curse ~呪いの街~
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「カルロ・ジェズアルドは妻の浮気に狂い愛人と妻を残虐な行為で葬った。いや…自らは手を下さず貴族の立場を利用して部下にやらせた。公に裁かれてもいない。貴族は妻の浮気を裁く権利を与えられているからな。」
俺が喋ると、その姿を見て船長が驚いた声をあげた。
「もしかしてシンか?!ずいぶん可愛い姿になっちまってるじゃねえか。で?そのカルロってのは何なんだ?」
「今流れているこの曲を作った音楽家です。船長、コイツの女にでも手を出したんじゃないですか?」
「何だと?!うーん…覚えがあるような無いような。何せ俺を愛する女は世界中の港にゴマンといるからな」
「貴様のような男にマリアを奪われたと思うと虫唾が走る」
男は醜く顔を歪めた。
やはり女絡みか。
「せ、船長!やっぱり恨まれるようなことしてるじゃないっスか!?」
「マリア…マリア、マリア…うーん…あっ、随分昔にこの近くの港町で出会った色っぽいネエチャンか!」
「下賤な言い方をするな。穢れた海賊め」
男は吐き捨てるように言った。
「ならお前こそ下賤な勘繰りするんじゃねえよ。俺とマリアはそういう仲じゃねえ。へえ、マリアの旦那か。あれはいい女だったなぁ。アイツは元気か?」
「気安く呼ぶな。貴様の口から妻の名が漏れるだけで腹立たしい。」
マリア。壁に飾られたあの絵の女か?確かに美しい女だ。
「おいオッサン。お前こそ妻がいる癖にカースの街から飲み屋の娘をさらったんじゃねえのか?しかも水着とか集めてやがるし、変態浮気者はお前だろ?」
ハヤテが呆れたように男に言い捨てる。
「村人も湖の女も所詮は駒だ。私は悪魔との契約により願いを果たすまで力を与えられている。目的の為には些細な犠牲は仕方ない」
「人が亡くなっているのに些細だなんて…自分以外をそんなふうにしか言えないなんて、あなたは可哀想です!」
彼女がキッと男を睨みつける。
「お前のような小娘にわかるはずもないが、あの男は寿命だった。死は誰にでも同じように訪れる。私は無駄に消えてゆく命を供物として有効利用しているだけだ」
「お前の目的とは、うちの船長の命か?」
俺の質問に男は応えずに唇の端をにやりと歪めた。
「なにィ?ハッハッハッ、そりゃやれねえな」
船長が拘束されたまま、大声で笑う。
「今俺が死んだら悲しむ女が多すぎる。お前の願いとやらは残念だが訊けねえな」
「黙れ。貴様に何が出来る。貴様の仲間の骸は海軍に送りつけてやる。どれも高額の賞金首だ。DEAD OR ALIVE。生死問わず、だったな」
「船長。本当にそのマリアって女とは何にもないんっスか?相当恨まれてっけど」
「バカ言え。極上の女だったが手を出してなんかいねえよ。そりゃ俺は出したかったがな。」
ハヤテが剣を構え直す。
ハヤテが男に攻撃を仕掛けている間に、俺が船長の拘束を解く。
下がっていろと彼女に視線を送ると、こくりと頷いて少しずつ後ずさる。
俺は気付かれないように船長の座すイスへと歩を進めた。
次にハヤテが床を蹴った瞬間が――好機。
「だとよ!やっぱりオッサンの逆恨みってヤツみてえだなっ!」
ハヤテが床を蹴り、剣を男めがけて振り上げた。
俺が滑り込み、船長の手かせに近づいた瞬間――
「おまえらーっ!!このオレ様を置いていくなぁぁぁ!!怖かったんだぞーーっ!!」
ドアが勢いよく開き、駆け込んできたロイがハヤテにぶつかる。
「チッ…」
男がバランスを崩したハヤテに再び黒い影を放ち拘束する。そして俺のすぐ横に立っていた
