SIRIUS.BOEKI
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シンさんを叩いてしまった。
勢いとはいえ、
あんなことをされたからとはいえ、
あのシンさんを叩いてしまうなんて、
私はとんでもないことをしたのでは…
仕返しが怖…じゃなくて!
「●●先輩。今日は開発部に行かないんですか?さっきから溜息ばかりついてますけど」
総務のデスクで考え込んで机に突っ伏しているとトワ君が心配そうに覗き込む。
「うん。行かなきゃと思うんだけどどうしても気がのらなくて」
「まさかあの陰険そうなシンってヤツに苛められたのか?!」
ハヤテが意気込んで駆け寄ってきた。
「ハヤテ?どうしてここにいるの?」
「お、お前がぼけーっとしてんのが見えたから、からかってやりにきたんだよ。コキ使われてるんだろ?」
「ううん。コキつかわれるどころか相手にもされてないというか、私がいなくてもシンさんは別に困らないというか」
そう言いかけて、余計落ち込む。
私が行かなくてもシンさんは全然問題ない。それどころか邪魔なヤツがいなくて落ち着いて仕事ができると喜ばれているかもしれない。
シンさんにとって私はそれくらいでしかない気がする。
なのにどうして、あんなふうにキスをしたんですか…?
まだ感触を覚えている唇に手を触れる。
突然で驚いたけれど嫌だと感じなかった。
ただシンさんの反応があまりにそっけなくて特別なことのように思えなかったから、悔しくてつい引っぱたいてしまった。
「今日は行かねえって俺がアイツのところに言ってきてやろうか?」
ハヤテの言葉に私は意を決して答える。
「ううん。仕事だし…大丈夫。行ってくる!」
部下にして良かったと思ってもらえるように頑張るって、私は宣言したんだから…
開発部に着くとシンさんの個室は締め切られていて、他のメンバーが私を見つけて声をかけてくれる。
「シンさんなら朝から籠ってますよ。かなり機嫌が悪そうで誰も声かけられなくて」
「えっ!そんなに機嫌悪そうなんですか?」
「はい。時折ドアが開くたび皆にビリビリと緊張感が走ってます」
や、やっぱり機嫌悪いんだ…
「どうしますか?」
「い、行きます!」
私は戦地に向かう兵士のように敬礼をし、
おそるおそるドアの前に行き、ノックをする。
「あのっ、●●です!入って良いでしょうか?」
そう言うと、しばらくしてシンさんが無言でドアを開けた。
「遅れてすみません!」
じろりと見下ろされる。
頬は何ともないみたいだけれど、
かなり機嫌はよくなさそう…
黙ったまま部屋に通されて机の上の膨大な資料を指示された。
「そこのファイリングを」
「は、はいっ!」
そのままシンさんは一言も話さずにコンピューターに向かったままで、私も黙って仕事に集中した。
時間が来て開発部に誰も居なくなった頃。
シンさんが手を休めたのを見計らって、気まずい沈黙のなか私は勇気を振り絞って声をかけた。
「シンさん、ごめんなさい」
「何がだ?」
「叩いてしまったから…で、でもねっ、シンさんがあんなことするからですよ?そりゃあ私は部下ですけど、肉体的奉仕はしてな…」
ぷっ、とシンさんが吹き出した。
「バカか。肉体的奉仕って何だ」
「だ、だって。セクハラですよあれ!」
「へえ。セクハラだったのか」
意地悪そうにシンさんは唇の端をあげる。
「そ、そうですよ!無理にしたらセクハラなんだからっ」
「そうだな。嫌がってる相手にすればセクハラになる。で?お前は嫌だったか?」
「えっ?!」
「嫌だったのかと聞いてる。嫌だったのなら二度とお前には触れないし、お前の気が済む方法で詫びる。もちろん法的手段もとればいい」
……
思わず黙り込んでしまう。
二度と触れないと言われてしまうと何だか…
「ほ、ほら!シンさんモテるし、かといって色んな女の人にあんなことしてるんだったら嫌ですけど、で、でもっ!わざわざ私をからかわなくてもいいんじゃないかって思ったんです」
「質問の答えになってないな。俺がしたかったから、したんだ。お前が嫌で、文句があるなら聞くと言ってるだろう」
文句と言うか…聞きたいことは、沢山あるけれど。
ありすぎて何から言葉にしていいのかわからない。
シンさんは大きなため息をついてから私をじっと見つめた。
しばらく沈黙が流れて―
「おい」
「はい?」
「●●、お前、俺の女になれ」
「…………は?」
思いもよらない言葉に、つい間抜けな返事を返してしまった。
勢いとはいえ、
あんなことをされたからとはいえ、
あのシンさんを叩いてしまうなんて、
私はとんでもないことをしたのでは…
仕返しが怖…じゃなくて!
