yhj series
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紅ちゃんの部屋で二人でいると、なんだか外ががやがやと騒がしくなってきた。
しかも複数の男の人の声が聞こえる。ここ女子寮だよ?
「紅ちゃぁんなんか外騒がしくない〜?」
「チッ 一体なんだよ」
紅ちゃんはゲームから抜けて、私はタブレットから手を離して外の様子をうかがう。
「これでドアの鍵穴から……あける………」
「凄い!!……けど犯罪……」
なんか、物騒なこと聞こえんですけど。
「ありゃ、誰か入ってこようとしてるよ」
「術かけてあるから入ってはこれねーけど…面倒だな」
「ふむふむ こないだ泥たんが言ってた新しい陰陽師センセかな?何しに来たんだろ」
さらさらと紙に何かを書くとドアの方へ近寄っていく紅ちゃん。
あっ外の人らへの伝言か
「掲示板にも書き込んでやろう」
「ふむ さすが紅ちゃんらしいやり方だ」
「照れるだろ
さてと、オンラインゲームの続きを…」
「そうだそうだ私も続きしなきゃ」
床に置いたタブレットのもとへ移動しようとしたとき
「開けてったら!!!!」という声とともに
ゴッッッ!!!!!!
と音がして扉がふっとんだ。
「?!」
何?!今五芒星が………
えっ紅ちゃん気づいてないじゃん!
「なんか知らないけどラッキー!!!座敷さんいる?!
えっ君は、座敷さん…じゃないよね?」
「紅ちゃんなら奥ですよぉ」
「あっ名前ちゃんこっちにいたんだ!」
「あっ豆ちゃんと佐野っち、ねぇ今の何?」
「さあ 俺にもさっぱり」
「いた!!!座敷さん!!ねえ座敷さ」
「うるせぇ!!!
こちとら今世界の危機を救うのに忙しいんだよ!!」
「えっあ…ごめんね」ビクッ
「世界の前にお前の現実が危機に陥ってんぞ…」
「と…とりあえずゲーム一度やめて話を聞いてほしいな…なんて…」
「ゲームじゃねぇ…この画面の向こうの世界と名前こそ私の現実だ」
「現実と書いてリアルと読むなよ腹立つなぁ…」
「ってアレ!?お前らどうやって部屋に入ってきた!!!」
「紅ちゃん遅いよ…」
「気づくのおっそ!!!」
「(どんだけ現実見えてないんだよ…)」
「お願いします学校に登校してください!!!」
効果音が見えそうなくらいの勢いで土下座する陰陽師センセ。
なるほど紅ちゃんを連れ出しに来たわけだ
「そりゃ学校はゲームとは違って、世界を救ったり上手くいかないからってやり直しはできないけどさ
でも逆にゲームでは楽しめないことも、学校には絶対…いやたぶん…きっとあるはずだよ!!!
だからぜひ一緒に学校生活を…」
…なぁんか先生らしくないセンセだなぁ、このヒト。
紅ちゃんもめっちゃ驚いてんじゃん…
「とりあえずアンタも目ェあけて現実見なよ
…JKの下着の上で頭つけて土下座してる現実をな」
サーーッと顔から血の気が引いていく陰陽師センセ。
「ち…ちちちちがっ違う…誤解
ぼ…僕はっスポブラなんぞに興味はないよ!!!」
「じゃかあしい!!!」
紅子選手のキレイな上段蹴りが決まったぁ!!
陰陽師センセが蹴り飛ばされてキッチンに激突すると、グラっと上においてたお鍋が落ちてきて…
「なんてこった!!」
センセのアホ毛に貫通して刺さった。
「もうやだ~僕の人生こんなんばっかだよ~お先真っ暗だよ」
「目先が真っ暗なだけだ、頭の鍋取れ」
「紅子ちゃん、学校おいでよ~」
「この教師のせいでますます行きたくなくなったんだが」
「晴明君はとってもいい人だよ!!」
「たしかにいいヒトそうだねぇ」
「よく泣くしヘタレだし自分の欲望に素直な変態さんだけど」
「チクショウてんでほめてねぇ!!!」
酷い言われようだなぁこのセンセ
「それに泥たんも心配してるよ」
「ぐっ…泥田には悪いと思ってるけどさあ…
でもなー行く気はあるけど起きたら昼になってんだよ」
「行く気がないから起きたら昼なんじゃ…」
「…甘い説得ばっかしてるからつけあがるんだ、説得するなら…」
豆ちゃんが変化して銃になった!
と思ったらセンセが銃突きつけられて悪人佐野くんの人質みたいになってる!!
