tukimi
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「ナギさん!」
「あ、ああ…」
ナギさん(見た目ソウシさん)は気まずそうに頷いた。
「じゃあ私の身体が●●ちゃんとキスすることになるのか」
ソウシさん(見た目シンさん)が不思議そうに言うと、
「身体はすぐに魂の存在を失い抜け殻になるので、温もりを感じるのは中身の魂ですよ」
師匠さんが説明をしてくれる。
じゃあキスするのはソウシさんの身体なのに、
キスの感触があるのはナギさん?
わからなくなってきた…!
「してみるのが一番でしょうね。アンジュには見えないように隠しておくから、楽しむといいわ」
リュナさんがほほ笑んだ。
た、楽しむって…
心臓がバクバクしすぎてどうしていいのか。
ナギさんをちらっと見るけれど、無表情だし…
皆見てるし…どうしたら!!
「こいつが固まって動けないみたいだから、全員向こうを向いていてくれ」
ナギさん(見た目ソウシさん)の声に、全員がしぶしぶ後ろを向いた。
至近距離にソウシさんの顔がある。
けれどそれは…
「これで出来るだろ」
ぶっきらぼうに優しく零れる言葉は、ナギさんを感じさせる。
「じゃあ…」
ちゅっ
と軽く唇が一瞬だけ触れる。
途端にソウシさんの身体に重みが加わって倒れてきた。
「わわっ!えっと…」
「意識を失っているから身体を横たえて休ませるといいでしょう。いずれ元の中身が戻ってきます」
師匠さんがソウシさんの身体を預かる。
「戻った」
ぼそっと声が聞こえ、見るとナギさんだけが立ったまま自分の手の平を見つめている。
「ナギさん!」
「他のヤツらは?」
見渡せば、意識を失ったシンさん、ハヤテさんの身体を船長やトワ君が横たえている。
「いつ戻るんだ?」
ナギさんが師匠さんに訊ねた。
「こればかりは何とも。半日もすれば戻るでしょうが」
「そうか…」
ナギさん、まだ戻ってない皆さんのことが心配なんだ。
「酒でものんで待つしかねーな!」
船長がぽんとナギさんの肩をたたく。
「ツマミ作ります」
「海賊王のコックは超一流って聞いたわ。楽しみね」
リュナさんが言うと、船長がその腰に手を廻す。
「ああ。料理が出来るまでゆっくり待とうじゃねえか」
「わたし、パンケーキ食べたい!あとオヤコドンってメニュー!」
アンジュちゃんが嬉しそうに大きな声をあげる。
「オヤコドン?さすがにそれは…」
師匠さんが苦笑いするけれど、
「あるよ」
ナギさんはいつもの口調で言った。
そのいつもの光景にたまらなく嬉しくなって、
私とトワ君は目を合わせて笑った。
皆が戻ったら宴だと言う船長の為にキッチンをお借りして私はナギさんを手伝っていた。
「チキンと卵があって良かったですね!」
「いくらと鮭もある。こっちも美味い」
本当は執事さんやトワ君も手伝ってくれるとのことだったんだけど、船長の二人きりにさせておけとの一言で、今はナギさんと私だけだった。
意識しちゃうな…
「おい」
「ふぁい!」
「ぷっ。ふぁいって何だよ」
「え?びっくりして」
ナギさんは笑顔になった後、真剣な顔になって。
「何で俺を選んだんだ?」
「それは…」
「ハヤテみたいに食い物の危機を感じてたからか?」
「違いますっ」
「…わかってるよ」
ナギさんが手元の包丁を置いた。
「自惚れていいんだよな?」
「へ?」
顔がぐっと近づく。
「そのっ…」
大きな手が伸びてきて、頬に触れた。
心臓の音が煩いくらいに早くなる。
「芋の皮ついてるぞ」
「イモ?!」
ナギさんが頬についていたと思われる薄い皮を取って目の前にベロンと見せてくれる。
恥ずかしい…一人ドキドキしちゃったし。
「上達したな」
薄く剥かれた皮をナギさんは嬉しそうに眺める。
「えへへ。ずっとナギさんのお手伝いをしてたか…」
ちゅっ
「…ら」
軽く触れ合った唇同士の隙間から、
間の抜けた声で私の言葉の続きが漏れた。
――次の瞬間、もっと深く唇が重なる。
「んっ…」
息が零れてキッチンに押し付けられる形でキスが激しさを増していく。
さっき初めてキスしたところなのに――こんなの…!
「ねえ。アンジュがパフェが食べたいって…あら」
リュナさんの声に、パッとナギさんが離れた。
「…お邪魔だったわね。ふふ」
「ぱ、パフェですね!すぐ持っていきます!ね?ナギさん!」
顔から火が出そうなほど真っ赤だって分かってるけど恥ずかしすぎて大きな声になる。
「ああ。もう少し待ってろ」
ナギさんも少し顔を赤めて包丁を握り直す。
「デザートは最後にってアンジュには言っておくから、ゆっくり楽しんで」
リュナさんは色っぽく投げキッスをして去って行った。
「なな何言ってるんでしょうね!ゆっくりってそんな…じじじゃあ次はフルーツ切りますね!」
「おう」
ナギさんがニカッと笑った。
その笑顔に胸がぎゅっと苦しくなる。
ソウシさんの身体で引きつった笑顔を見せていたナギさん。
いつものナギさんはクールで落ち着いていてニコニコするタイプじゃないけれど。
だからこそ時折見れる心からの笑顔は心を激しく揺さぶる。
恋なんてまだよくわからないけれど、
きっと今のこの胸のトキメキを大切に育てれば…
ナギさんの笑顔を独り占めできるのかな、なんて思いながら。
私はこれからもナギさんの隣でキッチンに立つ。
tukimi End
「あ、ああ…」
ナギさん(見た目ソウシさん)は気まずそうに頷いた。
「じゃあ私の身体が●●ちゃんとキスすることになるのか」
ソウシさん(見た目シンさん)が不思議そうに言うと、
「身体はすぐに魂の存在を失い抜け殻になるので、温もりを感じるのは中身の魂ですよ」
師匠さんが説明をしてくれる。
じゃあキスするのはソウシさんの身体なのに、
キスの感触があるのはナギさん?
