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ルームメイト2

 


広い校舎の中には、もう生徒はいないと思う……。

部活が終わってから教室に忘れ物を取りに来た僕は、すっかり暗くなった外の景色を眺めていた。

「……遅くなっちゃったなぁ…」


腕時計を見ると、もう19時半をまわっていた。


この港南(こうなん)高校は全寮制で、寮の門限は20時に決められている。




「早く帰らなくちゃ……」


時間に厳しくなったルームメイトの事を思い出し、急いで帰り支度を始める。



「おっ疲れ~!!」

背後から、いきなり抱きつかれて僕は飛び上がった。

「夏樹っ!?」

「あはは!…ビックリしただろ?」


…いきなり抱きついてきた この男は、夏樹 千夜。
僕の幼なじみでクラスメイト。



いつも、こうやって僕の事を驚かしては楽しんでるんだ……




「…まだ残ってたんだ、お疲れ様。…生徒会どうだった?」

「へ?…いつもと変わんないよ。樹先輩が仕切って、さっさと会議内容決めちゃってさ~! 俺なんて、意見するひまなかったぜ……」

ヒドいだろ?…と付け足して。夏樹は僕の肩に寄りかかった。



「俺も部活出たかったなぁ…」


  

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