シンさんの弱点
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●●「やっぱり無理なのかも…シンさんの弱点を見つけるなんて、トワ君が言った通り砂漠でお宝を探すより難しいような気がしてきた…」
ハヤテ「あきらめんなよ!俺達がついてるだろ!」
●●「ハヤテさん…!」
ハヤテ「俺に新しい案があるからまあ聞けって!この前モルドーでソウシさんが大量に本を買い込んでたけど、その中に怖い絵とか沢山載った本があるらしいぞ」
トワ「あ、知ってます。今モルドーでヤマトで発行された挿絵つきの『怪談話』って本が流行ってるとか」
ハヤテ「シンってよく本を読んでるだろ?だから怖いのをその中に紛れさせてつい読んじまったら…ぜってー夜に一人でトイレだって行けねえぜ!次はコレに決まりっ」
トワ「そんなのシンさんに通用するかなぁ」
●●「と、とりあえず、思いつくことは試してみます!」
ハヤテ「その意気だ。シンをギャフンと言わせてやろうぜ!」
ソウシ「いくつか本がなくなってると思ったらハヤテ達だったんだね」
船長室から戻ってきていたソウシさんは呆れた顔で溜息をついた。
ハヤテ「あの自信満々な態度を崩してギャフンと言わせてやりたいんっすよ」
ソウシ「●●ちゃんが首謀者らしいね」
●●「し、しゅぼうしゃっ?!」
ソウシ「でもハヤテの話を聞いてると、弱点探しというか、子供のいたずらみたいだね」
ソウシさんが苦笑する。
トワ「シンさんって女の人にモテますし、几帳面で料理洗濯もできるし、エリートの学校出てるらしいですし、もちろん強いですし、ダーツだって乗馬だって上手ですし…本当に弱点なんてあるのかなって思いますね」
ソウシ「そうだね。でも弱点のない人間なんていないと私は思うよ」
ハヤテ「じゃあソウシさんはシンの弱点を知ってるんすか?」
ソウシさんはその質問にすぐに答えずにニコニコと微笑んだ。
ソウシ「うん。でも誰かの弱点を探すより、良いところを探したほうが楽しいんじゃないかな」
ハヤテ「ソウシさんは優しすぎるんっすよ!」
うーん。
私がシンさんの弱点を探しているのは、いけないことなのかなぁ。
部屋に戻って考え直そう。
●●「ハヤテさん、トワ君、色々ありがとう。部屋に戻ってもう一度考え直してみるよ」
トワ「●●さん…」
部屋に戻るとシンさんが机に座って本を読んでいた。
●●「あれ?出て行ったはずじゃ…」
シン「うるさいヤツらがいなくなったようだからな」
●●「…お騒がせしてすみませんでした」
私はもぞもぞとベッドに入った。
シン「具合が悪いのか?」
●●「いいえ。ちょっと(果てしない自己嫌悪感で)疲れちゃって…」
シン「……」
そのまま少しウトウトと微睡んでいると、
背中からふわりと温かい感触が身体を包む。
シンさんの腕が私を抱きしめていた。
●●「ど、どうしたんですか?」
シン「今読んでいた本の内容が…な」
もしかして、ハヤテさんが紛れ込ませた怖い絵のついている本のことかな…?
シン「しばらく…いいや、今夜はずっと…こうしていてもいいか?」
やっぱり、シンさんにも怖いものがあったんだっ…!
微笑ましくって、嬉しくなって、身体に廻されたシンさんの腕にそっと手を置いた。
私がシンさんの弱点を探していたのは、驚かせてみたいって気持ちもあるけど、 本当はもっともっとシンさんのことが知りたいって思ったから。
シンさんに近づきたいって思ったから…
●●「大丈夫ですよ!私がついてますから!」
そのまま勢いよく振り返ると、シンさんが肩を震わせて俯いていた。
●●「そ、そんなに怖かったんですか…?」
シン「ああ。こんなふうにな」
目の前に、バーンッと本の挿絵が拡げられる。
髪の長い女の人の血だらけで目を見開いた絵だった。
●●「し、シンさん…」
シン「ククッ…ったくお前のその顔、マヌケ面もいいところだな」
肩を震わせて俯いていたのは…笑ってたの?!
