君死にたもう事なかれ!
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全裸騒動の後、隅っこの方でさっと血を流して脱衣所に準備していた服を着直す。
もう一度お風呂場に入ろうとしたら、武器入りの箱を抱えたサッチ隊長が脱衣所にやってきた。
「ん?忘れもんか?」
「いえ、汚した場所を掃除しようと…」
「あー、中に入ってる野郎どもがやっておくってよ。見物料だ見物料」
見物料…
自分でOK出したとは言え、確かに見世物状態だった。
だけどだいぶグロテスクな見世物だったと思う。
ホラー好き以外逆に迷惑料取られてもおかしくないんじゃないだろうか。
本当、お兄ちゃん達ごめんなさい。
手を合わせてお風呂場に向けてお辞儀する。
とそこでふらりと体が傾いた。
寸で踏みとどまったけど、貧血が起きているみたいだ。
「メイ、大丈夫か?」
「はい、ただの貧血です」
「だろうなぁ…この細身であれだけ血流してりゃな」
ですよねー。
貧血だと自覚してからはふらふらが強くなる。
それに加えて眠気が一気にやってきた。
ゾロは怪我は寝たら治るって言ってたけど、私も睡眠が一番良いみたい。
「夕飯になったら起こしてやるから寝てこいよ」
「そうしまーす」
あまりにも眠くてあくびを一つ。
目もだんだん開けていられなくなってくる。
ごしごしとこすってみるけど、霞がかった視界は一向にクリアにならない。
するとサッチ隊長は箱をその場に置いて一旦風呂場へ戻って行く。
そしてすぐに戻ってきてきたかと思えば私をひょいと抱きかかえた。
あまりにも無駄な動作が無くて一瞬呆けてしまう。
「……うぇ!?」
あれだけしぱしぱしていた目が一気に覚めた。
お姫様だっこなんて本当小さい頃にお父さんにやってもらった以来だ。
「さ…サッチ隊長、大丈夫です!目、お陰で覚めました!」
「おかげでってどういう意味だよ。大人しく寝とけ」
「ドキドキして眠れません!!」
腕の中でジタバタしてみるけどピクリとも動じないサッチ隊長。
私の必死の抵抗が全く意味をなさないのが面白いのかニヤニヤ笑っている。
この胸筋マッチョめ…!!
あぁ、暴れたら目眩が…
ぐらりと視界が揺れて、離れようとしていたサッチ隊長の腕にぐったりともたれかかってしまった。
「だから俺に大人しく抱かれてろって」
「サッチ隊長なんかその発言イヤラシイです。さっきからセクハラが過ぎますよ?」
今日はいやにセクハラ発言してくるなぁ。
いや、元からこうだったのかもしれない。
私が嗜めても全くこたえていないのだから。
それならば私も、と欲望を口にする。
「……サッチ隊長」
「うん?」
「このCカップ、触らせてもらっていいですか?」
「いやんメイこそセクハラよ…!」
急に裏声使ってそんな事言うから私は思わず噴き出した。
許可も得ずにそのままペタペタと分厚い胸板を触れば今度はサッチ隊長が笑いだす。
「くすぐってぇ!触るならちゃんと触れよ」
「やった…!!」
今度はぐっ、ぐっと押してみればやっぱり素晴らしい筋肉がそこにはあった。
このCカップ筋肉がクソうらやましい…!
ふと手のひらがとくり、とくりと鼓動を感じ取った。
耳をサッチ隊長の左胸にくっつけてみる。
分厚い胸板越しに聞こえる、ドクンドクンという力強い鼓動。
(生きてる…)
確かに刻む心音に、私を包む温かいぬくもり。
思わず目を閉じてそれを静かに感じ取る。
まだこの船に乗って一週間ちょっと。
こうしてサッチ隊長と触れ合うのはほんの数える程度。
だけどこうして確かに感じられる『生』に私はひどく安心してしまう。
本当だったらいなくなってしまうはずだったサッチ隊長。
代わりにいなくなってしまった黒ひげ。
安心と後ろめたさとがぐるぐると私の中を駆け巡る。
それでも酷い私は、最後は後ろめたさよりも安心の方が勝ってしまうんだ。
サッチ隊長が生きてる。
あの戦争は起きない。
エース隊長もオヤジ様もあの戦争で死ぬことはない。
きっとこの先何回だってこう思ってしまう。
その度に安心してしまうんだ。
目を閉じたままそんな事を考えていたからか、さきほどの眠気がまたすぐにやってきてしまう。
だっこされてドキドキしてたのが嘘のように、その温かさに誘われて私の意識は深く沈んでいった。
ふと寒気を感じて目を覚ます。
布団がいつもより多く重ねられていた。
おや、いつの間に…?
ぼーっとする頭を軽く振って布団から抜け出してみれば、あまりの寒さに身を震わす。
「寒っ!さむーい!!」
吐く息まで白い。
まるで真冬の外にいるみたいだ。
…真冬?
