君死にたもう事なかれ!
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やっとのことでマルコ隊長に指を離してもらえた。
なんだか頭の形が変わっているのは気のせいだろうか。
うん、気のせいだ。
マルコ隊長はどうやらモビーに戻るところだったらしい。
町もゆっくり堪能した事だし、私たちも一緒に戻ることにした。
てくてくと私の歩くスピードに合わせてくれるマルコ隊長とサッチ隊長。
二人とも足が長いから、だいぶゆっくり歩いてくれている。
悪いな、と思って急ごうとすると二人に止められた。
どうせ帰っても暇だからゆっくりで良いって。
はぁ…紳士のお兄ちゃんを持って私は幸せだ。
来た時みたいに思わず鼻歌が零れる。
すると、ふとマルコ隊長がとあるお店を指さした。
「メイ、あれは良いのかい?」
「……?」
指さされた先を見てみると、そこはどうやら楽器屋さんらしい。
曇った窓の中にいくつかの楽器が見える。
「行ってみるか?」
「良いですか?」
「もちろん」
サッチ隊長が私の背中を押して楽器屋さんへと足を向けさせる。
マルコ隊長も一緒に来てくれるらしい。
カランカランとドアをくぐると、温かい空気とともにたくさんの楽器が私たちを出迎えてくれた。
弦楽器に金管楽器に木管楽器、それから打楽器。
数年前まで皆と吹きあっていた楽器達が凄く懐かしい。
元々私はチューバを吹いていた。
曲のベースを作る楽器だったからそれはそれで楽しかったけど、主旋律を演奏できるトランペットやクラリネットが凄く羨ましかったのを覚えている。
この間ラッパを吹いたの凄く楽しかったなぁ。
そんな事を思いながらふらふらと店内をうろついていると、一つ値札のない楽器があった。
これは…ピッコロ?
「おじさん、これは?」
会計する場所でうとうとしていたおじさんに声をかけると、おじさんはそばまでやってきてピッコロを手にする。
「これね、どういうわけかケースが無くなってしまったんだよ。だから展示用として飾っているのさ」
「ふーん…」
確かにケースがなくては保管も難しいだろう。
現にちょっと誇りもかぶっていて金具部分が少しさびついている。
可哀そうだなぁ…
「気になるかい?」
「かなり」
「あげようか」
「……え!?」
楽器をただでくれるだって…!?
どれだけ太っ腹なんだよこのおじさんは…!
確かにメタボ腹だけどさ!(超失礼)
「良いんですか?」
「うん。今までコイツを気にかけた人なんていなかったしね。ずっとここに鎮座してるよりはボクに貰ってもらう方がいいでしょ」
「…………」
「ボク…!!ブハッ!!」
「アハハハハ!!」
「お二方、笑い過ぎです!!」
スルーしようと思ったのに二人が笑ったらおじさん気にしちゃうでしょう!?
案の定、私の性別を間違えた事に気がついたおじさんは、少しは痩せられるのではないかというほど変な汗を掻いていた。
「え、お嬢ちゃんだったのかい!?ごめんよ!?」
「いいんですいいんです、えぇ。まだ性別が違うだけで人間ですもの」
「子ザルみたいだったからてっきり男の子かと…!」
「フォローする気あります!?」
「アハハハハハ!」
「ブァッハハハハハ!!」
二人とも笑い過ぎですってば!!
結局お詫びということでピッコロをもらう事になった。
マルコ隊長がいうには、ケースなら船大工さんたちが何とかしてくれるかもしれないとの事。
楽器屋さんに入って貰うだけで何も買わないのはいかがなものかと、楽器磨きを一つ買って店を後にした。
「いやぁ…なんだかラッキーだった…のかなぁ?」
「ブブブ…ボク…ブハッ!」
「サッチ隊長、絵の具を鼻に流し込んでも良いですか?」
ちゃんと赤い絵の具にしますから。
絵の具を持ってサッチ隊長ににじり寄ると、ふとマルコ隊長の懐から『プルルルル』という声が聞こえた。
これは…電伝虫?
「なんだぁ?もしもし…」
『マルコ隊長、大変です!』
「…ルビー?」
出るなりルビーさんの焦った声が電伝虫から聞こえてくる。
「どうしたよい」
『マルコ隊長、船長が…船長が大変なんですっ!!』
「「「……っ!?」」」
私たち三人は顔を見合わせる。
オヤジ様に一体何が起きたというのか。
昨日オヤジ様と話をした時には普通だった。
…いや、普通じゃない。
オヤジ様は点滴しながらお酒を飲んでいる。
それって本当は普通じゃない。
お姉ちゃんたちからお酒を控えるように、とたしなめられていたはず。
『駄目です船長…!やめてください!!』
「オイ、ルビー!どうした!オイ!」
『とにかく一度戻ってきてくだ…ガチャッ!ツーツーツー』
中途半端なところで電伝虫は切れてしまった。
モビーで一体…
オヤジ様に何が…?
