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レッドは騙される
レッドは恐れていた。今日4月1日はエイプリルフール。今し方電話をかけてきた恋愛マスターな友からの密告に。
恋い慕うあの子が、彼氏ができた、類いの四月馬鹿計画を立てていると。それは嘘だから真に受けるなと。
一撃必殺かつ必中技が相手では自信がない。目の前が真っ暗になる予想に一票。嘘をつきますと直前に一言ないのだろうかと男は真剣だった。
「レッドくん!これ見てっ!」
「……!」
仕掛人登場。気を張るレッド。ミミは台詞と動きの勢いを乗算して1枚の写真を彼の眼前に突き付ける。
彼女と彼氏のツーショットならば1枚で致死量に至る。
「遂に発見したんだよアローラピカチュウ!」
「えっ」
「進化先のライチュウのリージョンフォームがいるんだから、いない方が不思議だもんね!」
写真には確かに青い目と丸みのある耳尻尾のピカチュウが写っていた。
「次号の学術雑誌で特集されるよ!ミミって名前が歴史に残るねえっ」
「へえ……凄い……」
「嘘だよ!」
「へえ……嘘なの……え?嘘なの?」
「嘘だよ!」
上手に作れたかな、へへと笑うミミによればそれは合成写真。でも絶対にいると思う、と夢を語っている。
気の抜けた僅かな時間、例の計画を実行に移されたら漢泣きしてしまう可能性もレッドにはあった。
「……嘘は、まだある、よね……」
「ないよ?これは駄目だった?
自覚はあるよ、エイプリルフールの嘘にしては弱いって」
騙された男は首を横に振る。それは無害だった。小さくてかわいい彼女らしい嘘だとも思う。
「……グリーンが……」
「グリーンくんにも騙されたの?」
「………………」
ああね、と方言。
「安心して。私には幸せにしたい人を泣かせる趣味はないからさ」
「………………!」
かわいい上に漢前。この人のことが好きなレッドは幸せ者だ。
グリーンだって面白半分ではあるのだろうが、世間を知らない純粋な友に遊びの一例を述べてもしもの事態に備えさせたに過ぎない。
「……ねえ……抱き締めていい?」
「えっ……それはどっちかな……?」
レッドは恐れていた。今日4月1日はエイプリルフール。今し方電話をかけてきた恋愛マスターな友からの密告に。
恋い慕うあの子が、彼氏ができた、類いの四月馬鹿計画を立てていると。それは嘘だから真に受けるなと。
一撃必殺かつ必中技が相手では自信がない。目の前が真っ暗になる予想に一票。嘘をつきますと直前に一言ないのだろうかと男は真剣だった。
「レッドくん!これ見てっ!」
「……!」
仕掛人登場。気を張るレッド。ミミは台詞と動きの勢いを乗算して1枚の写真を彼の眼前に突き付ける。
彼女と彼氏のツーショットならば1枚で致死量に至る。
「遂に発見したんだよアローラピカチュウ!」
「えっ」
「進化先のライチュウのリージョンフォームがいるんだから、いない方が不思議だもんね!」
写真には確かに青い目と丸みのある耳尻尾のピカチュウが写っていた。
「次号の学術雑誌で特集されるよ!ミミって名前が歴史に残るねえっ」
「へえ……凄い……」
「嘘だよ!」
「へえ……嘘なの……え?嘘なの?」
「嘘だよ!」
上手に作れたかな、へへと笑うミミによればそれは合成写真。でも絶対にいると思う、と夢を語っている。
気の抜けた僅かな時間、例の計画を実行に移されたら漢泣きしてしまう可能性もレッドにはあった。
「……嘘は、まだある、よね……」
「ないよ?これは駄目だった?
自覚はあるよ、エイプリルフールの嘘にしては弱いって」
騙された男は首を横に振る。それは無害だった。小さくてかわいい彼女らしい嘘だとも思う。
「……グリーンが……」
「グリーンくんにも騙されたの?」
「………………」
ああね、と方言。
「安心して。私には幸せにしたい人を泣かせる趣味はないからさ」
「………………!」
かわいい上に漢前。この人のことが好きなレッドは幸せ者だ。
グリーンだって面白半分ではあるのだろうが、世間を知らない純粋な友に遊びの一例を述べてもしもの事態に備えさせたに過ぎない。
「……ねえ……抱き締めていい?」
「えっ……それはどっちかな……?」
おしまい