「オイ座敷 これ以上ワガママ言うならテメェの部屋が殺人現場になるぞ」
「君の登校で一人の命が救えます」
「もはや脅しじゃねーか!!!!」
「センセめっちゃ震えてんじゃんウケる」
「ったく…わかったから離せよ…私と名前の愛の巣を汚されたらたまんねーし」
「あ 君にとって人質は僕じゃなくてこの部屋なんだ」
「愛の巣ってなんだよ」
「チェッ、せっかく鍵まで換えて引きこもり生活満喫してたのに」
「引きこもりは大人になってからでもできるけどさ…高校生活は今しかできないんだよ…?
セーラー服だって今しか着られないんだしさ、ほら座敷さん奇麗な黒髪だし可愛いしセーラー服着た座敷さん見たいな…!!」
「ば!?」
「センセ、紅ちゃんのこと口説いてんの?」
「えっぼぼ僕そんなつもりじゃ」
紅ちゃんも珍しく照れてる。
ん、なんで豆ちゃんと佐野っちはあんな白けた顔してんだろ??
「…わかったよ、明日ちゃんと行くからとりあえず帰れお前ら」
「ほんと?本当に??」
「うるせぇとりあえずゲームまだやってんだから出ていけ」
「そういや名前ちゃんなんで新学期から来てないの?入道くんが気にしてたよ」
「いやぁ最近目ぇ離せない銘柄多くてね、益出しもかなり好調だったからずっとかじりついてたの!」
「妖怪も株するの?!」
「当たり前じゃんお金で生活してんだから
落ち着いてきたし私も明日は行くから安心してね、センセ」
「あっありがとう苗字さん!!」
「ふふ、私センセのそういうとこ好きかも♡」
「えっっっっ」
アホ毛をぴーんと立たせて動揺してる陰陽師センセ。
「さっ!さと!出て!いけ!」
「ぎゃっ 本当に来てくれるよね?」
「分かったからはよ帰れ」
「また明日ね!紅子ちゃん、名前ちゃん!」
「おう」
「ばいばい豆ちゃん、佐野っち」
三人が去って、しんとした室内。
いやぁ変わった先生だったなぁ
「さ、ゲームの続きするか」
「紅ちゃん明日ほんとに行くの?」
「あー一応な行くつもりにはしてる」
「ん、じゃぁ明日起こしに来るね!朝ごはんも食べにくる?」
「早く私のところに嫁に来い」
「ふふふ♡お弁当も作っとくね」
「私の名前がこんなにも可愛い」
一方三人。
「そういえば、苗字さんって何の妖怪なの?」
「名前ちゃんは妖怪っていうより、悪魔なのかなぁ?」
「まぁよくわかんないわな」
「えっそうなの?」
「一応本人は夢魔って言ってるけど、母親も父親も悪魔のお偉いさんだとか聞いたことあるし、それならサキュバスなんじゃとかいろいろ」
「夢魔?サキュバス?」
「…知らねぇの?」
「うん」
「うーん、夢魔はね、エッチなことを通してヒトから精気を奪うって言われてる妖怪だよ。」
「ひぇっ」
「赤面するな気持ちわりぃっ!!」
「でゅくし!!」
翌朝。
「うーん、眠そうだねぇ紅ちゃん」
「いきなり昼夜逆転なおしたからな…」
ガラッ
「あ、陰陽師センセ」
「ちょっと通れないんだけど」
「ざ…座敷さん!苗字さん!来てくれたんだ…!
