マツバとWEB会議

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～　夕(AST)　～
～　エンジュシティ　～

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●『もしもしマツバさんマツバさん。聞こえとお？見えとおかいな？』

●「はいはい。そやな……イヤホンから人の声が聞こえてきて……タブレットに人の顔が映り込んでるなあ……」

●『ひい！霊障……！？』

●「ミミさんのことやて」

●『……なあん。驚かさんどってー』

●「……いや、このレベルで驚かれたら敵んわ……。
逆に、僕の寝間着は見えてはる？」

●『あっはい私が起こしましたごめんなさい。
ばってん出てくれてありがとおお……っ！』

●「まあええわ。ほんで？君の背後にけったいな……崩れた壁やら見えてるけんど、そこ廃墟？何の部屋なん」

●『廃墟、風、宿泊施設ん一室ばい。オープン前ん試泊中っちゃん』

●「へえ……まさかそこ泊まらはるん？ホラー系は苦手なんちゃう？ほら、あこの絵えにも血いが付いてるえ」

●『ひいい！』

●「あはは」

●『……なあん。塗料やんデザインやんしかも、蛍光グリーンやしさあ……。驚かさんどってってー』

●「そないな調子でよう泊まる気いにならはったなあ」

●『友達ん誘われたけんねっ！大丈夫やろおち思っとったっちゃけどね……雨は降り出すし、雷は鳴り出すし、だいじょばんやった。バリ怖』

●「だいじょばんかあ」

●『SAN値ピンチ。でね、相談が……』

●「ああーはいはい。シショーさんが生きてるもん死んでるもんの見分けでけんしや。僕にお仕事やろか」

●『千里眼で霊視ばお願いっ』

●「毎度。ほなまた体で払て」

●『うん、付けとって』

●「おん、迷い猫さんやポケモンさんの捜索依頼、来たら協力してえな。
隠れ鬼の見付けるの得意かて、僕は追い掛けたり捕まえたりは専門外やさかい」

●『ああね、マツバさんが鬼ね、そら猫も杓子も全力で逃げるばい』

●「言うてくれはるやないの。化け猫さん捕まえてきてもろてもええんやで……？今日の深夜料金分てことで。丑三つ時に？廃寺で？廃神社で？」

●『鬼やん……！チェンジで。好青年ち評判の猫被りマツバさんとチェンジで』

●「阿呆なこと言うてんと、場所は」

●『アローラ地方のウラウラじまポータウンの、いかがわしきやしきって所』

●「ほな早速。………………？何や、ミミさん男の人と一緒なん？」

●『ひいいい！隣ん部屋もレッドくんしかおらん筈っちゃけど！？』

●「え。ちょう待って。え。待ちいなこれあれやろ、え？突撃させるしかあらへんやろ。どないしよ……。
ゲンガー、そゆことにしとこか」

●『ひえ！？マツバさ・－・－・――』

●「あーあーもしもしー？聞こえへんー悪戯好きなおばけさんの仕業かもわからんー」

●『ひええ嘘お！助け・－・－－――』

●「こらあかんえー何がとまではよう言えんけんどー危な危ないえー他のお人と居やはった方がええんちゃうー」

●『ひえええ何か画面今映っわ゛や゛ああ桑原桑原オンベイシラマンダヤソワカ悪霊退散ーーッ！！』

●「やるやんゲンガー。あっ、切れてしもた。
……ミミさんておばけさん絡むと頭弱なるなあ。……はあ。寝よ」