「油断のならないネコだ」
くいっと服を掴まれ、船長の椅子から俺の身体は勢いよく投げられる。
いつもより身軽な体は、床に打ち付けられる寸前にスルリと身をかわせるが、抵抗するだけの力は持っていない。
「シンさんっ」
彼女が悲鳴に近い声をあげた瞬間、
「そこまでだ。海賊ども。大人しくしてもらおうか」
彼女の喉元に男の銃が突きつけられていた。
「女を人質になんてきたねえぞ!…っんだよ!この気持ちわり―黒いのはっ!」
ハヤテが叫ぶが、男の放った黒い影にロイと共に絡め取られ、身動きができない状態になっている。
ふと見ると男の手の甲には黒い文様が浮き出ている。
契約印、か。
ったく、シリウスに絡んでくる連中は巨大イカやらオロチ、悪魔に魔女。
どうしてこうも面倒くせーヤツが多いんだ。
一番面倒なのは、どこかのマヌケな変態船長かもしれねーが。
「相手の弱点を抑える。基本だろう」
男が突きつけた銃は、彼女の白い肌に赤くめり込む。
撃てるなら撃ってみろ、というハッタリが効く相手では無さそうだ。
コイツの瞳は闇を宿している。
流れるマドリガーレの狂った音のように、冷たく深く。復讐の色に染まりきっている。
目的のためには堕ちるところまで堕ちてやると誓った、かつての俺のように―
「貴様らのマヌケな仲間を恨むんだな」
「マヌケ?誰のことだ?」
ロイがハヤテの下敷きになった状態で首をかしげた。
ハヤテが怒鳴る。
「仲間じゃねえが、てめーのことだよロイ!邪魔しやがって。クソ、もうちょっとで俺がコイツをやっつけるとこだったのによ」
「おいおい、お前ら、俺を助けてくれるんじゃなかったのか?なんてザマだ」
船長がニヤニヤと笑った。
「イヤ、船長に言われたくないっす!」
「そうだそうだー!リュウガ、お前こそ椅子に縛り付けられてイイ格好だな!ざまあみろ、ヒーッヒッヒッ!」
「仕方ねえだろ。城についたら綺麗なネエチャンがズラリと並んでてな。酒と食事を用意してくれるっていうからウキウキと座ったら手枷足枷でこのザマだ。アイツらはイキナリ麻酔銃で撃たれちまうし。女に手荒な真似はできねえしな。縛るプレイはシンの十八番だってのになぁ」
「俺なら縛られるより先に縛ってやりますね」
「はっはっはっ!お前は女にも容赦ねえからな。だがたまには縛られてみるってのも良いかもしれねえぜ?」
「御免ですね。俺は縛られて許しを乞う女を眺めている方がいい」
「シン、マジどS。船長、女に対して幅ひろすぎ。…オレはどっちもわかんねえ」
「ハヤテは女に関してウブだからしょうがねえな」
「縛るプレイならこのロイ様も得意だぞーっ!」
「つーか、船長。そんな古典的な手にひっかかったんスか」
「あ、おい。アホ剣士!今オレの言葉を当然のようにスル―したな!」
「ハヤテ、ンなこと言うが、えれえ別嬪揃いだったんだぞ!!」
「イヤどーでもいいっすよ、そんなの」
「どうでもよくねえぞ!どーせ捕まるならムサイ野郎よりも別嬪のネエチャンのほうがいいに決まってるじゃねえか」
「ふむふむ。それは重要だな。リュウガに一票だ」
「お、ロイ。珍しく意見が合うじゃねえか」
「くだらないお喋りはそれくらいにしたらどうだ」
冷えた男の声が釘をさす。
マヌケな会話の合間に隙ができればと思ったが、男は冷淡な態度で彼女に銃を突きつけたままだった。
「これで動けるのはネコ一匹だけだ。だが、お前が動けば女を撃つ。頑丈な対海賊用の銃が、ネコの身体にどれだけ効くか見ものだな」
彼女への銃は動かさぬまま、もう片方の手で男は一丁の銃口を俺へと向けた。
