君死にたもう事なかれ!
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「まだレインベースに残ってたんですかぁぁぁ!?チンタラし過ぎだろうがスモーカーさんよぉぉぉう!!」
「うるせぇ!お前何で戻って来やがった!?馬鹿か?馬鹿なんだな!?」
「私はストップかけましたもんっ!スモーカーさんこそさっさとアルバーナ行ってくださよ!」
「テメェ何故それを知っている!?しかも火拳の次は不死鳥…テメェは本当に何モンだ!」
「だからただの雑用係ですぅぅぅっ!…おわっ!?」
一緒にバタバタと海軍から逃げていたマルコ隊長に担ぎあげられると、私達は再び空へと舞い上がった。
「何かと思ったら…だから止めたてのか。悪かったよい」
「いいえ、私も気づくのが遅かったです」
マルコ隊長の背中の上でゼーハーと肩で息を整える。
はー、びっくりした…
マルコ隊長の背中から地上を見下ろすと、どうやらスモーカー大佐は私たちを追ってこないらしい。
ようやくアルバーナへ向けて出発したのが見えた。
「ところで何で海軍がアルバーナへ行くって知ってたんだい?」
「だってアルバーナで今大規模な戦闘が起きてるでしょう?」
「…海軍が一国の内乱に首突っ込むか?」
「だってアルバーナにはクロコダイルさんも向かったし…」
「……で、お前は何でクロコダイルがアルバーナへ向かったのと『今』アルバーナで戦闘が起きてるのを知ってるんだい?」
「……ん?」
嫌な予感がしてギギギ、と壊れたブリキのオモチャのようにぎこちない動きでマルコ隊長を見ると、その目はバッチリ怪しむそれで…
「アルバーナで大規模戦闘が始まる瞬間を俺は空から見てたんだがなぁメイ?」
や っ ち ま っ た よ い。
誘導尋問なんてそんな大層な事じゃない。
ただ単に私が馬鹿だった。
漫画でなんとなく読んでただけだから、アルバーナでいつ戦いが始まったかなんて覚えていない。
むしろだいぶ前の巻すぎて詳細なんて覚えていない。
ただ首都で戦いがあって、それをビビちゃんが止めようと必死になっているという事しか覚えていない。
だからずっと戦ってるものだと思っていた。
さっきのスモーカー大佐の話だって、気がついたらアルバーナにいた。
私はさっきスモーカー大佐と別れた時は意識がなかったから、海軍がどんな判断を下していたかなんて知る由もないはずなのだ。
だから『何故それを知っている』とスモーカー大佐は聞いていたのだ。
そしてさらに私は砂に埋まってたからクロコダイルさんが何処へ行ったかわからないはず。
それなのにアルバーナへ向かったと言い切ってしまった。
暑さのせいだけじゃない汗が全身から流れるのを感じた。
ヤバイ…これはヤバイぞ。
だけどマルコ隊長はただ静かに口を開いた。
「…なぁ、メイ?」
「は…はい…っ」
「俺は…お前が聡い子だって知ってるよい」
「…マルコ隊長?」
どういう事だと問い詰められるかと思っていたのに、マルコ隊長は私を諭すように続けた。
「お前が別の世界から来たっていう事が俺らにどんな影響が出てくるか考えて行動してるのも知ってる。その為に強くなろうとしてるのも知ってるし、オヤジの言いつけも守ろうとしてたのも知ってる」
何処かへまっすぐ向かいながらマルコ隊長はゆっくりと言葉を紡ぐ。
私はマルコ隊長のその言葉を一語一句聞き逃さない様、耳を傾けるしか出来ない。
「だけどなぁメイ、一個だけどうしても分かんねぇ事があるんだよい。……お前は…何を知ってて、何を隠してるんだい?」
「マルコ隊長…私…」
マルコ隊長は知ってたんだ。
初めて会った時に自分の事を隠す事無く伝えたけど、一つだけ秘密にしていた事…
言うつもりが無かった私が知ってるこの世界の事…
