tukimi
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「中身はハヤテさん…で」
そう言いながら、見た目はナギさんの前に立つ。
「ええと…ホントにするんですか?」
チラッと師匠さんの方を見ると、コクッと頷かれる。
「仕方ねえ!やっちまえ~」
船長の茶化す声が聞こえるけれど…
こんな大勢いる前で出来るはずがないよ。
元に戻る為とは言っても…どうしたら!
「よし!丸薬を飲むぜ」
ハヤテさん(見た目ナギさん)が丸薬を呑み込んだ。
「チッ。まさかハヤテを選ぶとはな」
シンさん(見た目ハヤテさん)が舌打ちをした。
「でも実際はナギの体とキスするんだから、どうなのかな」
ソウシさん(見た目シンさん)が首をかしげる。
「俺とか…」
ナギさんがゴクリと唾を呑み込んだ、ような気がした。
「おい。モタモタしてんなよ。薬切れて戻れなくなったらどーすんだよ」
ハヤテさん(見た目ナギさん)が睨んでくる。
うえーん。全然今からキスするような雰囲気じゃないんだけど!!
「だってこんな見られてたらっ。そ、そんなこと言うんだったら、は、ハヤテさんからした方が…」
「はぁ?お前からするってなってんだろ?!じゃないと戻れねーんじゃねえの?」
師匠さんはウンウンと頷いている。
「わ、わかってるよ!するから。するんだけどっ…」
「は、早くしろっての。先に言っとくがオレは別に何とも思ってねーからな!戻りたいしお前が選ぶし仕方なくっつーか」
「ふふ。顔赤くしといてよく言うね」
ソウシさん(見た目シンさん)がツッコむ。
「ちちがう!丸薬飲んだからホラ。かーっと身体があついっつーか。そんだけだって。だからお前も犬に噛まれると思ってサクッとやっちまえ」
「う、うん」
「…俺の体は犬か」
ナギさん(見た目ソウシさん)が呟いた。
「キスくらいでウブね。見てるこっちが照れるわ。アンジュの目を塞いでるのも疲れるからさっさとやっちゃってよ」
「リュナちゃん何も見えないよー」
オクテ
「がっはっは!こいつらオクテ同士だから全く進む気がしねーな」
船長が笑う。
「●●さん!ファイトです!」
トワ君の声援が聞こえるけれど、恥ずかしくて皆の方は見れない。
「よし!●●いきます!!」
ぐいっとナギさんの身体に近づき、目を閉じて唇を近づける。
ガチンッ
「いてっ!」
「いたっ!」
同時に声が響き――
ぼうっとナギさんの身体が光るとバタンとその場に倒れ込む。
「だ、大丈夫ですか?!」
慌てて身体を支えるけれど、ナギさんの身体が大きすぎて支えきれない。
「戻ってるぞーっ!」
背後で声が聞こえて、振り返ると身体を確かめるように腕を廻すハヤテさんが立っていた。
「ナギさんの身体は?」
師匠さんにたずねると、
「問題ないよ。最初に戻った彼以外の身体は寝ているだろう?今はまだ中身が戻ってない状態だが数時間、半日もすれば元の場所へ魂が戻ってくる。それまでここで身体を休ませておけばいい」
シンさん、ソウシさん、ナギさんの身体は横たわったままピクリとも動かなかった。
「さぁ、皆が目覚めるまでこの国の恩人達をもてなそうか。たいしたもてなしは出来ないが」
師匠さんが執事さんに声をかける。
「酒と美女がいれば問題ねーな!」
船長がリュナさんの肩を抱いた。
「私ももてなす~!おじさん面白そうだもん」
「おいおい。おにーさんだろ」
アンジュちゃんは船長の腕にぶら下がった。
「わー!すごい筋肉!小胞体から放出されるカルシウムイオンによるアクチンフィラメントがミオシンフィラメントの間に滑り込んだ収縮が最高だね」
「なんだそれ」
「アンジュの褒め言葉よ」
「船長、特に小さい子にモテるんですよね!」
「…ちょっといいか?」
ハヤテさんにぐいっと手首を掴まれて、家の外へと連れて行かれる。
「な、何でしょう?ちゃんと、き、キスしましたよ」
「ちゃんとっつーか、痛かった記憶しかねーけど」
「だってあんなに見られてて焦りますよ」
「そーなんだけどよ」
ハヤテさんの真剣な顔に、少しためらいを覚えて後ずさると、ドンッと庭の木に詰め寄られて逃げ場をなくしてしまう。
「お前、何で俺を選んだんだよ?」
「何でって…えと…な、何となく?」
「何となく?!」
「えっ!だってそのほら、ええと…」
「まーいーや」
「え?」
「ったく、さっき歯があたっただろ」
次の瞬間、ハヤテさんの唇が重なった。
「っ!」
息継ぎをする間もなく深く重ねられる激しいキスは、僅かな怒り一緒に何かを伝えようと必死にも思えた。
本当はそんなに時間が経ってないはずなのに、すごく長く感じるキスの後、ようやく唇が離れて。
「お前さ、もう他の奴とすんじゃねーぞ」
それだけ言って、ぷいっとそっぽを向いて、ハヤテさんが行ってしまう。
な、何だったんだろう…
「ええと、あれはその…まさかヤキモチとか?」
丸薬のせいなのか、耳まで赤くなっているハヤテさんの表情が脳裏に焼き付いてしまって胸がドキドキと波打つ。
さっきの瞬間を、私はずっと忘れられそうにない――
この動悸と感情の名前を私が知るのは、もうすこし先のお話。
tukimi End
そう言いながら、見た目はナギさんの前に立つ。
「ええと…ホントにするんですか?」
チラッと師匠さんの方を見ると、コクッと頷かれる。
「仕方ねえ!やっちまえ~」
船長の茶化す声が聞こえるけれど…
こんな大勢いる前で出来るはずがないよ。
元に戻る為とは言っても…どうしたら!
