覚悟とその先
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翌日、地図を片手に森の入り口まで来るとシンは周りに聞こえないように呟く。
「つけられてますね」
「私たちが森の奥に入るまで心配なんじゃないかな?」
ふふっとソウシは笑って言う。
「大丈夫だ」
手をしっかりと握って、優しく笑うリュウガに、ヒロインはこくん、と頷く。
森の中を歩く時は元山賊のナギが先頭を行くことが多い。
どんなに木々が生い茂ろうと、草や低木が行手を塞ごうと、ナギの通った後には進みやすいように道が出来ていた。
そしてそこにシンが加われば、まず迷うことは無かった。
1時間くらい歩いた所で、向こうの方にひらけた場所が見えた。
「うぉ!あれが遺跡か!?」
ハヤテがナギを追い越して駆け出した瞬間-
「伏せろ!ハヤテ!」
ナギが叫ぶと同時に滑るようにハヤテは伏せた。
「うぉぉっ⁉︎」
バババッという音と共に、ハヤテの頭の上を数本の矢が飛んで行った。
「罠だ…」
ナギの目線の先には蜘蛛の糸ほどの細い紐があった。
ソウシが木に刺さった矢を抜いて注意深く観察する。
「これは…かなり致死性の高い毒が塗ってあるね…。かすっただけでも命取りだよ」
「んだよそれ…あぶねぇ…」
座り込んだハヤテの顔がひきつっている。
「他にも罠があったので、通路分は解除しておきました。」
茂みから出てきたシンが手を払いながら事も無げに言った。
「でかした、シン。この後も罠があるかもしれねぇから、各自注意しながら進めよ!」
「「「アイアイサー!!」」」
思わず力が入ったヒロインの手を、リュウガは優しく握り返した。
遺跡の中はとても静かでひんやりとしていた。
思わず身震いをするほどに。
「さぁて、祭壇つーのはどこにあるんだかな」
遺跡の入り口を進み、大広間のような場所にでたが、それらしきものは無い。
窓らしきものは無いけれど、吹き抜けのようになっている高い天井から光が入ってきて、広間はそれなりの明るさがあった。
みんなバラバラになって部屋を調べるも、他へ続く通路も階段も無かった。
「隠し通路や隠し部屋があるのかもしれないね」
「そこへ行くためのスイッチはどこなんでしょうか…」
壁の苔を剥がして、何か仕掛けが無いか探すトワ。だが見つけられなかった。
「これは…」
小一時間くらい探した所で、シンが部屋の北西の壁に亀裂を見つけた。
それは太陽の光が当たらないと薄暗い中では気付かないようなものだった。
「この亀裂…おそらく文字になっていますね」
「そうか、太陽の位置が変わって差し込む光の角度が変わったら分かるようになっていたんだね」
「シン、読めるか?」
「…いえ、無理です。ドクターは?」
「うーん、見た事も無い文字だね。」
リュウガの背中からひょいっと顔を出したヒロインは文字をみるなり目を見開くと、その目はフッと虚になった。
『汝、ここへ呼ばれし強き者 我とくらべ 我を満たせ 然らずは その者 我の血肉となれ』
明らかにヒロインのものでは無い低くゾッとするような声が、ヒロインの口から響く。
「おい!ヒロイン!?」
驚いたリュウガが肩を掴んで揺らす。
「え!?あっ、船長?なんか今頭の中で不思議な声がして…」
虚だった目に意識が戻り、いつものヒロインに戻ったようだった。
それと共に感じる殺気。
広間の中央にいつの間にか一本の剣が刃先を下にして床から垂直に浮かび上がっていた。
「つけられてますね」
「私たちが森の奥に入るまで心配なんじゃないかな?」
ふふっとソウシは笑って言う。
「大丈夫だ」
手をしっかりと握って、優しく笑うリュウガに、ヒロインはこくん、と頷く。
森の中を歩く時は元山賊のナギが先頭を行くことが多い。
どんなに木々が生い茂ろうと、草や低木が行手を塞ごうと、ナギの通った後には進みやすいように道が出来ていた。
そしてそこにシンが加われば、まず迷うことは無かった。
1時間くらい歩いた所で、向こうの方にひらけた場所が見えた。
「うぉ!あれが遺跡か!?」
ハヤテがナギを追い越して駆け出した瞬間-
「伏せろ!ハヤテ!」
ナギが叫ぶと同時に滑るようにハヤテは伏せた。
「うぉぉっ⁉︎」
バババッという音と共に、ハヤテの頭の上を数本の矢が飛んで行った。
「罠だ…」
ナギの目線の先には蜘蛛の糸ほどの細い紐があった。
ソウシが木に刺さった矢を抜いて注意深く観察する。
「これは…かなり致死性の高い毒が塗ってあるね…。かすっただけでも命取りだよ」
「んだよそれ…あぶねぇ…」
座り込んだハヤテの顔がひきつっている。
「他にも罠があったので、通路分は解除しておきました。」
茂みから出てきたシンが手を払いながら事も無げに言った。
「でかした、シン。この後も罠があるかもしれねぇから、各自注意しながら進めよ!」
「「「アイアイサー!!」」」
思わず力が入ったヒロインの手を、リュウガは優しく握り返した。
遺跡の中はとても静かでひんやりとしていた。
思わず身震いをするほどに。
「さぁて、祭壇つーのはどこにあるんだかな」
遺跡の入り口を進み、大広間のような場所にでたが、それらしきものは無い。
窓らしきものは無いけれど、吹き抜けのようになっている高い天井から光が入ってきて、広間はそれなりの明るさがあった。
みんなバラバラになって部屋を調べるも、他へ続く通路も階段も無かった。
「隠し通路や隠し部屋があるのかもしれないね」
「そこへ行くためのスイッチはどこなんでしょうか…」
壁の苔を剥がして、何か仕掛けが無いか探すトワ。だが見つけられなかった。
「これは…」
小一時間くらい探した所で、シンが部屋の北西の壁に亀裂を見つけた。
それは太陽の光が当たらないと薄暗い中では気付かないようなものだった。
「この亀裂…おそらく文字になっていますね」
「そうか、太陽の位置が変わって差し込む光の角度が変わったら分かるようになっていたんだね」
「シン、読めるか?」
「…いえ、無理です。ドクターは?」
「うーん、見た事も無い文字だね。」
リュウガの背中からひょいっと顔を出したヒロインは文字をみるなり目を見開くと、その目はフッと虚になった。
『汝、ここへ呼ばれし強き者 我とくらべ 我を満たせ 然らずは その者 我の血肉となれ』
明らかにヒロインのものでは無い低くゾッとするような声が、ヒロインの口から響く。
「おい!ヒロイン!?」
驚いたリュウガが肩を掴んで揺らす。
「え!?あっ、船長?なんか今頭の中で不思議な声がして…」
虚だった目に意識が戻り、いつものヒロインに戻ったようだった。
それと共に感じる殺気。
広間の中央にいつの間にか一本の剣が刃先を下にして床から垂直に浮かび上がっていた。