わからなくなってきた…!
「してみるのが一番でしょうね。アンジュには見えないように隠しておくから、楽しむといいわ」
リュナさんがほほ笑んだ。
た、楽しむって…
心臓がバクバクしすぎてどうしていいのか。
ナギさんをちらっと見るけれど、無表情だし…
皆見てるし…どうしたら!!
「こいつが固まって動けないみたいだから、全員向こうを向いていてくれ」
ナギさん(見た目ソウシさん)の声に、全員がしぶしぶ後ろを向いた。
至近距離にソウシさんの顔がある。
けれどそれは…
「これで出来るだろ」
ぶっきらぼうに優しく零れる言葉は、ナギさんを感じさせる。
「じゃあ…」
ちゅっ
と軽く唇が一瞬だけ触れる。
途端にソウシさんの身体に重みが加わって倒れてきた。
「わわっ!えっと…」
「意識を失っているから身体を横たえて休ませるといいでしょう。いずれ元の中身が戻ってきます」
師匠さんがソウシさんの身体を預かる。
「戻った」
ぼそっと声が聞こえ、見るとナギさんだけが立ったまま自分の手の平を見つめている。
「ナギさん!」
「他のヤツらは?」
見渡せば、意識を失ったシンさん、ハヤテさんの身体を船長やトワ君が横たえている。
「いつ戻るんだ?」
ナギさんが師匠さんに訊ねた。
「こればかりは何とも。半日もすれば戻るでしょうが」
「そうか…」
ナギさん、まだ戻ってない皆さんのことが心配なんだ。
「酒でものんで待つしかねーな!」
船長がぽんとナギさんの肩をたたく。
「ツマミ作ります」
「海賊王のコックは超一流って聞いたわ。楽しみね」
リュナさんが言うと、船長がその腰に手を廻す。
「ああ。料理が出来るまでゆっくり待とうじゃねえか」
「わたし、パンケーキ食べたい!あとオヤコドンってメニュー!」
アンジュちゃんが嬉しそうに大きな声をあげる。
「オヤコドン?さすがにそれは…」
師匠さんが苦笑いするけれど、
「あるよ」
ナギさんはいつもの口調で言った。
そのいつもの光景にたまらなく嬉しくなって、
私とトワ君は目を合わせて笑った。
皆が戻ったら宴だと言う船長の為にキッチンをお借りして私はナギさんを手伝っていた。
「チキンと卵があって良かったですね!」
「いくらと鮭もある。こっちも美味い」
本当は執事さんやトワ君も手伝ってくれるとのことだったんだけど、船長の二人きりにさせておけとの一言で、今はナギさんと私だけだった。
意識しちゃうな…
「おい」
「ふぁい!」
「ぷっ。ふぁいって何だよ」
「え?びっくりして」
ナギさんは笑顔になった後、真剣な顔になって。
「何で俺を選んだんだ?」
「それは…」
「ハヤテみたいに食い物の危機を感じてたからか?」
「違いますっ」
「…わかってるよ」
ナギさんが手元の包丁を置いた。
「自惚れていいんだよな?」
「へ?」
顔がぐっと近づく。
「そのっ…」
大きな手が伸びてきて、頬に触れた。
心臓の音が煩いくらいに早くなる。
「芋の皮ついてるぞ」
「イモ?!」
ナギさんが頬についていたと思われる薄い皮を取って目の前にベロンと見せてくれる。
恥ずかしい…一人ドキドキしちゃったし。
「上達したな」
薄く剥かれた皮をナギさんは嬉しそうに眺める。
「えへへ。ずっとナギさんのお手伝いをしてたか…」
ちゅっ
「…ら」
軽く触れ合った唇同士の隙間から、
間の抜けた声で私の言葉の続きが漏れた。
――次の瞬間、もっと深く唇が重なる。
「んっ…」
息が零れてキッチンに押し付けられる形でキスが激しさを増していく。
さっき初めてキスしたところなのに――こんなの…!
「ねえ。アンジュがパフェが食べたいって…あら」
リュナさんの声に、パッとナギさんが離れた。
「…お邪魔だったわね。ふふ」
「ぱ、パフェですね!すぐ持っていきます!ね?ナギさん!」
顔から火が出そうなほど真っ赤だって分かってるけど恥ずかしすぎて大きな声になる。
「ああ。もう少し待ってろ」
ナギさんも少し顔を赤めて包丁を握り直す。
「デザートは最後にってアンジュには言っておくから、ゆっくり楽しんで」
リュナさんは色っぽく投げキッスをして去って行った。
「なな何言ってるんでしょうね!ゆっくりってそんな…じじじゃあ次はフルーツ切りますね!」
「おう」
ナギさんがニカッと笑った。
その笑顔に胸がぎゅっと苦しくなる。
ソウシさんの身体で引きつった笑顔を見せていたナギさん。
いつものナギさんはクールで落ち着いていてニコニコするタイプじゃないけれど。
だからこそ時折見れる心からの笑顔は心を激しく揺さぶる。
恋なんてまだよくわからないけれど、
きっと今のこの胸のトキメキを大切に育てれば…
ナギさんの笑顔を独り占めできるのかな、なんて思いながら。
私はこれからもナギさんの隣でキッチンに立つ。
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