yhj series
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「じゃあ今から体育祭の準備をするよ」
今年も体育祭の季節。
準備とかちょっと面倒だなぁ…紅ちゃんと組めるといいんだけど。
「うちのクラスはグラウンドでテント張りと、備品の準備と、人面岩ころがしの人面岩の準備…ん?人面岩ってなんぞ?」
「人の顔した岩だよ、人面魚の岩verだよ」
「そ…それを転がすの?」
「体育祭か~タルいなぁ」
「まあクラス対抗だし最下位にはならない程度には頑張ろうぜ」
「晴明のためにも負けられないな」
「いやいや、そんな気負わなくても楽しんで参加できたらそれでいいんだよ」
「センセなんでそんな悠長なの?」
「もちろん優勝はしたいよ!!でも同じくらい楽しむことも大事だと思うから、気張りすぎもよくないかな~って、最下位になったら殺されるわけじゃあるまいし」
「…お前、ほかの先生から何も聞いてねーの?」
「え?」
「毎年最下位のクラスの担任は負けたら罰ゲームあるんだぞ?」
「何それ初耳!!」
「なんだセンセただのドエムなのかと思ったわ」
「なんでも百年位前に学園長が、なんか普通に勝った負けたでおわりってつまんなくない?って言い出したとかで」
「何考えてんだあの学園長!!」
ほんとだよね~
まあでも被害受けるのはセンセー陣だから私らには関係ないけど。
「ちなみに昨年はだれが何の罰を受けたの?」
「えーっと…」
「昨年はネズミ先生が猫カフェ連れていかれたらしいぜ」
「えげつねえ!!!
くそぅッ!!!だから先生たちあんな暗かったんだ!!」
「頑張って回避しなきゃね~」
「どうしよう!!結局なんやかんやで僕が罰を受ける未来しか見えない!!!」
晴明センセが教卓の上から連くん狢んの机の上にブリッジするとかいう非人間技をしている。体柔らかいなぁ…アレ起き上がれるのかなぁ…
「ま…まあ、今から勝ち負け気にしても仕方ねえよ、俺もそんな気はするけどさ」
「そ…そうだね…」
「それより今から体育祭の準備するんだろ?何すればいいんだ?」
「そうでした!!とりあえず起こすの手伝ってもらっていいかな?」
「自力で起きれねーならハナからそんなポーズ取るんじゃねーよ」
全くだよ。
「じゃあ班決めするんでクジひいてねー!!」
「紅ちゃん何番だった?私壱番!!」
「一緒だな、私も壱番だ」
「やったぁ!!あ、連くん何番だったの?」
「俺も壱番だよ」
「俺も俺も!!」
「連くんと玉ちゃんも一緒かぁ、嬉しいなぁ」
仲いい子三人もいる!
今日は運がいいなぁ、朝の占い何位だっけ?
「よー、お前ら何番?」
「泥たん!私たち壱番だよ」
「おー俺もだわ」
「まじかこんなことある?」
「じゃあさっきのクジで一番引いた子は人面岩準備班で、弐番は備品の用意で参番はグラウンドでテント張りね、今から取り掛かってください~。終わった班から帰っていいよ」
「ゲェ〰〰ッ、俺ら人面岩かよ~」
「そもそも人面岩ってドコにあるんだよ…森ン中か?」
「こないだ森歩いたとこじゃん…」
また森とか勘弁だよ~!!
