ルームメイト2
◆
『水瀬…遅いな…』
授業が終わってから…すぐに帰寮した俺、有森 誠一郎はルームメイトの帰りを待っていた。
金髪にオールバックという外見が悪いのか…
俺には、なかなか友達ができない。
みんな怖がって遠巻きに見るだけだ。
…今までは、1人の方が気楽で良いと思っていたんだ。
だから、友達なんていなくても大丈夫だった……
この春、寮の部屋替えまでは…の話しだ。
その時に初めて会った水瀬は、俺を怖がるどころか自分から笑いかけてきやがった。
女みたいな顔で声も高い。
背だって、かなり低いし…
おっとりしていて…
外見も内面も、俺とは正反対だ。
きっと、すぐに前のルームメイト達みたいに寮長の所に部屋替えを頼みに行くんだろうと思っていたんだが……
もう半年以上もっている。
この半年、ずっと上手くやってきていた……
それが、ここ最近は水瀬の様子がおかしい。
……俺の顔色を伺うようになった。