躊躇なく引き金はひかれる。
静かな銃声と共に鋭い痛みが肩を貫く。
「いやぁああ!シンさぁんっ!!」
泣き叫ぶような彼女の声が響き、視界がボヤけて、俺は意識を奪われた。
俺が喋ると、その姿を見て船長が驚いた声をあげた。
「もしかしてシンか?!ずいぶん可愛い姿になっちまってるじゃねえか。で?そのカルロってのは何なんだ?」
「今流れているこの曲を作った音楽家です。船長、コイツの女にでも手を出したんじゃないですか?」
「何だと?!うーん…覚えがあるような無いような。何せ俺を愛する女は世界中の港にゴマンといるからな」
「貴様のような男にマリアを奪われたと思うと虫唾が走る」
男は醜く顔を歪めた。
やはり女絡みか。
「せ、船長!やっぱり恨まれるようなことしてるじゃないっスか!?」
「マリア…マリア、マリア…うーん…あっ、随分昔にこの近くの港町で出会った色っぽいネエチャンか!」
「下賤な言い方をするな。穢れた海賊め」
男は吐き捨てるように言った。
「ならお前こそ下賤な勘繰りするんじゃねえよ。俺とマリアはそういう仲じゃねえ。へえ、マリアの旦那か。あれはいい女だったなぁ。アイツは元気か?」
「気安く呼ぶな。貴様の口から妻の名が漏れるだけで腹立たしい。」
マリア。壁に飾られたあの絵の女か?確かに美しい女だ。
「おいオッサン。お前こそ妻がいる癖にカースの街から飲み屋の娘をさらったんじゃねえのか?しかも水着とか集めてやがるし、変態浮気者はお前だろ?」
ハヤテが呆れたように男に言い捨てる。
「村人も湖の女も所詮は駒だ。私は悪魔との契約により願いを果たすまで力を与えられている。目的の為には些細な犠牲は仕方ない」
「人が亡くなっているのに些細だなんて…自分以外をそんなふうにしか言えないなんて、あなたは可哀想です!」
彼女がキッと男を睨みつける。
「お前のような小娘にわかるはずもないが、あの男は寿命だった。死は誰にでも同じように訪れる。私は無駄に消えてゆく命を供物として有効利用しているだけだ」
「お前の目的とは、うちの船長の命か?」
俺の質問に男は応えずに唇の端をにやりと歪めた。
「なにィ?ハッハッハッ、そりゃやれねえな」
船長が拘束されたまま、大声で笑う。
「今俺が死んだら悲しむ女が多すぎる。お前の願いとやらは残念だが訊けねえな」
「黙れ。貴様に何が出来る。貴様の仲間の骸は海軍に送りつけてやる。どれも高額の賞金首だ。DEAD OR ALIVE。生死問わず、だったな」
「船長。本当にそのマリアって女とは何にもないんっスか?相当恨まれてっけど」
「バカ言え。極上の女だったが手を出してなんかいねえよ。そりゃ俺は出したかったがな。」
ハヤテが剣を構え直す。
ハヤテが男に攻撃を仕掛けている間に、俺が船長の拘束を解く。
下がっていろと彼女に視線を送ると、こくりと頷いて少しずつ後ずさる。
俺は気付かれないように船長の座すイスへと歩を進めた。
次にハヤテが床を蹴った瞬間が――好機。
「だとよ!やっぱりオッサンの逆恨みってヤツみてえだなっ!」
ハヤテが床を蹴り、剣を男めがけて振り上げた。
俺が滑り込み、船長の手かせに近づいた瞬間――
「おまえらーっ!!このオレ様を置いていくなぁぁぁ!!怖かったんだぞーーっ!!」
ドアが勢いよく開き、駆け込んできたロイがハヤテにぶつかる。
「チッ…」
男がバランスを崩したハヤテに再び黒い影を放ち拘束する。そして俺のすぐ横に立っていた
「油断のならないネコだ」
くいっと服を掴まれ、船長の椅子から俺の身体は勢いよく投げられる。