まあでも紅ちゃんいるしまだ頑張れるか。
「あ、歌川さんも一緒なの?」
「うん、よろしくね入道君」
「まあまあ僕も一緒に探すからさ」
「「断る」」
「Why!?」
「なんでだよ、晴明にも手伝ってもらえばいいじゃん」
「連くん、聞こえなかったのかいフラグの建ちかける音が」
「そうだお馬鹿!!この2か月間何を学んできた!!」
「晴明を連れてったら必然的に私たちもオチ担当になるだろうが!」
「み…みんな、そんなこと言っちゃ先生に失礼だよ~」
「いいんだ歌川さん、そうだね…僕を連れて行くともれなく遭難オチのフラグもセットでついてくるもんね…」
晴明センセが黒板の下で三角座りをしていじけている。
ちょっと可哀想だけど…自分の身は大事だ。最近いろんなことに巻き込まれ過ぎな気がする。
「ま…まあまあその代わりにイキのいい人面岩を取ってきてやるよ」
「あ、だったら先生こっち手伝ってよ」
「あっ倉橋君」
「用具室から備品持ってきたけどリレー用のバトンが見つからないんだよ、ってことで探すの手伝ってくんない?」
「手伝う手伝う!!」
「晴明センセはもう大丈夫そうだね、じゃあ探しに行こう…て言いたいんだけどどこにあるの?マジ」
「そうだな…」
「森の中じゃない?」
「げ~まじでまた森か…」
「頑張ろうか…」
何分歩いたかわからないけど、とりあえず森の中。
いい加減飽きてきたよこの景色…まさかこんなことになると思ってなかったからおろしたての靴だし、足痛い…
「ぶぇっくしょおぉおい!!!」
「紅ちゃん風邪?」
「っあ゛ー…いや風邪じゃない、チクショウ誰だ私の噂をしたのは」
「お前よぉ…そこらのおっさんだってもっと女子力あるくしゃみするわ」
「うるせぇ」
「それにしても見つからないね人面岩」
「っ、そうだね~」
げっ靴擦れしてるっぽい…めっちゃしみる、痛いぃ…
「日差しがあちぃよ、もう帰ろうぜ」
「あーもうその辺の岩に顔描いとこうぜ!!」
「えぇっ」
「確かにうちのセンセーたちおバカばっかりだしバレないかも…」
「そうそう」
「否定できないのがなんか嫌だな」
イイ感じの大きさの岩は…と普通の岩探しに切り替え始める。
終わり次第帰れるんだからさっさと帰りたい~!
「あ―――もう…あ、見つけた!!」
「へ?」
「こんなところに人面植物が!!」
「ちょ、紅ちゃん!?」
「ハハハ食え!!みんな食っちまえ!!」
「連くんまで!!」
「ちょっとみんなしっかりして~」
連くん紅ちゃん玉ちゃんが人面植物にかぶりつきだした。
それを止めに歌チャンが連くんにひっついてるのがちょっと気になる。
あの子連くんのこと好きだもんねぇ…ふーん。
「もう帰ろっ人面岩はもういいよぉ~」
「てか前年度までで使ったことあんなら学園に保管してたりしてんじゃないの?…ねぇ連くん、」
「なあ名前ちゃん」
「え?あ、どしたの泥たん」
「俺さっきから思ってたんだけど…」
「うん?」
「帰り道ってどっちだっけ…?」
「………………マジで言ってる?」
嘘やん。
「…そういえば、そうだな」
「マジかよ」
「マジだよ」
「誰か、道覚えてる…?」
「私が覚えてると思うか?」
「俺も覚えてねーわ」
「私も…」
「俺も!」
「俺もだ…」
「連くんまでか…ううん…」
「山なら上へ行けっていうよな」
「あーそうだね、とりあえず登ってみる?」
「連々ん………」
「情けねー声だすなよタマ」
暑いばかりでみんな体力は消耗されていく。
どうせ同じ体力なら、クーラーの効いた部屋でソシャゲの体力消費したい…
「ん?ソシャゲ?」
「私も早く帰ってゲームがしたい…」
「そうだよ紅ちゃん!!ちょっと!!みんな携帯!!」
「「あ」」
「俺ら暑すぎて馬鹿になってたな…」
「………げっ、電波ないぜ!!」
「言い出しっぺ私も電波なかった…」
「俺のもない…」
「私もない…」
「私のはあるぞ」
「まじか!紅ちゃんナイス!」
「よし、帰るか!!」
「いえーい!!」
思わず玉ちゃんとハイタッチする。そのとき靴擦れしてしまって顔をしかめそうになったけど一瞬固まるだけで済んだ。
長かった…長かったよ………早く靴脱ぎたい…おうちにかえりたい……
「マップ見たらこっちだな」
「は~い」
「待って名前ちゃん、」
「? なぁに連くん」
「靴擦れしてるでしょ、背中乗って」
えっ、なんで気づいたの!?割とまじで。
顔に出してたつもりまったくなかったのに。
「!? いやいやいやいや歩くよ、というかよく気付いたね!?」
「ほんとか名前!!私としたことが、不覚…」
「そ、それなら入道君じゃなくても…」
「名前ちゃん、俺がおぶってやるよ」
「えぇぇぇ泥たんもいいよ、歩けるよ別に!!」
「じゃあ私が」
「紅ちゃんはもっとダメ!!過保護か!!
