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Nに追われる②
「ボクの郷国イッシュ地方ではぴぃの方からボクの城ボクの部屋にまで押し掛けて来た癖にフフッ俗に言うツンデレと云うやつかな既に交えた仲じゃあないか」
「……」
「言葉あ!交えたのは言葉しかないです!ややこしくなるから発言には正確さを求めます!
それと!あなたに会いに行ったのも迷子のゾロアくんを送り届けるためですお仕事ですう!」
「……」
それらは会話とも口論とも言えないものだった。ミミによる訂正機能付きN語自動通訳をレッドは黙って聞いている。
というか、位置的に2人に挟まれて物理的に彼女の両腕に挟まれている状況のレッドではあったが、自分の口を挟む気が起きる訳がなかった。口下手な自覚くらいある。この、話が成立しなさそうな奴相手には困難だと悟っていた。
「あの時あの場で食したぴぃの味は今もこの身体が記憶しているよ3時間38分07秒の稠密な時間を共にし――」
「だからあ、言葉あ!食したのは私が買って来ていたハンバーガーですしあれは店の味です!」
「……」
舞台俳優の如き大仰な所作。恍惚の表情のまま胸に手を当てるN。様になっているのは彼の見目の麗しさ故だろう。
ミミは鬱陶しさに胃もたれを感じつつもその長台詞を訂正する。奴が騙る以上そうするしかないからだ。
演者が愛憎を表現し目を細くすれば長い睫毛が若竹色の瞳を翳らせた。
「だのにサヨナラと一言ボクの下を去った事には何かしら事情が有ったんだろう理解しているさもう怒ってはいないから全て披瀝して欲しい」
「ぬえ!?何でえ!?怒られる謂れはないです!事情も何も、逆に私に長居する理由がないです!
ゾロアくんを送り届ける。以上でお仕事完了ですう!」
「……」
そのゾロアは発言者が変わる度に顔を上へ向け前へ向けキョロキョロと忙しそうだ。座ってはいるが前肢が落ち着かず足踏みしている。
片やゾロアークは舌を垂らしてポアッとしている。ギョロと見開かれた四白眼は彼女に釘付けだが。
「際限無く広いこの世界でボクらとぴぃが出逢えた事も今此処での邂逅も運命に違いないこの偶然の重なりがどの位の確率か解るかい」
「わ、私は……っ!偶然の運命より……必ず私を迎えに来てくれる、強さがある人の方が、私は、す、好きですっ!」
「……っ!」
ミミの手にきゅううっと熱と力が籠った。必死さは伝わるので流石の馬鹿でも身が持たないから離してとは言えず我慢我慢。堪える。女性の身体の柔らかさを堪能したがる煩悩を滅却するべく別の事を考える。
ピカチュウが居れば合図の一つでも貰えたのに。
ミミちゃんはそういう人がタイプなのか。
から始まり。
なりたいな……。
ならなくちゃ……。
絶対なってやる……。
と超弩級の馬鹿が頓珍漢を発揮している。おまえの事だぞ。
「ボクとぴぃならヒトとポケモンの共存の理想的な答えを弾き出せる否ボクらとぴぃならヒトとポケモンの究極の形を生み出せるさ」
「ないですーまずあなたと私の共存が有り得ないので無理ですー。真実はいつも一つなんですー」
彼女は変人を撃退したい一心で彼の好きなところを告白したが、本人には告白していないつもりだったり。変人には効果がないようだったり。
「ぴ「NGです。改めてその呼び方を禁止します。呼ばれても、もう返事しないです」
「それが君の理想ならば仕方が無いな」
「んむむ……仕方が無いで済まされるのは釈然としない。けど……これこそ仕方がないか、んむ」
トモダチと話せる者同士理解者に――等々尚も滔々と喋り続けるN相手にミミは溜息を吐いた。
ついでにレッドも拘束も解かれて息を吐く暇を与えられた。
「ゾロアークは返せたので……」
名前を出されたゾロアークがはいと答えるように猫背を伸ばして口角を吊り上げるので、憎めないなとミミは苦笑しながら手をひらひら振る。
そしてそいつにガンを飛ばしている男の服の裾を引っ張って帰り支度。
「私達はこれで「そうそうアローラの島々を巡って――」
「「………………………………」」
逃げる体勢のポケモンレンジャーが、失礼します、を言い終わる前に、ポケモンとトモダチの王様が次の話題を口にする。
あからさまに嫌々な顔を見せても我関せず変わらぬ口数。空気を読んで欲しいものだ。
「ボクの郷国イッシュ地方ではぴぃの方からボクの城ボクの部屋にまで押し掛けて来た癖にフフッ俗に言うツンデレと云うやつかな既に交えた仲じゃあないか」
「……」
「言葉あ!交えたのは言葉しかないです!ややこしくなるから発言には正確さを求めます!
