後編
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船長会議が開かれる島に着くと、他の4人の船長の船はもうすでに停泊していた。
朽ち果てた遺跡や、鬱蒼としたジャングルが、鬱々とした気分に拍車をかける。
リュウガ「では、行ってくる。もし何か緊急なことがあれば、伝えに来てくれ」
全員「アイアイサー!!」
ソウシ「それじゃあ、ヒロインちゃん。気をつけて行って来るんだよ」
ソウシが優しくヒロインの頭を撫でる。
緊張した面持ちのヒロインがコクン、と頷くと、リュウガの後に続いてハシゴを降りて行った。
船長会議の場になっている遺跡に辿り着くと、相変わらず癖のあるメンバーが出迎えた。
セシル「これはリュウガ船長、お久しぶりです」
銀髪のメガネの奥に妖しい光りを灯す、元貴族であり、現在、北の海を統括するセシル船長。
リー「ご活躍は耳にしてます」
黒髪の元軍人であり、この4人の中でも一番堅物で、その真面目さでよく海賊ができるもんだ、と思う。現在は西の海を統括するリー船長。
ヴァン「さっさとくたばってもらわんと、海賊王の座があかんのだがなぁ。はっはっは!元気そうでなによりだ」
ぱっと見初老の老人に見えるが年齢不詳、素性も不詳。やたら人脈を持つ、東の海を統括するヴァン船長。
ロイ「遅かったじゃねーか」
そして、いつもシリウス海賊団を追い回してはちょっかいをかけてくる、変態、南の海を統括する、ロイ船長。
ロイ「・・・って、ヒロイン!?」
ヒロイン「ロイさん、こんにちは」
リュウガの背中からおずおずと顔を出すヒロインに、セシル、リー、ヴァンの鋭い視線が注がれた。
ロイ「ばか!いくら俺に会いたいからって、こんなところまで・・・」
歓迎されていないことを瞬時に悟り、強張ったヒロインの肩を抱き寄せる。
セシルとリーは極秘会議に女を連れ込むとはどういうことだ、とリュウガを咎め、ヴァンはとうとう海賊王も1人の女に捕まったか!と笑った。
リュウガ「そう騒ぐな。ヴァン船長の言う通りだ。紹介しておきたいと思ってな」
そう伝え、場をおさめると会議を始めた。
海軍のやり方に憤りを隠せない船長たちは、海賊側も大規模な攻撃を仕掛けるべきだと言う。
大方予想はしていたが、やはりそうなるか・・・
と考え込む。
あいつなら・・・リュウガならどうする?
全面戦争を起こすのか、それとも他の方法を考えるのか・・・
ちらっとヒロインを見る。
全面戦争になれば、その被害は甚大になることは容易に想像がつく。
周囲の島々にも少なからず影響があるだろう。
コイツを託そうと思っている島にももしかしたら・・・
そんなことを考えながら口をついた言葉は、かなり保守的なものだった。
リュウガ「・・・お前達の言うことはもっともだ。俺もこのまま海軍を放っておくわけにはいかんと思っていた。だが・・・全面戦争となると、我々が被る被害も大きいぞ?長期戦になれば、帝国がバックについている軍とでは分が悪くなる」
ヴァンの片方の眉が上がり、少し訝しむ様子を見せる。
ヴァン「ん~?アンタらしくねぇ考え方だな」
その言葉にギクッとする。
リュウガ「・・・そうか?ま、まあ俺も昔みたいに若くはないからな。はっはっは!」
わざとらしく大げさに笑いながら誤魔化すと、セシルから"海賊王の箱"を開けるよう提案があった。
海賊の切り札が入っている"海賊王の箱"。
それを開けられるのは海賊王だけだという。
これを使えば海軍の動きをけん制することができるらしい。
リュウガからそんなものがあるとは聞いたことがなかった。もちろん、海賊王になってからも聞いたことがない。おそらく、この箱の存在自体がこのメンバーのみ知る極秘事項なのだろう。
だからこそ内心慌てた。
