yhj series
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「はーい、じゃあこないだの抜き打ちテスト返すね」
な
GWが終わり、GW明けの抜き打ちテストが終わり。
ただいま国語のテストの返却時間。
「来週の中間テストでも、扱ってる小説の題材は変わるけど出題傾向はこれをもとにつくるからちゃんと見直ししてね
じゃあ、まず秋雨君」
「はーい!!!はいはいはい!!!」
玉ちゃんがハイテンションで教壇の前までやってきた。
「お タマなんだ?自信ありげか?」
「いっつも死んだふりしてるのに珍しいね!」
「ふふふ、よくぞ聞いてくれた!!もう0点だらけの猫又は卒業だぜ」
「すごいじゃん!!」
「テストの前日めっちゃ勉強したからな!!」
「すごい!よく頑張ったねぇ」
「やるじゃねーか」
「へぇ〜秋雨君そんなに勉強したんだ!!」
「へへへ悪いな狢、今回から俺は赤点組を抜けさせてもらうぜ」
「あの…でもね
問題どころか、名前も間違ってるよ」
「」
「マジかよ」
「玉ちゃん……」
「あんなに勉強したのに……………」
とぼとぼと玉ちゃんが自分の席に戻っていく。
席につくとぶすっとむくれはじめたのでそれを連くんがなだめている。
「次、座敷さん、」
「………げっまじかよ」
「どしたの紅ちゃん」
「0点……」
「あららぁ 中間テストまで一緒に勉強しよっか」
「はー……名前と一緒でも勉強はしたくねぇなあ」
「まあまあそんなこと言わずに、勉強休憩に何かお菓子でも作るよ」
「どうせ泥田も0点だろうからあいつも誘おうぜ」
「まじか、うん、がんばろーね!」
「苗字さん」
自分の名前が呼ばれたので教壇にいる晴明センセのもとへ、いかずに席から手を伸ばして答案を受取る。
「はいはぁい」
「よくできました…僕は嬉しいよ……」
「えへへ、ありがと」
答案を見ると100点だったようで一安心だ。
「次、泥田君」
「っげぇ」
「何だ泥田やっぱり0点かよ」
「マジ??」
「座敷も0点か、名前ちゃんは?」
「ひゃくてんです」
ぺらっと答案を見せる。
「まままままじかよ」
「名前は頭いいもんなあ」
「えへへそれほどでもある」
「はい、全員分返したね」
全員分返し終わったようなので皆席につき直す。
「で、抜き打ちテストの結果だけど…クラス平均が100点満点中13点」
「!?」
「悪すぎだろ!!そんな難しくなかったでしょ!?なんてザマだよ、無様だよ!!
最後なんて25字以上の感想書くだけなのになんで半数以上間違ってんのさ!!君らSNSやブログじゃ100字以上綴るくせに何で25字の感想は書けないのさ!!」
「はい先生国語の勉強が今後なんの役に立つんですかー?」
「小学生か」
「どんまいセンセ」
「役に立つよ!!!少なくとも!!来週のテストで!!赤点を回避するのに!!!
とにかく、0点取った人は今日の放課後補習だよ」
「は!?フザケンな!!」
「ってかそんなに0点取ったやつが居んのか、情けないよ俺は…」
「私が知ってるだけで4人いたよ」
「マ、…ホントに?」
「うん」
「絶対補習出てよ~サボったら毎晩枕元で号泣してやる」
「もはやおめーが妖怪じゃねーか」
「センセそろそろやばいよ」
キーンコーンカーン…
「じゃあここまで、放課後必ず補習組は残るように!!」
「うげ~」
「いじめだ!PTAにうったえてやる!」
「なんかそれ違くね?」
「あっそうだ、佐野君…はもういなくなってる!!じゃあ、入道君と苗字さん、ちょっといいかな?」
「なんだ?」
晴明センセに連くんとふたり廊下に招かれて出る。
「あの、放課後の補習手伝ってもらえないかな?」
「いいよー!」
「別にいいけど…」
「ホント!?助かるよ!!じゃあ、放課後よろしくね!」
補習の手伝いを頼みたかったようで、用件を終えると去っていった。
「先生って大変だなぁ…」
「0点が何人も居ればなあ…赤点なら何人いることやら」
「ほんとだねぇ というか連くんと二人なんてすごい久しぶりな気がするよ」
「…そうだね、」
「せっかくだしお昼一緒にどーぉ?タマちゃんとかと食べる約束してる??」
「えっ!べ、別に大丈夫だけど…一緒しようかな」
「やった!じゃあお弁当とりに教室もどろ!屋上でマンドラちゃんとお花でも見ながら食べようよ」
「うん!!」