それと!あなたに会いに行ったのも迷子のゾロアくんを送り届けるためですお仕事ですう!」
「……」
それらは会話とも口論とも言えないものだった。ミミによる訂正機能付きN語自動通訳をレッドは黙って聞いている。
というか、位置的に2人に挟まれて物理的に彼女の両腕に挟まれている状況のレッドではあったが、自分の口を挟む気が起きる訳がなかった。口下手な自覚くらいある。この、話が成立しなさそうな奴相手には困難だと悟っていた。
「あの時あの場で食したぴぃの味は今もこの身体が記憶しているよ3時間38分07秒の稠密な時間を共にし――」
「だからあ、言葉あ!食したのは私が買って来ていたハンバーガーですしあれは店の味です!」
「……」
舞台俳優の如き大仰な所作。恍惚の表情のまま胸に手を当てるN。様になっているのは彼の見目の麗しさ故だろう。
ミミは鬱陶しさに胃もたれを感じつつもその長台詞を訂正する。奴が騙る以上そうするしかないからだ。
演者が愛憎を表現し目を細くすれば長い睫毛が若竹色の瞳を翳らせた。
「だのにサヨナラと一言ボクの下を去った事には何かしら事情が有ったんだろう理解しているさもう怒ってはいないから全て披瀝して欲しい」
「ぬえ!?何でえ!?怒られる謂れはないです!事情も何も、逆に私に長居する理由がないです!
ゾロアくんを送り届ける。以上でお仕事完了ですう!」
「……」
そのゾロアは発言者が変わる度に顔を上へ向け前へ向けキョロキョロと忙しそうだ。座ってはいるが前肢が落ち着かず足踏みしている。
片やゾロアークは舌を垂らしてポアッとしている。ギョロと見開かれた四白眼は彼女に釘付けだが。
「際限無く広いこの世界でボクらとぴぃが出逢えた事も今此処での邂逅も運命に違いないこの偶然の重なりがどの位の確率か解るかい」
「わ、私は……っ!偶然の運命より……必ず私を迎えに来てくれる、強さがある人の方が、私は、す、好きですっ!」
「……っ!」
ミミの手にきゅううっと熱と力が籠った。必死さは伝わるので流石の馬鹿でも身が持たないから離してとは言えず我慢我慢。堪える。女性の身体の柔らかさを堪能したがる煩悩を滅却するべく別の事を考える。
ピカチュウが居れば合図の一つでも貰えたのに。
ミミちゃんはそういう人がタイプなのか。
から始まり。
なりたいな……。
ならなくちゃ……。
絶対なってやる……。
と超弩級の馬鹿が頓珍漢を発揮している。おまえの事だぞ。
「ボクとぴぃならヒトとポケモンの共存の理想的な答えを弾き出せる否ボクらとぴぃならヒトとポケモンの究極の形を生み出せるさ」
「ないですーまずあなたと私の共存が有り得ないので無理ですー。真実はいつも一つなんですー」
彼女は変人を撃退したい一心で彼の好きなところを告白したが、本人には告白していないつもりだったり。変人には効果がないようだったり。
「ぴ「NGです。改めてその呼び方を禁止します。呼ばれても、もう返事しないです」
「それが君の理想ならば仕方が無いな」
「んむむ……仕方が無いで済まされるのは釈然としない。けど……これこそ仕方がないか、んむ」
トモダチと話せる者同士理解者に――等々尚も滔々と喋り続けるN相手にミミは溜息を吐いた。
ついでにレッドも拘束も解かれて息を吐く暇を与えられた。
「ゾロアークは返せたので……」
名前を出されたゾロアークがはいと答えるように猫背を伸ばして口角を吊り上げるので、憎めないなとミミは苦笑しながら手をひらひら振る。
そしてそいつにガンを飛ばしている男の服の裾を引っ張って帰り支度。
「私達はこれで「そうそうアローラの島々を巡って――」
「「………………………………」」
逃げる体勢のポケモンレンジャーが、失礼します、を言い終わる前に、ポケモンとトモダチの王様が次の話題を口にする。
あからさまに嫌々な顔を見せても我関せず変わらぬ口数。空気を読んで欲しいものだ。
おしまい