覚悟とその先
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「呪いの剣…?」
「あぁ、この島の森の奥に遺跡があってそこの祭壇に古い剣がある。その剣には宝石がたくさん散りばめられていてその価値は数百、数千万って話しだ。」
「へぇ〜面白そうじゃん」
ハヤテが身を乗り出して話しに食いついた。
ここは辺境にある知る人ぞ知る武器職人の島。
港から続く街には多くの武器屋が並んでいる。
シリウスの面々も朝から街を散策し、その品揃えとメンテナンスの腕に満足して酒場で夕食を取っている時のことだった。
壮年の男性数人が話があるから一緒に飲もう!と酒を持ってやってきた。
一瞬身構えたが、敵意が無い事を確認すると、彼らの話しを聞いた。
「どうしてその剣は呪いの剣なんですか?」
トワがたずねると、男の1人が髭をさすりながら言うべきか悩むような様子を見せ、意を決したように言った。
「…この話しを聞いて乗り込んで行った奴らで帰ってきたものはいない。」
「え!?そんな危険な場所にあるんですか!?」
男の言葉に驚いたヒロインは思わず口を出す。
「そうだな…この島の奴らは、小さい頃から森の奥へは絶対に行くな、と言われてるな」
「だが俺らには分かる!あんたらは強いだろ!」
男は自信満々に酒のグラスを机に叩きつけるように置きながらシリウスのメンバーを見る。
「あったりめーだ!俺たちは天下の…むぐぐっ」
シリウス海賊団と名乗ろうとしたハヤテの口の中にナギが素早い動きで肉をつめた。
「余計なことは言わなくていい」
「フン、バカが」
ナギとシンに釘を刺されたハヤテは真っ赤な顔で肉を飲み込むとシンに食ってかかり、いつもの言い合いが始まった。
そんな彼らを横目にリュウガは男たちに聞いた。
「何故その話しを俺たちにするんだ?祭壇に祀られてるってことは、この島にとって大事なものじゃねぇのか?」
その言葉に男たちの顔が一瞬つらそうに歪められたがすぐにぎこちない笑顔を作った。
「いやぁ、そんなことはねぇ!昔の武器職人が作っただけの剣だ!俺たちはその剣を見てみたいくらいだ!な!」
「あぁ!そうだ!だから強いあんたたちにお願いしたい!その剣を取ってきてくれ!俺らは一目その剣を見るだけで充分だから剣も宝石もくれてやる」
「これが地図だ!もし取って来れたら教えてくれよな!」
そう言ってぎこちない笑顔の男たちは地図を置いて去って行った。
「明らかに怪しいですね」
リュウガの隣に座るソウシが去っていく男たちの背中を見ながら小さい声でそう呟くと、リュウガと目線を合わせて頷いた。
何も言わずに席を立つソウシとそれに続くシン。
「あれ、どこかに行かれるんですか?」
声をかけるヒロインの目の前に美味しそうな料理をナギは差し出した。
「…美味いから食え」
「え!?なんだよナギ兄!ヒロインにだけずりぃ!俺もくれ!」
横から奪おうとするハヤテをナギが押さえつける。
トワが横からこれも美味しいですよ!と他の皿を差し出すと、それに飛びつくハヤテ。
それが面白くて笑うヒロイン。
そんなことをしているうちにソウシもシンも帰ってきたので宿に行くことにした。
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