覚悟とその先
空欄の場合はヒロインになります。
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「彼らが呪いの剣と呼ぶ理由は他にもありましたよ。」
宿のリュウガの部屋に集まった皆に向かってソウシは手に入れた情報を話した。
この島には年に一度、必ず行わなければならない神成(カンナリ)試合というものがあった。
武器職人が一番いい出来の武器を持ち寄り、腕の立つ者がそれを使って戦う。そこでの優勝者はその武器を持って遺跡に向かい、神になると言う。神成試合で勝者になるのはこの島民にとって最も名誉な事であり、皆目指すべきものだとされてきた。
「神になった方はどうなったんですか?」
ヒロインが聞くと、ソウシは首をふる。
「神様になってこの島を守るようになるから…帰っては来ないそうなんだ」
「え…それって…」
生け贄…?
ヒロインの頬を嫌な汗がつたう。
ソウシは続けた。
「だが数年前のある年、優勝者の子供が遺跡について行ってしまったみたいでね。」
本来であれば必ず1人で遺跡に行かなければならないのだが、その時は誰もそのことに気付かなかった。
慌てて探した母親が数時間後その子を見つけたのは森の入り口。
茫然自失で立っていた子の口から出た言葉は
『パパは神様になったんじゃない!剣に…殺されたんだ!!!』
「…っつ!」
その話しに言葉を失ったヒロインは真っ青な顔で口に手をやった。
そんなヒロインの腰に手をやり引き寄せたリュウガは別の部屋に行くか?と聞いたが、ヒロインは首を振って最後まで聞きます、と言った。
その続きはシンが引き継いだ。
「それが分かってから島民は神成試合をやめた。すると試合をするべき日の夜、森に一番近い一家が全員惨殺されていた。詳しくは分からんが隣の住民は夜中に月の光を反射した剣を見たと。」
「じゃあ、その剣は1人でに動くんですか?」
トワは信じられないというように言った。
もし、"剣を持った誰か"であるならば、「剣に殺された」とは言わないだろう。
「詳しくは分からん。子供の話しとその隣人の話しから察すると剣が意志を持って動いているように捉えられるが、にわかには信じられんな」
腕組みをして壁に寄りかかるシンは淡々と言った。
「その後どうなったんだよ?その年からそのカン…なんとか試合はやめたんだろ?また次の年も誰か被害に遭ったのか?」
焦るハヤテにシンは続けた。
「いや、その次の年からは島に来た海賊を向かわせる事にしたらしい。」
「なるほどな…ああやってお宝をチラつかせて海賊たちを行かせていたのか」
「ハヤテはまんまとのせられていたからな」
ナギの言葉に同意したシンがククッと喉の奥で笑いながら言った。
「んだと!?」
立ち上がったハヤテを制してソウシはリュウガを見る。
「それでどうします、船長?私たちが明日向かわなければ、この島の住民の命があぶないようですが」
不安そうに見上げるヒロインの頭を優しく撫でると、リュウガは全員を見る。
「めんどくせぇが、俺たちのせいで住民が殺されても目覚めが悪りぃ。お前ら、ついてきてくれるか?」
リュウガの言葉にシリウス全員が強く頷いた。
「呪いだかなんだかしらねぇけど、ここで尻込みしたらシリウスの名がすたるぜ!」
ハヤテが意気揚々と立ち上がる。
「ハヤテのくせにたまにはいい事言うな」
「シン!てめぇはまたそういう…!!!」
「もう、今日何回目ですか?いい加減にしてくださいよぉ!!」
トワに怒られる緊張感の無い2人に強張っていたヒロインも力が抜け、ふふっと笑った。
「そうと決まれば明日はとんでもねぇ冒険になるかもしれん!みんなよく寝ておくんだぞ!」
アイアイサー!と返事をして部屋に戻る面々。
そういえば…
とヒロインが部屋を出て行こうとするソウシに疑問を投げかける。
「ソウシさんもシンさんも今の情報はどうやって手に入れたんですか?」
「ふふ…聞きたい?」
口元に人差し指を当てて妖艶に笑ったソウシが顔を近づけてくる。
そのハッとするほどの美しさにヒロインは惹き込まれそうになっていると、リュウガの大きな手が目を覆った。
「知らなくていい事もあんだよ。ほら、ソウシさっさと部屋に戻れ」
しっしっと手を払うとハイハイと普段の笑顔でくすくす笑いながらソウシは部屋を出て行った。
「ったく、油断も隙もねぇ」
ドキドキして胸を抑えているヒロインをリュウガはひょいと抱えてベッドに寝かせると、目線を合わせ、体重をかけないように上に覆い被さる。
「明日は厄介な事になりそうだが、お前はここで待つか?」
リュウガの真剣な瞳をヒロインはまっすぐ見返して首を振る。
「足手纏いになっちゃうかもしれないけど…危険な場所に行く船長たちをただ待つなんて嫌です。」
やはりな、と思い笑うリュウガ。
先程の話しを聞いたら、普通の女は恐ろしさに待っていると言うだろうが、気の強いヒロインは違う。実力を伴わないそれは命取りではあるが、そんなヒロインをリュウガは愛おしいと思う。
「ん…」
ヒロインの細い指に自分の指を絡めて優しく口付けをする。
「お前の事は必ず守ってやるから、俺のそばを離れるなよ」
頷くヒロインをリュウガはいつもより短めだが、安心させるように優しく抱くと、ぐっすり寝ろよ、と早めに眠りにつかせた。
宿のリュウガの部屋に集まった皆に向かってソウシは手に入れた情報を話した。
この島には年に一度、必ず行わなければならない神成(カンナリ)試合というものがあった。
武器職人が一番いい出来の武器を持ち寄り、腕の立つ者がそれを使って戦う。そこでの優勝者はその武器を持って遺跡に向かい、神になると言う。神成試合で勝者になるのはこの島民にとって最も名誉な事であり、皆目指すべきものだとされてきた。
「神になった方はどうなったんですか?」
ヒロインが聞くと、ソウシは首をふる。
「神様になってこの島を守るようになるから…帰っては来ないそうなんだ」
「え…それって…」
生け贄…?
