後編
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ヒロイン「・・・それからどうなったんですか?」
リュウガ「事前に打ち合わせをしていたおかげで、駆け落ち後に使う小船の場所を知っていたから、そこまでなんとか泳いで行ったんだよ。」
それからとにかく帝国から離れる為に船を漕いだ。
幸いな事に、死んだと思われたのか、追手が来ることは無かった。
だがその間にも弟の出血は止まらなかった。
何も装備がない船の上では、手当もままならない。
兄「リュウガ!リュウガ!目を覚ませ!しっかりしろ!こんなところでくたばるお前じゃないだろう!」
グッタリしている弟はゆっくりと目を開ける
弟「その通りだ・・・と言いたいところだが、今度ばかりはヤバそうだな・・・ぐっゴホッ」
咳とともに鮮血が船底に散った。
弟「この剣と・・・帽子をお前にやる」
血だらけの手で、ゆっくりと剣を差し出した。
兄「・・・なにを・・・?」
弟「さすがにガタがきちまったようだ。あとはお前に頼むしかない・・・。俺の跡を継いで海賊王になってくれ・・・」
兄「んなこと俺に出来るわけないだろう!!まだ故郷も救えてねぇし、それに姫さんはどうすんだよ?」
弟「頼む・・・今この世界を守れるのはお前しかいないんだ・・・。ゴホッ・・・お前にも姫にも悪いことしちまった・・・ゴホゴホッ」
兄「無理して喋るな!」
もう腕を上げる力も無いのか、剣を持った手が震えていた。
剣を受け取り手を握るが、その手は冷たい。
弟「雨の・・・宝珠は・・・に・・・隠した」
弟が必死に言葉を紡ごうとするが、音にならず、ヒューっという息が漏れる。
弟の力がだんだん抜けていくのが分かった。
兄「おいっ!リュウガ!!リュウガ!!死ぬな!」
その声に応えるように空を彷徨っていた弟の目が俺の目をしっかりと捉えた。
音にはならなかったが、頼んだぞ、と言って、弟は静かに目を閉じた。
ずっと共にあった身体の半分がスーッと無くなっていくような感覚に襲われた。
それからどれだけの時間が経ったか分からない。雨が降ったような気がするし、夜になったような気もする。
小船は潮に流されて、気付いたらドクロの形をした島に流されていた。
弟の亡骸と共に島に上陸し、洞窟の奥へ進むと絶句した。
豊かな緑と美しい花々、そして綺麗な湧き水。
俺たちが憧れ、宝珠を使って故郷をこうしたいと思い描いたような場所だった。
ヒロイン「それで、ここにお墓を・・・」
リュウガ「あぁ、アイツがここに連れてきたんじゃねぇかと思ってな。」
ヒロイン「故郷はどうなったんですか?」
リュウガ「それから程なくして、異常気象の大嵐に遭って人が住めなくなっちまった。」
ヒロイン「そう・・・だったんですか」
ヒロインは辛そうに俯いた。
そんなヒロインの頭をポンポンと叩く。
リュウガ「今思えば、運命ってやつだったのかもしれねぇな。」
運命なんて信じてこなかったが、ヒロインに会って変わった。
リュウガ「故郷を救う為に海賊になって、アイツは姫君と出会った。確かに僅かな時間だったが、アイツは幸せそうだった・・・」
「そして・・・」
「俺はお前と出会えた」
ヒロインの頬をそっと撫でる。
リュウガ「ヒロイン・・・愛してる」
ヒロイン「・・・船長・・・」
ヒロインの美しい瞳から、綺麗な涙が一粒溢れた。
ヒロイン「私も・・・私も船長のことが大好きです」
リュウガ「事前に打ち合わせをしていたおかげで、駆け落ち後に使う小船の場所を知っていたから、そこまでなんとか泳いで行ったんだよ。」
それからとにかく帝国から離れる為に船を漕いだ。
幸いな事に、死んだと思われたのか、追手が来ることは無かった。
だがその間にも弟の出血は止まらなかった。
何も装備がない船の上では、手当もままならない。
兄「リュウガ!リュウガ!目を覚ませ!しっかりしろ!こんなところでくたばるお前じゃないだろう!」
グッタリしている弟はゆっくりと目を開ける
弟「その通りだ・・・と言いたいところだが、今度ばかりはヤバそうだな・・・ぐっゴホッ」
咳とともに鮮血が船底に散った。
弟「この剣と・・・帽子をお前にやる」
血だらけの手で、ゆっくりと剣を差し出した。
兄「・・・なにを・・・?」
弟「さすがにガタがきちまったようだ。あとはお前に頼むしかない・・・。俺の跡を継いで海賊王になってくれ・・・」
兄「んなこと俺に出来るわけないだろう!!まだ故郷も救えてねぇし、それに姫さんはどうすんだよ?」
弟「頼む・・・今この世界を守れるのはお前しかいないんだ・・・。ゴホッ・・・お前にも姫にも悪いことしちまった・・・ゴホゴホッ」
兄「無理して喋るな!」
もう腕を上げる力も無いのか、剣を持った手が震えていた。
剣を受け取り手を握るが、その手は冷たい。
弟「雨の・・・宝珠は・・・に・・・隠した」
弟が必死に言葉を紡ごうとするが、音にならず、ヒューっという息が漏れる。
弟の力がだんだん抜けていくのが分かった。
兄「おいっ!リュウガ!!リュウガ!!死ぬな!」
その声に応えるように空を彷徨っていた弟の目が俺の目をしっかりと捉えた。
音にはならなかったが、頼んだぞ、と言って、弟は静かに目を閉じた。
ずっと共にあった身体の半分がスーッと無くなっていくような感覚に襲われた。
それからどれだけの時間が経ったか分からない。雨が降ったような気がするし、夜になったような気もする。
小船は潮に流されて、気付いたらドクロの形をした島に流されていた。
弟の亡骸と共に島に上陸し、洞窟の奥へ進むと絶句した。
豊かな緑と美しい花々、そして綺麗な湧き水。
俺たちが憧れ、宝珠を使って故郷をこうしたいと思い描いたような場所だった。
ヒロイン「それで、ここにお墓を・・・」
リュウガ「あぁ、アイツがここに連れてきたんじゃねぇかと思ってな。」
ヒロイン「故郷はどうなったんですか?」
リュウガ「それから程なくして、異常気象の大嵐に遭って人が住めなくなっちまった。」
ヒロイン「そう・・・だったんですか」
ヒロインは辛そうに俯いた。
そんなヒロインの頭をポンポンと叩く。
リュウガ「今思えば、運命ってやつだったのかもしれねぇな。」
運命なんて信じてこなかったが、ヒロインに会って変わった。
リュウガ「故郷を救う為に海賊になって、アイツは姫君と出会った。確かに僅かな時間だったが、アイツは幸せそうだった・・・」
「そして・・・」
「俺はお前と出会えた」
ヒロインの頬をそっと撫でる。
リュウガ「ヒロイン・・・愛してる」
ヒロイン「・・・船長・・・」
ヒロインの美しい瞳から、綺麗な涙が一粒溢れた。
ヒロイン「私も・・・私も船長のことが大好きです」