Gotcha!
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キバナに招かれる
「ようこそミミさん!」
「おは……じゃないや。こんにちは!お邪魔しに来たよお!」
ガラル地方ナックルシティとある家の玄関で。家主の褐色肌の男キバナは訪問者ミミから、今自分がしたように白い歯を見せられて同じように笑顔を返される。
ついでにお決まりのガオーポーズを真似している彼女へカリスマモデルは本家本元のガオーをサービス。
初めて会った時、ガラル式握手ですか?と指を絡められたことはキバナの記憶にも新しい。手を掴まれた筈なのにあれは心臓を鷲掴まれた気分だった。
「オレ様もポケモン達も待ってたぜ」
「アローラとガラルの時差がねえ……午前6時が午後5時だからねえ……」
「ロトムのテンション高過ぎてその11時間の時差の間に何ッ回も充電したからな」
その様子が簡単に想像できたらしい彼女はケラケラと笑った。
これでも朝5時に起きたんだよ、と言う時差ボケと無縁のトラベラーの前へキバナは爪を立てていた右手を翻して恭しく下ろす。
「荷物預かろうか」
「じゃあプレゼント」
紳士の指先に紙袋一つを引っ掛けるレディ。
「チョコレート?」
中を覗かずとも外装でわかる辺りが情報通。
「正解。ポケモンも食べられるよ。皆で分けてね」
「Thank you!」
またも笑顔を振り撒く家主は客人が来客用スリッパに履き替えたことを確認して、さりげなく左手でその背を押してエスコートした。
キバナ邸に何度か来たことがあったミミは勝手を知った足取りで廊下の先リビングダイニングへ向かう。
「ソニアとダンデは来ているの?」
「ソニアは来てるぜ。今、ケーキを準備してもらって――
キャ~~ッ!!
「………………」
「………………」
女性の悲鳴がしたのは目指している扉のあちら側。一度は視線を向けた2人だが、特に急ぐ様子もなく互いに顔を見合わせた。
ヌメルゴン!ダメぇえ!
大声は続いている。
キバナく~ん!ミミ~!
聞こえてきた悲痛な呼声に該当者達は苦笑するしかない。
「ケーキ……」
「あァ……食われたな………………」
キバナが横から扉を開ければミミの目にも想像通りの光景が映る。
空にされたケーキスタンドを抱えるソニアとヌメルゴンそれから彼女等の撮影に勤しむスマホロトム。
「ソニア大丈夫?」
「ケーキの方が大丈夫じゃないし……ってゆうか跡形もないし」
仲の良い友達の登場に気付いた2匹がミミの下へホッピング。ミミを抱き締めて歓迎するヌメルゴンの皮膚にはヌルヌルネバネバ粘液で手には追加トッピングの生クリームで当然ながら服が汚れる。しかしこの女性は微塵も気にしていない。この邸宅のハウスルールは、立ち入る際には着替を持って来い、だ。
悪気が何かも知らないヌメルゴンの頭をキバナはペンペンと叩いてもう一人の女性ソニアに謝っている。
「も~。ケーキはどうするのよ」
「買って来るか……」
「キバナさんキバナさん、主役が『つぎはあれとちがうのくう』って言っています」
ただのポケモンレンジャーも居るがジムリーダーとポケモン博士と現在迷子のバトルタワーオーナー、豪華な面子が集まる理由はジムリーダーキバナとそのヌメルゴンを祝うためだった。一人と一匹が出会った日が今日この日だったのだ。
ポケモントレーナー達に自分のポケモンとの関係を聞いたならば家族や友人や恋人と答える者も多く、特別な一日をこうして祝う者も少なくはない。
人好きヌメルゴンの女の子は彼からのサプライズを大層喜んでいる。
「じゃぁカジッチュのアップルパイでも買って来るか……」
「いいじゃん!賛成!」
「何それお家の部位が使われているの?」
カジッチュはりんごぐらしポケモンだ。その分類が示す通りりんごの中で暮らしている。
「違うわよ。カジッチュが厳選したりんごを使ってるのよ」
「Hey Rotom! カジッチュのアップルパイを検索してくれ」
ミミの周りを回っていたロトムは持ち主の声に反応して話の洋菓子を検索、結果をその画面に表示した。指示がなくともパッパッと幾つもの画像をスライドして見せていく。
「へえ……!美味しそう!」
「あまいやつとすっぱいやつがあるから食べ比べるといいぜ」
つぎなにくうできる?と聞いてくる食いしん坊な女の子にアップルパイの名前を出したミミは頭の上に涎を垂らされた。
「でねでね、ガラルにはカジッチュを片想いの相手に送ると恋が実るって噂があるから、プレゼントに人気なのよ」
「成程。キバナさんからヌメちゃんにもってこいだね」
ソニアの話はミミの役に立つ情報だった。
アローラに来ている友人等のガラル土産は定番のアメざいくにしようと思っていたが、一人、特別なものを渡したいと考えていたところだ。
「ねえねえキバナさん、私も付いて行っていいかな。
友達にあげるお土産それに決めた」
キバナはパーカーの粘液を軽く払いつつ、いいぜ準備しな、と返す。
「えっえっその友達って男!?その流れって男よね!?詳しく!」
「ソニア……そいつは野暮だぜ……」
ミミはソニアにも絡まれた。