その時、コンコン、とドアをノックされる。
「はーい?」
急いでガチャリとドアを開けるとそこにはエース隊長がいた。
なんだかお久しぶりのエース隊長。
そういえば最初に訓練に参加させてもらって以来姿を見ていなかった。
どこか行ってたのかな…?
「お、やっぱり起きてたか。声がしたからもしかしたらって思ってさ」
ニコッと笑いながら私のおでこに手を当てるエース隊長。
あったかい手のひらが、また私をひどく安心させる。
ほっ、と息を吐くとエース隊長は頭をくしゃくしゃとかき混ぜた。
「貧血でぶっ倒れてずっと寝てただろ?具合はもう良いのかと思ってよ。熱はなさそうだしもう大丈夫そうだな!」
「……?私ずっと寝てたんですか?」
「おう、かれこれ3日は寝てたぜ?」
なんですと…!?
また3日!
ごはん15食も食べ損ねた!!
…嘘だけど。
「しかも何やっても起きねぇし、サッチが泣いてたぜ?」
な ん で す と…!!?
ご飯無駄にしてごめんなさいサッチ隊長…!
…いや、きっと誰か食べたんだろうけど。
きっとこうしてご飯食べ損ねてるうちは体重増やせないんだろうな。
あんまり好奇心を優先して無茶したらいけないな。
ふと忘れていた寒さに身を震わす。
ちなみに今私は半袖のTシャツ1枚しか着ていない(すそが長いのでワンピース状態だ)
さ…寒い!
「はっくしゅ!」
「なんだ?寒いのか?そんな格好してるからてっきり平気なのかと…」
「そういうエース隊長は寒くは……ないんでしょうねぇ…」
エース隊長はこの寒さにも関わらずいつもと同じ上半身裸である。
見ているこっちが寒い。
「今冬島だからよ、寒いだろ。早く上着ろよ」
「はい…!」
いそいそとクローゼットからカエルちゃんを取り出す。
たかが一枚、されど一枚。
まだまだ寒いけど、先ほどよりは寒さはしのげるようになったと思う。
「…やっぱり寒いです!!」
「お前、それ以外ねぇの?」
「島に着いたらいろいろ買おうと思ってましたから」
こっちに来る前、あちらは初夏だったから防寒具なんて持ってなかった。
遠征に持って行ってた私物が全てこっちに来てくれた事はありがたいけど、仕方ないこととはいえ長袖が制服のブレザーと道着とこのカエルちゃんしかないのが恨めしい。
「……ん?エース隊長、今冬島って言いました?」
「おう、昨日ついたんだ」
な…なんですとーーー!!?
もう一度お風呂場に入ろうとしたら、武器入りの箱を抱えたサッチ隊長が脱衣所にやってきた。
「ん?忘れもんか?」
「いえ、汚した場所を掃除しようと…」
「あー、中に入ってる野郎どもがやっておくってよ。見物料だ見物料」
見物料…
自分でOK出したとは言え、確かに見世物状態だった。
だけどだいぶグロテスクな見世物だったと思う。
ホラー好き以外逆に迷惑料取られてもおかしくないんじゃないだろうか。
本当、お兄ちゃん達ごめんなさい。
手を合わせてお風呂場に向けてお辞儀する。
とそこでふらりと体が傾いた。
寸で踏みとどまったけど、貧血が起きているみたいだ。
「メイ、大丈夫か?」
「はい、ただの貧血です」
「だろうなぁ…この細身であれだけ血流してりゃな」
ですよねー。
貧血だと自覚してからはふらふらが強くなる。
それに加えて眠気が一気にやってきた。
ゾロは怪我は寝たら治るって言ってたけど、私も睡眠が一番良いみたい。
「夕飯になったら起こしてやるから寝てこいよ」
「そうしまーす」
あまりにも眠くてあくびを一つ。
目もだんだん開けていられなくなってくる。
ごしごしとこすってみるけど、霞がかった視界は一向にクリアにならない。
するとサッチ隊長は箱をその場に置いて一旦風呂場へ戻って行く。
そしてすぐに戻ってきてきたかと思えば私をひょいと抱きかかえた。
あまりにも無駄な動作が無くて一瞬呆けてしまう。
「……うぇ!?」
あれだけしぱしぱしていた目が一気に覚めた。
お姫様だっこなんて本当小さい頃にお父さんにやってもらった以来だ。
「さ…サッチ隊長、大丈夫です!目、お陰で覚めました!」
「おかげでってどういう意味だよ。大人しく寝とけ」
「ドキドキして眠れません!!」
腕の中でジタバタしてみるけどピクリとも動じないサッチ隊長。
私の必死の抵抗が全く意味をなさないのが面白いのかニヤニヤ笑っている。
この胸筋マッチョめ…!!
