覚悟とその先
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そんなある日
「こら!病院の中は静かに歩くんだ!」
注意するソウシの声と、バタバタという騒々しい足音とともに扉を開けたのは、ロイだった。
「おい!リュウガ!真珠ちゃんが大怪我したって本当なのか!!??」
「相変わらず騒々しいなぁ…おめぇは」
「あ、ロイさん、ファジーさんこんにちは」
苦笑しながら言うリュウガに、明るく声をかけるヒロイン。
「なに!?リュウガ!もしや貴様真珠ちゃんと同室なのか!ズルい!いや、けしからん!この酔っ払いド変態船長!!」
「うるせぇ、何がズルいだ。俺は酔ってねぇし、変態はオメーだろうが」
会うや否や騒ぎ立てるロイと、それに言い返すリュウガはソウシに首根っこを掴まれて外に出された。
「うるさいのはつまみ出しておくから、ファジーゆっくりしていきなさい」
ニコッと微笑むソウシにメロメロになるファジー。
「あぁー、ソウシ先生ったら、絶対アタイに気があると思うんだよねぇ」
クネクネしながら言うファジーにヒロインはふふっと笑った。
その笑顔をファジーはじっと見ると、頬を軽くつねった。
「アンタ無理してるでしょ。アタイには無理に笑わなくていいんだよ」
その言葉に視線を泳がすヒロイン。
「えへへ…やっぱり気付かれちゃうか…」
あれから、いつまでもクヨクヨしていたらダメだと思い、できる範囲で今までと同じようにしているつもりだった。
「アンタはすぐ顔にでるからね」
むぎゅっと頬を両手で挟むファジーは優しく笑った。
「ソウシ先生がね、呼んでくれたんだ。アンタの本音を聞けるのは同性のファジーしかいないって。おおかた話しは聞いたよ。ほら、心につっかえてるもん吐き出しちまいな。」
その言葉に涙が込み上げるヒロインはぽろぽろと泣きながら話し始めた。
「私、今までずっと、みんなに、船長に守ってもらってて…自分ではみんなと戦って来たつもりだったのが、全然そんなんじゃなくて…人を傷つけるってこう言うことだったんだ…って。大事な仲間を傷つけた時の…攻撃を当ててしまった時の…感触が忘れられ無くて…しかも…船長を…大好きな船長を刺しちゃって…辛くて…でもずっとクヨクヨしてたら、みんなに心配かけちゃうし…」
しゃくり上げながらゆっくり話すヒロインの言葉をファジーは黙って、時折り頷きながら聞いていた。
「寝ているとね…あの時の映像がフラッシュバックするの…でね、もしかしたら…もし一歩間違えてたら…船長を殺してたんじゃないかって…怖くて…なんであの剣は私を選んだのかな…?いつの間にか海賊船に乗ってて…最初はヤマトに帰してくれないって言われたから…気が付かないうちに憎んでたりするのかな…」
泣きすぎて言葉にならなくなったヒロインの背中をゆっくりさすりながら、ファジーはヒロインの顔を覗き込んだ。
「アンタはシリウスを憎んでるのかい?」
涙と鼻水でぐちゃぐちゃの顔を必死に振って否定するヒロイン。
「憎むわけない!大好きだもん!船の上の生活は大変なところもあるけど…それでもものすごく楽しくて…幸せで…みんなのこと大好きだよ!」
「うんうん、そうだろ。アンタに限ってシリウスを憎んでるなんて事はないよ。あの剣がアンタを選んだのは他にちゃんとした理由がある。あの剣のことを調べたが、あの剣を作ったのはヤマトから来た職人だったらしい。なんでも、気性が狂気的すぎてヤマトを追放されて、たどり着いたこの島でより多くの奴を倒せる強い武器を作っていたんだと。その怨念がつまった剣が、あれだった」
「ヤマトの人…?」
「そう、相性が良かったのはアンタがヤマトの人間だからだ。それだけ!」
腕を組んでフンっと鼻を鳴らすファジー。
「アンタが、シリウスを大好きなのも、リュウガを大好きなのもみんな分かってるよ」
どこかでみんなを裏切ったような気持ちになっていたヒロインは心がフッと軽くなった。
「初めて人を傷つけたときの衝撃はそりゃあキツイさ。このアタイでさえも随分前だけどショックを受けたよ。しかもそれがアンタの愛する人ってんなら尚更ね。これはもう、仕方ないんだ。海賊王の恋人なら、これからも避けては通れない道だよ」
「強くなんな」
ファジーがヒロインの目を真っ直ぐ見てキッパリと言った。
「今まで守って来てもらったんだと確信したなら、今度はアンタが、アンタなりに守る番だよ。」
「私が…私なりに…?」
「そう。海賊がなんで宴が好きなのか知ってるかい?」
「お酒が好きだから…?」
それもあるけど…と笑ったファジーは、明るく言った。
「明日も生きてるか分からないからだよ」
ヒロインは頭を殴られたような気分だった。
ドクンドクンと心臓が大きな鼓動を打つ
「それだけ海賊ってのは死と隣り合わせなんだ。それが海賊王となると尚更…。アンタはそんな人を愛しちまったんだ。それでもまだ、愛するかい?」
シーツをぐっと握ったヒロインは、鼓動を鎮めるように深呼吸すると、力強くもちろん、と言った。
「じゃあもし、リュウガやアンタ、シリウス海賊団が海軍に捕まって絞首刑になったら?」
ファジーは真剣な顔で問うた。
絞首刑と言う言葉に一瞬怯えたような顔をするヒロイン。
しかしすぐにキッパリと言った。
「私も一緒に絞首刑になる!」