この後、噂のアップルパイと紅茶を頂きながらまだツボミのレッドとの話を根掘り葉掘り聞き出されることだろう。
「ようこそミミさん!」
「おは……じゃないや。こんにちは!お邪魔しに来たよお!」
ガラル地方ナックルシティとある家の玄関で。家主の褐色肌の男キバナは訪問者ミミから、今自分がしたように白い歯を見せられて同じように笑顔を返される。
ついでにお決まりのガオーポーズを真似している彼女へカリスマモデルは本家本元のガオーをサービス。
初めて会った時、ガラル式握手ですか?と指を絡められたことはキバナの記憶にも新しい。手を掴まれた筈なのにあれは心臓を鷲掴まれた気分だった。
「オレ様もポケモン達も待ってたぜ」
「アローラとガラルの時差がねえ……午前6時が午後5時だからねえ……」
「ロトムのテンション高過ぎてその11時間の時差の間に何ッ回も充電したからな」
その様子が簡単に想像できたらしい彼女はケラケラと笑った。
これでも朝5時に起きたんだよ、と言う時差ボケと無縁のトラベラーの前へキバナは爪を立てていた右手を翻して恭しく下ろす。
「荷物預かろうか」
「じゃあプレゼント」
紳士の指先に紙袋一つを引っ掛けるレディ。
「チョコレート?」
中を覗かずとも外装でわかる辺りが情報通。
「正解。ポケモンも食べられるよ。皆で分けてね」
「Thank you!」
またも笑顔を振り撒く家主は客人が来客用スリッパに履き替えたことを確認して、さりげなく左手でその背を押してエスコートした。
キバナ邸に何度か来たことがあったミミは勝手を知った足取りで廊下の先リビングダイニングへ向かう。
「ソニアとダンデは来ているの?」
「ソニアは来てるぜ。今、ケーキを準備してもらって――
キャ~~ッ!!
「………………」
「………………」
女性の悲鳴がしたのは目指している扉のあちら側。一度は視線を向けた2人だが、特に急ぐ様子もなく互いに顔を見合わせた。
ヌメルゴン!ダメぇえ!
大声は続いている。
キバナく~ん!ミミ~!
聞こえてきた悲痛な呼声に該当者達は苦笑するしかない。
「ケーキ……」
「あァ……食われたな………………」
キバナが横から扉を開ければミミの目にも想像通りの光景が映る。
空にされたケーキスタンドを抱えるソニアとヌメルゴンそれから彼女等の撮影に勤しむスマホロトム。
「ソニア大丈夫?」
「ケーキの方が大丈夫じゃないし……ってゆうか跡形もないし」
仲の良い友達の登場に気付いた2匹がミミの下へホッピング。ミミを抱き締めて歓迎するヌメルゴンの皮膚にはヌルヌルネバネバ粘液で手には追加トッピングの生クリームで当然ながら服が汚れる。しかしこの女性は微塵も気にしていない。この邸宅のハウスルールは、立ち入る際には着替を持って来い、だ。
悪気が何かも知らないヌメルゴンの頭をキバナはペンペンと叩いてもう一人の女性ソニアに謝っている。
「も~。ケーキはどうするのよ」
「買って来るか……」
「キバナさんキバナさん、主役が『つぎはあれとちがうのくう』って言っています」
ただのポケモンレンジャーも居るがジムリーダーとポケモン博士と現在迷子のバトルタワーオーナー、豪華な面子が集まる理由はジムリーダーキバナとそのヌメルゴンを祝うためだった。一人と一匹が出会った日が今日この日だったのだ。
ポケモントレーナー達に自分のポケモンとの関係を聞いたならば家族や友人や恋人と答える者も多く、特別な一日をこうして祝う者も少なくはない。
人好きヌメルゴンの女の子は彼からのサプライズを大層喜んでいる。
「じゃぁカジッチュのアップルパイでも買って来るか……」
「いいじゃん!賛成!」
「何それお家の部位が使われているの?」
カジッチュはりんごぐらしポケモンだ。その分類が示す通りりんごの中で暮らしている。
「違うわよ。カジッチュが厳選したりんごを使ってるのよ」
「Hey Rotom! カジッチュのアップルパイを検索してくれ」
ミミの周りを回っていたロトムは持ち主の声に反応して話の洋菓子を検索、結果をその画面に表示した。指示がなくともパッパッと幾つもの画像をスライドして見せていく。
「へえ……!美味しそう!」
「あまいやつとすっぱいやつがあるから食べ比べるといいぜ」
つぎなにくうできる?と聞いてくる食いしん坊な女の子にアップルパイの名前を出したミミは頭の上に涎を垂らされた。
「でねでね、ガラルにはカジッチュを片想いの相手に送ると恋が実るって噂があるから、プレゼントに人気なのよ」
「成程。キバナさんからヌメちゃんにもってこいだね」
ソニアの話はミミの役に立つ情報だった。
アローラに来ている友人等のガラル土産は定番のアメざいくにしようと思っていたが、一人、特別なものを渡したいと考えていたところだ。
「ねえねえキバナさん、私も付いて行っていいかな。
友達にあげるお土産それに決めた」
キバナはパーカーの粘液を軽く払いつつ、いいぜ準備しな、と返す。
「えっえっその友達って男!?その流れって男よね!?詳しく!」
「ソニア……そいつは野暮だぜ……」
ミミはソニアにも絡まれた。
この後、噂のアップルパイと紅茶を頂きながらまだツボミのレッドとの話を根掘り葉掘り聞き出されることだろう。
おしまい