ヒロインの頬を嫌な汗がつたう。
ソウシは続けた。
「だが数年前のある年、優勝者の子供が遺跡について行ってしまったみたいでね。」
本来であれば必ず1人で遺跡に行かなければならないのだが、その時は誰もそのことに気付かなかった。
慌てて探した母親が数時間後その子を見つけたのは森の入り口。
茫然自失で立っていた子の口から出た言葉は
『パパは神様になったんじゃない!剣に…殺されたんだ!!!』
「…っつ!」
その話しに言葉を失ったヒロインは真っ青な顔で口に手をやった。
そんなヒロインの腰に手をやり引き寄せたリュウガは別の部屋に行くか?と聞いたが、ヒロインは首を振って最後まで聞きます、と言った。
その続きはシンが引き継いだ。
「それが分かってから島民は神成試合をやめた。すると試合をするべき日の夜、森に一番近い一家が全員惨殺されていた。詳しくは分からんが隣の住民は夜中に月の光を反射した剣を見たと。」
「じゃあ、その剣は1人でに動くんですか?」
トワは信じられないというように言った。
もし、"剣を持った誰か"であるならば、「剣に殺された」とは言わないだろう。
「詳しくは分からん。子供の話しとその隣人の話しから察すると剣が意志を持って動いているように捉えられるが、にわかには信じられんな」
腕組みをして壁に寄りかかるシンは淡々と言った。
「その後どうなったんだよ?その年からそのカン…なんとか試合はやめたんだろ?また次の年も誰か被害に遭ったのか?」
焦るハヤテにシンは続けた。
「いや、その次の年からは島に来た海賊を向かわせる事にしたらしい。」
「なるほどな…ああやってお宝をチラつかせて海賊たちを行かせていたのか」
「ハヤテはまんまとのせられていたからな」
ナギの言葉に同意したシンがククッと喉の奥で笑いながら言った。
「んだと!?」
立ち上がったハヤテを制してソウシはリュウガを見る。
「それでどうします、船長?私たちが明日向かわなければ、この島の住民の命があぶないようですが」
不安そうに見上げるヒロインの頭を優しく撫でると、リュウガは全員を見る。
「めんどくせぇが、俺たちのせいで住民が殺されても目覚めが悪りぃ。お前ら、ついてきてくれるか?」
リュウガの言葉にシリウス全員が強く頷いた。
「呪いだかなんだかしらねぇけど、ここで尻込みしたらシリウスの名がすたるぜ!」
ハヤテが意気揚々と立ち上がる。
「ハヤテのくせにたまにはいい事言うな」
「シン!てめぇはまたそういう…!!!」
「もう、今日何回目ですか?いい加減にしてくださいよぉ!!」
トワに怒られる緊張感の無い2人に強張っていたヒロインも力が抜け、ふふっと笑った。
「そうと決まれば明日はとんでもねぇ冒険になるかもしれん!みんなよく寝ておくんだぞ!」
アイアイサー!と返事をして部屋に戻る面々。
そういえば…
とヒロインが部屋を出て行こうとするソウシに疑問を投げかける。
「ソウシさんもシンさんも今の情報はどうやって手に入れたんですか?」
「ふふ…聞きたい?」
口元に人差し指を当てて妖艶に笑ったソウシが顔を近づけてくる。
そのハッとするほどの美しさにヒロインは惹き込まれそうになっていると、リュウガの大きな手が目を覆った。
「知らなくていい事もあんだよ。ほら、ソウシさっさと部屋に戻れ」
しっしっと手を払うとハイハイと普段の笑顔でくすくす笑いながらソウシは部屋を出て行った。
「ったく、油断も隙もねぇ」
ドキドキして胸を抑えているヒロインをリュウガはひょいと抱えてベッドに寝かせると、目線を合わせ、体重をかけないように上に覆い被さる。
「明日は厄介な事になりそうだが、お前はここで待つか?」
リュウガの真剣な瞳をヒロインはまっすぐ見返して首を振る。
「足手纏いになっちゃうかもしれないけど…危険な場所に行く船長たちをただ待つなんて嫌です。」
やはりな、と思い笑うリュウガ。
先程の話しを聞いたら、普通の女は恐ろしさに待っていると言うだろうが、気の強いヒロインは違う。実力を伴わないそれは命取りではあるが、そんなヒロインをリュウガは愛おしいと思う。
「ん…」
ヒロインの細い指に自分の指を絡めて優しく口付けをする。
「お前の事は必ず守ってやるから、俺のそばを離れるなよ」
頷くヒロインをリュウガはいつもより短めだが、安心させるように優しく抱くと、ぐっすり寝ろよ、と早めに眠りにつかせた。