シン「ドクターのところからせっかく持ってきてくれたようだからな、お前にこれを読んでやる。『私は背後に何か冷たい気配を感じた。この部屋には誰もいないはずだ。それなのに誰かが私をじっと見ている…』」
●●「ひやあああ!もういいです!!もう結構ですーーっ!」
シン「遠慮するな。俺が読んでやるんだ。有り難く聞いておけ。『ひたひたと足音が近付いてくる。冷たいものがヒヤリと背中を這ったように思えた。振り向くが誰もいない。なのに背中だけがべっとりと濡れている。濡れた背中を触った手を見て私は驚愕した。それはドロリと赤黒くぬめる血液だった。すすりなく女の声が聞こえた。意を決して振り向くとそこには…』」
●●「いやあああああ!だ、ダメぇっ!!」
ぎゅっと力いっぱいシンさんに抱きつく。
さっき見せられた女の人の顔がくっきりと頭に浮かんできた。
ううっ…これじゃあ私が夜眠れないよ…
シンさんがポンポンと背中を叩いた。
シン「これに懲りたら、俺の弱点を探し回るような無駄なことはやめるんだな」
●●「し、知ってたんですか?!」
シン「お前の行動や考えなんて手に取るようにわかる」
●●「…っでもっ」
シン「でも、じゃない。言うことがきけないなら一緒に寝てやらないぞ。背後に何かがいてお前を襲おうとしてても、助けてもやらないしな」
●●「えええっ!!そ、それは困りますっ」
あんな話のあとじゃ、背中が気になって眠れないよ…暗闇でふっと思い出しちゃいそう…。
シンさんは、本当にユーレイとか怖くないのかな…。
あっ!!!
そういえば前にユウレイ船に乗り込んだ時も、ユウレイ達を手玉に取っていたような…
というかあの時、ユウレイをおびき出す餌にされたんだよね、私。
それに結局、シンさんはユウレイにまでも恐れられてたよね…
私はとんでもない人の弱点を探そうとしていたのかも
………
考えれば考えるほど、シンさんの弱点がわからなくなってきた。
やっぱり弱点なんてないのかなぁ…
ハヤテ「あきらめんなよ!俺達がついてるだろ!」
●●「ハヤテさん…!」
ハヤテ「俺に新しい案があるからまあ聞けって!この前モルドーでソウシさんが大量に本を買い込んでたけど、その中に怖い絵とか沢山載った本があるらしいぞ」
トワ「あ、知ってます。今モルドーでヤマトで発行された挿絵つきの『怪談話』って本が流行ってるとか」
ハヤテ「シンってよく本を読んでるだろ?だから怖いのをその中に紛れさせてつい読んじまったら…ぜってー夜に一人でトイレだって行けねえぜ!次はコレに決まりっ」
トワ「そんなのシンさんに通用するかなぁ」
●●「と、とりあえず、思いつくことは試してみます!」
ハヤテ「その意気だ。シンをギャフンと言わせてやろうぜ!」
ソウシ「いくつか本がなくなってると思ったらハヤテ達だったんだね」
船長室から戻ってきていたソウシさんは呆れた顔で溜息をついた。
ハヤテ「あの自信満々な態度を崩してギャフンと言わせてやりたいんっすよ」
ソウシ「●●ちゃんが首謀者らしいね」
●●「し、しゅぼうしゃっ?!」
ソウシ「でもハヤテの話を聞いてると、弱点探しというか、子供のいたずらみたいだね」
ソウシさんが苦笑する。
トワ「シンさんって女の人にモテますし、几帳面で料理洗濯もできるし、エリートの学校出てるらしいですし、もちろん強いですし、ダーツだって乗馬だって上手ですし…本当に弱点なんてあるのかなって思いますね」
ソウシ「そうだね。でも弱点のない人間なんていないと私は思うよ」
ハヤテ「じゃあソウシさんはシンの弱点を知ってるんすか?」
ソウシさんはその質問にすぐに答えずにニコニコと微笑んだ。
ソウシ「うん。でも誰かの弱点を探すより、良いところを探したほうが楽しいんじゃないかな」
ハヤテ「ソウシさんは優しすぎるんっすよ!」
うーん。
私がシンさんの弱点を探しているのは、いけないことなのかなぁ。
部屋に戻って考え直そう。
●●「ハヤテさん、トワ君、色々ありがとう。部屋に戻ってもう一度考え直してみるよ」
トワ「●●さん…」
部屋に戻るとシンさんが机に座って本を読んでいた。
●●「あれ?出て行ったはずじゃ…」
シン「うるさいヤツらがいなくなったようだからな」
●●「…お騒がせしてすみませんでした」
私はもぞもぞとベッドに入った。
シン「具合が悪いのか?」
●●「いいえ。ちょっと(果てしない自己嫌悪感で)疲れちゃって…」
シン「……」
そのまま少しウトウトと微睡んでいると、
背中からふわりと温かい感触が身体を包む。
シンさんの腕が私を抱きしめていた。
●●「ど、どうしたんですか?」
シン「今読んでいた本の内容が…な」
もしかして、ハヤテさんが紛れ込ませた怖い絵のついている本のことかな…?