ガラッと扉を開け、「紅ちゃ~ん!私今日連くんとお昼いってくるね!」と呼びかける。
「入道と?」
「うん!」
「、そうか、行ってらっしゃい」
「いってきまーす!」
「そうか、あいつ元は入道と仲いいもんな
…泥田ァ、トロトロしてていいのか?」
「そんなこというなら引き留めてくれよぉ…」
「馬鹿言え私は恋愛は名前の自由意志に任せてある」
「ぐぬぬ」
「タマ、狢、俺名前ちゃんと昼行ってくるわ」
「!!」
「へ~」ニヤニヤ
「狢その顔うぜぇ」
「連々、頑張るんだぞ!!」
「うっ ま、まぁ…行ってくるわ」
「連くーん! あっ玉ちゃん狢ん、連くん借りていいの?」
「おう、いくらでも持ってけよ!!」
「むふふ授業間に合わなかったら上手い言い訳しといてあげる!!」
「えへへお願いね!」
「!?」
天気のいい屋上、ベンチにふたり座って、お弁当を食べている。
花が綺麗で、マンドラゴラ達が元気に……「あらやだカップルかしら」「まあ屋上に二人きりでお弁当なんて鉄板ね」「デザートはオマエ なんてかますなや」と数匹こちらをうかがっている。うるせえ。
「今日のお弁当どっちが作ったの??」
「俺だよ、だから今日はほぼ冷食」
「あらなるほど」
「名前ちゃんは座敷さんの分も毎日作ってるんだっけ」
「そうだよ〜」
弁当を開けたときに見たけど、赤に黄色に緑に茶色、とても色とりどりでウインナーとか以外全て手作りらしい。
自他ともに認める料理下手としては普通にすごいと思う。
「…そういえば、前に泥田にも作ってたよね」
「あ〜そういやそうだね」
「………最近、…………泥田とすごい仲良いよな」
「よく紅ちゃんといるからかな?必然的に泥たんもいるかもね、あの二人幼馴染だしすごい仲良いし」
「ふーん……」
「なぁに〜、連くん嫉妬〜?♡」
「そ、そういうわけじゃ」
「んふふ、冗談だよ♡」
んー、ごちそうさま!と言いながらからかうようににんまりしている名前ちゃん。
仲良くなってから、かわいいだとかかっこいいだとかよく囃すし、スキンシップも多くて、赤面したりするたびにからかわれる。好きな子にそうされては中々面白くない気持ちもあり、俺は学んだ。
「…………本当は嫉妬した」
「、へ」
目を丸くしたあと、少し頬を染める名前ちゃん。
そう、ストレートな言葉や攻められることに弱いみたいで。
「タマに聞いたけど、旅行行ったんだろ?」
「え、あ……旅行っていうか、晴明センセの実家にちょっとね、」
「そこで泥田と夏祭り回ったって聞いた」
「えっ!!」
「二人で行ったのに一人で戻ってきて、すごい慌ててたって聞いたけど、泥田と何があったの?」
「えー……………」
何があったの?でポンと染まった頬。
「いや、うーん…」と唸っているが十中八九泥田と何かあったんだろう。
「ちょっと……うーん…………」
「手でも繋いだ?」
弁当を食べ終わって所在なさげにベンチに置かれた手に指を絡めて問いかけるとびくっとする名前ちゃん。
「ひええ…ちょけてゴメンナサイ……」
「やっぱりからかってたんだ」
「だってぇ……連くんが可愛い反応してくれるからつい……」
まだ言うかと身を寄せようとすると
「すいませんでしたぁもう言いません〜!!」とべそをかくので手を放す。
「連くんのどえす………」
「あはは、名前ちゃんにしかこんなことしないよ」
「うぅ………」
たらしだ……なんてつぶやく名前ちゃんに、
俺は本気なんだけど、と思う。
「連くん…………こんど、一緒にお料理しよう」
「え?」
「あの、さっきの、本当かどうかわかんないけど、少なくとも私は、連くんとあんま話してなくて寂しい気持ちあったの」
それに、連くんだって玉ちゃんばっかだし、…ええとだから、今度一緒にお弁当でも晩御飯でも、つくりませんか……なんて問いかけてくる。
「…うん、料理教えてよ」
「! 連くん好き!!♡」
またそんな……と呆れるふりをしながらももちろん嬉しい。いつか、その好きが本気に変わることを願いながら。
「砂吐きそうですわ」「晴明にチクったろ」「チューゥ!チューゥ!」うるさいマンドラゴラ。
その日の放課後。
佐野っちも補習を手伝ってくれるよう頼まれたらしく、連くんと佐野っちと私でお手伝いに来た。
話を聞くと佐野っちは晴明センセから先生陣の黒歴史ノートをもらって手をうったらしい。私もちょっとほしいわそれって言ったら今度見せてくれるよう。やったね!!