「先に行く…っ!」
マルコ隊長は両手を広げると、町の往来で青い炎に包まれ不死鳥になった。
初めて見る生の不死鳥の迫力に私は固まることしか出来なかった。
するとそんな私をサッチ隊長は抱きかかえたか思うと、そのまま肩にガシッと担がれた。
サッチ隊長はマルコ隊長の背中にそのまま飛び乗る。
「俺達もつれてけ!」
マルコ隊長は一瞬顔をしかめたけど、そのままバサリと翼を広げて一気に空高く舞い上がった。
初めて空を飛ぶ感覚を私はあまり覚えていない。
気がついたらモビーの甲板に降ろされていた。
なんだか頭の形が変わっているのは気のせいだろうか。
うん、気のせいだ。
マルコ隊長はどうやらモビーに戻るところだったらしい。
町もゆっくり堪能した事だし、私たちも一緒に戻ることにした。
てくてくと私の歩くスピードに合わせてくれるマルコ隊長とサッチ隊長。
二人とも足が長いから、だいぶゆっくり歩いてくれている。
悪いな、と思って急ごうとすると二人に止められた。
どうせ帰っても暇だからゆっくりで良いって。
はぁ…紳士のお兄ちゃんを持って私は幸せだ。
来た時みたいに思わず鼻歌が零れる。
すると、ふとマルコ隊長がとあるお店を指さした。
「メイ、あれは良いのかい?」
「……?」
指さされた先を見てみると、そこはどうやら楽器屋さんらしい。
曇った窓の中にいくつかの楽器が見える。
「行ってみるか?」
「良いですか?」
「もちろん」
サッチ隊長が私の背中を押して楽器屋さんへと足を向けさせる。
マルコ隊長も一緒に来てくれるらしい。
カランカランとドアをくぐると、温かい空気とともにたくさんの楽器が私たちを出迎えてくれた。
弦楽器に金管楽器に木管楽器、それから打楽器。
数年前まで皆と吹きあっていた楽器達が凄く懐かしい。
元々私はチューバを吹いていた。
曲のベースを作る楽器だったからそれはそれで楽しかったけど、主旋律を演奏できるトランペットやクラリネットが凄く羨ましかったのを覚えている。
この間ラッパを吹いたの凄く楽しかったなぁ。
そんな事を思いながらふらふらと店内をうろついていると、一つ値札のない楽器があった。
これは…ピッコロ?
「おじさん、これは?」
会計する場所でうとうとしていたおじさんに声をかけると、おじさんはそばまでやってきてピッコロを手にする。
「これね、どういうわけかケースが無くなってしまったんだよ。だから展示用として飾っているのさ」
「ふーん…」
確かにケースがなくては保管も難しいだろう。
現にちょっと誇りもかぶっていて金具部分が少しさびついている。
可哀そうだなぁ…
「気になるかい?」
「かなり」
「あげようか」
「……え!?」
楽器をただでくれるだって…!?
どれだけ太っ腹なんだよこのおじさんは…!
確かにメタボ腹だけどさ!(超失礼)
「良いんですか?」
「うん。今までコイツを気にかけた人なんていなかったしね。ずっとここに鎮座してるよりはボクに貰ってもらう方がいいでしょ」
「…………」
「ボク…!!ブハッ!!」
「アハハハハ!!」
「お二方、笑い過ぎです!!」
スルーしようと思ったのに二人が笑ったらおじさん気にしちゃうでしょう!?
案の定、私の性別を間違えた事に気がついたおじさんは、少しは痩せられるのではないかというほど変な汗を掻いていた。
「え、お嬢ちゃんだったのかい!?ごめんよ!?」
「いいんですいいんです、えぇ。まだ性別が違うだけで人間ですもの」
「子ザルみたいだったからてっきり男の子かと…!」
「フォローする気あります!?」
「アハハハハハ!」
「ブァッハハハハハ!!」
二人とも笑い過ぎですってば!!
結局お詫びということでピッコロをもらう事になった。
マルコ隊長がいうには、ケースなら船大工さんたちが何とかしてくれるかもしれないとの事。
楽器屋さんに入って貰うだけで何も買わないのはいかがなものかと、楽器磨きを一つ買って店を後にした。
「いやぁ…なんだかラッキーだった…のかなぁ?」
「ブブブ…ボク…ブハッ!」
「サッチ隊長、絵の具を鼻に流し込んでも良いですか?」
ちゃんと赤い絵の具にしますから。
絵の具を持ってサッチ隊長ににじり寄ると、ふとマルコ隊長の懐から『プルルルル』という声が聞こえた。
これは…電伝虫?
「なんだぁ?もしもし…」
『マルコ隊長、大変です!』
「…ルビー?」
出るなりルビーさんの焦った声が電伝虫から聞こえてくる。
「どうしたよい」
『マルコ隊長、船長が…船長が大変なんですっ!!』
「「「……っ!?」」」
私たち三人は顔を見合わせる。
オヤジ様に一体何が起きたというのか。
昨日オヤジ様と話をした時には普通だった。
…いや、普通じゃない。
オヤジ様は点滴しながらお酒を飲んでいる。
それって本当は普通じゃない。
お姉ちゃんたちからお酒を控えるように、とたしなめられていたはず。
『駄目です船長…!やめてください!!』
「オイ、ルビー!どうした!オイ!」
『とにかく一度戻ってきてくだ…ガチャッ!ツーツーツー』
中途半端なところで電伝虫は切れてしまった。
モビーで一体…
オヤジ様に何が…?
「先に行く…っ!」
マルコ隊長は両手を広げると、町の往来で青い炎に包まれ不死鳥になった。
初めて見る生の不死鳥の迫力に私は固まることしか出来なかった。
するとそんな私をサッチ隊長は抱きかかえたか思うと、そのまま肩にガシッと担がれた。
サッチ隊長はマルコ隊長の背中にそのまま飛び乗る。
「俺達もつれてけ!」
マルコ隊長は一瞬顔をしかめたけど、そのままバサリと翼を広げて一気に空高く舞い上がった。
初めて空を飛ぶ感覚を私はあまり覚えていない。
気がついたらモビーの甲板に降ろされていた。