別に靴擦れくらいなんてことないよ…」
心配してくれるのはとっても嬉しいけど、靴ずれなんか…いやまあ結構、痛いけど……別に歩けるのに、そんな頼るわけにも……
「連々に任せたら?」
「玉ちゃん!?」
「泥田は代わりに俺のっけて~!!」
「げっ秋雨お前」
玉ちゃんが猫に変化して泥たんの頭の上に乗っかった。
「名前ちゃん、多分相当痛いんだろ?さっきハイタッチしたときに確信したんだ」
「………よく見てくれてるんだね?」
「い、いいから乗って!!」
「うん…ありがと、お邪魔します。」
腰を下ろしてくれたので背中に体重を預けさせてもらう。
「連くんも疲れてるだろうにごめんね」
「帰れるってわかったら元気出たから大丈夫だよ(おっぱいが…太ももが……やばい考えてなかった)」
「おい入道、疲れたら代わってやるぜ?」
「名前ちゃん背負ったくらいで何も変わんねーよ」
「まあそう妬むなよ泥田」
「どんまい泥田」
「うるせーよ」
「連くん、背中おっきいね…男の子って感じ」
「っ変なこと言わないでよ!!(ただでさえ背中も手のひらもえらいことなのに……)」
「え〜別に何も変なことなんて言ってないよ〜?」
「名前ちゃん……またからかってるだろ」
「ごめんなさいすみません」
こうして無事降りることのできた私達。
連くんにお礼を言って、部屋に戻って絆創膏を貼ったり傷の手当をしたりしていると、携帯に佐野っちから、人面岩学校にあった、って連絡があったことに気づく。………なるほど紅ちゃんは佐野っちの連絡先知らないから携帯音沙汰なかったのか。あーん無駄足じゃんか〜!!
それから、
「もしもし連くん?」
『はい、名前ちゃん?』
「あの、よかったら今日のお礼に晩ごはん食べに来ない?」
『えっ』
「いや、実はめっちゃ痛かったからホントすごい助かったんだ。それか、連くんのお部屋に作ったの届けに行くけど……あ、別にいらないなら」
『いや、いる!!…あー……』
「え、ありがとう…………どうしたの?」
『や、何でもない。』
『入道お前聞こえてんぞ!!ずりぃ!!ムッツリむぐっ』
「? 泥たん?」
『お風呂あがったとこで、スピーカーにしてたんだ……だから泥田にも聞こえたみたいで』
「なるほど、じゃあせっかくだし二人分持っていくわ。1時間位したら出来たて持っていけると思う」
『えっ、あー………………うん、お願いする、ね』
「ん?」
『何でもないんだ……待ってる、ありがとう』
「こちらこそありがとうだよ!お待たせしまーす、じゃあまたね!!」
ぴっ、と電話を切ってキッチンへ向かう。
腕によりをかけて作るぞー!!
「お前一人で名前ちゃんの部屋いくつもりだったろ」
「だったらどうなんだよ」
「このムッツリスケベ」
「っ別にそんなこと考えてねーよ!!」
「そんなことってどんなことだよ」
「っるせぇスケベバカ男!!」
「んだとムッツリ単眼野郎!!」