「●●先輩。今日は開発部に行かないんですか?さっきから溜息ばかりついてますけど」
総務のデスクで考え込んで机に突っ伏しているとトワ君が心配そうに覗き込む。
「うん。行かなきゃと思うんだけどどうしても気がのらなくて」
「まさかあの陰険そうなシンってヤツに苛められたのか?!」
ハヤテが意気込んで駆け寄ってきた。
「ハヤテ?どうしてここにいるの?」
「お、お前がぼけーっとしてんのが見えたから、からかってやりにきたんだよ。コキ使われてるんだろ?」
「ううん。コキつかわれるどころか相手にもされてないというか、私がいなくてもシンさんは別に困らないというか」
そう言いかけて、余計落ち込む。
私が行かなくてもシンさんは全然問題ない。それどころか邪魔なヤツがいなくて落ち着いて仕事ができると喜ばれているかもしれない。
シンさんにとって私はそれくらいでしかない気がする。
なのにどうして、あんなふうにキスをしたんですか…?
まだ感触を覚えている唇に手を触れる。
突然で驚いたけれど嫌だと感じなかった。
ただシンさんの反応があまりにそっけなくて特別なことのように思えなかったから、悔しくてつい引っぱたいてしまった。
「今日は行かねえって俺がアイツのところに言ってきてやろうか?」
ハヤテの言葉に私は意を決して答える。
「ううん。仕事だし…大丈夫。行ってくる!」
部下にして良かったと思ってもらえるように頑張るって、私は宣言したんだから…
開発部に着くとシンさんの個室は締め切られていて、他のメンバーが私を見つけて声をかけてくれる。
「シンさんなら朝から籠ってますよ。かなり機嫌が悪そうで誰も声かけられなくて」
「えっ!そんなに機嫌悪そうなんですか?」
「はい。時折ドアが開くたび皆にビリビリと緊張感が走ってます」
や、やっぱり機嫌悪いんだ…
「どうしますか?」
「い、行きます!」
私は戦地に向かう兵士のように敬礼をし、
おそるおそるドアの前に行き、ノックをする。
「あのっ、●●です!入って良いでしょうか?」
そう言うと、しばらくしてシンさんが無言でドアを開けた。
「遅れてすみません!」
じろりと見下ろされる。
頬は何ともないみたいだけれど、
かなり機嫌はよくなさそう…
黙ったまま部屋に通されて机の上の膨大な資料を指示された。
「そこのファイリングを」
「は、はいっ!」
そのままシンさんは一言も話さずにコンピューターに向かったままで、私も黙って仕事に集中した。
時間が来て開発部に誰も居なくなった頃。
シンさんが手を休めたのを見計らって、気まずい沈黙のなか私は勇気を振り絞って声をかけた。
「シンさん、ごめんなさい」
「何がだ?」
「叩いてしまったから…で、でもねっ、シンさんがあんなことするからですよ?そりゃあ私は部下ですけど、肉体的奉仕はしてな…」
ぷっ、とシンさんが吹き出した。
「バカか。肉体的奉仕って何だ」
「だ、だって。セクハラですよあれ!」
「へえ。セクハラだったのか」
意地悪そうにシンさんは唇の端をあげる。
「そ、そうですよ!無理にしたらセクハラなんだからっ」
「そうだな。嫌がってる相手にすればセクハラになる。で?お前は嫌だったか?」
「えっ?!」
「嫌だったのかと聞いてる。嫌だったのなら二度とお前には触れないし、お前の気が済む方法で詫びる。もちろん法的手段もとればいい」
……
思わず黙り込んでしまう。
二度と触れないと言われてしまうと何だか…
「ほ、ほら!シンさんモテるし、かといって色んな女の人にあんなことしてるんだったら嫌ですけど、で、でもっ!わざわざ私をからかわなくてもいいんじゃないかって思ったんです」
「質問の答えになってないな。俺がしたかったから、したんだ。お前が嫌で、文句があるなら聞くと言ってるだろう」
文句と言うか…聞きたいことは、沢山あるけれど。
ありすぎて何から言葉にしていいのかわからない。
シンさんは大きなため息をついてから私をじっと見つめた。
しばらく沈黙が流れて―
「おい」
「はい?」
「●●、お前、俺の女になれ」
「…………は?」
思いもよらない言葉に、つい間抜けな返事を返してしまった。