「よく言った!!!」
そう大きな声で言ってファジーはヒロインを抱きしめた。
「こら!病院の中は静かに歩くんだ!」
注意するソウシの声と、バタバタという騒々しい足音とともに扉を開けたのは、ロイだった。
「おい!リュウガ!真珠ちゃんが大怪我したって本当なのか!!??」
「相変わらず騒々しいなぁ…おめぇは」
「あ、ロイさん、ファジーさんこんにちは」
苦笑しながら言うリュウガに、明るく声をかけるヒロイン。
「なに!?リュウガ!もしや貴様真珠ちゃんと同室なのか!ズルい!いや、けしからん!この酔っ払いド変態船長!!」
「うるせぇ、何がズルいだ。俺は酔ってねぇし、変態はオメーだろうが」
会うや否や騒ぎ立てるロイと、それに言い返すリュウガはソウシに首根っこを掴まれて外に出された。
「うるさいのはつまみ出しておくから、ファジーゆっくりしていきなさい」
ニコッと微笑むソウシにメロメロになるファジー。
「あぁー、ソウシ先生ったら、絶対アタイに気があると思うんだよねぇ」
クネクネしながら言うファジーにヒロインはふふっと笑った。
その笑顔をファジーはじっと見ると、頬を軽くつねった。
「アンタ無理してるでしょ。アタイには無理に笑わなくていいんだよ」
その言葉に視線を泳がすヒロイン。
「えへへ…やっぱり気付かれちゃうか…」
あれから、いつまでもクヨクヨしていたらダメだと思い、できる範囲で今までと同じようにしているつもりだった。
「アンタはすぐ顔にでるからね」
むぎゅっと頬を両手で挟むファジーは優しく笑った。
「ソウシ先生がね、呼んでくれたんだ。アンタの本音を聞けるのは同性のファジーしかいないって。おおかた話しは聞いたよ。ほら、心につっかえてるもん吐き出しちまいな。」
その言葉に涙が込み上げるヒロインはぽろぽろと泣きながら話し始めた。
「私、今までずっと、みんなに、船長に守ってもらってて…自分ではみんなと戦って来たつもりだったのが、全然そんなんじゃなくて…人を傷つけるってこう言うことだったんだ…って。大事な仲間を傷つけた時の…攻撃を当ててしまった時の…感触が忘れられ無くて…しかも…船長を…大好きな船長を刺しちゃって…辛くて…でもずっとクヨクヨしてたら、みんなに心配かけちゃうし…」
しゃくり上げながらゆっくり話すヒロインの言葉をファジーは黙って、時折り頷きながら聞いていた。
「寝ているとね…あの時の映像がフラッシュバックするの…でね、もしかしたら…もし一歩間違えてたら…船長を殺してたんじゃないかって…怖くて…なんであの剣は私を選んだのかな…?いつの間にか海賊船に乗ってて…最初はヤマトに帰してくれないって言われたから…気が付かないうちに憎んでたりするのかな…」
泣きすぎて言葉にならなくなったヒロインの背中をゆっくりさすりながら、ファジーはヒロインの顔を覗き込んだ。
「アンタはシリウスを憎んでるのかい?」
涙と鼻水でぐちゃぐちゃの顔を必死に振って否定するヒロイン。
「憎むわけない!大好きだもん!船の上の生活は大変なところもあるけど…それでもものすごく楽しくて…幸せで…みんなのこと大好きだよ!」
「うんうん、そうだろ。アンタに限ってシリウスを憎んでるなんて事はないよ。あの剣がアンタを選んだのは他にちゃんとした理由がある。あの剣のことを調べたが、あの剣を作ったのはヤマトから来た職人だったらしい。なんでも、気性が狂気的すぎてヤマトを追放されて、たどり着いたこの島でより多くの奴を倒せる強い武器を作っていたんだと。その怨念がつまった剣が、あれだった」
「ヤマトの人…?」
「そう、相性が良かったのはアンタがヤマトの人間だからだ。それだけ!」
腕を組んでフンっと鼻を鳴らすファジー。
「アンタが、シリウスを大好きなのも、リュウガを大好きなのもみんな分かってるよ」
どこかでみんなを裏切ったような気持ちになっていたヒロインは心がフッと軽くなった。
「初めて人を傷つけたときの衝撃はそりゃあキツイさ。このアタイでさえも随分前だけどショックを受けたよ。しかもそれがアンタの愛する人ってんなら尚更ね。これはもう、仕方ないんだ。海賊王の恋人なら、これからも避けては通れない道だよ」
「強くなんな」
ファジーがヒロインの目を真っ直ぐ見てキッパリと言った。
「今まで守って来てもらったんだと確信したなら、今度はアンタが、アンタなりに守る番だよ。」
「私が…私なりに…?」
「そう。海賊がなんで宴が好きなのか知ってるかい?」
「お酒が好きだから…?」
それもあるけど…と笑ったファジーは、明るく言った。
「明日も生きてるか分からないからだよ」
ヒロインは頭を殴られたような気分だった。
ドクンドクンと心臓が大きな鼓動を打つ
「それだけ海賊ってのは死と隣り合わせなんだ。それが海賊王となると尚更…。アンタはそんな人を愛しちまったんだ。それでもまだ、愛するかい?」
シーツをぐっと握ったヒロインは、鼓動を鎮めるように深呼吸すると、力強くもちろん、と言った。
「じゃあもし、リュウガやアンタ、シリウス海賊団が海軍に捕まって絞首刑になったら?」
ファジーは真剣な顔で問うた。
絞首刑と言う言葉に一瞬怯えたような顔をするヒロイン。
しかしすぐにキッパリと言った。
「私も一緒に絞首刑になる!」
「よく言った!!!」
そう大きな声で言ってファジーはヒロインを抱きしめた。