後編
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ドクロ島から北の海に向かう途中でヒロインを預ける島に立ち寄った。
その島で想いが通じた彼女と一つになった。
ほんの僅かな時間であったが、ヒロインに自分の気持ちを全てぶつけた。
そんな俺に彼女は祖母の形見のネックレスを渡した。
必ず返しに戻ってきて…と言葉を添えて。
窓の外の月が水平線に沈み、厚い雲が空を覆う。
もう時間がないと身支度を整えていると、けたたましい足音が聞こえてきた。
リー「リュウガ!?貴様どういうつもりだ!!」
壊れそうな勢いで扉を開けたリーは、リュウガとヒロインを見るなりさらに激昂した。
リー「女にうつつを抜かすために、海賊たちを見殺しにしたのか!?」
リーはリュウガに向かって勢いよく拳を振り上げた。
ヒロイン「違うの!!」
その拳はリュウガを庇うように飛び出したヒロインの頬に当たり、鈍い音がしてヒロインの身体が吹っ飛ぶ。
リュウガ「ヒロイン!!?」
リュウガが急いで起こすと、口の中が切れたのか、唇の端から血を流しながらヒロインはリーを見つめた。
ヒロイン「私が・・・私がいけないんです。船長に無理やりこうしてもらうよう、頼んだんです・・・」
それだけ言うとヒロインは殴られた衝撃により意識を失った。
ぐったりしたヒロインを抱きながら、リュウガは自嘲気味に呟いた。
リュウガ「・・・なぁ、リー。自分の大切な女一人、愛してやることも出来ないで、何が海賊王だ・・・」
リュウガにもリーにも、騒ぎを聞いてやって来たシリウスの仲間にも、分かっていた。
多分この戦いで多くの者の命が失くなること
それが自分にも当てはまる可能性があること
自分の人生が終わる前に、リュウガはヒロインに自分が愛したことを伝えたかった、ヒロインもまた、リュウガに自分の想いを全てぶつけたかった。
それが痛いほど分かったから、シリウスの仲間たちは何も言わなかった。
リー「・・・だがっ!!現に海軍によって殲滅させられた海賊はすでに全体の8割にのぼるぞ!このまま雨の宝珠を使い続けられたら、我々はおしまいだ!」
リーの悲痛な叫び声が室内に響き渡る。
リュウガ「あぁ、分かっているさ。太陽の宝珠は見つけた。すぐに止めてやる」
それからリュウガは、宿を出てヒロインを古い馴染みの店に預けた。
リュウガ「悪りぃな、アン。最後の最後まで面倒かけちまって」
アン「なに、言ってんだよ。あんたとは長い付き合いなんだ。気にしないでおくれよ」
ソウシが手当てした頬には湿布が貼ってある。
まだ目を覚まさないヒロインを愛おしそうに見つめると、リュウガはありったけの金貨と、宝石が連なった首のネックレスをアンの前に置いた。
アン「・・・このネックレスは、あんたの大事なものじゃないのかい?」
弟の忘れ形見の一つであるネックレス。
リュウガを継いだ時、弟が身につけていたものは全て形見として、いや、弟になりきるために身につけた。だから、自分がリュウガであることを忘れない為にも、このネックレスは片時も外すことは無かったが、今はヒロインから預かった桜のネックレス、これだけで良かった。
リュウガは、いいんだよ、と言わんばかりにヒラヒラと手を振って店を後にした。
船に戻ると出航の準備は出来ていた。
気合いを入れるように腹から力一杯声を出す。
リュウガ「いいか、お前ら、これが最後の戦いだ。シリウス海賊団の力、見せてやろうじゃねぇか!ハデに暴れる覚悟はできてるな!?」
ハヤテ「んなもん、とっくに出来てますよ!」
とハヤテが意気揚々と言い、
シン「海賊になった時からな」
シンがフンと鼻を鳴らしながら言う
ソウシ「ま、みんなあまり無茶はしないように」
そんなこと無理だろうけど、と半ば諦めが入り混じったため息をつきながらソウシが笑う
トワ「ハヤテさんに特訓してもらった成果を発揮しますよー!」
相変わらず天真爛漫な笑顔でトワが意気込む
ナギ「今晩の飯は力がつく最高のものを食わせてやる」
普段の仏頂面からは想像出来ない優しい顔でナギが言った。
こいつらと、出会えてよかった。
最高の仲間だと、改めて思った。