「よし!丸薬を飲むぜ」
ハヤテさん(見た目ナギさん)が丸薬を呑み込んだ。
「チッ。まさかハヤテを選ぶとはな」
シンさん(見た目ハヤテさん)が舌打ちをした。
「でも実際はナギの体とキスするんだから、どうなのかな」
ソウシさん(見た目シンさん)が首をかしげる。
「俺とか…」
ナギさんがゴクリと唾を呑み込んだ、ような気がした。
「おい。モタモタしてんなよ。薬切れて戻れなくなったらどーすんだよ」
ハヤテさん(見た目ナギさん)が睨んでくる。
うえーん。全然今からキスするような雰囲気じゃないんだけど!!
「だってこんな見られてたらっ。そ、そんなこと言うんだったら、は、ハヤテさんからした方が…」
「はぁ?お前からするってなってんだろ?!じゃないと戻れねーんじゃねえの?」
師匠さんはウンウンと頷いている。
「わ、わかってるよ!するから。するんだけどっ…」
「は、早くしろっての。先に言っとくがオレは別に何とも思ってねーからな!戻りたいしお前が選ぶし仕方なくっつーか」
「ふふ。顔赤くしといてよく言うね」
ソウシさん(見た目シンさん)がツッコむ。
「ちちがう!丸薬飲んだからホラ。かーっと身体があついっつーか。そんだけだって。だからお前も犬に噛まれると思ってサクッとやっちまえ」
「う、うん」
「…俺の体は犬か」
ナギさん(見た目ソウシさん)が呟いた。
「キスくらいでウブね。見てるこっちが照れるわ。アンジュの目を塞いでるのも疲れるからさっさとやっちゃってよ」
「リュナちゃん何も見えないよー」
オクテ
「がっはっは!こいつらオクテ同士だから全く進む気がしねーな」
船長が笑う。
「●●さん!ファイトです!」
トワ君の声援が聞こえるけれど、恥ずかしくて皆の方は見れない。
「よし!●●いきます!!」
ぐいっとナギさんの身体に近づき、目を閉じて唇を近づける。
ガチンッ
「いてっ!」
「いたっ!」
同時に声が響き――
ぼうっとナギさんの身体が光るとバタンとその場に倒れ込む。
「だ、大丈夫ですか?!」
慌てて身体を支えるけれど、ナギさんの身体が大きすぎて支えきれない。
「戻ってるぞーっ!」
背後で声が聞こえて、振り返ると身体を確かめるように腕を廻すハヤテさんが立っていた。
「ナギさんの身体は?」
師匠さんにたずねると、
「問題ないよ。最初に戻った彼以外の身体は寝ているだろう?今はまだ中身が戻ってない状態だが数時間、半日もすれば元の場所へ魂が戻ってくる。それまでここで身体を休ませておけばいい」
シンさん、ソウシさん、ナギさんの身体は横たわったままピクリとも動かなかった。
「さぁ、皆が目覚めるまでこの国の恩人達をもてなそうか。たいしたもてなしは出来ないが」
師匠さんが執事さんに声をかける。
「酒と美女がいれば問題ねーな!」
船長がリュナさんの肩を抱いた。
「私ももてなす~!おじさん面白そうだもん」
「おいおい。おにーさんだろ」
アンジュちゃんは船長の腕にぶら下がった。
「わー!すごい筋肉!小胞体から放出されるカルシウムイオンによるアクチンフィラメントがミオシンフィラメントの間に滑り込んだ収縮が最高だね」
「なんだそれ」
「アンジュの褒め言葉よ」
「船長、特に小さい子にモテるんですよね!」
「…ちょっといいか?」
ハヤテさんにぐいっと手首を掴まれて、家の外へと連れて行かれる。
「な、何でしょう?ちゃんと、き、キスしましたよ」
「ちゃんとっつーか、痛かった記憶しかねーけど」
「だってあんなに見られてて焦りますよ」
「そーなんだけどよ」
ハヤテさんの真剣な顔に、少しためらいを覚えて後ずさると、ドンッと庭の木に詰め寄られて逃げ場をなくしてしまう。
「お前、何で俺を選んだんだよ?」
「何でって…えと…な、何となく?」
「何となく?!」
「えっ!だってそのほら、ええと…」
「まーいーや」
「え?」
「ったく、さっき歯があたっただろ」
次の瞬間、ハヤテさんの唇が重なった。
「っ!」
息継ぎをする間もなく深く重ねられる激しいキスは、僅かな怒り一緒に何かを伝えようと必死にも思えた。
本当はそんなに時間が経ってないはずなのに、すごく長く感じるキスの後、ようやく唇が離れて。
「お前さ、もう他の奴とすんじゃねーぞ」
それだけ言って、ぷいっとそっぽを向いて、ハヤテさんが行ってしまう。
な、何だったんだろう…
「ええと、あれはその…まさかヤキモチとか?」
丸薬のせいなのか、耳まで赤くなっているハヤテさんの表情が脳裏に焼き付いてしまって胸がドキドキと波打つ。
さっきの瞬間を、私はずっと忘れられそうにない――
この動悸と感情の名前を私が知るのは、もうすこし先のお話。
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