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前編

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その夜、ネストルたちがシリウス号へとやって来た。

その後の街の様子や、海軍の動向などの連絡がてら、ヒロインを無事助け出せたことの祝いの宴に呼ばれていたからだ。

ナギが腕をふるった料理と、クロス島で一番美味いと言われる酒が並び、普段ロクな食事をしていなかったネストルの仲間達が感激の声を上げながら、食事を貪った。

リュウガ「本当にあんたには世話になった。ヒロインを無事に助け出せたのは、あんたのおかげだ」

ネストルに、上等な酒を注ぎながらリュウガは礼を言った。

ネストル「いや、シリウス海賊団の連携があったからこそ、救えたんだ。流石、海賊王の仲間だな」

リュウガの杯にも酒を注ぐ。

その時、ナギの料理を持ったヒロインがやって来た。

ヒロイン「あの、助けて頂いて本当にありがとうございました!」

リュウガの横に、ちょこんと正座をしてネストルに深く頭を下げた。

そんなヒロインにネストルは優しい笑みを返す。

ネストル「お前さんが無事で本当に良かった。」

長く剣を握って、苦難を乗り越えて来たゴツゴツの手で、ヒロインの頬をなぞる。

ネストル「それにしても、本当に良く似ているな・・・。他人の空似とも思えんが・・・」

その言葉に、ヒロインは首を傾げた。

ヒロイン「??どなたかヤマトの方をご存知なのですか?」

ネストル「ヤエ・・・。ヤエというヤマトの女を知っている」

「昔、兄が・・・前海賊王が唯一愛した女だ。」

その言葉に、リュウガは息を飲んだ。

リュウガ「前の海賊王に愛した女がいたのか!?しかもヤマトの女・・・」

それはリュウガにとっては驚愕の事実だった。

『海の王者の悲劇』

海賊たちの中で囁かれる言い伝えだ。

『女に惚れた賞金首は、いずれ身を滅ぼす』

たかが言い伝えではあるが、実際弟はこの言い伝え通りに死んでいる。
もしや、前海賊王も・・・

そんなことを考えていると、ヒロインが上ずった声をあげた。

ヒロイン「ヤエって・・・もしかして八重おばあちゃんのこと・・・?」

ネストルとリュウガは驚きながらヒロインの顔を見た。

ヒロイン「おばあちゃん、昔島の外に出た事があるって言ってたし・・・もしかしたら・・・」

口元に手を当て、独り言のように呟くヒロインの両肩に、ネストルは手を置いた。

ネストル「お前さんの言うヤエは、お前さんに似ているのか?」

ヒロイン「はい、母には自分より祖母に似ていると、幼い頃よく言われました。今も似ているかはわかりませんが・・・」

ネストル「・・・まさかこんな所でヤエのことを知れるとは・・・」

ネストルは深く息を吐き、頭を垂れた。胸から熱いものが込み上げる。

リュウガ「それで、お前の祖母はどうしているんだ?」

ヒロイン「母が幼い頃に亡くなったそうです。」

ネストルはガバッと顔を上げた。

ネストル「そうだったのか・・・」

悲しそうに拳を握りしめたネストルに、リュウガはランドルフと八重のことを尋ねると、ネストルは昔を懐かしむように、ゆっくりと話し始めた。

ネストル「ランドルフとヤエが出会ったのは本当に偶然だった・・・」
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