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グズマは頼られる②
無人販売所を背にして一直線、2本の電信柱を通り過ぎた後。居た居た!此処だ!とミミが指差した空を見上げれば、バケツを担いだ電柱が目に入る。
電力柱のバケツこと変圧器の上からひょっこり顔を覗かせたのは、バッテリーポケモン デンヂムシだ。
「おはようっ!交代の時間だよっ」
グズマの耳にも爽やか響く、朝陽に負けじと明るい声。それに応えてむいむいむい~っとコンクリート柱を這って来る、彼が夜間当番だったようだ。例のポケッチを、小さな顎で挟んで一所懸命に運搬中。
「グズマと同じ、アルバイトさんだよ。
昼の見張りが私と にぃに と、あとグズマでしょ。夜の番も、レッドくんとシショーだけじゃあ、手が足りなく……っていうか、目が足りなくってさ」
「……あいつはこの田舎の野良ポケモンなのか」
「そそ。近くの原っぱでスカウトして来たんだ」
ポケモンの就労は珍しくもないし、とある企業ではデデンネを警備に雇っている。ポケモンレンジャーなミミが、場合によっては野生の手を借りることを知っている。なのでそこは気にしちゃいない。
「お疲れ様。どうだった?話を訊かせてね」
降りて来たデンヂムシはンションショとブロック塀の上へ渡る。そして……雇い主へポケッチを返そうとして……?彼ははたと、ミミの横に居る厳つい男の顔を、見てしまった。
そいつ“こわいかお”デフォルトだもんね、仕方ないね。目と目が合ったらポケモンバトル!だなんて、無理な時は無理なんだよね。
一目散、とはいえトコトコスピードで電柱の後ろへ地面へ逃げるデンヂムシ。ポロリと落ち掛けたポケッチは、その男がパシッとキャッチした。ナイス。
「怖くない怖くない、ドロボーでもないよ。この人こう見えて優し……いか……?いや………………。
いやいや、二つ返事で時間も掛けてまでサポートしに来てくれたんだし、優……し………………??」
「テメエ……。オレだって自覚はねぇがよぉ……」
咄嗟にフォローしながらも途端に不安に駆られたミミが、こっちの顔をまじまじと見てくるので。
荒くれ者グズマは衝動的に“にらみつける”。
旧自認 人の形をしている破壊という言葉……宣っていただけあってその威は中々のものだけど、しかし素行不良は知れたこと慣れたこと。
彼女は多少も怯まず、彼女の防御力も据え置きだ。
「うん……、まあ、見た目とかはどう見ても怖いよなあ。中身は漸くマイルドになってきたけど、チンピラ時代のえぐ味が消せていないからねえ」
「ココアか何かみてぇに評価しやがって……」
グズマはふと、月一ゲリラ販売の幻マラサダ、マボサダの情報を共有してやったことを思い出したが、その程度で恩を売るのは幾ら何でもダサいなと思い直す。
ミミとの見合、先に視線を外したその足でグズマはデンヂムシが隠れる電柱の方へと体を向けた。
彼は柱の陰から悪人面の男の出方を窺っていて。
「んだよ……取って食ったりしねぇってぇのに……。
おいこらオマエ、ウジウジしてねぇで出て来い」
あな恐ろしや。見付かったならコロリンと引っ繰り返って死んだ振り。
そこへ舌打ちなんかで“おいうち”ながら、ポケッチを片手お手玉する輩。の頭へ、正義の味方がトスっとチョップを落とした。
「おいこらあ馬鹿あ、取って食わないんなら食って掛かるのやめてよお。今の時代何でもハラスメントになってしまうんだから、雇用主の私としてもその火種は無視できないよ?
無視できない。虫だけに」「うるせぇよ」
「漢字で書くと五の月の蝿の方?」「クソが」
とまぁ、ちょっとした騒ぎがあったものの、グズマはポケモンが大好きだ。相棒グソクムシャとミミがデンヂムシの誤解を解いて、地、固まる。
では。
気持ちを入れ替えて業務の引継を開始しよう。
「情報の取捨選択はオレがやる。こいつの話は全部オレに回せ」
「はいはい。そういうところは流石、成らず者軍団を牛耳っていただけあるよねえ。
じゃあデンヂムシくん、夜の間の話を訊かせてね」
よいしょと蹲んでポケモンに話し掛ける彼女。
彼女の能力は過去に嫌と云う程思い知らされたことだから、もう驚きはしないけど。コソクムシだった頃の相棒にトロフィーの数と色をばらされたのは、本当に苦い思い出だった。
「あ、そうなの!?……。そっかそっか、伝わっていると思うけど、私からも言っておくよ。
グズマ、あのね、レッドくんにゼリー貰って初めて飲んだんだって、ゼリー飲料ね、マスカット味の。美味しかったってお礼伝えたいって言っています」
「………………」
「えええへえ!?そ、そんな顔しないでよ!?全部って自分が言ったじゃん!?絶対これ取捨の捨一択だろうなって、私だって思ったけどさあっっ」
言い訳するミミに待ったを掛けて、グズマは眉間を揉みつつわかったわかったと投げ遣りに答える。
