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Tuesday Night Funkin' ②
「ちょちょちょタンマ!タンマッ!シートの横にタンデムバーあるからそっちに掴まってぇッ!?」
「へえ?あ、そういうものなのね?ごめんごめん」
という一悶着があったもののガラルポニータ捜索のスタートを切った2人組。アンダンテ、歩くような速さで、さて、どこを捜そうか。んーと顎を上げれば月明かり。東奔西走?拓けたフィールドを闇雲に駆け回ることが得策でないのは明白だ。
潜鋼のヌシが穿って造った岩窟。
パルデアの大地が生んだ光る結晶。
「→←↓→←→↓↑の順で行こう」
「その指示はもう音ゲーじゃん!」
「あははっ!」
大きく2つの地点を導き出したミミがルート構築、ピーニャがその通りモトトカゲを走らせることにした。
格闘ゲームの路線は追わなかった?
それならテンキー表記っしょ。
とか何とか生産性のない会話を繰り広げつつパッセンジャーは預かり物のPCリュックをよいしょこらしょと背負い直して、ライダーは帽子のつばを後ろへ回してバイクへ合図を送る。バイクがギアを上げる。
「大丈夫?酔ったり疲れたり、あと寒かったりしたら遠慮せず言ってよ」
「ありがとう、ピーニャくんも遠慮は駄目だからね」
爬虫類というより四足歩行の哺乳類のような走り方をするトカゲだが、特訓の成果か生来の気性か後部座席の乗り心地も悪くはない。控え目なスピードのモデラートから始めて徐々に加速、最高速120km/hの半分の半分に及ばぬ速さはそれでも快速のアレグロ。
ふわり。品行方正な彼が身に着けたオリエンタルフゼアノートの爽やかスパイシーなフレグランスが仄かに揺れる。ふわり。優しい夜風が頬を撫でてゆくのがくすぐったくて彼女はぐぐっと背筋を伸ばした。
「んんう……気持ちいいねえ……」
「昼は昼で見晴らしも良くて最高だよ?走り易い所だとオリーブ大農園とかさ」
「おおパルデア十景、良さ気」
ホウエン住まいのミミにとっての移動ツールといえばダート自転車だが。今拠点にしているアローラ地方にもポケモンライド文化があることを思い出して、今度あの人と一緒にどうだろうかとデートプランの1つとして心に留めておくことにした。
運命の人の事を白馬の王子様と比喩したりするけれども否否、その人にはケンタロスやバッフロンら暴れ牛が似合いそう。若しくはリングマ。
花畑頭の乙女はそれは兎も角、と首を左右に振って白馬を探す。温まる体躯にモトトカゲの脚運びも絶好調のスタッカートだ。
「サイザーくんには良く乗るの?」
「まぁね。アカデミーからトレセンまではタクシーだけど、トレセンの中ね」
「……スター トレーニング センター、馬鹿みたいに広いもんねえ……」
花畑閉園。脳裏に現れたイメージの、不毛地帯を歩く自分を見ながらミミはふうっと目を細めた。勿論、周りの観察を怠らない程度にね。
因みにそらとぶタクシーは学生無料だったりする。通学は元より宝探しの課外授業と云う名のプライベートまで、生徒の為の学校の粋な計らいだ。
それはそうとこちらの宝探しは継続中。運転手の指揮でモトトカゲが段々遅くリタルダンドで停車する。
「着いた。この辺が目撃地点だよ」
「ポニータは……まあ、居ないよね。
じゃあ聞き込みしていくかあ」
道中はミュウツーもボールの中から気配を探ってくれている。近くで見付けたのはたんきとうポケモン、岩に張り付くブロロン達だ。寝ているところを起こした失礼、その詫びにポロックを配りつつ話を聞くも進展はなし。
東3番エリアで1番デリシオサな岩という有益な情報は後で石マニアに売ろう。
はい次っ!
行き先は風の赴くままな、ころがりぐさポケモンを発見する。自堕落に転がるアノクサと併走しながら聞き込んだなら、ヌシの縄張へ行くのを見たと聞いて自分達の選択に自信を得る。
あっちへコロコロこっちへコロコロ頭を空っぽにして風に流されるアノクサを見送って。
風任せも一興かも、そう言うミミと、無計画って怖くない?と小さく反対するピーニャは再び一緒にモトトカゲの上。
「はい次い!さくさく行くよお!」
「わはぁっ!?ちょタンマ!だからボク腰は弱いんだってぇッ!?」
「あ、ごめん、つい、ね、あはは」
背後から届けられる悪怯れた様子のない笑い声にピーニャは、んもぅ、と鳴いて捩らせた身を解す。背中をぱっしぱっしと叩かれるが、そこに誰かが居てくれているという事実に悪い気はしなかった。
それから。
1ヵ所目の有力候補地、潜鋼のヌシの岩窟へ移動。通常サイズに戻った元ヌシのミミズズに遭遇。
ポニータ捜索はまだまだ続く。
「ちょちょちょタンマ!タンマッ!シートの横にタンデムバーあるからそっちに掴まってぇッ!?」
「へえ?あ、そういうものなのね?ごめんごめん」
という一悶着があったもののガラルポニータ捜索のスタートを切った2人組。アンダンテ、歩くような速さで、さて、どこを捜そうか。んーと顎を上げれば月明かり。東奔西走?拓けたフィールドを闇雲に駆け回ることが得策でないのは明白だ。
潜鋼のヌシが穿って造った岩窟。
パルデアの大地が生んだ光る結晶。
「→←↓→←→↓↑の順で行こう」
「その指示はもう音ゲーじゃん!」
「あははっ!」
大きく2つの地点を導き出したミミがルート構築、ピーニャがその通りモトトカゲを走らせることにした。
格闘ゲームの路線は追わなかった?
