後編
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バツが悪そうに眉を下げ、力なく言ったリュウガの前に、ヒロインが進み出た。
ヒロイン「何を言ってるんですか!船長!あなたは弟の最期の頼みを忠実に守っただけじゃないですか!騙すとか、そういうんじゃないでしょう!」
今まで聞いたこともない、怒りを含んだヒロインの声に、その場にいた全員が驚き、目を見開いた。
ヒロイン「ロイ船長が怒ったのは、仲間だと思ってた弟さんが亡くなっていた上に、何も知らない船長が海賊王になって、さっきみたいに困ることもあっただろうに、相談の一つもしてくれなかったことが悔しかったからです!」
「そうですよね?ロイ船長!?」
普段温和な人が怒るとこんなにも迫力があるのかと、さっきまでのリュウガに対する怒りはどこへやら、ただただ呆気にとられていたロイは、その迫力あるヒロインに話しかけられ、思わず頷いていた。
ロイ「も・・・もちろんだ!早く相談してくれたら、もっと力になってやれたのに!」
ヒロイン「それに!私をこの船に誘ってくれたのは、船長です。私にとっての船長はあなたしかいません!」
「みなさんもそうですよね?」
今度はシリウスのメンバーを振り返るヒロインに、同じく呆気にとられていたみんなは、ハッとした。
ハヤテ「・・・まぁ、海賊王じゃなかったってことはビビったけど、俺が目指してた伝説の剣士が目の前にいたってのは、スゲーことだし。むしろ、尊敬していた人に今まで剣の稽古をしてもらってたと思うと、興奮するかな」
ナギ「・・・俺は今のあんたに拾ってもらったからな。海賊王とか、別に関係ねぇ」
シン「おれも、海に出られればそれで良かった。」
トワ「そうですよ!僕だってあんまり役に立たないのに、嫌な顔一つせずに乗せてくれたのは船長です!感謝こそすれ、騙されたなんて思ってません」
ソウシ「ふふふ、リュウガ。あなたが思ってるほど、ここのメンバーは"海賊王"という称号に興味が無いみたいですよ」
ほらね、と優しい笑みを浮かべて、ヒロインはリュウガを見た。
そして、床に座ったままのリュウガにそっと手を差し伸べる。
ヒロイン「海賊は過去を気にしないんじゃないですか?私たちの船長は今までもこれからも、あなた一人です」
"海賊王リュウガ"として生きていくと決めてから、一度だって《騙している》という罪悪感から解放されることは無かった。
そして、バレてはいけないと、常に神経を張り巡らせ、どんな仲間にだって最後まで心を開くことは出来なかった。
それなのに、こんないとも簡単に心の重荷を解くとは・・・
リュウガはその柔らかい手を引き寄せ、力一杯抱きしめた。
ヒロイン「わっ!船長・・・苦しいですっ」
腕の中でもがくヒロインの耳元で、そっとありがとうと、一言言うのが精一杯だった。
ヒロイン「何を言ってるんですか!船長!あなたは弟の最期の頼みを忠実に守っただけじゃないですか!騙すとか、そういうんじゃないでしょう!」
今まで聞いたこともない、怒りを含んだヒロインの声に、その場にいた全員が驚き、目を見開いた。
ヒロイン「ロイ船長が怒ったのは、仲間だと思ってた弟さんが亡くなっていた上に、何も知らない船長が海賊王になって、さっきみたいに困ることもあっただろうに、相談の一つもしてくれなかったことが悔しかったからです!」
「そうですよね?ロイ船長!?」
普段温和な人が怒るとこんなにも迫力があるのかと、さっきまでのリュウガに対する怒りはどこへやら、ただただ呆気にとられていたロイは、その迫力あるヒロインに話しかけられ、思わず頷いていた。
ロイ「も・・・もちろんだ!早く相談してくれたら、もっと力になってやれたのに!」
ヒロイン「それに!私をこの船に誘ってくれたのは、船長です。私にとっての船長はあなたしかいません!」
「みなさんもそうですよね?」
今度はシリウスのメンバーを振り返るヒロインに、同じく呆気にとられていたみんなは、ハッとした。
ハヤテ「・・・まぁ、海賊王じゃなかったってことはビビったけど、俺が目指してた伝説の剣士が目の前にいたってのは、スゲーことだし。むしろ、尊敬していた人に今まで剣の稽古をしてもらってたと思うと、興奮するかな」
ナギ「・・・俺は今のあんたに拾ってもらったからな。海賊王とか、別に関係ねぇ」
シン「おれも、海に出られればそれで良かった。」
トワ「そうですよ!僕だってあんまり役に立たないのに、嫌な顔一つせずに乗せてくれたのは船長です!感謝こそすれ、騙されたなんて思ってません」
ソウシ「ふふふ、リュウガ。あなたが思ってるほど、ここのメンバーは"海賊王"という称号に興味が無いみたいですよ」
ほらね、と優しい笑みを浮かべて、ヒロインはリュウガを見た。
そして、床に座ったままのリュウガにそっと手を差し伸べる。
ヒロイン「海賊は過去を気にしないんじゃないですか?私たちの船長は今までもこれからも、あなた一人です」
"海賊王リュウガ"として生きていくと決めてから、一度だって《騙している》という罪悪感から解放されることは無かった。
そして、バレてはいけないと、常に神経を張り巡らせ、どんな仲間にだって最後まで心を開くことは出来なかった。
それなのに、こんないとも簡単に心の重荷を解くとは・・・
リュウガはその柔らかい手を引き寄せ、力一杯抱きしめた。
ヒロイン「わっ!船長・・・苦しいですっ」
腕の中でもがくヒロインの耳元で、そっとありがとうと、一言言うのが精一杯だった。