「あ、私も手作りポフィンを前払いであげたよ」
「一々余計な情報挟んでくんな」
無人販売所を背にして一直線、2本の電信柱を通り過ぎた後。居た居た!此処だ!とミミが指差した空を見上げれば、バケツを担いだ電柱が目に入る。
電力柱のバケツこと変圧器の上からひょっこり顔を覗かせたのは、バッテリーポケモン デンヂムシだ。
「おはようっ!交代の時間だよっ」
グズマの耳にも爽やか響く、朝陽に負けじと明るい声。それに応えてむいむいむい~っとコンクリート柱を這って来る、彼が夜間当番だったようだ。例のポケッチを、小さな顎で挟んで一所懸命に運搬中。
「グズマと同じ、アルバイトさんだよ。
昼の見張りが私と にぃに と、あとグズマでしょ。夜の番も、レッドくんとシショーだけじゃあ、手が足りなく……っていうか、目が足りなくってさ」
「……あいつはこの田舎の野良ポケモンなのか」
「そそ。近くの原っぱでスカウトして来たんだ」
ポケモンの就労は珍しくもないし、とある企業ではデデンネを警備に雇っている。ポケモンレンジャーなミミが、場合によっては野生の手を借りることを知っている。なのでそこは気にしちゃいない。
「お疲れ様。どうだった?話を訊かせてね」
降りて来たデンヂムシはンションショとブロック塀の上へ渡る。そして……雇い主へポケッチを返そうとして……?彼ははたと、ミミの横に居る厳つい男の顔を、見てしまった。
そいつ“こわいかお”デフォルトだもんね、仕方ないね。目と目が合ったらポケモンバトル!だなんて、無理な時は無理なんだよね。
一目散、とはいえトコトコスピードで電柱の後ろへ地面へ逃げるデンヂムシ。ポロリと落ち掛けたポケッチは、その男がパシッとキャッチした。ナイス。
「怖くない怖くない、ドロボーでもないよ。この人こう見えて優し……いか……?いや………………。
いやいや、二つ返事で時間も掛けてまでサポートしに来てくれたんだし、優……し………………??」
「テメエ……。オレだって自覚はねぇがよぉ……」
咄嗟にフォローしながらも途端に不安に駆られたミミが、こっちの顔をまじまじと見てくるので。
荒くれ者グズマは衝動的に“にらみつける”。
旧自認 人の形をしている破壊という言葉……宣っていただけあってその威は中々のものだけど、しかし素行不良は知れたこと慣れたこと。
彼女は多少も怯まず、彼女の防御力も据え置きだ。
「うん……、まあ、見た目とかはどう見ても怖いよなあ。中身は漸くマイルドになってきたけど、チンピラ時代のえぐ味が消せていないからねえ」
「ココアか何かみてぇに評価しやがって……」
グズマはふと、月一ゲリラ販売の幻マラサダ、マボサダの情報を共有してやったことを思い出したが、その程度で恩を売るのは幾ら何でもダサいなと思い直す。
ミミとの見合、先に視線を外したその足でグズマはデンヂムシが隠れる電柱の方へと体を向けた。
彼は柱の陰から悪人面の男の出方を窺っていて。
「んだよ……取って食ったりしねぇってぇのに……。
おいこらオマエ、ウジウジしてねぇで出て来い」
あな恐ろしや。見付かったならコロリンと引っ繰り返って死んだ振り。
そこへ舌打ちなんかで“おいうち”ながら、ポケッチを片手お手玉する輩。の頭へ、正義の味方がトスっとチョップを落とした。
「おいこらあ馬鹿あ、取って食わないんなら食って掛かるのやめてよお。今の時代何でもハラスメントになってしまうんだから、雇用主の私としてもその火種は無視できないよ?
無視できない。虫だけに」「うるせぇよ」
「漢字で書くと五の月の蝿の方?」「クソが」
とまぁ、ちょっとした騒ぎがあったものの、グズマはポケモンが大好きだ。相棒グソクムシャとミミがデンヂムシの誤解を解いて、地、固まる。
では。
気持ちを入れ替えて業務の引継を開始しよう。
「情報の取捨選択はオレがやる。こいつの話は全部オレに回せ」
「はいはい。そういうところは流石、成らず者軍団を牛耳っていただけあるよねえ。
じゃあデンヂムシくん、夜の間の話を訊かせてね」
よいしょと蹲んでポケモンに話し掛ける彼女。
彼女の能力は過去に嫌と云う程思い知らされたことだから、もう驚きはしないけど。コソクムシだった頃の相棒にトロフィーの数と色をばらされたのは、本当に苦い思い出だった。
「あ、そうなの!?……。そっかそっか、伝わっていると思うけど、私からも言っておくよ。
グズマ、あのね、レッドくんにゼリー貰って初めて飲んだんだって、ゼリー飲料ね、マスカット味の。美味しかったってお礼伝えたいって言っています」
「………………」
「えええへえ!?そ、そんな顔しないでよ!?全部って自分が言ったじゃん!?絶対これ取捨の捨一択だろうなって、私だって思ったけどさあっっ」
言い訳するミミに待ったを掛けて、グズマは眉間を揉みつつわかったわかったと投げ遣りに答える。
「あ、私も手作りポフィンを前払いであげたよ」
「一々余計な情報挟んでくんな」
つづく