前編
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ドクロ島の情報を集めるために、シリウス号はモルドー帝国に寄ることにした。
モルドーは海軍の本拠地であり、危険ではあるが、その分多くの情報を集めることができる。
海賊旗をたたみ、商船のフリをして港に入ると、目立たないようにそれぞれ情報集めに徹した。
ヒロインはもしもシリウス海賊団のメンバーと共にいるところを見つけられたら危険だということ、ヤマトの女ということで、船で留守番をすることになった。
ヒロイン「・・・船長たち無事に情報収集できてるかなぁ」
甲板の樽の上に座って、空を眺めながらそんなことを思っていると、どこからか動物の鳴き声が聞こえてきた。
「メェーン」
ヒロイン「?なんの声だろう?」
声のする方に行ってみると、小さな猫がいた。
ヒロイン「わぁ!猫!もしかして迷い込んじゃったのかなぁ?」
そう言って抱きかかえると、港から焦った声が聞こえてきた。
???「ミュミュちゃーん!?どこでメンかー?」
メガネをかけた軍人っぽい人が樽の中や、木箱の影を必死で探している。
ヒロイン「もしかして、お前の飼い主なの?」
猫に問うと、メェーンと鳴いた。
ヒロイン「うーん、どうしよう・・・。あの人海軍っぽいし・・・でも、猫ちゃん返してあげないとすごく心配してるし・・・」
猫を抱きながら考える。
あの人に見つからないように船を降りて、影から猫を返そう。
念のため、普通の女の子に見えるように、ヤマトで着ていたワンピースにして・・・
うん、と頷くとさっそくワンピースに着替えた。
ヒロイン「今、飼い主さんのところに連れて行ってあげるからね」
そう言って懐に猫を入れて、下船の為のはしごをゆっくり降りていた。
「メェーン!」
ヒロイン「しー!まだ鳴かないでっっ」
慌てて言ってみたものの、見事に鳴き声に反応した軍人は、こちらに走って来た。
「ミュミュちゃん!!?」
ヒロイン「きゃっ!!」
軍人の声に猫が懐から飛び出し、バランスを崩したヒロインははしごから落ちてしまった。
ヒロイン「・・・っ!!」
ギュッと身体を硬直させ衝撃に備えたが、思った痛みはやってこなかった。
「危ないところでしたね」
目を開けると、目の前に軍人と、その肩に猫がいた。
ヒロイン「あああ、ありがとうございます」
抱きかかえられているとわかると、慌てて降りる。
「こちらこそ、ミュミュちゃん・・・この猫を保護してくれてありがとう」
軍人は優しく微笑んだ。
レオナルド「私はレオナルドと言う。お嬢さんはこの船に乗っていたのかな?」
ヒロイン「あ、はい。間違ってミュミュちゃんが入ってきてしまったようなので、お返ししなきゃと思って・・・」
レオナルド「そうでしたか。それは面倒をかけたね。この仔は私の大切な仔。見つからなくて焦っていたので本当に助かった。ありがとう」
優しい笑顔に、ヒロインもホッと胸を撫で下ろした。
レオナルド「・・・それにしても、商船には見えない船だけど、どこの国の商船なのかな?いや、これでも私は海軍でね。ちょっと気になったものだから。」
レオナルドの言葉にぎくっとする。
だが、今ここで動揺が知られては、みんなに迷惑をかけてしまう。なんとしても誤魔化さなくては・・・
そう思いながら、笑顔を作ろうとしていたところに、強い力で肩を抱かれて後ろに引っ張られたと思ったら、目の前にサーベルの刃が光った。
リュウガ「貴様、この娘に何をしている?」
ヒロインですらざわつく程の殺気を放って、リュウガがレオナルドにサーベルを向ける。
レオナルド「おやおや、これは極悪非道の海賊王リュウガじゃないか。君こそそのお嬢さんをどうするつもりかな?」
先ほどまでとは打って変わり、冷たい笑みを浮かべるレオナルド。
一発即発の雰囲気の中、レオナルドの肩に乗っていた猫が、リュウガの足元へすり寄っていった。
リュウガ「・・・猫?」
