Geschichte

通訳

「Guten Morgen, 少佐。
おはなしってなにかな」

「Guten Morgen, 閣下、大尉。
ほしいものを聞きたくてね。
最新兵器、銃器改造、何でもいい。部隊の編成や素敵な死因、絶版書籍に限定本、そういう希望にも応えよう。遠慮なく言いたまえ」

「太っ腹だね」

「Danke.この腹にそれ以上の賛辞はない。
では教えてくれるかね」

「ツルハシ!」

「…………」

「ツルハシ!」

「あぁ失礼、いや聞こえていないわけじゃない。
予想外だった。世界だの征服だの非現実的な解答よりも言語を認識しかねたぞ」

「世界は足の裏にある」

「おもしろい理論だ。
それで、ツルハシで壁でも壊しに行くのか」

「あなほりする。おもしろいよ」

「そうかそうか。大判小判を期待しておこう」

「裏の畑でざくざくかな」

「大尉は何と言っている?」

「……。大尉が『ない』って」

「すきなもので考えてみてはどうだ。一つくらいあるだろう」

「……。大尉それは、照れるなあ。
Danke.
でもねだめだよ。ものはものでも者じゃあない物だよ」

「……今の惚気は私でも通訳なしで分かるぞ……」

「……。大尉が『ない』って」

「何も言うまい」

「少佐はいないのかな」

「何がだね」

「宝物な人」

「……嫁はいる、が……彼女は、箱の中から出られんのだよ……」

「宝箱だね。解錠してさしあげるよ、力業で」

「破壊と何が違うのだろうか」

「Wau!呼ばれた。なにかな大尉。
……『箱が違う』。
宝箱じゃあないんだね」

「…………」

「違う箱、違う箱、もしや豚ば『違う』。
通訳をお願いしたい」

「! 待て大尉余計な事を――

「そういうあれかあ。

少佐に謝るよ、ごめんなさい。何も言わないよ」

「おい何を言った大尉、おい」

(∪^ω^)

ENDE
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