あぁ、暴れたら目眩が…
ぐらりと視界が揺れて、離れようとしていたサッチ隊長の腕にぐったりともたれかかってしまった。
「だから俺に大人しく抱かれてろって」
「サッチ隊長なんかその発言イヤラシイです。さっきからセクハラが過ぎますよ?」
今日はいやにセクハラ発言してくるなぁ。
いや、元からこうだったのかもしれない。
私が嗜めても全くこたえていないのだから。
それならば私も、と欲望を口にする。
「……サッチ隊長」
「うん?」
「このCカップ、触らせてもらっていいですか?」
「いやんメイこそセクハラよ…!」
急に裏声使ってそんな事言うから私は思わず噴き出した。
許可も得ずにそのままペタペタと分厚い胸板を触れば今度はサッチ隊長が笑いだす。
「くすぐってぇ!触るならちゃんと触れよ」
「やった…!!」
今度はぐっ、ぐっと押してみればやっぱり素晴らしい筋肉がそこにはあった。
このCカップ筋肉がクソうらやましい…!
ふと手のひらがとくり、とくりと鼓動を感じ取った。
耳をサッチ隊長の左胸にくっつけてみる。
分厚い胸板越しに聞こえる、ドクンドクンという力強い鼓動。
(生きてる…)
確かに刻む心音に、私を包む温かいぬくもり。
思わず目を閉じてそれを静かに感じ取る。
まだこの船に乗って一週間ちょっと。
こうしてサッチ隊長と触れ合うのはほんの数える程度。
だけどこうして確かに感じられる『生』に私はひどく安心してしまう。
本当だったらいなくなってしまうはずだったサッチ隊長。
代わりにいなくなってしまった黒ひげ。
安心と後ろめたさとがぐるぐると私の中を駆け巡る。
それでも酷い私は、最後は後ろめたさよりも安心の方が勝ってしまうんだ。
サッチ隊長が生きてる。
あの戦争は起きない。
エース隊長もオヤジ様もあの戦争で死ぬことはない。
きっとこの先何回だってこう思ってしまう。
その度に安心してしまうんだ。
目を閉じたままそんな事を考えていたからか、さきほどの眠気がまたすぐにやってきてしまう。
だっこされてドキドキしてたのが嘘のように、その温かさに誘われて私の意識は深く沈んでいった。
ふと寒気を感じて目を覚ます。
布団がいつもより多く重ねられていた。
おや、いつの間に…?
ぼーっとする頭を軽く振って布団から抜け出してみれば、あまりの寒さに身を震わす。
「寒っ!さむーい!!」
吐く息まで白い。
まるで真冬の外にいるみたいだ。
…真冬?
その時、コンコン、とドアをノックされる。
「はーい?」
急いでガチャリとドアを開けるとそこにはエース隊長がいた。
なんだかお久しぶりのエース隊長。
そういえば最初に訓練に参加させてもらって以来姿を見ていなかった。
どこか行ってたのかな…?
「お、やっぱり起きてたか。声がしたからもしかしたらって思ってさ」
ニコッと笑いながら私のおでこに手を当てるエース隊長。
あったかい手のひらが、また私をひどく安心させる。
ほっ、と息を吐くとエース隊長は頭をくしゃくしゃとかき混ぜた。
「貧血でぶっ倒れてずっと寝てただろ?具合はもう良いのかと思ってよ。熱はなさそうだしもう大丈夫そうだな!」
「……?私ずっと寝てたんですか?」
「おう、かれこれ3日は寝てたぜ?」
なんですと…!?
また3日!
ごはん15食も食べ損ねた!!
…嘘だけど。
「しかも何やっても起きねぇし、サッチが泣いてたぜ?」
な ん で す と…!!?
ご飯無駄にしてごめんなさいサッチ隊長…!
…いや、きっと誰か食べたんだろうけど。
きっとこうしてご飯食べ損ねてるうちは体重増やせないんだろうな。
あんまり好奇心を優先して無茶したらいけないな。
ふと忘れていた寒さに身を震わす。
ちなみに今私は半袖のTシャツ1枚しか着ていない(すそが長いのでワンピース状態だ)
さ…寒い!
「はっくしゅ!」
「なんだ?寒いのか?そんな格好してるからてっきり平気なのかと…」
「そういうエース隊長は寒くは……ないんでしょうねぇ…」
エース隊長はこの寒さにも関わらずいつもと同じ上半身裸である。
見ているこっちが寒い。
「今冬島だからよ、寒いだろ。早く上着ろよ」
「はい…!」
いそいそとクローゼットからカエルちゃんを取り出す。
たかが一枚、されど一枚。
まだまだ寒いけど、先ほどよりは寒さはしのげるようになったと思う。
「…やっぱり寒いです!!」
「お前、それ以外ねぇの?」
「島に着いたらいろいろ買おうと思ってましたから」
こっちに来る前、あちらは初夏だったから防寒具なんて持ってなかった。
遠征に持って行ってた私物が全てこっちに来てくれた事はありがたいけど、仕方ないこととはいえ長袖が制服のブレザーと道着とこのカエルちゃんしかないのが恨めしい。
「……ん?エース隊長、今冬島って言いました?」
「おう、昨日ついたんだ」
な…なんですとーーー!!?