marriage~シンさんの理想の奥さんになるために~
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思ったよりも道が険しい―
大きくないと思っていた山は鬱蒼と木が生い茂っていて、
人気もなくて足場も悪く、道も狭い。
さっきから進んでいるのか迷っているのかわからなくなってくる。
だんだんと陽が暮れてきたのか、
地上に差し込む光も僅かになってきた。
どのくらい進んだんだろう?
頂上に無事辿りつけるのかな…
引き返したほうがいいのかもしれない…
弱気になる気持ちを何度も奮い立たせる。
ううん。
シンさんにふさわしい奥さんになるために、頑張らなきゃ!
どれくらい歩いたかわからない。
やっと頂上らしきところまでたどり着くと、視界の端に、
白いハート型の草がひとつ生えているのが目に留まった。
「あった…!きっとこれだよね」
駆け寄ってよろず草を手にすると、
ウゥゥゥ~…
背後から獣の声が聞こえる。
え…?
振り返ると、大きなクマが唸り声をあげながらこちらに近づいてくる。
うそっ…どうしようっ!
「ごめんなさいっ。この草を取ったらすぐ出て行くからっ…」
必死に話しかけてみるけれど、一向に通じる気配はなくて、
今にも襲いかかってきそうな様子だ。
ガァァッ!
クマが立ち上がって鋭い爪を振り下ろした瞬間、
ズキューンッ
銃声が響く。
突然の轟音にクマはひるんだ。
「大丈夫か?」
目の前にはシンさんが立っていた。
「シンさんっ!」
ホッとしたのもつかの間、
「バカかお前は!どうして勝手に一人でこんなところに来たんだ!」
すごい勢いで怒鳴られる。
シンさんが声を荒げて怒るのは珍しいことだった。
本当に怒っているのがわかる…
「ご、ごめんなさいっ」
「チッ…説教は後だな」
シンさんの緊迫した声に視線を追うと、銃声にひるんだはずのクマはまだこっちを見て威嚇している。
「私たちを食べようとしてるんでしょうか?」
言う声が震えてしまう。
「さぁな。だが銃声で脅しても逃げないとなると、俺たちに固執する何かがあるようだ」
もしかして…
「もしかして、この子もよろず草を…?」
歩を進めるクマに、思わず後ずさりしながらそう言いかけた途端、
「きゃっ…!」
ズルリと足が滑って険しい崖に身体が投げ出される。
草が鬱蒼としていたためにこちら側に崖があるなんて全くわからなかった。
下に落ちていないのは、シンさんがかろうじて腕を掴んでくれたからだった。
「シンさん。クマがまだ後ろにっ…手を離してください。私を掴んだままじゃシンさんが襲われちゃいます」
「離すわけねーだろ。ちょっと黙ってろ」
「でもこのままじゃっ…」
そう言いかけた瞬間、シンさんの背中にクマの鋭い爪が振り下ろされて、私とシンさんは崖の底へと落ちて行った。
大きくないと思っていた山は鬱蒼と木が生い茂っていて、
人気もなくて足場も悪く、道も狭い。
さっきから進んでいるのか迷っているのかわからなくなってくる。
だんだんと陽が暮れてきたのか、
地上に差し込む光も僅かになってきた。
どのくらい進んだんだろう?
頂上に無事辿りつけるのかな…
引き返したほうがいいのかもしれない…
弱気になる気持ちを何度も奮い立たせる。
ううん。
シンさんにふさわしい奥さんになるために、頑張らなきゃ!
どれくらい歩いたかわからない。
やっと頂上らしきところまでたどり着くと、視界の端に、
白いハート型の草がひとつ生えているのが目に留まった。
「あった…!きっとこれだよね」
駆け寄ってよろず草を手にすると、
ウゥゥゥ~…
背後から獣の声が聞こえる。
え…?
振り返ると、大きなクマが唸り声をあげながらこちらに近づいてくる。
うそっ…どうしようっ!
「ごめんなさいっ。この草を取ったらすぐ出て行くからっ…」
必死に話しかけてみるけれど、一向に通じる気配はなくて、
今にも襲いかかってきそうな様子だ。
ガァァッ!
クマが立ち上がって鋭い爪を振り下ろした瞬間、
ズキューンッ
銃声が響く。
突然の轟音にクマはひるんだ。
「大丈夫か?」
目の前にはシンさんが立っていた。
「シンさんっ!」
ホッとしたのもつかの間、
「バカかお前は!どうして勝手に一人でこんなところに来たんだ!」
すごい勢いで怒鳴られる。
シンさんが声を荒げて怒るのは珍しいことだった。
本当に怒っているのがわかる…
「ご、ごめんなさいっ」
「チッ…説教は後だな」
シンさんの緊迫した声に視線を追うと、銃声にひるんだはずのクマはまだこっちを見て威嚇している。
「私たちを食べようとしてるんでしょうか?」
言う声が震えてしまう。
「さぁな。だが銃声で脅しても逃げないとなると、俺たちに固執する何かがあるようだ」
もしかして…
「もしかして、この子もよろず草を…?」
歩を進めるクマに、思わず後ずさりしながらそう言いかけた途端、
「きゃっ…!」
ズルリと足が滑って険しい崖に身体が投げ出される。
草が鬱蒼としていたためにこちら側に崖があるなんて全くわからなかった。
下に落ちていないのは、シンさんがかろうじて腕を掴んでくれたからだった。
「シンさん。クマがまだ後ろにっ…手を離してください。私を掴んだままじゃシンさんが襲われちゃいます」
「離すわけねーだろ。ちょっと黙ってろ」
「でもこのままじゃっ…」
そう言いかけた瞬間、シンさんの背中にクマの鋭い爪が振り下ろされて、私とシンさんは崖の底へと落ちて行った。