「あの…マルコ隊長……」
言葉が続かない私にマルコ隊長は一旦飛ぶのをやめて、腕以外元に戻った。
腕を羽ばたかせながら器用に私を背負いつつ、私を振り返った。
その目は優しく笑ってくれていて…
「メイ、俺とおまえは共犯者だ。覚えているかい?」
もちろん覚えている。
私の知りたい欲求に付き合ってくれたあの時に言ってくれた言葉だ。
仲間殺しに迫る行為をやらせてしまった事、やってくれた事。
それを共犯だと言ってくれたマルコ隊長。
「お前が隠している事、俺だけには教えてくれねぇかい?」
そこまで背負わせていいのだろうか。
そんなに甘えて良いんだろうか。
「嫌な思い…するかもしれませんよ?」
「かまわねぇよい」
「みんなには…内緒にしてくれますか?」
「もちろん」
「オヤジ様にも?」
「あぁ、約束する」
「ウソついたら針千本飲ましますよ?」
「いいよい」
「海楼石つけて」
「……お前の思考回路は時々怖ぇよい」
ちょっと引いてるマルコ隊長。
その首に回している腕にぎゅっと力を込めた。
「嘘です、言ってもいいです。それはマルコ隊長にお任せします。だけど…」
これから起るはずだった最悪の出来事を回避出来た今、いたずらに告げるつもりはなかった。
だけど共犯だといってくれたマルコ隊長にだけなら…
「私はマルコ隊長にだけしか話しません」
オヤジ様にも、エース隊長にも、サッチ隊長にもこんな事言えない。
言えるはずがない。
あなた達は志半ばで死にました、なんてとてもじゃないけど口に出せない。
マルコ隊長にだって、本当は聞かせたくない。
あの戦争で生き残った皆は泣いていた。
マルコ隊長も目の前でオヤジ様とエース隊長を失って泣いていた。
『今』を皆で笑ってるのに…
こんな話を聞かせてしまうのはとても躊躇してしまう。
だからちょっとだけ…
「その前にマルコ隊長…お願いがあるんです」
「なんだい?」
先延ばしさせてください。
「これからちょっと木っ端微塵になりに行きませんか?」
「…………あぁん?」
「うるせぇ!お前何で戻って来やがった!?馬鹿か?馬鹿なんだな!?」
「私はストップかけましたもんっ!スモーカーさんこそさっさとアルバーナ行ってくださよ!」
「テメェ何故それを知っている!?しかも火拳の次は不死鳥…テメェは本当に何モンだ!」
「だからただの雑用係ですぅぅぅっ!…おわっ!?」
一緒にバタバタと海軍から逃げていたマルコ隊長に担ぎあげられると、私達は再び空へと舞い上がった。
「何かと思ったら…だから止めたてのか。悪かったよい」
「いいえ、私も気づくのが遅かったです」
マルコ隊長の背中の上でゼーハーと肩で息を整える。
はー、びっくりした…
マルコ隊長の背中から地上を見下ろすと、どうやらスモーカー大佐は私たちを追ってこないらしい。
ようやくアルバーナへ向けて出発したのが見えた。
「ところで何で海軍がアルバーナへ行くって知ってたんだい?」
「だってアルバーナで今大規模な戦闘が起きてるでしょう?」
「…海軍が一国の内乱に首突っ込むか?」
「だってアルバーナにはクロコダイルさんも向かったし…」
「……で、お前は何でクロコダイルがアルバーナへ向かったのと『今』アルバーナで戦闘が起きてるのを知ってるんだい?」
「……ん?」
嫌な予感がしてギギギ、と壊れたブリキのオモチャのようにぎこちない動きでマルコ隊長を見ると、その目はバッチリ怪しむそれで…
「アルバーナで大規模戦闘が始まる瞬間を俺は空から見てたんだがなぁメイ?」
や っ ち ま っ た よ い。
誘導尋問なんてそんな大層な事じゃない。
ただ単に私が馬鹿だった。
漫画でなんとなく読んでただけだから、アルバーナでいつ戦いが始まったかなんて覚えていない。
むしろだいぶ前の巻すぎて詳細なんて覚えていない。