レオナルド「ミュミュちゃん!!??何をしているんだ!はやくこちらへおいで!」
焦って猫を呼ぶレオナルドに、ヒロインは猫を抱き、手渡す。
ヒロイン「私はシリウス海賊団のヒロインと申します。先程は助けて頂いてありがとうございました」
海軍に対して自ら海賊と名乗るヒロインに、リュウガは慌て、レオナルドは目を見開いた。
レオナルド「・・・驚いたな。まさか貴女のようなお嬢さんが、シリウス海賊団にいたとは・・・」
ヒロイン「リュウガ船長が貴方に剣を向けたのは私を守るためです。だから、捕まえるなら私を捕まえて下さい」
黒曜石のような瞳で真っ直ぐにレオナルドを見据える。その凜とした姿はさっきまでの少女と同一人物とは思えないほど、美しかった。
リュウガ「バカなこと言ってんじゃねぇ!」
リュウガの怒号が後ろから聞こえるが、レオナルドから目を離さなかった。
レオナルドは肩をすくめフッと笑った。
レオナルド「ミュミュちゃんが懐く人に悪人はいない。君にはミュミュちゃんを保護してもらった礼もあるし、それに私は今、休憩中だ。何も聞いていないし、誰にも会ってはいない」
「さぁ、ミュミュちゃん帰りますよ~」
そう言ってレオナルドは踵を返した。
ホッとして足から力が抜け倒れそうになるヒロインを、リュウガはしっかり抱きしめた。
リュウガ「お前は、なんてこと言いやがるんだ!」
その声音は怒りを含んでいる。
ヒロイン「私が勝手に船を降りちゃったから、海軍にバレてしまったので・・・船長たちに迷惑をかけたく無かったんです」
リュウガ「海軍の軍隊1つや2つ、大した問題じゃねぇんだよ。それよりも、お前を失う方がどれだけ辛いか・・・!!」
リュウガが強くヒロインを抱き締める。
リュウガと接している部分から、リュウガの気持ちが流れ込んでくるようで、ヒロインは涙を流した。
ヒロイン「・・・ごめんなさい」
リュウガはハッとして、ヒロインから身体を離した。
リュウガ「・・・分かればいいんだよ。さ、船へ戻るぞ」
ヒロインを片手で抱き上げると、船へ続くはしごを軽々と登った。
モルドーは海軍の本拠地であり、危険ではあるが、その分多くの情報を集めることができる。
海賊旗をたたみ、商船のフリをして港に入ると、目立たないようにそれぞれ情報集めに徹した。
ヒロインはもしもシリウス海賊団のメンバーと共にいるところを見つけられたら危険だということ、ヤマトの女ということで、船で留守番をすることになった。
ヒロイン「・・・船長たち無事に情報収集できてるかなぁ」
甲板の樽の上に座って、空を眺めながらそんなことを思っていると、どこからか動物の鳴き声が聞こえてきた。
「メェーン」
ヒロイン「?なんの声だろう?」
声のする方に行ってみると、小さな猫がいた。
ヒロイン「わぁ!猫!もしかして迷い込んじゃったのかなぁ?」
そう言って抱きかかえると、港から焦った声が聞こえてきた。
???「ミュミュちゃーん!?どこでメンかー?」
メガネをかけた軍人っぽい人が樽の中や、木箱の影を必死で探している。
ヒロイン「もしかして、お前の飼い主なの?」
猫に問うと、メェーンと鳴いた。
ヒロイン「うーん、どうしよう・・・。あの人海軍っぽいし・・・でも、猫ちゃん返してあげないとすごく心配してるし・・・」
猫を抱きながら考える。
あの人に見つからないように船を降りて、影から猫を返そう。
念のため、普通の女の子に見えるように、ヤマトで着ていたワンピースにして・・・
うん、と頷くとさっそくワンピースに着替えた。
ヒロイン「今、飼い主さんのところに連れて行ってあげるからね」
そう言って懐に猫を入れて、下船の為のはしごをゆっくり降りていた。
「メェーン!」
ヒロイン「しー!まだ鳴かないでっっ」
慌てて言ってみたものの、見事に鳴き声に反応した軍人は、こちらに走って来た。
「ミュミュちゃん!!?」
ヒロイン「きゃっ!!」
軍人の声に猫が懐から飛び出し、バランスを崩したヒロインははしごから落ちてしまった。