シン「しばらく…いいや、今夜はずっと…こうしていてもいいか?」
やっぱり、シンさんにも怖いものがあったんだっ…!
微笑ましくって、嬉しくなって、身体に廻されたシンさんの腕にそっと手を置いた。
私がシンさんの弱点を探していたのは、驚かせてみたいって気持ちもあるけど、 本当はもっともっとシンさんのことが知りたいって思ったから。
シンさんに近づきたいって思ったから…
●●「大丈夫ですよ!私がついてますから!」
そのまま勢いよく振り返ると、シンさんが肩を震わせて俯いていた。
●●「そ、そんなに怖かったんですか…?」
シン「ああ。こんなふうにな」
目の前に、バーンッと本の挿絵が拡げられる。
髪の長い女の人の血だらけで目を見開いた絵だった。
●●「し、シンさん…」
シン「ククッ…ったくお前のその顔、マヌケ面もいいところだな」
肩を震わせて俯いていたのは…笑ってたの?!
シン「ドクターのところからせっかく持ってきてくれたようだからな、お前にこれを読んでやる。『私は背後に何か冷たい気配を感じた。この部屋には誰もいないはずだ。それなのに誰かが私をじっと見ている…』」
●●「ひやあああ!もういいです!!もう結構ですーーっ!」
シン「遠慮するな。俺が読んでやるんだ。有り難く聞いておけ。『ひたひたと足音が近付いてくる。冷たいものがヒヤリと背中を這ったように思えた。振り向くが誰もいない。なのに背中だけがべっとりと濡れている。濡れた背中を触った手を見て私は驚愕した。それはドロリと赤黒くぬめる血液だった。すすりなく女の声が聞こえた。意を決して振り向くとそこには…』」
●●「いやあああああ!だ、ダメぇっ!!」
ぎゅっと力いっぱいシンさんに抱きつく。
さっき見せられた女の人の顔がくっきりと頭に浮かんできた。
ううっ…これじゃあ私が夜眠れないよ…
シンさんがポンポンと背中を叩いた。
シン「これに懲りたら、俺の弱点を探し回るような無駄なことはやめるんだな」
●●「し、知ってたんですか?!」
シン「お前の行動や考えなんて手に取るようにわかる」
●●「…っでもっ」
シン「でも、じゃない。言うことがきけないなら一緒に寝てやらないぞ。背後に何かがいてお前を襲おうとしてても、助けてもやらないしな」
●●「えええっ!!そ、それは困りますっ」
あんな話のあとじゃ、背中が気になって眠れないよ…暗闇でふっと思い出しちゃいそう…。
シンさんは、本当にユーレイとか怖くないのかな…。
あっ!!!
そういえば前にユウレイ船に乗り込んだ時も、ユウレイ達を手玉に取っていたような…
というかあの時、ユウレイをおびき出す餌にされたんだよね、私。
それに結局、シンさんはユウレイにまでも恐れられてたよね…
私はとんでもない人の弱点を探そうとしていたのかも
………
考えれば考えるほど、シンさんの弱点がわからなくなってきた。
やっぱり弱点なんてないのかなぁ…