いつもより身軽な体は、床に打ち付けられる寸前にスルリと身をかわせるが、抵抗するだけの力は持っていない。
「シンさんっ」
彼女が悲鳴に近い声をあげた瞬間、
「そこまでだ。海賊ども。大人しくしてもらおうか」
彼女の喉元に男の銃が突きつけられていた。
「女を人質になんてきたねえぞ!…っんだよ!この気持ちわり―黒いのはっ!」
ハヤテが叫ぶが、男の放った黒い影にロイと共に絡め取られ、身動きができない状態になっている。
ふと見ると男の手の甲には黒い文様が浮き出ている。
契約印、か。
ったく、シリウスに絡んでくる連中は巨大イカやらオロチ、悪魔に魔女。
どうしてこうも面倒くせーヤツが多いんだ。
一番面倒なのは、どこかのマヌケな変態船長かもしれねーが。
「相手の弱点を抑える。基本だろう」
男が突きつけた銃は、彼女の白い肌に赤くめり込む。
撃てるなら撃ってみろ、というハッタリが効く相手では無さそうだ。
コイツの瞳は闇を宿している。
流れるマドリガーレの狂った音のように、冷たく深く。復讐の色に染まりきっている。
目的のためには堕ちるところまで堕ちてやると誓った、かつての俺のように―
「貴様らのマヌケな仲間を恨むんだな」
「マヌケ?誰のことだ?」
ロイがハヤテの下敷きになった状態で首をかしげた。
ハヤテが怒鳴る。
「仲間じゃねえが、てめーのことだよロイ!邪魔しやがって。クソ、もうちょっとで俺がコイツをやっつけるとこだったのによ」
「おいおい、お前ら、俺を助けてくれるんじゃなかったのか?なんてザマだ」
船長がニヤニヤと笑った。
「イヤ、船長に言われたくないっす!」
「そうだそうだー!リュウガ、お前こそ椅子に縛り付けられてイイ格好だな!ざまあみろ、ヒーッヒッヒッ!」
「仕方ねえだろ。城についたら綺麗なネエチャンがズラリと並んでてな。酒と食事を用意してくれるっていうからウキウキと座ったら手枷足枷でこのザマだ。アイツらはイキナリ麻酔銃で撃たれちまうし。女に手荒な真似はできねえしな。縛るプレイはシンの十八番だってのになぁ」
「俺なら縛られるより先に縛ってやりますね」
「はっはっはっ!お前は女にも容赦ねえからな。だがたまには縛られてみるってのも良いかもしれねえぜ?」
「御免ですね。俺は縛られて許しを乞う女を眺めている方がいい」
「シン、マジどS。船長、女に対して幅ひろすぎ。…オレはどっちもわかんねえ」
「ハヤテは女に関してウブだからしょうがねえな」
「縛るプレイならこのロイ様も得意だぞーっ!」
「つーか、船長。そんな古典的な手にひっかかったんスか」
「あ、おい。アホ剣士!今オレの言葉を当然のようにスル―したな!」
「ハヤテ、ンなこと言うが、えれえ別嬪揃いだったんだぞ!!」
「イヤどーでもいいっすよ、そんなの」
「どうでもよくねえぞ!どーせ捕まるならムサイ野郎よりも別嬪のネエチャンのほうがいいに決まってるじゃねえか」
「ふむふむ。それは重要だな。リュウガに一票だ」
「お、ロイ。珍しく意見が合うじゃねえか」
「くだらないお喋りはそれくらいにしたらどうだ」
冷えた男の声が釘をさす。
マヌケな会話の合間に隙ができればと思ったが、男は冷淡な態度で彼女に銃を突きつけたままだった。
「これで動けるのはネコ一匹だけだ。だが、お前が動けば女を撃つ。頑丈な対海賊用の銃が、ネコの身体にどれだけ効くか見ものだな」
彼女への銃は動かさぬまま、もう片方の手で男は一丁の銃口を俺へと向けた。
躊躇なく引き金はひかれる。
静かな銃声と共に鋭い痛みが肩を貫く。
「いやぁああ!シンさぁんっ!!」
泣き叫ぶような彼女の声が響き、視界がボヤけて、俺は意識を奪われた。