ただ首都で戦いがあって、それをビビちゃんが止めようと必死になっているという事しか覚えていない。
だからずっと戦ってるものだと思っていた。
さっきのスモーカー大佐の話だって、気がついたらアルバーナにいた。
私はさっきスモーカー大佐と別れた時は意識がなかったから、海軍がどんな判断を下していたかなんて知る由もないはずなのだ。
だから『何故それを知っている』とスモーカー大佐は聞いていたのだ。
そしてさらに私は砂に埋まってたからクロコダイルさんが何処へ行ったかわからないはず。
それなのにアルバーナへ向かったと言い切ってしまった。
暑さのせいだけじゃない汗が全身から流れるのを感じた。
ヤバイ…これはヤバイぞ。
だけどマルコ隊長はただ静かに口を開いた。
「…なぁ、メイ?」
「は…はい…っ」
「俺は…お前が聡い子だって知ってるよい」
「…マルコ隊長?」
どういう事だと問い詰められるかと思っていたのに、マルコ隊長は私を諭すように続けた。
「お前が別の世界から来たっていう事が俺らにどんな影響が出てくるか考えて行動してるのも知ってる。その為に強くなろうとしてるのも知ってるし、オヤジの言いつけも守ろうとしてたのも知ってる」
何処かへまっすぐ向かいながらマルコ隊長はゆっくりと言葉を紡ぐ。
私はマルコ隊長のその言葉を一語一句聞き逃さない様、耳を傾けるしか出来ない。
「だけどなぁメイ、一個だけどうしても分かんねぇ事があるんだよい。……お前は…何を知ってて、何を隠してるんだい?」
「マルコ隊長…私…」
マルコ隊長は知ってたんだ。
初めて会った時に自分の事を隠す事無く伝えたけど、一つだけ秘密にしていた事…
言うつもりが無かった私が知ってるこの世界の事…
「あの…マルコ隊長……」
言葉が続かない私にマルコ隊長は一旦飛ぶのをやめて、腕以外元に戻った。
腕を羽ばたかせながら器用に私を背負いつつ、私を振り返った。
その目は優しく笑ってくれていて…
「メイ、俺とおまえは共犯者だ。覚えているかい?」
もちろん覚えている。
私の知りたい欲求に付き合ってくれたあの時に言ってくれた言葉だ。
仲間殺しに迫る行為をやらせてしまった事、やってくれた事。
それを共犯だと言ってくれたマルコ隊長。
「お前が隠している事、俺だけには教えてくれねぇかい?」
そこまで背負わせていいのだろうか。
そんなに甘えて良いんだろうか。
「嫌な思い…するかもしれませんよ?」
「かまわねぇよい」
「みんなには…内緒にしてくれますか?」
「もちろん」
「オヤジ様にも?」
「あぁ、約束する」
「ウソついたら針千本飲ましますよ?」
「いいよい」
「海楼石つけて」
「……お前の思考回路は時々怖ぇよい」
ちょっと引いてるマルコ隊長。
その首に回している腕にぎゅっと力を込めた。
「嘘です、言ってもいいです。それはマルコ隊長にお任せします。だけど…」
これから起るはずだった最悪の出来事を回避出来た今、いたずらに告げるつもりはなかった。
だけど共犯だといってくれたマルコ隊長にだけなら…
「私はマルコ隊長にだけしか話しません」
オヤジ様にも、エース隊長にも、サッチ隊長にもこんな事言えない。
言えるはずがない。
あなた達は志半ばで死にました、なんてとてもじゃないけど口に出せない。
マルコ隊長にだって、本当は聞かせたくない。
あの戦争で生き残った皆は泣いていた。
マルコ隊長も目の前でオヤジ様とエース隊長を失って泣いていた。
『今』を皆で笑ってるのに…
こんな話を聞かせてしまうのはとても躊躇してしまう。
だからちょっとだけ…
「その前にマルコ隊長…お願いがあるんです」
「なんだい?」
先延ばしさせてください。
「これからちょっと木っ端微塵になりに行きませんか?」
「…………あぁん?」