長は再び空へと舞い上がった。
そのまま時計台へとまっすぐ飛んでいく。
「だれが幸せの青い鳥だい」
「あれ?マルコ隊長、ご自分の色ご存じありません?」
「そこじゃねぇよ」
ピュンピュンと飛んでくる砲撃をもろともせず、マルコ隊長は時計台の扉を蹴破った。
「ゲロ?」
「何だお前ら!」
えっと、Mr.…何番だっけ?
とにかく…
「あんたら邪魔です!よいっ!」
銃を構えた二人を無視してマルコ隊長は中へと突っ切り、私は二人の背後からハイキックを一発ずつお見舞いして時計台から蹴り落とした。
「なんだい?今の愉快な格好の奴らは」
「今のが砲撃手です」
「あぁ、確かに雑魚だったな。メイの蹴りで落ちて行ったよい」
「ね?」
カチコチなる爆弾をマルコ隊長は足で掴みあげる。
一瞬振り落とされそうになったけど、しっかりマルコ隊長の首に捕まりなおした。
「マルコ隊長、お願いしますっ!」
「…了解」
これで大丈夫。
あとはルフィさんがクロコダイルさんをぶっ飛ばせてたらいいんだけど…
でもきっと大丈夫。
ほら、空に雨雲が出来てるもの。
ぐんぐん上へと昇ってその雨雲を抜けたところでマルコ隊長は爆弾から足を離した。
「マルコ隊長?」
「逃げるよい。しっかり捕まってろ!」
「え…ぎゃぁぁぁぁ!!」
爆弾を手放したからか、身軽になったマルコ隊長は凄いスピードで落下を始めた。
な…内臓が浮く…!
ぎゅーっとマルコ隊長に抱きつきながら落下を続ける事ほんの数十秒。
背後から巨大な爆発音と熱風を感じたところで私は意識を手放した。
「お疲れのところ大変申し訳ないのですがとりあえずアルバーナへ向かってください!全速力で」
「まったく、ワガママな末っ子だよい!」
そう言いながらも不死鳥の姿になって再び移動してくれるマルコ隊長。
私はなんてなんてひどいお願いをしているんだろう。
さらには一緒に木端微塵になれ?
だけどそれらを『わがまま』の一言で済ませてくれた。
飛んでもらいながら私はぽつりぽつりと話し出す。
「私がこの世界に来たせいで歴史が変わった事があります」
「歴史…?」
歴史、というとなんだか大層なかんじだけどでも他にしっくりくる言葉がみつからない。
「私はこの世界の事、知ってました。私の世界でお話になってるんです。主人公はエース隊長の弟さんです」
「エースの弟っつーと…この間賞金首になった麦わらのルフィの事かい?」
「この間なのかは分かりませんが、そうです」
「にわかに信じがてぇが…」
それはそうだ。
私だってそんな事言われたって信じる事が出来ないと思う。
「この世界にもフィクションのお話とかありますよね?そのフィクションの世界が現実にこうしてあると考えていただければ良いかと」
「うーん…」
私がどうしてこの世界に来たのかは分からない。
でもこちらの世界にこれた事でワンピースの世界はこうして私の現実の世界になった。
「でも私がこうしてこっちに来た事で、お話に書かれていた出来事から大きく外れた出来事がいくつかあります。本当はね、マルコ隊長…私じゃなくてルフィさんが砂に埋まってたはずなんですよ」
埋まり方は大分違うけど。
私が白ひげ海賊団にいるから、それに反応したクロコダイルさんに捕まった。
だけど本当はビビちゃんを捕まえて、それを助けるためにルフィさんが戦ってそして一度負けた。
でもその負けた事でクロコダイルさんの弱点を見つけた。
その機会を奪ってしまったからルフィさんがクロコダイルさんに勝てるかどうか分からなくなってしまった。
「それに…今アルバーナに爆弾が仕掛けられているんです。お話ではまぁ何とかなるんですけど…それでも一時でも哀しい思いをする人がいるんです。……私はそれを何とかしたいんです…」
歴史が少しずつ変わってきているから、もしかしたらペルさんは死んでしまうかもしれない。
それが怖い…
もちろん私が知ってる事全てに関わるつもりなんてない。
ルフィさんの冒険に首を突っ込むつもりもない。
だって私は今オヤジ様の船に乗っているんだから。
だけどビビちゃんは私が不死身だという事をしってるのにクロコダイルさんに捕まった私を心配してくれた。
心配しなきゃいけない事たくさんあるのに、私の事まで心配してくれた。
だからペルさんが爆発に巻き込まれるのをみてビビちゃんが泣く姿を見たくないと思ってしまったんだ。
私たちがそうそう簡単に死なないとはいえ、マルコ隊長までそれにつきあわせて良いものかとは思ってる。
でも私だけじゃ何ともならないのだ。
「私も…空を飛べたらいいのに…」
そしたらこんな酷いお願いをマルコ隊長にしなくても良いのに。
だんだん俯いてしまう私にマルコ隊長はまっすぐアルバーナへ向かいながら声をかける。
「メイ、前を向いていろ」
「はい…」
「言っただろ。お前がやりたい事にとことん付き合うって。しょうがねぇから一緒に木端微塵になってやるよい」
「マルコ隊長…!」
「ただし、全部終わったら話せよい。この話じゃねぇんだろ?本当に隠していたかった事は」
「はい」
「なに、帰りは時間がたっぷりあるんだ。ゆっくり聞かせてもらおうじゃねぇか」
青い炎に顔をうずめて、少しこぼれた涙をこっそり拭う。
やっぱりバレてた。
私が先延ばしをした事。
「マルコ隊長には敵いませんね…」
「一回り以上年上なんだ、当たり前だい」
「全部話します。私が知ってた事…だから全部聞いてください」
「あぁ。……ほら、見えてきたぞアルバーナ」
「はいっ!」
時計台の時間は4:25を示していた。
爆発まであと5分。
みんなは今どこにいるだろう…?