それならテンキー表記っしょ。
とか何とか生産性のない会話を繰り広げつつパッセンジャーは預かり物のPCリュックをよいしょこらしょと背負い直して、ライダーは帽子のつばを後ろへ回してバイクへ合図を送る。バイクがギアを上げる。
「大丈夫?酔ったり疲れたり、あと寒かったりしたら遠慮せず言ってよ」
「ありがとう、ピーニャくんも遠慮は駄目だからね」
爬虫類というより四足歩行の哺乳類のような走り方をするトカゲだが、特訓の成果か生来の気性か後部座席の乗り心地も悪くはない。控え目なスピードのモデラートから始めて徐々に加速、最高速120km/hの半分の半分に及ばぬ速さはそれでも快速のアレグロ。
ふわり。品行方正な彼が身に着けたオリエンタルフゼアノートの爽やかスパイシーなフレグランスが仄かに揺れる。ふわり。優しい夜風が頬を撫でてゆくのがくすぐったくて彼女はぐぐっと背筋を伸ばした。
「んんう……気持ちいいねえ……」
「昼は昼で見晴らしも良くて最高だよ?走り易い所だとオリーブ大農園とかさ」
「おおパルデア十景、良さ気」
ホウエン住まいのミミにとっての移動ツールといえばダート自転車だが。今拠点にしているアローラ地方にもポケモンライド文化があることを思い出して、今度あの人と一緒にどうだろうかとデートプランの1つとして心に留めておくことにした。
運命の人の事を白馬の王子様と比喩したりするけれども否否、その人にはケンタロスやバッフロンら暴れ牛が似合いそう。若しくはリングマ。
花畑頭の乙女はそれは兎も角、と首を左右に振って白馬を探す。温まる体躯にモトトカゲの脚運びも絶好調のスタッカートだ。
「サイザーくんには良く乗るの?」
「まぁね。アカデミーからトレセンまではタクシーだけど、トレセンの中ね」
「……スター トレーニング センター、馬鹿みたいに広いもんねえ……」
花畑閉園。脳裏に現れたイメージの、不毛地帯を歩く自分を見ながらミミはふうっと目を細めた。勿論、周りの観察を怠らない程度にね。
因みにそらとぶタクシーは学生無料だったりする。通学は元より宝探しの課外授業と云う名のプライベートまで、生徒の為の学校の粋な計らいだ。
それはそうとこちらの宝探しは継続中。運転手の指揮でモトトカゲが段々遅くリタルダンドで停車する。
「着いた。この辺が目撃地点だよ」
「ポニータは……まあ、居ないよね。
じゃあ聞き込みしていくかあ」
道中はミュウツーもボールの中から気配を探ってくれている。近くで見付けたのはたんきとうポケモン、岩に張り付くブロロン達だ。寝ているところを起こした失礼、その詫びにポロックを配りつつ話を聞くも進展はなし。
東3番エリアで1番デリシオサな岩という有益な情報は後で石マニアに売ろう。
はい次っ!
行き先は風の赴くままな、ころがりぐさポケモンを発見する。自堕落に転がるアノクサと併走しながら聞き込んだなら、ヌシの縄張へ行くのを見たと聞いて自分達の選択に自信を得る。
あっちへコロコロこっちへコロコロ頭を空っぽにして風に流されるアノクサを見送って。
風任せも一興かも、そう言うミミと、無計画って怖くない?と小さく反対するピーニャは再び一緒にモトトカゲの上。
「はい次い!さくさく行くよお!」
「わはぁっ!?ちょタンマ!だからボク腰は弱いんだってぇッ!?」
「あ、ごめん、つい、ね、あはは」
背後から届けられる悪怯れた様子のない笑い声にピーニャは、んもぅ、と鳴いて捩らせた身を解す。背中をぱっしぱっしと叩かれるが、そこに誰かが居てくれているという事実に悪い気はしなかった。
それから。
1ヵ所目の有力候補地、潜鋼のヌシの岩窟へ移動。通常サイズに戻った元ヌシのミミズズに遭遇。
ポニータ捜索はまだまだ続く。
おしまい