「じゃあ補習始めようか」
「豆ちゃんも補習組だったのか…」
「今回は特別にうちのクラスの賢いトリオも教えてくれるよ」
「「(俺らの仲いいメンツばっか…)」」
「じゃあ手分けして教えていこう…入道君は狢君を、佐野君は座敷さん、苗字さんは泥田君、で、一番悪い狸塚君と秋雨君は僕が教えるね」
「0点が一番悪いのにそん中で一番悪いってどういうことだよ」
「ほんとだよ」
「一番悪いとはなんだ!!」
「無礼也!!」
「さすがに自分の名前間違えたのは君らだけだよ」
なるほど…確かにそれは一番悪いってなるわ
「私は名前がいいんだが」
「ダメだよ甘やかすでしょ、だから佐野君だって狸塚君割り当ててないんだから」
「チェー」
「ごめんね、また今度ね紅ちゃん」
「じゃあ佐野君!!君は持ち前のドSを生かしてビシバシ教えたって!!」
「了解」
「何その釘バット…」
「紅ちゃんのこといじめたら嫌だよ!!」
「座敷の学力を心配してんだよ、善意だよ」
「釘バット型の善意とか見たことないんですけど」
それから国語の補習をしてるんだけど…
「…うん、やればできるじゃん泥たん!!」
「俺にかかればこんなもんだよ」
間違った箇所(全部だけど)の最初はとりあえず全てわかったようで、得意げに胸を張ってる泥たん。
「じゃあ次は…」
「紅ちゃんにつかまって……泥たんが…名前ちゃんも」
「ん??」
なんか豆ちゃんたちが話をしてるのが気になる。
「何の話してんだ??」
「なになに?」
「あ、泥たん名前ちゃん、晴明君がね、走れメロスの登場人物を自分に置き換えろっていうから…」
豆ちゃんの想像はこう。
『ヒエ~ごめんよ紅子ちゃん
うっかりセーブデータ消してごめんよ~』
『うるさい処刑じゃ』
『じゃあせめて泥たんの結婚式には出席させておくれよ』
『あ?』
『苦労してやっと付き合えた名前ちゃんとゴールインなんだよ!!』
『それならこの城で盛大に祝うからここで問題ないな
私が名前の結婚を祝わないわけがなかろう
そのあとお前は処刑じゃ』
『そうだった!!そんな!!』ガーン
「お城から旅立つことすらできないバッドエンドになっちゃうんだ…」
「(俺的にはハッピーエンド過ぎる)」
「なんかすごいツッコミ所しかないんだけど、とりあえず紅ちゃんのゲーム機には触らないでおこうね」
バンッ「いい加減にしろ!!」
机をたたく音がしたかと思うと、喧嘩してるような声がしたので振り返ると狢んが連くんの胸倉をつかみ上げていた。
襟元つかみあげられてるせいであらわになってる連くんのお腹にくぎ付けになったとかそういうことは決してない。嘘。すっごい見た。ふむ、連くんは柄もののパンツも履くのか…あの腰回りはトランクス……?
「だからちゃんと分母と分子ひっくり返しただろうがコラァ…」
「だからそれは割り算だって何回言わせんだコラァ、これは掛け算なんだよ」
「ちょっと狢ん手ぇ放して!!てかなんで連くんついてて算数してんの!」
「そうだよ分数の掛け算は分子だけ足すんだぞ!!」
「秋雨君それは足し算」
「そ…そうだタマ、少しは勉強できたか?」
「おうバッチリよ!!」
「ヒエエエエ何言ってんのこの猫
そういうのは一つくらい問題解いてから言ってよ!!ホラメロスの話を自分に置き換えてみて!!」
「自分に…」
『ヒエ~ごめんよ晴明!うっかりお前のセーラー破いてごめんよ~』
『うるさい処刑じゃ』
『じゃあせめて連々の結婚式には出席させておくれよ』
『はっ そうだ入道君の式今日だった!!』
『そうだよ!やっと名前ちゃんとゴールインなんだよ!!』
『こんなことしてちゃだめだ!式場に行こう秋雨君!』
『おう!!』
「あれ?なんか処刑されずに済んだぞ?」
「おかしいだろオイ」
「なんで狸塚君も秋雨君も似たような想像するの?」
「あは、幸せにしてね連くん♡」
「!!! まっ、た、名前ちゃんはそんなこと言って………」
「はっ ごめんなさい!!」
れんくん は しかえし を おぼえた!!
「……名前ちゃん、戻ろーぜ」
「えっ?うん、あ、そうだね、途中だったね」
勉強に意欲的なのはいいことだ、と席に戻って次の課題をすすめる。
「中間テストに出てくるタイトルも気になるね……まあ夏目漱石とかそこあたりは抑えとこ」
「おう」
みんなが無事中間テストを乗り切れますように!!