アルバーナの街中は混乱を極めていた。
あちらこちらから飛び交う怒号、倒れる人々…
これが戦争。
ここは砂の国だというのに湾内で人が倒れている映像がダブって見えた。
ブンブンと頭を振ってそれを吹き飛ばす。
大丈夫。
何とかなる…!
「あの時計台へお願いします!」
「時計台?」
「あの針の部分、開くんです。あそこにでっかい爆弾があります!」
「へぇ」
「ちなみに直径5Kmくらいの威力があるらしいです」
「そりゃ随分なものを用意したもんだな、あのワニ野郎は」
……あれ?私黒幕がクロコダイルさんだって言ったっけ?
私が首をかしげるとマルコ隊長はフン、と鼻で笑った。
「散々クロコダイルを気にしてたんだ。つまりはそういう事だろい」
「さすがマルコ隊長…」
と、その時ピュン!と何かが飛んできた。
マルコ隊長をすり抜けて私の頬をかする。
「…あ、砲撃手がいるんでした」
「強いのか?」
「いいえ、ただの雑魚です!……あ!」
時計台に続く大通りに青い長い髪を見つけた。
隣にはウソップさんもいる。
「マルコ隊長!あの子です!一旦あの子のところに行ってください!」
「あれは…行方不明になってたっていう王女様か?」
「そうですビビちゃんです!」
マルコ隊長は急降下でビビちゃん達の所へと降りてくれた。
突然空から降ってきた私たちにビビちゃんとウソップさんは走っていた足を止めた。
「メイさん!?」
「メイ無事だったのか!」
「はい!だから大丈夫って言ったじゃないですか!」
グッと親指を立てながらビビちゃんにエース隊長のテンガロンハットと私のバックを手渡す。
「これ、大事なものなのでちょっと持っていてください。あと私の着替え一式準備していただけると大変助かります」
「え…メイさん?」
「何言ってるんだよメイ?あーもう時間がねぇんだよ!砲撃が…!」
「大丈夫ですウソップさん!任せてください!」
あわあわと走り出そうとするウソップさんの肩に手を置いて止めると、ウソップさんはそのまま崩れ落ちた。
あ、大怪我してたんですよねごめんなさい。
「ちょっと幸せの青い鳥さんとお空にお散歩行ってきますね!」
私がそう言うとマルコ隊長は再び空へと舞い上がった。
そのまま時計台へとまっすぐ飛んでいく。
「だれが幸せの青い鳥だい」
「あれ?マルコ隊長、ご自分の色ご存じありません?」
「そこじゃねぇよ」
ピュンピュンと飛んでくる砲撃をもろともせず、マルコ隊長は時計台の扉を蹴破った。
「ゲロ?」
「何だお前ら!」
えっと、Mr.…何番だっけ?
とにかく…
「あんたら邪魔です!よいっ!」
銃を構えた二人を無視してマルコ隊長は中へと突っ切り、私は二人の背後からハイキックを一発ずつお見舞いして時計台から蹴り落とした。
「なんだい?今の愉快な格好の奴らは」
「今のが砲撃手です」
「あぁ、確かに雑魚だったな。メイの蹴りで落ちて行ったよい」
「ね?」
カチコチなる爆弾をマルコ隊長は足で掴みあげる。
一瞬振り落とされそうになったけど、しっかりマルコ隊長の首に捕まりなおした。
「マルコ隊長、お願いしますっ!」
「…了解」
これで大丈夫。
あとはルフィさんがクロコダイルさんをぶっ飛ばせてたらいいんだけど…
でもきっと大丈夫。
ほら、空に雨雲が出来てるもの。
ぐんぐん上へと昇ってその雨雲を抜けたところでマルコ隊長は爆弾から足を離した。
「マルコ隊長?」
「逃げるよい。しっかり捕まってろ!」
「え…ぎゃぁぁぁぁ!!」
爆弾を手放したからか、身軽になったマルコ隊長は凄いスピードで落下を始めた。
な…内臓が浮く…!
ぎゅーっとマルコ隊長に抱きつきながら落下を続ける事ほんの数十秒。
背後から巨大な爆発音と熱風を感じたところで私は意識を手放した。