愛していると言えない2
「……誠…?」
『さっき言った…ばかりだろう』
「………」
『お前が…傍に居るだけで、嬉しい』
そう言って……
マスターは、俺にキスをした。
「…んっ…!」
この間みたいに、口の中にマスターの舌が入ってきて……
俺の舌を絡めとる。
「ふっ、ぅん…」
息ができなくて、もがくと…
マスターは、キツく抱きしめた後に唇を放してくれた。
『黎…』
酸素が欲しくて、小魚みたいに口をパクパクと動かしたら…
シャワーの湯気も一緒に吸い込んでしまった。
『大丈夫か…?』
「…んっ…」
マスターは、咳き込んだ俺の背中を優しく摩って……
ちゃんと呼吸できるようになると、また深いキスをした。
何度も何度も……
苦しいけど、優しいキスを繰り返す。
マスターは愛しそうに俺の髪を撫でて……
優しく抱きしめてくれた。