それがどこにあるのかも、どうやって開けるのかも、何が入っているのかも自分は知らない。
朽ち果てた遺跡や、鬱蒼としたジャングルが、鬱々とした気分に拍車をかける。
リュウガ「では、行ってくる。もし何か緊急なことがあれば、伝えに来てくれ」
全員「アイアイサー!!」
ソウシ「それじゃあ、ヒロインちゃん。気をつけて行って来るんだよ」
ソウシが優しくヒロインの頭を撫でる。
緊張した面持ちのヒロインがコクン、と頷くと、リュウガの後に続いてハシゴを降りて行った。
船長会議の場になっている遺跡に辿り着くと、相変わらず癖のあるメンバーが出迎えた。
セシル「これはリュウガ船長、お久しぶりです」
銀髪のメガネの奥に妖しい光りを灯す、元貴族であり、現在、北の海を統括するセシル船長。
リー「ご活躍は耳にしてます」
黒髪の元軍人であり、この4人の中でも一番堅物で、その真面目さでよく海賊ができるもんだ、と思う。現在は西の海を統括するリー船長。
ヴァン「さっさとくたばってもらわんと、海賊王の座があかんのだがなぁ。はっはっは!元気そうでなによりだ」
ぱっと見初老の老人に見えるが年齢不詳、素性も不詳。やたら人脈を持つ、東の海を統括するヴァン船長。
ロイ「遅かったじゃねーか」
そして、いつもシリウス海賊団を追い回してはちょっかいをかけてくる、変態、南の海を統括する、ロイ船長。
ロイ「・・・って、ヒロイン!?」
ヒロイン「ロイさん、こんにちは」
リュウガの背中からおずおずと顔を出すヒロインに、セシル、リー、ヴァンの鋭い視線が注がれた。
ロイ「ばか!いくら俺に会いたいからって、こんなところまで・・・」
歓迎されていないことを瞬時に悟り、強張ったヒロインの肩を抱き寄せる。
セシルとリーは極秘会議に女を連れ込むとはどういうことだ、とリュウガを咎め、ヴァンはとうとう海賊王も1人の女に捕まったか!と笑った。
リュウガ「そう騒ぐな。ヴァン船長の言う通りだ。紹介しておきたいと思ってな」
そう伝え、場をおさめると会議を始めた。
海軍のやり方に憤りを隠せない船長たちは、海賊側も大規模な攻撃を仕掛けるべきだと言う。
大方予想はしていたが、やはりそうなるか・・・
と考え込む。
あいつなら・・・リュウガならどうする?
全面戦争を起こすのか、それとも他の方法を考えるのか・・・
ちらっとヒロインを見る。
全面戦争になれば、その被害は甚大になることは容易に想像がつく。
周囲の島々にも少なからず影響があるだろう。
コイツを託そうと思っている島にももしかしたら・・・
そんなことを考えながら口をついた言葉は、かなり保守的なものだった。
リュウガ「・・・お前達の言うことはもっともだ。俺もこのまま海軍を放っておくわけにはいかんと思っていた。だが・・・全面戦争となると、我々が被る被害も大きいぞ?長期戦になれば、帝国がバックについている軍とでは分が悪くなる」
ヴァンの片方の眉が上がり、少し訝しむ様子を見せる。
ヴァン「ん~?アンタらしくねぇ考え方だな」
その言葉にギクッとする。
リュウガ「・・・そうか?ま、まあ俺も昔みたいに若くはないからな。はっはっは!」
わざとらしく大げさに笑いながら誤魔化すと、セシルから"海賊王の箱"を開けるよう提案があった。
海賊の切り札が入っている"海賊王の箱"。
それを開けられるのは海賊王だけだという。
これを使えば海軍の動きをけん制することができるらしい。
リュウガからそんなものがあるとは聞いたことがなかった。もちろん、海賊王になってからも聞いたことがない。おそらく、この箱の存在自体がこのメンバーのみ知る極秘事項なのだろう。
だからこそ内心慌てた。
それがどこにあるのかも、どうやって開けるのかも、何が入っているのかも自分は知らない。