わあああセーラーに赤のパーカーもいいね―――――…………?!」
えっ 何アレ怖いんだけど
精気吸われ切ったみたいになってんだけど
「そ…そんな…スカートの下にズボンなんて…
苗字さんに至っては着崩してる…なんで前開けるの…そしてカーディガンは腰に巻くものじゃないよ…」
「何心霊写真みたいになってんだよ…」
「あけたほーがシャツ見えて可愛いっしょ?それに腰に巻いとかなきゃ階段上るときパンツ見えるじゃん」
「こんな屈辱生まれて初めてだ!!!」
「「何言ってんのコイツ」」
「座敷さん!!スカートの下にズボンをはくのは校則違反だよ」
「うるさいなあ冷え性なんだよ」
「苗字さん!!ちゃんと前留めて!スカートものばして!」
「やだよぉ」
「ダメだよ風紀が乱れるよ!!」
「風紀って…今更だろ」
「そうだよぉいろんな妖怪がいて色んな服装の人がいて、個性だよ個性
もっと大事にしていこ?」
「なるほど
、違う!とにかく脱いでよ!!セーラーに対する冒涜だ!!」
「バッなんだその手は脱がす気かコラァ!!!あっおまっ名前に触んな!!」
「きゃぁえっち」
「「風紀を乱してんのはお前の方だ!!!」」
「ぐえっ僕の方だった」
いきなりセンセに、佐野っち泥たん豆ちゃんがとんできて蹴りを食らわせた。
「名前ちゃん何もされてないか!?」
「あっ泥たん久しぶり、なんにもないよ~」
「よお泥田」
「お、紅ちゃん来たな」
「私は今日名前の手作り弁当だ、羨ましいか?」
「羨まし…じゃなくてお前いつもそうだったじゃねぇか」
「朝も名前の部屋で食べたんだ」
「正直羨ましい」
「泥たんも今度作ってこよっか?」
「えっ、いいのか?!」
「よかったな泥田」
「私でよければ、じゃぁ明日でい?」
「えっ明日さっそく作ってくれんの?」
「うん、これから毎日紅ちゃんの作るし、ついでに作るね!」
「(ついで)」
「あーまあ気ぃ落とすなよ泥田、作ってもらえるだけいいじゃねぇか」
「言い方悪かったねごめんごめん、泥たんのために愛情込めて作るね♡」
「あっ泥田が崩れ落ちた」
「でも、これでみんなでクラス写真撮れるね!!」
「「は?」」
「クラス写真とか昨日言ってたっけ?」
「私は聞いてないが…」
「…あ、言い忘れてた、っけ」
「え~マジかぁ」
「私は名前の隣がいい」
「私も紅ちゃんの隣!絶対!!」
「とりあえず、写真の時は服装直してね!ちゃんとセーラー着てね!!」
「「しつこい!!」」
「ゴメンナサイっ」
なるほど陰陽師センセはこういう感じの役割というか…ポジションというか…なんとなく察したわ
「はーい、参組の皆さん準備はできましたかー?」
クラス写真を撮る時間になった。
今は紅ちゃんと一緒に最前列に並んで座っている。
「なんであの人きゅうり食べてんの?」
「さあ…河童だから…?」
「そうなるよね…
……あのね。紅ちゃん、今年同じクラスでとっても嬉しい、よろしくね」
「ああ、私もすごく嬉しい。こちらこそよろしくな、名前」
「ふふふ♡」
「撮りますよー」
「あっ、紅ちゃん、えーっと」
「手でハートでも作ろうぜ!」
「うん!!」
「はい、ちーず」
「はー終わった終わった、とっとと教室戻ろ―ぜ」
「前留めてる泥たんとかちょー新鮮」
「名前ちゃんも前留めてるの新鮮だわ」
「えへへ」
そのとき、セーラーの後ろをぴっ!と勢いよくひかれて前のスナップボタンがプチプチプチッとはじけ、服に収めていたおっぱいがぶるんと解放された。
「うわっ!?べ、紅ちゃん!?」
「いやぁ一回やってみたかったんだわこれ
いいもん見れただろ泥田」
「正直エロい少年漫画かよと思いました、紅子様崇めるわ」
「なになに泥たんおっぱい見たかったの?」
ほれほれ、と寄せて見せつけると「ありがとうございます…勘弁してください…」と小さくなっていく泥たん。可愛すぎワロりん。
「インナー着てたんだな」
「着てなかったらさすがに大惨事だわ今の。写真終わったらすぐ戻せるようにしてるよ~そういう紅ちゃんも元通りじゃん」
「まあな」
その時陰陽師センセと佐野っちがマンドラちゃんのとこに突っ込んでいくのが見えたので三人で駆け寄る。
「なんだよ―…座敷さんが来たのに全然幸せが訪れないよ」
「やっぱりそれが目的だったか」
「ざ…座敷さん」
「陰陽師センセ、イイ事教えてあげる。座敷童ってね、着てる服で幸か不幸か意味合いが変わるんだよ~」
「そう。それで今の私みたいに赤い服を着てるのは凶事が起こる前触れなんだよ」
「残念でした~♡」
「そ…そんな……」
それを聞いて陰陽師センセががっくりうなだれている。
「まあそういうことだから今後ともよろしく、不幸なモン二人に囲まれるなんてアンタ元々ツイてないんだろうねぇ…」
「えっ、二人って――…」
「後ろの佐野っちのことだね」
佐野っちが陰陽師センセをボコり出したので紅ちゃんとその場を後にする。
「なんかあのセンセ変わった人だねぇ」
「そうだな、…ま、悪い奴じゃなさそうだけどな」
「まぁそれはそうだねぇ」
これから学校はまぁ真面目にこようと思いました。まる。