リュウガ「よぉーし!出航!到着次第、戦闘だ!!」
「「「アイアイサー!!!」」」
その島で想いが通じた彼女と一つになった。
ほんの僅かな時間であったが、ヒロインに自分の気持ちを全てぶつけた。
そんな俺に彼女は祖母の形見のネックレスを渡した。
必ず返しに戻ってきて…と言葉を添えて。
窓の外の月が水平線に沈み、厚い雲が空を覆う。
もう時間がないと身支度を整えていると、けたたましい足音が聞こえてきた。
リー「リュウガ!?貴様どういうつもりだ!!」
壊れそうな勢いで扉を開けたリーは、リュウガとヒロインを見るなりさらに激昂した。
リー「女にうつつを抜かすために、海賊たちを見殺しにしたのか!?」
リーはリュウガに向かって勢いよく拳を振り上げた。
ヒロイン「違うの!!」
その拳はリュウガを庇うように飛び出したヒロインの頬に当たり、鈍い音がしてヒロインの身体が吹っ飛ぶ。
リュウガ「ヒロイン!!?」
リュウガが急いで起こすと、口の中が切れたのか、唇の端から血を流しながらヒロインはリーを見つめた。
ヒロイン「私が・・・私がいけないんです。船長に無理やりこうしてもらうよう、頼んだんです・・・」
それだけ言うとヒロインは殴られた衝撃により意識を失った。
ぐったりしたヒロインを抱きながら、リュウガは自嘲気味に呟いた。
リュウガ「・・・なぁ、リー。自分の大切な女一人、愛してやることも出来ないで、何が海賊王だ・・・」
リュウガにもリーにも、騒ぎを聞いてやって来たシリウスの仲間にも、分かっていた。
多分この戦いで多くの者の命が失くなること
それが自分にも当てはまる可能性があること
自分の人生が終わる前に、リュウガはヒロインに自分が愛したことを伝えたかった、ヒロインもまた、リュウガに自分の想いを全てぶつけたかった。
それが痛いほど分かったから、シリウスの仲間たちは何も言わなかった。
リー「・・・だがっ!!現に海軍によって殲滅させられた海賊はすでに全体の8割にのぼるぞ!このまま雨の宝珠を使い続けられたら、我々はおしまいだ!」
リーの悲痛な叫び声が室内に響き渡る。
リュウガ「あぁ、分かっているさ。太陽の宝珠は見つけた。すぐに止めてやる」
それからリュウガは、宿を出てヒロインを古い馴染みの店に預けた。
リュウガ「悪りぃな、アン。最後の最後まで面倒かけちまって」
アン「なに、言ってんだよ。あんたとは長い付き合いなんだ。気にしないでおくれよ」
ソウシが手当てした頬には湿布が貼ってある。
まだ目を覚まさないヒロインを愛おしそうに見つめると、リュウガはありったけの金貨と、宝石が連なった首のネックレスをアンの前に置いた。
アン「・・・このネックレスは、あんたの大事なものじゃないのかい?」
弟の忘れ形見の一つであるネックレス。
リュウガを継いだ時、弟が身につけていたものは全て形見として、いや、弟になりきるために身につけた。だから、自分がリュウガであることを忘れない為にも、このネックレスは片時も外すことは無かったが、今はヒロインから預かった桜のネックレス、これだけで良かった。
リュウガは、いいんだよ、と言わんばかりにヒラヒラと手を振って店を後にした。
船に戻ると出航の準備は出来ていた。
気合いを入れるように腹から力一杯声を出す。
リュウガ「いいか、お前ら、これが最後の戦いだ。シリウス海賊団の力、見せてやろうじゃねぇか!ハデに暴れる覚悟はできてるな!?」
ハヤテ「んなもん、とっくに出来てますよ!」
とハヤテが意気揚々と言い、
シン「海賊になった時からな」
シンがフンと鼻を鳴らしながら言う
ソウシ「ま、みんなあまり無茶はしないように」
そんなこと無理だろうけど、と半ば諦めが入り混じったため息をつきながらソウシが笑う
トワ「ハヤテさんに特訓してもらった成果を発揮しますよー!」
相変わらず天真爛漫な笑顔でトワが意気込む
ナギ「今晩の飯は力がつく最高のものを食わせてやる」
普段の仏頂面からは想像出来ない優しい顔でナギが言った。
こいつらと、出会えてよかった。
最高の仲間だと、改めて思った。
リュウガ「よぉーし!出航!到着次第、戦闘だ!!」
「「「アイアイサー!!!」」」