ヒロイン「・・・っ!!」
ギュッと身体を硬直させ衝撃に備えたが、思った痛みはやってこなかった。
「危ないところでしたね」
目を開けると、目の前に軍人と、その肩に猫がいた。
ヒロイン「あああ、ありがとうございます」
抱きかかえられているとわかると、慌てて降りる。
「こちらこそ、ミュミュちゃん・・・この猫を保護してくれてありがとう」
軍人は優しく微笑んだ。
レオナルド「私はレオナルドと言う。お嬢さんはこの船に乗っていたのかな?」
ヒロイン「あ、はい。間違ってミュミュちゃんが入ってきてしまったようなので、お返ししなきゃと思って・・・」
レオナルド「そうでしたか。それは面倒をかけたね。この仔は私の大切な仔。見つからなくて焦っていたので本当に助かった。ありがとう」
優しい笑顔に、ヒロインもホッと胸を撫で下ろした。
レオナルド「・・・それにしても、商船には見えない船だけど、どこの国の商船なのかな?いや、これでも私は海軍でね。ちょっと気になったものだから。」
レオナルドの言葉にぎくっとする。
だが、今ここで動揺が知られては、みんなに迷惑をかけてしまう。なんとしても誤魔化さなくては・・・
そう思いながら、笑顔を作ろうとしていたところに、強い力で肩を抱かれて後ろに引っ張られたと思ったら、目の前にサーベルの刃が光った。
リュウガ「貴様、この娘に何をしている?」
ヒロインですらざわつく程の殺気を放って、リュウガがレオナルドにサーベルを向ける。
レオナルド「おやおや、これは極悪非道の海賊王リュウガじゃないか。君こそそのお嬢さんをどうするつもりかな?」
先ほどまでとは打って変わり、冷たい笑みを浮かべるレオナルド。
一発即発の雰囲気の中、レオナルドの肩に乗っていた猫が、リュウガの足元へすり寄っていった。
リュウガ「・・・猫?」
レオナルド「ミュミュちゃん!!??何をしているんだ!はやくこちらへおいで!」
焦って猫を呼ぶレオナルドに、ヒロインは猫を抱き、手渡す。
ヒロイン「私はシリウス海賊団のヒロインと申します。先程は助けて頂いてありがとうございました」
海軍に対して自ら海賊と名乗るヒロインに、リュウガは慌て、レオナルドは目を見開いた。
レオナルド「・・・驚いたな。まさか貴女のようなお嬢さんが、シリウス海賊団にいたとは・・・」
ヒロイン「リュウガ船長が貴方に剣を向けたのは私を守るためです。だから、捕まえるなら私を捕まえて下さい」
黒曜石のような瞳で真っ直ぐにレオナルドを見据える。その凜とした姿はさっきまでの少女と同一人物とは思えないほど、美しかった。
リュウガ「バカなこと言ってんじゃねぇ!」
リュウガの怒号が後ろから聞こえるが、レオナルドから目を離さなかった。
レオナルドは肩をすくめフッと笑った。
レオナルド「ミュミュちゃんが懐く人に悪人はいない。君にはミュミュちゃんを保護してもらった礼もあるし、それに私は今、休憩中だ。何も聞いていないし、誰にも会ってはいない」
「さぁ、ミュミュちゃん帰りますよ~」
そう言ってレオナルドは踵を返した。
ホッとして足から力が抜け倒れそうになるヒロインを、リュウガはしっかり抱きしめた。
リュウガ「お前は、なんてこと言いやがるんだ!」
その声音は怒りを含んでいる。
ヒロイン「私が勝手に船を降りちゃったから、海軍にバレてしまったので・・・船長たちに迷惑をかけたく無かったんです」
リュウガ「海軍の軍隊1つや2つ、大した問題じゃねぇんだよ。それよりも、お前を失う方がどれだけ辛いか・・・!!」
リュウガが強くヒロインを抱き締める。
リュウガと接している部分から、リュウガの気持ちが流れ込んでくるようで、ヒロインは涙を流した。
ヒロイン「・・・ごめんなさい」
リュウガはハッとして、ヒロインから身体を離した。
リュウガ「・・・分かればいいんだよ。さ、船へ戻るぞ」
ヒロインを片手で抱き上げると、船へ続くはしごを軽々と登った。